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4. コミュニティとは「共感を燃料として、自発的な支えが生じる小規模な集団」である(SHOWROOM前田さん)

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「コンテンツ・コミュニティのグロース戦略を徹底議論」11回シリーズ(その4)は、SHOWROOM前田裕二さんによる「コミュニティの定義」の解説です。コミュニティ形成の燃料となる「共感」とは? コミュニティが「小規模」であることが必要な理由とは? ぜひご覧ください!

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2020は、2020年2月17日〜20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019のダイヤモンド・スポンサーのMotivation Cloud(Link and Motivation Inc.)様にサポートいただきました。

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【登壇者情報】
2019年2月19〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 10E
コンテンツ・コミュニティのグロース戦略を徹底議論
Supported by Motivation Cloud(Link and Motivation Inc.)

(スピーカー)
青木 耕平
株式会社クラシコム
代表取締役

緒方 憲太郎
株式会社Voicy
代表取締役CEO

武田 和也
Retty株式会社
代表取締役

前田 裕二
SHOWROOM株式会社
代表取締役社長

(モデレーター)

占部 伸一郎
コーポレイトディレクション
パートナー

「コンテンツ・コミュニティのグロース戦略を徹底議論」の配信済み記事の配信済み記事一覧


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最初の記事
1. コンテンツ・コミュニティの今後を語る!登壇者紹介①:クラシコム青木さん/Voicy緒方さん

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3. コンテンツ・コミュニティの今後を語る!登壇者紹介③:SHOWROOM前田さん

本編

前田 SHOWROOMというウェブサービス、本というアナログコンテンツと、そしてスナックというリアル店舗。

この3つの全てにおいてグロースのエッセンス、ドライバーになっているのは「コミュニティ」です。

ここで「コミュニティとは何か?」を定義したいと思います。

占部 皆さん、基調講演が始まりますよ。

コミュニティとは「共感を燃料として、自発的な支えが生じる小規模な集団」である

SHOWROOM株式会社 代表取締役社長 前田 裕二さん

前田 以前に対談させていただいたこともあるコルクの佐渡島庸平さんも、「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.」というコミュニティの本を出されていますが、彼もこのようなコミュニティを議論する場に頻繁に呼ばれますよね。

『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.』(佐渡島庸平/著)、幻冬舎

佐渡島さんのお話を聞いていつも思うのは「コミュニティの定義は、皆、違うな」ということです。

ですから、この視座を合わせておかないと得るものが少ないセッションになってしまうと思ったので、「僕にとってコミュニティとはこれだ!」という前提で話します。

ちょっと小難しい言い方ではありますが、一旦、コミュニティを「共感を燃料として、自発的な支えが生じる小規模な集団」と定義してみました。

緒方 小規模でないとダメなのですか?

前田 小規模であることはとても重要です。

5万人のライブを観に来ているファンのことを指して、「◯◯のファンコミュニティ」と呼ぶのですが、僕の定義ではそれはコミュニティではありません。

もちろん広義にはコミュニティですが、なぜコミュニティではないかと言うと、そこにインタラクションがないからです。

別の言い方をすれば「ファンベース」の存在がないということになります。

『ファンベース 支持され、愛され、長く売れ続けるために』(佐藤尚之/著)、筑摩書房

「共感」をもっと分かりやすい言葉で言うと、「好き」ですね。

コミュニティは、この「好き」の感情の共通点というか、心の感情の高まりを燃料にしています。

先ほどのVoicyさんのお話は本当に分かりやすく、「もうお金なんて払わなくてもいいよ」、「ユーザーさんは存在しているだけで尊いのだ」というメッセージを発信すると、「いやいや、お金を払わせてくれ」となる状態がまさに、そのようなコミュニティの構成員として定義される状態なのです。

「組織」と「コミュニティ」は何が違うのか?

前田 「自発的な」「小規模」など色々とポイントがありますが、皆がコミュニティだとつい勘違いしてしまうものと比較すると分かりやすいのではないかと思って、このような資料をつくりました。

「組織」と「コミュニティ」が混同されているケースも結構多いのではないかと思っています。

例えば会社などの組織を「アソシエーション」と言ったりしますが、アソシエーションとコミュニティは全く違います。

僕は、このスライドの各行の前者がアソシエーション的(組織的)なもの、後者がコミュニティ的なものだと思っています。

これを全て語るとすごく時間がかかってしまうので大事なポイントだけお話しすると、この中でも特に面白いのは「雇用かボランティアか」という点です。

こちら側がお金を払って雇っている人というのは、組織的な論理で動いています。

一方で、箕輪厚介さん(幻冬舎編集者)が最近よくおっしゃっているのは「オンラインサロンのメンバーって、すごくよく働くんだよね」ということです。

箕輪編集室(CAMPFIRE)

不思議なもので、コミュニティのメンバーが、ボランティアどころかお金を払ってまで労働を提供しているという、よく分からない状況なのです。

コミュニティに集うのに「好き」以外の理由はいらない

前田 「人為的か自然発生的か」というのも今日のテーマとしてすごく大事です。

昨今コミュニティを意識的につくろうとする人がすごく多いのかなと思いますが、実際には結構難しいことです。

コミュニティをつくろうと思えば思うほど、ファンはどんどん“ツレなく”なります。

運営側が「公式コミュニティ」なんて言ってしまうと自由性が損なわれてしまい、そこにコミュニティ感は無くなってしまいます。

その下の「目的か共感か」と「KPIか夢か」は似ているのですが、持論としては、コミュニティにKPIを据えてはダメだと思っています。

KPIやコミュニティの目的を「これだ」と定めてしまうと、興ざめしてしまいます。

先ほども言ったように、コミュニティは「好き」で集まっている集団です。

例えば、「嵐が好きで集まっている」とか「メモが好きで集まっている」とか「Voicyが好きで集まっている」とか、そういう「好き」という気持ちが燃料になっていることがすごく大事です。

占部さんのように、「このお店がすごく好き」と投稿しているうちに、だんだんと「Rettyが好き」になっていって、自分の投稿によってRettyが盛り上がっていくことが楽しくなっていく、そういう感覚がものすごく大事だと思っています。

「一方通行か双方向か」もすごく大事で、スナックの例にもあったように、基本的に双方向のコミュニケーションが担保された状態がすごくコミュニティ的だなと思っています。

本当は具体例を交えてもっとたくさんお話したいのですが、時間が限られていますので急ぎますね。

次は、イベントとコミュニティの違いです。

(続)

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続きは 5. 人事担当者「採用イベントでコミュニティをつくろう」←それって本当に“コミュニティ”ですか? をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/尾形 佳靖/戸田 秀成/Froese 祥子

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