【組織の症状②】トップとナンバー2との距離がどんどん開く(麻野×岡島)【K17-9D #3】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

【組織の症状②】トップとナンバー2との距離がどんどん開く(麻野×岡島)【K17-9D #3】

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「組織の50人・100人の壁」【K17-9D】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!9回シリーズ(その3)は、「経営トップ依存症」「経営トップ独走病」を取り上げました。経営陣の役割分担の話は必見です。ぜひ御覧ください。

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【登壇者情報】
2017年9月5・6日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2017
Session 9D
組織の50人・100人の壁
リーダーのもっとも大切な仕事とは何か?
Supported by Motivation Cloud(Link and Motivation Inc.)

(スピーカー)

麻野 耕司
株式会社リンクアンドモチベーション
執行役員

岡島 悦子
株式会社プロノバ
代表取締役社長

(ナビゲーター)

井上 真吾
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン
プリンシパル

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最初の記事
【新】組織がぶちあたる50人・100人の壁【F17-9D #1】

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本編

岡島 事業開発を伸ばす時に人がいなくて伸ばせない、つまり、人がいないことがボトルネックになってしまうということがやはりすごく多いということです。

そこから慌てて人を採るとしたら、顕在化している採用人口からしか採れないということになるので、本当はこの人を採りたいよねという潜在的な人達を口説いている暇はありません。

麻野 組織が大事だと色々なところで言われますが、皆さん、組織というものには悪くなるまでなかなか手を打たれませんよね。

恐らく、実感がわかないのだと思います。

ではそんな中で、特にどんなことを課題として考え、予測しなければならないのかということについて、僕からも一つ「組織の症状」を出させて頂きますね。

②「経営トップ依存症」です。

麻野 僕は組織を生物に例えるのが好きで、世の中には大きく2つのタイプの企業があると思っています。

1つは「昆虫型」。

昆虫ってものすごく数が多いんですよ。

カブトムシを思い浮かべて下さいね。数は多いのですが、体が小さいんですよね。

体の構造はというと、カブトムシは殻で自分の体を守っています。だから、殻以上には体が大きくなりません。

企業でいうとどういうことかというと、世の中には昆虫のように小さな会社がものすごく多いんですよ。社員数が3人、5人、10人という会社がほとんどです。

30人以上にならない会社がほとんどなのです。ましてや50人・100人なんて。

そのような小さな会社がどうやって成り立っているかというと、カブトムシが殻で体を守っているように、社長が”殻”になってクオリティもコストもスケジュールも全部見ているんですよね。

「社長が見ることのできる範囲以上は大きくならない」というのが世の中の9割9分の会社なのではないかなと思っています。

症状②:“経営トップ依存症”

麻野 一方で、昆虫ではなくて哺乳類、例えば象などを思い浮かべて頂きたいのですが、数が少ないんですよね。

体は大きいじゃないですか。

体の構造はというと、脊椎動物なので背骨で体を支えているんですよね。象もそうですし、恐竜もそうですよね。

背骨で体を支えているので、体が外側にどんどん大きくなっていけるんですね。

ですから、背骨というのは、例えば会社の「理念」であったり、場合によってはそういう理念を落とし込んだ色々な「仕組み」であったりする訳で、それらが一貫していないと企業を支えて大きくしていけないのだと思っています。

社長が全部見るのではなくて、例えば社員が企業理念、使命、行動指針を手にしながら「ここはこういう風にしなければいけないな」と自分達である程度動いていけるようにしないと、企業は成長しないと思っています。

50人・100人の壁を越えようと思ったら、まずは社長が全部見るのをやめて、何か理念のような「背骨」で皆が動けるようにするということが大事だと思っています。

井上 昆虫型から哺乳類型に変わって、経営トップへの依存をどこかで脱却しなければならないということですね。

お二人のご経験から、どのタイミングでそれを考え始めるのがいいのでしょうか。

先ほどもありましたように30人が目安なのか、もっと前からなのか、最初からなのか、その辺りについてお話を伺がえますか?

麻野 社長の能力にもよると思います。

岡島 経営チームの能力にもよりますよね。

ですから、3人で創業して3人の力がMaxならば、それこそ先ほどのように300人までいけますといった場合もありますね。

ビジネスモデルによっても全く違うので、それほど労働集約的なビジネスでなかったらポイントは数ではないかもしれないですよね。

麻野 その通りだと思います。

やはり経営者・経営チームの能力と、事業モデルの種類によると思いますね。

DeNAの場合、経営陣が100人くらいまでは一人ひとり給料を決めておられましたように記憶しています。

100人くらいまでいける会社もあれば、30人・50人くらいからそういった別のもので担保していかなければならない会社もあるのでしょうね。

岡島 DeNAさんは、私も割と初めの方からお手伝いをしていました。

守安功さんくらいまで入れて、最初の7人くらいのところが割とがつっと集まっているんですよね。

マッキンゼーのOG・OBも結構行っているし、スタートから割とがっつりチームができている感じで、一人で集めたのではないというところはすごく楽ですね。

また、南場さんは深く細く愛する方だと私は思っているので、粒々で家族のように見ることができるという意味では、100人くらいまで見ることができていたというのは、きっと南場さんの性格的なものもあったのではないかなと思います。

