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3.世界150ヵ国を調査して分かった、幸せの5要素

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「人生100年時代の幸せな生き方とは?」7回シリーズ(その3)は、スマホの普及で世俗化が進むブータン仏教界の現状とともに、世界150ヵ国の幸福度調査から分かった、幸せに関する意外な真実をお届けします。是非御覧ください。

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ICCサミット FUKUOKA 2018のダイヤモンド・スポンサーとして、Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.) 様に本セッションをサポート頂きました。

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2018年2月20-22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 7F
人生100年時代の幸せな生き方とは?
Supported by Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.)

(スピーカー)

石川 善樹
Campus for H
共同創業者 / 医学博士

井上 浄
株式会社リバネス
取締役副社長CTO

川上(全龍)隆史
宗教法人 春光院
副住職

川邊 健太郎
ヤフー株式会社
代表取締役社長 社長執行役員 CEO

(モデレーター)

南 章行
株式会社ココナラ
代表取締役社長

「人生100年時代の幸せな生き方とは?」の配信済み記事一覧

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最初の記事
1.経営者×研究者×宗教家で「幸せ」を語り尽くす!

1つ前の記事
2.「人間の快楽」はLike型、Want型、Learn型に分類される

本編


石川 ここからは自由に。

 自由にいきましょう(笑)

もう誰が拾ってくれても構わないので。

早速、川邊さんからいきますか。

スマホ普及により世俗化が進むブータンと仏教界

川邊 はい。石川さんとブータンに行って参りました。

ヤフー株式会社 代表取締役社長 社長執行役員 CEO 川邊 健太郎 氏

石川さんはじめ男性9名、女性1名というアンバランスなメンバーで、本当に幸せの国なのかというのを見に行ってきて、結果、全員インフルエンザにかかるという謎の結末まで迎えました。

(登壇者・会場笑)

 全員ですか?

川邊 ほぼ全員です。

一人の方がインフルエンザになった状態で来てしまったためです。

半鎖国なんですよ。

ガイドが付いてマイクロバスで色々なところに連れて行ってもらうので、マイクロバスがもうパンデミックの巣窟のようになってしまって、その結果、私は39度の熱を出しながら富士山の上くらいのところにある寺院まで登るという、そういうことがありました。

石川さんと一緒にフィールドワークを行って色々な話を聞いたのですが、基本的にはこれほど宗教が溶け込んでいる国もないなと思いました。

例えて言うなら、高野山の地域一帯が国になってしまっているような感じで、摩尼車(マニグルマ)という風車のようなものがあるのですが、それを一回まわすと、お経を一回読んだことになります。

摩尼車が街中の色々なところにあるのです。

皆、暇さえあればケータイを見ながらこうやって摩尼車を回して功徳を積んでいるのです。

(会場笑)

石川 あれはすごかったですよ。

お経を読むのには時間がかかるから、もっと効率的にならないかと誰かが考えたんですよね(笑)

川邊 そう。

摩尼車を高速回転させれば…

石川 功徳が積めると。

川邊 最近スマホが普及し始めて、「Like型」に似た感じで、皆スマホ中毒になっています。

話を聞くと、形而上の生きるということや、幸せとはどういうことかということを俺たちが考えるから、土木作業などは、基本的に全てインド人にやらせればいいのだということでした。

いい人達なのか悪い人達なのか、何だか分からなくなってきました。

石川 現代における古代ローマのようですね。

Campus for H 共同創業者 / 医学博士 石川 善樹 氏

川邊 そうですね。

けれども宗教的なことは皆すごく深く考えていて、先ほどお話しましたが、問えばすぐに答えが返ってくるくらい、幸せの概念について普段からよく考えている人達でした。

 スマホを持っていて、下手に情報を得てしまって混乱し始める人達というのは出てこないのですか?

川邊 出てきています。

ですから、ここはブータンにとって試金石でしょうね。

我々も目撃したのですが、読経をしながらスマホをいじっているお坊さんが多数いました。

(会場笑)

石川 まあ多かったですね。

川邊 多数いました。

石川 若い人ほどそうでしたね。

川邊 それまでは承認欲求という概念があまり可視化されていなかったのかもしれませんが、Facebookなどによって承認欲求のようなものが強まって、新たな欲、つまり、まさに埋まらない「Like型」や「Want型」の欲がインターネットによって出現してしまって、彼らがどう変わっていくのだろうという点はすごく興味深かったです。

(スライド提供:石川 善樹氏)

今のところ、それがどんどん入り込んできている感じなので、これは一回汚染されてみたらどうなるのかと思いましたね。

その結果どうなるのかと考えています。

ブータンとアメリカは似ている?

