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3. コンテンツ・コミュニティの今後を語る!登壇者紹介③:SHOWROOM前田さん

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「コンテンツ・コミュニティのグロース戦略を徹底議論」11回シリーズでは、コンテンツビジネスにおけるコミュニティ活用について、その現状と課題を議論します。(その3)は、ライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM」を手掛ける前田裕二さんの自己紹介です。前田さんが五反田にオープンした住所非公開の“秘密のスナック”とは? ぜひご覧ください!

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターン)の募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2020は、2020年2月17日〜20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019のダイヤモンド・スポンサーのMotivation Cloud(Link and Motivation Inc.)様にサポートいただきました。

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【登壇者情報】
2019年2月19〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 10E
コンテンツ・コミュニティのグロース戦略を徹底議論
Supported by Motivation Cloud(Link and Motivation Inc.)

(スピーカー)
青木 耕平
株式会社クラシコム
代表取締役

緒方 憲太郎
株式会社Voicy
代表取締役CEO

武田 和也
Retty株式会社
代表取締役

前田 裕二
SHOWROOM株式会社
代表取締役社長

(モデレーター)

占部 伸一郎
コーポレイトディレクション
パートナー

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最初の記事
1. コンテンツ・コミュニティの今後を語る!登壇者紹介①:クラシコム青木さん/Voicy緒方さん

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2. コンテンツ・コミュニティの今後を語る!登壇者紹介②:Retty武田さん

本編

占部 では、最後に前田さん、自己紹介をお願いします。

『メモの魔力』が大ヒット。スナックも手掛けるSHOWROOM前田さん

前田 裕二さん(以下、前田) こんにちは、SHOWROOMの前田と申します。


前田 裕二​
​SHOWROOM株式会社​
代表取締役​社長

1987年東京都生まれ。2010年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、UBS証券株式会社に入社。2011年、UBS Securities LLCに移りニューヨーク勤務を経た後、2013年に株式会社ディー・エヌ・エー入社。“夢を叶える”ライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM(ショールーム)」を立ち上げる。2015年に当該事業をスピンオフ、SHOWROOM株式会社を設立。ソニー・ミュージックエンタテインメントからの出資を受け、合弁会社化。現在は、SHOWROOM株式会社・代表取締役社長として、SHOWROOM事業を率いる。2017年6月には初の著書「人生の勝算」を出版、Amazonベストセラー1位を獲得。

大きく3点ほど、今コミュニティ関連で何をやっているかについてお伝えしたいと思います。

一つは、「SHOWROOM」というライブ配信プラットフォームです。

もう一つは最近、NewsPicks Booksから『メモの魔力』という書籍を出版し、2日で17万部、1ヵ月で22万部販売しました。

『メモの魔力』(前田裕二/著)、幻冬舎

▶編集注:『メモの魔力』は、出版取次大手の日本出版販売が2019年11月に発表した「2019年 年間ベストセラー」において、『FACTFULNESS』を押さえてビジネス書部門の堂々1位に輝きました。

この本には僕自身はプロモーション費用をかけておらず、コミュニティの力だけで売り数を伸ばしています。

SHOWROOMに関しても同様で、いわゆるプロモーションにお金をかけることなく400万ダウンロードまで来たのですが、ここまでもって来られたのはやはりコミュニティの力のおかげです。

実際にコミュニティの熱量が僕らのサービスでマネタイズに転換される訳ですが、最も売上のある人で月間売上が1,500万円を超えるような人もいます。

また最近はキングコングの西野亮廣君と一緒にスナックをやっていて、現在約40店舗と結構広がってきています。

スナック『キャンディ』完成!(西野亮廣ブログ)

占部 スナックの店名は全部違うのですか?

