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「人生100年時代の幸せな生き方とは?」7回シリーズ(その4)は、個人の幸せと社会の幸せにフォーカスします。個々人の幸福度はどうしたら測れるのか?そして人生100年時代に、生き方の価値観はどう変化するのか?是非御覧ください。
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ICCサミット FUKUOKA 2018のダイヤモンド・スポンサーとして、Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.) 様に本セッションをサポート頂きました。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
2018年2月20-22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 7F
人生100年時代の幸せな生き方とは?
Supported by Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.)
(スピーカー)
石川 善樹
Campus for H
共同創業者 / 医学博士
井上 浄
株式会社リバネス
取締役副社長CTO
川上(全龍)隆史
宗教法人 春光院
副住職
川邊 健太郎
ヤフー株式会社
代表取締役社長 社長執行役員 CEO
(モデレーター)
南 章行
株式会社ココナラ
代表取締役社長
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最初の記事
1.経営者×研究者×宗教家で「幸せ」を語り尽くす!
1つ前の記事
3.世界150ヵ国を調査して分かった、幸せの5要素
本編
石川 幸せの5要素について話しましたが、川上さんはいかがですか?
宗教界における幸せ、Good Lifeとは何でしょうか。
「満足すること」は社会にとって良くないこと?
川上 宗教におけるGood Lifeというのは、難しいテーマです。
これは宗教的な概念からずれるかもしれないですが、進化心理学の方面から見ると、満足というのは実はよくないのではないかという意見もあるのです。
満足してしまうと、人って何もしたくなくなります。
Like型の幸せが必要になってくるというのは、結局、満足感が短いから、その行動を何回も取ろうとするモチベーションが生まれるということで、そういう意味で、満足が本当にいいのかどうかということを考えてしまうのです。
仏教の経典などを見ていると、最初にLikeの部分をなくしていこうとする訳です。
最終的には、満足までなくしていこうとするのです。
満足することから完全にディタッチメントしてしまおうというか、離れてしまおうというのが、仏教的な考え方になってしまいます。
川邊 個人は解脱(げだつ)するかもしれないけれど、社会は前進しなさそうですよね。
川上 そうですよね。
ここにいる全員が満足してしまうと、世の中はとんでもなくつまらなくなるし、前進がなくなってしまうと思います。
石川 だから、満足し切るのはよくないということなのですよね。
川上 先ほどの川邊さんがおっしゃった5つの要素ではないですが、結局のところはバランスだよね、ということになります。
石川 幸せとはバランスであると。
川邊 幸せとはバランスであると。
生命学的にはどうですか?
個人の「幸せ」を計測したい
井上 私は根っからの研究者で、日々マウスと戯れながら一生懸命に免疫の研究をしているのですが、僕自身は色々な共同研究者と生命に関する研究をしていて、思うところがあります。
今回のテーマにもあるように、100年後というのを想像したりもします。
幸せって何だろうと考える時、幸せには絶対値みたいなものがなくて、研究者からすると全員に当てはまる値みたいなものが存在しません。
その時に研究者が考えるのは、「差分」なのです。
過去の私と今の私との差分を測って幸せなら、そこが取れます。
もしそこの数値が取れるのだったら、それは皆さん共通に取れるので、差分を重ねていくことで何かが分かるのではないかなと思っています。
今、僕は、研究者として色々と仕掛けているところです。
ゲノムやエピゲノムや腸内細菌もありますし、今では血液を採取することで、色々なメタボライト(代謝物)から、僕で言えば免疫細胞から、今の体の状態が何でも分かります。
それと今、ウエアラブルデバイスやGPSと掛け合わせて、その人の行動とその人の生体の今の状態が分かるようになってきました。
これが経時的に取れてくると、いつ幸せを感じたかという幸せボタンのようなものを持って、その時にバチっと押していればその人の幸せを解析できるようになるだろうと思っているのです。
川邊 まず計測をしたいということですね。
井上 そうです。
石川 科学の基本ですからね。
測定できないものは操作のしようがないですからね。
井上 色々なヘルスケア系のベンチャー企業と共同研究しながら、一緒にベンチャーを立てたりしている中で、ある世界が見えてきました。
調べていくにつれて、間もなく俺はものすごく健康になるかもしれないと思ったのです。
病気はある程度なくなるかもしれないと。
そうなると、その後にやってくるのは、健康がある程度保証された世界です。
僕らはそれを「ポスト・ヘルス時代」と呼んでいます。
人生100年時代に起こる、価値観の変化を考える
川邊 ちなみに、今回のセッションは「人生100年時代」というタイトルになっていますけれども、それはもうすぐ来てしまうのでしょうか?
