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「コンテンツ・コミュニティのグロース戦略を徹底議論」11回シリーズ(その7)は、ユーザーやファンコミュニティへの“give”がテーマです。Voicyの緒方さんが考える、ノイジーマイノリティーやアンチユーザーとの付き合い方とは? ぜひご覧ください!
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2020は、2020年2月17日〜20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019のダイヤモンド・スポンサーのMotivation Cloud(Link and Motivation Inc.)様にサポートいただきました。
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【登壇者情報】
2019年2月19〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 10E
コンテンツ・コミュニティのグロース戦略を徹底議論
Supported by Motivation Cloud(Link and Motivation Inc.)
(スピーカー)
青木 耕平
株式会社クラシコム
代表取締役
緒方 憲太郎
株式会社Voicy
代表取締役CEO
武田 和也
Retty株式会社
代表取締役
前田 裕二
SHOWROOM株式会社
代表取締役社長
(モデレーター)
占部 伸一郎
コーポレイトディレクション
パートナー
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最初の記事
1. コンテンツ・コミュニティの今後を語る!登壇者紹介①:クラシコム青木さん/Voicy緒方さん
1つ前の記事
6.『メモの魔力』ベストセラー化の起爆剤? 前田裕二さんがファンコミュニティに投じた“ある仕掛け”とは
本編
占部 ここまでの前田さんのお話も踏まえて、この辺のコミュニティの考え方について緒方さんはいかがでしょうか?
緒方 本セッションのタイトルに「コンテンツ・コミュニティのグロース戦略」とありますが、昔はコンテンツを盛り上げていく時に、できるだけプロモーションをかけてブランディングをしながらその面白さを説明していく、というのが王道であったかと思います。
ですが、そのパターンがほとんど出きってしまった今、あるいはちょっとしたパワープレイみたいなことをすれば皆がプロダクトを買ってしまったりする中で、結局コンテンツの善し悪しにかかわらずマーケティングで何とかなってきた部分もあります。
そしてマーケティングの手段が飽和し、いよいよ次にどういう手法でやれば人を惹きつけられるだろうかという時に「巻き込み型のほうが効果があるのではないだろうか」という考え方が出てきたのは自然な流れだと思っています。
コミュニティに何を求めるかはビジネスモデルに依存する
緒方 そこで僕が思うのは、コミュニティを大きくするだけならお客さんを増やせばよいのですが、きちんと考えなければならないのは、むしろそのお客さんを増やすために「どのようにコミュニティを使えるのか」だということです。
前田さんは消費者により買っていただけるとか、アップスケールできるとか、最終的にお金を払う人をコミュニティとして捉えておられますが、僕たちはコンテンツを提供する人や、より熱い思いでサービスをよくしていってくれる人を、コミュニティとして捉えています。
ですからVoicyでは商品開発やマーケティングにおけるPDCAをコミュニティがやるという意識です。そこの辺りが違うなと感じました。
冒頭でもご紹介したとおり、Voicyでは社員の25%をファンコミュニティから採用していて、他の社員もVoicyのヘビーユーザーだったりします。
結局のところサービスを良くしたい人が入って来ているだけで、「コミュニティで稼ごう」なんて誰も思っていません。
ですから、僕らとしても1人1万円支払って入ってくれている人たちに対しては、4ヶ月の活動の最後の卒業式でそれを全額使ってあげています。
僕は、自分たちが出せるバリューをどこに預けたら最大化できるかを常々考えているのですが、キャッシュにして銀行に預けるというのが最も運用効率が悪いと考えていて、それよりもサービスを良くしたいと思ってくれている誰かに預けることのほうが運用効率が高いと思っています。
自分たちのサービスのバリューをどの部分に置くかを意識して考えていて、そこからのアウトプットでさらに事業を加速させているというイメージがあります。
