『メモの魔力』ベストセラー化の起爆剤? 前田裕二さんがファンコミュニティに投じた"ある仕掛け"とは | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

6.『メモの魔力』ベストセラー化の起爆剤? 前田裕二さんがファンコミュニティに投じた“ある仕掛け”とは

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「コンテンツ・コミュニティのグロース戦略を徹底議論」11回シリーズ(その6)の話題は、2019年のビジネス書年間ベストセラーに輝いた、前田裕二さんの『メモの魔力』について。同書をより多くの読者に届けるために、前田さんはファンコミュニティに“あること”を呼びかけました。その呼びかけとは? ぜひご覧ください!

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターン)の募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2020は、2020年2月17日〜20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019のダイヤモンド・スポンサーのMotivation Cloud(Link and Motivation Inc.)様にサポートいただきました。

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【登壇者情報】
2019年2月19〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 10E
コンテンツ・コミュニティのグロース戦略を徹底議論
Supported by Motivation Cloud(Link and Motivation Inc.)

(スピーカー)
青木 耕平
株式会社クラシコム
代表取締役

緒方 憲太郎
株式会社Voicy
代表取締役CEO

武田 和也
Retty株式会社
代表取締役

前田 裕二
SHOWROOM株式会社
代表取締役社長

(モデレーター)

占部 伸一郎
コーポレイトディレクション
パートナー

「コンテンツ・コミュニティのグロース戦略を徹底議論」の配信済み記事の配信済み記事一覧


連載を最初から読みたい方はこちら

最初の記事
1. コンテンツ・コミュニティの今後を語る!登壇者紹介①:クラシコム青木さん/Voicy緒方さん

1つ前の記事
5. 人事担当者「採用イベントでコミュニティをつくろう」←それって本当に“コミュニティ”ですか?

本編

前田 「良いコミュニティは、自然に生える草花のようなコミュニティ」と、何だか詩人のようなこと書いていますが、造花ではなくて有機的な花のようなコミュニティがすごくいいなと思っています。

先ほど「(コミュニティを)つくろうとしてはダメだ」という話をしたと思います。

「コミュニティをやっているのですが、全く盛り上がりません」というコミュニティを診察してみると、自分たちではコミュニティと言ってはいるものの、何とも造花のようで、コミュニティ要件を満たしていないものが多かったりします。

問題は「コミュニティをつくろうとしてコミュニティをつくっている」ことなのです。

良いコミュニティは、自然に生える草花のようなもの

SHOWROOM株式会社 代表取締役社長 前田 裕二さん

前田 花もそうだと思うのです。花をつくろうと思って花をつくると造花になってしまいます。

本当にいい花をつくろうと思ったらやることは2つです。

「種を蒔くこと」と「水を撒くこと」です。

“前”と“後”をきちんとやるかどうかが、コミュニティづくりの一番大切なポイントだと思っています。

先ほども申し上げたように、コミュニティとは誰かの命令でつくられるものではなく、自発的に勝手に生まれてくるものです。

例えば僕の本『メモの魔力』で言うと、僕はこの本を100万部売りたいとずっと騒いでいます。

『メモの魔力』(前田裕二/著)、幻冬舎

そうすると例えば、全国のメモ魔ファンや、本屋の書店員さんの間でコミュニティが生まれて、「前田さんの本を100万部売るためにどうしたらいいか」とか「Voicyの中で100万部売るために要素分解してみよう」といった話が勝手に出てきて、アイディアが生まれたりします。

「書店さん、お願いします」「緒方さん、お願いします」とお願いしている訳ではないのに、です。

双方向で本をつくることを試みた『メモの魔力』

前田 この本の売上に大きく貢献したマーケティングの方法がありました。

ビジネス書は通常、一方通行でしかつくれません。

先ほど申し上げたように、お客さんが「自分は運営側なのだ。一緒に本をつくっているのだ」という感覚でつくられたビジネス書はあまりありません。

そこで、双方向でつくる本というのをやってみたいと思い『メモの魔力』で取り組んだことの一つが、自分の人生で一番大事だと思っている価値観や軸をネット上に書いてくれたら、全員分載せますよということです。