井上 意外とすぐ来ると思います。
川邊 その100歳の自分はかなり健康なのでしょうか?
井上 捉え方にもよりますが、かなり健康である可能性は高いですね。
川邊 ほう。
井上 これも確率の問題ですけれどもね。
石川 今のデータでいくと、日本人だと75歳くらいまでは健康です。
そこからは(個人によって)分かれるのですが。
川邊 科学の進歩によって100歳でも健康になってしまうという予想ですよね。
井上 結構早い段階でそうなるのではないかと思っています。
南 寿命が延びた時に、皆が等しく健康になれるのですか?
株式会社ココナラ 代表取締役社長 取締役COO 南 章行 氏
例えば、体だけは生きながらえるけれども、脳は意外と衰えるとなると、そんな老後は見たくないじゃないですか。
井上 それに関しても、ニューラルネットワークを外で作るといった研究が進んでいますよね。
これはいつどうなるか分かりませんが。
川邊 外部化してしまうのですね。
井上 いつ電脳化するかは分かりませんが、今進めているのは、少なくとも健康寿命を延ばすことです。
つまり、寝たきりではなく、健康な状態で自分の意思で活動できる年齢を上げようとしています。
男性だと今、健康寿命と本当の寿命が15歳から20歳くらい離れていて、これがぐっと近づいてきます。
石川 『サザエさん』の波平さんは何歳だろうと思って先日調べてみたら、
川上 50代ですよね?
石川 そう、54歳です。
今でいうともっと年上に見えるじゃないですか。
川上 70歳くらいに見えますよね。
石川 人類は、若い期間というのがどんどん伸びています。
井上 おっしゃる通りで、しかもサザエさんという我々が知っている中でもそれくらいギャップが起きているという感じなのですよね。
僕は人を丸ごと解析する研究、ヒューマノーム研究というのを立ち上げています。
▶参考:リバネスヒューマノーム研究所
個人を丸ごと解析して、その人が今どこまで健康でどちらの方向に向かって走っているのかを調べて研究しています。
川邊 そしてその「ポスト・ヘルス時代」の前後で、価値観などが変わっていくのでしょうか?
井上 絶対に、変わると思います。
よくある例かもしれませんが、昔は体を使って労働してお金をもらっていてハッピーでした。
体を酷使することでお金をもらって、ハッピーだったのです。
今はお金を払ってジムで走ってハッピーなんです。
川邊 確かに。
井上 昔の労働してお金を貰っている人が今のジムに来たら、多分発狂するんですよ。
川邊 そうですよね。
井上 「あいつら、金払って走ってるぞ!」と。
ヤバい連中だ、みたいな。
そのくらいの価値観のシフトが起きていて、サザエさんの中でも起きていて、健康寿命が20歳上がった時点でまた起きます。
その時の人のあるべき状態や幸せというものについて考えたいので、僕はデータが欲しいのです。
(続)
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続きは 5.100年生きるということは、本当に幸せなのか? をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/浅郷 浩子/尾形 佳靖/本田 隼輝/Froese 祥子
【編集部コメント】
孔子は『論語』で15歳を志学、30歳を而立、40歳を不惑、50歳を知命、60歳を耳順、70歳を従心と称しましたが、孔子が現在に蘇ったら100歳をどう定義するのかな、とふと思いました。次回もぜひ上記リンクからご覧ください!(尾形)
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