前田 よく分かります。僕らは直接課金がマネタイズのモデルなので、すごくそう見えてしまうと思うのですが、本当におっしゃる通りです。
(写真右)SHOWROOM株式会社 代表取締役社長 前田 裕二さん
エンゲージメントやロイヤリティみたいなものが最大限に高まった状態をどう刈り取るかという話だと思っていて、お金を払ってもらう以外の刈り取り方として、Voicyさんでは「社員になる」という刈り取りをされているのだと思います。
緒方 そうですね。
前田 そして、自分のコミュニティや会社をより大きくすることに貢献してもらうということですよね。
あるサービスではお金を払ってもらわないし、しかも社員にもしないし、ただそのロイヤリティにリーチしたいというお客さんにお金を払ってもらってB(法人)向けにマネタイズすることがあるかもしれないということですね。
必ずしも、本が売れる・ギフトが飛ぶ・モノが売れるだけではないなと僕もすごく思います。
緒方 ある意味、ユーザーの行動のパターンが多様化したのだと思うのです。
サービスを買って使うだけではなく、運営に入っていく、お金を払う、ヘビーユースして広告の対象になるなど色々な行動パターンが出てきています。
そのバラエティ(多様性)が今どのようにユーザーの全体像にマッピングされているのかを意識して、それぞれのユーザーにとってベストなものを提供していかないといけません。
ターゲット層をもう少しカラフルに分けてみて、その人たちの喜びが何なのというところにもう一度立ち返って考えてみると、同じプロダクトやサービスでも使い方が違うよねということに気づかされます。
そのユースケースまで見ていかないと、最近は事業のグロースが結構大変になってきたのだろうなと思います。
2割のアンチより、6割の“中間層”に時間を割くべき理由
緒方 もう一つだけ付け加えると、最近は「アンチ」がすごく増えたと思っています。
一般レイヤーのユーザーの中にも文句を言う人や何だかんだツイッターで呟く人がいて、そういう人たちに対応していたら非常にコストがかかります。
それに消耗するくらいだったら、熱量のすごく濃い人に時間を使ったほうがよいと思っています。
濃度の濃い人たちがいる意味はそこにあって、いわゆるノイジーマイノリティを重視しないようにするには、そういったグラデーションをつくっていかなければならないのかな、と最近思っています。
例えば10人の中にファンとアンチが2人ずついるとしたら、全体を決めるのは真ん中の6人だと思っています。
真ん中の6人が何となく、「これいいよね」と言っていると、ネガティブの2人はもう何も言えないんですよね。
この真ん中の6人の方向性に寄り添うことができれば、全体的な方向性は決まっていくのかなと思っています。
前田 批判的な声を浴びせてくるガヤみたいな人たちは、無視するのですか?
緒方 Voicyが叩かれることはほとんどありません。
前田 素晴らしいですね。
コミュニティは、リーダーの“give”が色濃く反映される
前田 コミュニティは、そのコミュニティのリーダーに似るんです。
緒方さんって社員に対してネガティブな感情を持っていないじゃないですか。皆を“超”愛していますよね。
緒方 まあ、変な人ばかりですけれどもね。
前田 堀江貴文さんのコミュニティなんて本当に面白くて、堀江さんってよく炎上するじゃないですか。
ファンから「写真撮って」と言われるだけで「はぁ?何の権利があって俺の1分を奪えるの?頭おかしいんじゃないの?」みたいに言うじゃないですか。
その感じがそのまま、ファンにも根付いているんですよね(笑)。
それはそれで、愛すべき状況ですが。
緒方 なるほどね。うつっているのですね。
前田 コミュニティは、リーダーがコミュニティに与えたものと同じものが返ってくるものなのだなと思っています。
緒方さんの場合は、ご自身がgiveしているものが超温かいから、自然とそういうコミュニティになっているのでしょうね。
緒方 そうですね。100人くらいいても、皆がいかにgiveするかだけを話しているところもあります。
前田 本当に素晴らしいと思います。
(続)
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続きは 8. コミュニティをつくって「コンテンツをつくったつもり」になるべからず をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/尾形 佳靖/戸田 秀成/Froese 祥子
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