そうするとお客さんとつくった項目が1章分くらい出来上がって、正確な数字が今パっと出ないのですが、2、3万人くらいが来てくれました。

その方々はほぼ確実に本を買ってくれて、しかも周りの10人程度に広めてくれるということが起きたのです。

結果として1,000人や2,000人分くらいの「人生の軸」がその本に載ることになったのですが、重版する度に、読者が彼らに「あなたの人生の軸が載っているので、本を買ったほうがいいですよ」と連絡して勝手に宣伝してくれている状況が生まれました。

なぜそれができているのかというと、「夢を掲げている」というのがポイントで、「100万部をどうにかして絶対に達成したいんだよ」とコミュニティの中心人物である僕が言っているからです。

これを「ドミノの1個目」と言う人もいますが、コミュニティづくりではこのような最初のきっかけとなるような「種」を散りばめることが、自発性を育む上で大事なポイントだと思っています。

それが1つ目です。

ファンベースを起点に、熱量がビジネスに転換される

前田 2つ目に、花が咲いたらそれがより大きな花になるように、水をやったり、栄養を与えたり、日差しに気をつけたりといった「成長促進」の工夫をしていきます。

例えば一番大きなところで言うと、縦のインタラクションを担保したり、横のお客さんの繋がりができるような企画を投げ込んだりといったことです。

世の中のコミュニティと言われるものを見つめてみると、一見「コミュニティ」と銘打ってはいるものの、近くで見ると有機的に機能していないものがほとんどです。

有機的に機能するとはどういうことかというと、最初に戻りますが「ファンベースが存在していること」です。

コミュニティとコンテンツやアプリやサービスとをかけ合わせると、コミュニティの熱量が後者に転換されて、それが売上やファンの数、ユーザーの数や、僕らが組織側・アソシエーション側で追い求めているKPIに転換されるということが起きます。

だからこそ、ビジネスではコミュニティを持っていたほうが絶対に有利だ、という議論がなされるのではないかと思っています。

すみません、長くなってしまいました。ありがとうございました。

ファン化が深まるベクトルと、横につながるベクトル

コーポレイトディレクション パートナー 占部 伸一郎さん

占部 コミュニティをすごく厳格に定義しようとすると、一番コアのところは前田さんが仰ったような要素に分解されるような感じがします。

一方で世の中におけるコミュニティづくりを見てみると、自社の製品なりサービスにファンがいて、ファンイベントなどをやって“コミュニティ的なもの”をつくりたいなという、言い方は悪いですが商業的なマーケティング手段の側面もありますよね。

もう一つ、やはり面白いなと思うのは、ファンになっていくと「何か一言言いたい」とか「支援したい」となって最後は自分で働くようになるということです。

ここで、前田さんが仰ったように「◯◯のファンです」というように1:Nで繋がっているのはコミュニティではないというのは、確かにその通りだと思います。

一方、横で繋がることが大事だする前田さんの定義に依ると、そこに集まることができるのは(スライドの下方の)濃い人のみになります。しかしながら、もう少し薄い人も含めてコミュニティだよねという考えもあるかと思います。

例えば西野さんのオンラインサロンにしても相当人数が増えていますが、あれは濃い人のコミュニティであり、そうではない無課金の人はコミュニティ外の人間かというと、そこも定義づけが難しいように思います。

西野亮廣エンタメ研究所(Salon.JP)

前田 難しいですね。ただ彼が本を出すとかマンガを出すとなった時にそれを買ってくれたり広めてくれたりするという意味では、商業的な価値に繋がりやすいコミュニティこそ、先ほどの「狭義の」コミュニティだと思います。

まずは絶対買ってくれて、買うだけでは気持ちがおさまらなくて、友達にすすめたり、自分で複数冊の本を買って周りに広めたりする人たちですね。

占部 そうですね。(スライドの)一番右にも書いていますが、そもそも、みんな何かが好きで集まっているのですよね。

そのうち、それ自体にはあまり意味が無くなってきて、段々と集まることや“横のつながり”自体が意味を持つようになってくる場合もあるような気がしてきました。

前田さんのお話も踏まえて、この辺のコミュニティの考え方について緒方さんはいかがでしょうか?

(続)

次の記事を読みたい方はこちら

続きは 7. 2割のアンチ・ユーザーより、6割の“中間層”に時間を割くべき理由(Voicy緒方さん) をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/尾形 佳靖/戸田 秀成/Froese 祥子

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