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1. 脱炭素化ビジネスを議論する初企画セッション

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ICC FUKUOKA 2023で初登場したセッション「脱炭素社会への変革の取り組み」、全6回の①は、モデレーターの京都大学大学院 森 暁彦さんによる、トピックの紹介。この議論のベースとなる、温室効果ガスや気候変動について、議論のベースとなる基本情報をインプットいただきます。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜 9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは エッグフォワード です。


【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 9F
脱炭素社会への変革の取り組み
Supported by エッグフォワード

(スピーカー)

城口 洋平
ENECHANGE株式会社
代表取締役CEO

中島 宏
GO株式会社(登壇当時は株式会社Mobility Technologies)
代表取締役社長

永田 暁彦
株式会社ユーグレナ
取締役代表執行役員CEO

(モデレーター)

森 暁彦
京都大学大学院

「脱炭素社会への変革の取り組み」の配信済み記事一覧


ICCサミット初、気候変動・脱炭素化のビジネスを議論するセッション

森 暁彦さん(以下、森) 「脱炭素社会への変革の取り組み」というセッションにお集まりいただき、ありがとうございます。


森 暁彦
京都大学大学院 在籍

公認会計士を経てゴールドマン・サックスに入社。その後、スタートアップの経営職に転身し、これまでレノバにてCFO、ENECHANGEにて独立社外取締役(現職)を歴任。2022年4月より、大手テクノロジー企業にてファイナンス本部担当執行役員(現職)。京都大学経営管理大学院博士後期課程に在籍。

人数は、思ったよりも多いなと驚いています(笑)。

(一同笑)

今回、メインの会場から少し離れた3階の会議室までお越しいただき、ありがとうございます。

聞きに来ていただいた方が、「めっちゃラッキーだったな」と思えるようなセッションにしたいと思っています。

脱炭素化や気候変動への対応は、人類や地球にとってとても大事な取り組みです。

しかも今日集まっていただいた登壇者の方々は、上場、未上場の両方の会社からですが(※) 、皆さんガチの経営者であり、時価総額1,000億円を超えたことのあるスタートアップのトップです。

▶編集注:ENECHANGE株式会社、株式会社ユーグレナは上場企業、株式会社Mobility Technologiesは非上場企業。

そして、脱炭素化をビジネスの一環で行っている3人が集まっての議論なので、すごく良い話が聞けるのではないかなと思っています。

実は、ICCサミットで気候変動や脱炭素化について議論をするのは、初めてです。

これだけグローバルで大きな潮流になっているのに、これまでなかなか取り上げられてきませんでした。

ですから最初に私から、全体についてお話しさせていただこうと思っています。

温室効果ガスの内訳と気候変動のナラティブ

森 まず、温室効果ガスのセクター別の発生についてです。

おそらく、温室効果ガスについては、小学校や中学校で聞いたことがあるのではと思います。

大部分がCO2ですが、CO2の他、メタンなどから構成されています。

産業革命以降、特にCO2の排出量がずっと増えており、累積したCO2、温室効果ガスが地球環境に大きな影響を与えており、地球温暖化の要因になっていることは、科学的にも証明されています。

世界では、年間59Gt(ギガトン)の温室効果ガスが排出されており、全体の4割以上がエネルギーから24Gt、続いて産業界から12Gt、その他にも農業の世界、交通、自然から排出されています。

その上で、気候変動に関するナラティブ、つまり世界で気候変動がどういう文脈で語られているかをご紹介します。

国連のIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)は、すごく権威のある、気候変動を科学的に検証する機関です。

IPCCは、このままだと2100年には、世界の平均気温が、平均で3℃上がると警告しています。

このままなら地球の気温はセ氏3度余り上昇する(東洋経済オンライン)

気温が3℃上がると自然災害が多発し、人間が住める場所や耕作可能地域がどんどん減って、食料問題や紛争が起こってしまう、つまり、人間世界の持続可能性が危機に陥ってしまいます。

そこで、2015年に180カ国が合意したのがパリ協定であり、パリ協定では、今後の世界の気温の上昇幅を1.5℃にまで食い止めようと決めました。

パリ協定とは? 決定した内容を、要点を絞ってわかりやすく解説(SDGs ACTION!)

1.5℃の上昇にとどめるには、2050年には脱炭素化、つまり温室効果ガスの排出をネットゼロ(※「ネット」は「正味」の意)にしなければいけないという命題が導き出されています。

温室効果ガスの排出を正味ゼロにするという脱炭素化のための道筋のイメージがこちらです。

Speed & Scale』という本からの抜粋ですが、一番大きいのが左から3つ目、電力の脱炭素化で21Gtです。

そして、交通の電化、食料の見直し、産業をクリーンにするなど色々なものが組み合わされます。

見ていただくと分かるように、私たちの生活にすごく関わりがあります。

たった一つのソリューションがあるわけではなく、色々なものを組み合わせねばならず、産業界だけではなく私たちの日々の行動も変える必要があります。

また、技術開発や革新によって、テクノロジーで解決すべきこともあります。

これらを全て組み合わせ、何としてでも達成しようということになっています。

30年で技術革新を起こした洋上風力発電

森 私は以前、再生可能エネルギーを扱う事業会社(※レノバ)で働いていましたので、テクノロジー進化の簡単な例をご紹介します。

30年の間に、再生可能エネルギーである洋上風力発電の世界では技術革新が起きました。

風車の性能が上がり、図の一番左の小さな風車だったものが、六本木ヒルズよりも大きな巨大風車になっています。

発電量は風車1本あたり、30年弱で20倍以上になっており、これに伴いコストもめちゃくちゃ下がりました。

コストが下がると、当然、社会で受け入れられるようになるので、CO2を排出しない再生可能エネルギーの導入が可能になります。

日本ではまだ足りませんが、特に欧州ではかなり導入が進んでいます。

以上が導入部です。

(続)

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成

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