前田 スナック「キャンディ」という世界観で統一してやっています。

ここ福岡も含めてほぼ全ての地方都市にあるのでぜひいってみてください。

スナックは“100人の濃いファン”から成るコミュニティ

前田 スナックで試したかったことは、本セッションのテーマにも紐づくことかなと思っています。

最近よく言うのですが、1人に100万人紐付いている薄いコミュニティよりも、1人に100人の濃いファンがついているコミュニティを1万回積み重ねた方が、ビジネスとして筋が良いのではないか、という仮説があります。

昔は、例えば矢沢永吉さんや美空ひばりさんのような方がまさにスターとしてのブランドを確立し、全国に100万人以上のファンを提げて、東京ドーム公演を数回開催して、というようなことがなされてきました。

それがスターやコミュニティのこれまでのイメージだったと思いますが、今やその像が少しずつ変わってきています。

僕自身スナックによく行くのですが、スナックというのは常連さんが最大でも100人くらいです。

なぜならスナックはママとお客さん、あるいはお客さんどうしのインタラクションによってその熱量が保たれていて、そうしたコミュニケーションで保てる規模には限界があるからです。

ですから1軒のスナックがマスに広がることは絶対にありませんが、ものすごく深いファンを100人抱えるくらいまでは、ママのコミュニケーションの力量によっては可能です。

僕は最近、そうしたコミュニティを1,000個、1万個と重ねていくのがビジネス観点では一番強いのではないかと思っていて、ゆくゆくはスナックを1,000軒くらい作れたら面白いな、と思っています。

スナックを1,000軒つくって何をするのかというと、1,000スナックあれば1スナックあたり100個のモノが動くので、例えば本を置いたら絶対に10万部売ることができます。

平積みしただけで10万部売れるような本屋チェーンはないので、これはすごく面白い社会実験だと思ってやっています。

住所非公開の五反田のスナック。そこに隠された「体験」とは?

前田 またオンラインサロン的な話で言うと、西野さんと一緒にスナック「キャンディ」のオンラインサロンもやっていて、その旗艦店というかヘッドクォーターのような場所が五反田にあります。

スナック『キャンディ』ファンクラブ(CAMPFIRE)

五反田の飲み屋街という、少し人間の「業」を感じる場所で、キャッチなどに遭いながらそれをすり抜けて行った先に出会えるスナックです(笑)。

人数に変動もありますが、月に500円支払ってくださる会員が1,000人いて、50万円の売上があります。

その五反田のスナックの家賃が20万円くらいなので、変な話ですが、営業しなくても利益が出ることになります。

飲食店経営の一番のリスクは皆さんご存知の通り固定費ですから、その固定費が営業しなくてもペイできている状況をつくって、そこからファンと面白いことをやっていこうとしています。

実はその1,000人にすら住所を教えていなくて、自分で探してもらいます。

占部 知り合いのツテでしかたどり着けないということですか?

前田 はい。ドラクエなどをやっていると、夜にしか開かない秘密の武器屋さんとかあるじゃないですか。

ああいう感じを出したくて(笑)。つまり、見つけた時のテンションを最大に高めるということが一つ。

それと、良いコミュニティの定義の一つとして「新しい関係性や絆が生まれる場所」というのがあると思っていて、それを意識しています。

それは、新規のお客さんと既存のお客さんの会話が設計されているということなのですが、この五反田のスナックではガチャっとドアを開けた瞬間に、「優勝!」「勝ったね!」「最高!」と言われるんです。「さあ入って。あなたはどうやって見つけたの?」と。

占部 なるほど。そこに足を運んだ瞬間に、感情が湧き上がるように設計されているのですね。

前田 まさに。スナックのドアを開けた瞬間に「君は優勝!」と言われるなんて、結構すごい体験だと思います。

そういう色々な社会実験のためにキンコン西野さんと一緒にスナックをやっています。

SHOWROOMというウェブサービス、本というアナログコンテンツと、そしてスナックというリアル店舗。

この3つの全てにおいてグロースのエッセンス、ドライバーになっているのは「コミュニティ」です。

ここで「コミュニティとは何か?」を定義したいと思います。

(続)

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続きは 4. コミュニティとは「共感を燃料として、自発的な支えが生じる小規模な集団」である(SHOWROOM前田さん) をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/尾形 佳靖/戸田 秀成/Froese 祥子

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