石川 ブータンとアメリカは、少し似ているなと思ったんですよ。

ブータンも、実は歴史が浅い国なんですね。

歴史がない国は、結局イデオロギーに頼るしかありません。

アメリカだと「自由」、ブータンは「幸せ」ということに一回置いたんですね。

イデオロギーでドライブして、国民を上手くいいところに持っていこうとしているのですが、今、想像以上のスピードでテクノロジーが入ってきていて、世俗化も一気に進んでいます。

今回なぜブータンに行ったかというと、ブータン仏教界も世俗化が結構進んでいると聞いたからです。

こういう状況をどうしたらいいのかというのを、ブータンのお坊さんが世俗化が先に進んだ先輩である日本のお坊さんに聞きたいということだったからです

(会場笑)

日本のお坊さんから何か学べることはないかと彼らがいうので、僕らがお坊さん同士の対談にくっついて行ったのです。

川邊 そうそう、無理やりくっついていったのです。

 そういうことだったのですね。

株式会社ココナラ 代表取締役社長 取締役COO 南 章行 氏

川邊 そうです。

チベット仏教と同じで、高僧が生まれ変わってまた高僧になったようなすごく偉いお坊さん同士のコミュニケーションを、間近に見ていました。

宗教が溶け込んでいるというのは本当は面白いし、インターネットが出現してもう少し宗教観が変わらなければならないのではないかとか、そういった話をICCでしてもよいのではないかと、ブータンから小林さん(編集注:ICCパートナーズ代表 小林)に直談判して、「宗教の話をさせて下さい」と言ったら、「宗教ですか。微妙ですね…」と言われて(笑)

それで、ややオブラートに包まれて狭い部屋にされてこのテーマになっています。

(会場笑)

ですから、「宗教」というより「幸せ」という観点で話をすると、私も企業経営者ですから社員にはより幸せになってもらいたいと思っています。

前から本などを読んで研究しています。

世界150ヵ国を調査して分かった、幸せの5要素

川邊 ギャラップ(Gallup)というアメリカの調査会社がありますよね。

石川 世界最大の調査会社。

川邊 ここが何と、莫大な費用をかけて、世界150ヵ国で幸せの調査をやっているんですね。

石川 毎年10億円かけています。

川邊 そうです、10億円かけて幸せについての調査をやっています。

その結果分かったことですが、国を問わず、人間が幸せを感じる要素というのは5つに集約されているそうです。

1つ目は、仕事に情熱を持って取り組んでいるか。

2つ目は、よい人間関係を築けているか。

3つ目は、経済的に安定しているか。

4つ目は、心身ともに健康で生き生きしているか。

5つ目が、仕事とは別に地域社会に貢献しているか。

『幸福の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)という本にまとまっているので、幸せを探したい方は読んでいただければと思います。

結論を言うと、これらのうち1個だけ突出していても幸せは感じられず、5つの要素がどれもバランスよく享受できていると幸福感を感じるという、極めて月並みな結論に達しています。

僕はこの普通さが大事かなと思うようになっています。

というのは、やはりYahoo! JAPANも20年かけて急成長して、最近は働き方改革などで色々なことをやっていますが、その割にワーカホリック(仕事中毒)な人もまだいます。

ですから、1つ目の仕事に情熱を持っているというのと、3つ目の経済的に安定しているという要素は、会社を通して供給できていたかもしれないけれども、他のものを犠牲にしているとアンバランスになって、人は幸せになれないのではないかと思っています。

最近は、ここに働き方改革をする意義があるのではないかなと感じています。

石川 なるほど。

経済的な安定と幸福度の関係

川邊 それから、会社にとって、経済的に安定しているということは重要なので、これについても色々な調査を見ています。

そうすると、先進国は概ね年収650万円が経済的な安定のラインです。

人生は650万円です。

どういうことかというと、年収650万円で、大抵の人は満足し始めるらしいのです。

しかし、650万円を超える年収の効用は、落ちてくるらしいです。

650万円までは、給料が上がっていくとすごく嬉しいのだけれども、650万円を超えると、そうでもなくなってしまう。

経済的には、欲しいものが取り敢えず欲しいと思った時に手に入ることが幸せであり、それを可能にするのが650万円だということです。

更に、その買ったものをどう享受すると幸せを感じるのかというと、一つは誰か大事な人と思い出を共有するための旅行に行くことだそうです。

それから、大事な人に何かプレゼントを贈ることです。

この2つにお金を使うと幸せです。

最悪なのが、とにかくお金だけ得たい、額もいくらでもいい、それだけを追うという人で、そんな人は沢山いますよね、このICCサミットにもきっと。

(登壇者笑)

それでは幸せになれないということらしいんですよ。

ですから、そういった要素を加味して、ヤフーは社員に幸せを供給しながら事業も成長させていきたいと考えています。

 興味深いです。

社長就任会見ですね。

川邊 そうです。

先日、社長就任会見をして、色々なメディアにも出たのですが、その後初めて世の中に出るセッションがこれですから。

(登壇者笑)

どうなりたいんだということを語らねけば行けません。

石川 「川邊、宗教を語る」というタイトルで行きましょう。

川邊 その見出しだけは、やめてほしいです。

(登壇者・会場笑)

社員を幸せにしたいです。

とにかく、経済界の5つの要素をバランスよくしていきたいです。

(続)

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続きは 4.「人生100年時代」に起こる価値観の変化 をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/浅郷 浩子/尾形 佳靖/本田 隼輝/Froese 祥子

【編集部コメント】

皆さんは、ヤフー川邊さんが語った「5つの要素」をどれくらい満たせていますでしょうか? 個人的には、5つめの「仕事とは別に地域社会に貢献しているか」は限りなくゼロに近い気がしました……(尾形)

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