麻野 どのタイミングかというのは事業モデルか経営者のタイプに依存するところもあると思いますが、どこかのタイミングで自分が仕事を見るをやめて、経営や組織や事業を見るということですね。

まずは、社員が理念をベースに仕事を進めていける状態に切り替えることが大事かなという風に思います。

岡島 だからこれは次の病気とすごく近い話でもあるのですが…

井上 では、次にいきましょう。

経営トップ独走病。依存もダメだけれども独走もダメだと。

岡島 そうなんですよね。

ありがちなのは、経営トップとナンバー2との間がどんどん開いていくことですよね。

症状③:“経営トップ独走病”

岡島 トップとナンバー2の間が、実はトップと現場のそれよりも開いているといったことがあるのです。

例えば、トップがICCのような場にいらして、他の経営者とも触れあって目線がグッと上がるとか、他の人がかかってきた病気を再現しないように学ぶといったことも含めてなのですが、そうやっていくと、見える景色が全く変わってくるというのがありますよね。

そうすると、トップが過信して、俺以上にやれる奴はいないからということになると、結果的に全てを自分でやりたくなってしまいます。

アンゾフ(アンゾフの成長マトリックス)のような話なのですが、海外事業に進出しようとか、次の事業開発をやろうという話になった時に、俺以外にこれをやれる奴がいないじゃないかという議論になってしまうのです。

アンゾフのマトリクスと成長戦略(グロービス) 

そうすると、今度はトップがボトルネックになる訳ですが、こういったことがはすごく多いですね。

「俺は自分の時間どうリソース配分したらいいでしょう?」と私のところにご相談にみえるのが一番問題ですね。

「いやいや、あなたではなくて、再現するモデルを作りましょうよ」ということになる訳なのですが。

井上 やはりトップの方が相談に来られるケースが多いのですか?

岡島 そうです。

井上 ナンバー2の方より?

岡島 トップですね。

ナンバー2からのご相談は、なかなか難しいのでお断りしています。

というのも、ナンバー2の人が「うちの社長がスーパーマンっぽくなってしまっていて、すごく過信していて大変なんですけれど」と言っていても、トップ自身にその客観評価がなく、自分はやれていると思っているのです。

つまり、自分が皿回し状態になっていることに気付けていないので、私たちのアドバイスも全く
聞いて頂けないことが多いです。

ですから、意地悪なように聞こえますのが、転ぶまで待とうということになりますね。

井上 (トップが)自らお越しになるまで待とうということですね。

岡島 そうです。

麻野 これは、かなりの多くの会社が抱えている問題だと思うんですよ。

トップとナンバー2の差というのは、ナンバー2と平社員の差より大きいと言われることもありますよね。

恐らく会社を作った頃はそうでもなかったと思うのですが、やはり機会の違いがあります。

トップはトップ同志でこういう場でも集まったりして、情報交換しながら目線が上がっていきます。

ナンバー2は意外と社員と飲みに行ったりしているので、目線が上がっていないということもあると思うのです。

ギャップが開いてくると色々なコンフリクト(軋轢)が起きる可能性もありますよね。どう対処すればよいのでしょうか?

岡島 歴史的にいっても、トップとナンバー2の役割分担のようなものはすごく難しいですよね。

例えばGREEの田中良和さんと山岸広太郎さんや、サイバーエージェントの藤田晋さんと日高裕介さんのような組み合わせがあり、色々な組み合わせがあると思います。

しかし、役割分担が曖昧になってしまうのも、下から見てすごく難しいことです。

ですから、外向きの話はトップに結びつけようよねという感じで、ICCへもトップだけが来られているケースが多いですよね。

そうすると、ついついそういう循環になっていってしまうということもあるので、誰が悪いというよりも構造上そうなってしまう感じですかね。

経営陣の役割分担をフェーズ毎に確認しよう

麻野 最初の頃は力量や視界にもそれほど差がないので、ある程度は阿吽の呼吸でできるけれど、差が開いていくと、お互いに何を期待するかということをフェーズ毎に再定義しなければなりませんよね。

そうでないと、「あれ?社長は今までこういうことは俺に相談してくれていたのに、最近は全く相談してくれなくなったな」とか、「今までこう言っていたら分かっていたのに、こいつ全然分かっていないな」といった齟齬が出てくるので、経営チームの中での役割分担をフェーズ毎にしっかり確認しなければなりません。

岡島 相当やっていかなければなりませんね。

CFOの役割は割とはっきりしていますが、経営と執行、つまりCEOとCOOのラインは分けにくいですよね。

社長で代表執行役員という人も多いじゃないですか。

下から見た時にも分かりにくいというのは、やはり色々な混乱を生む元になるのではないでしょうか。

麻野 一言で取締役と言っても、会社によって求められる役割が全く違ったりしますよね。

創業間もない頃は、会社の中で仕事ができる順番に取締役になり、途中から事業部長などの執行の責任者が取締役になることが多いようです。

段々と成熟してくると、執行の責任者は執行役員で、取締役はあくまで経営をするという風になるのですが、そういうこともきちんと話さずに進んでしまって、ぐちゃっとなるケースが多いのでしょうね。

岡島 多いですね。

旧事業と新事業をそれぞれ持つということになっていたりすると、今、誰がリソース配分やっているんだっけ、といった話になりますよね。

井上 事業をまたいで。

なるほど。

岡島 そうなると、「全体のお金の配分や人の配分をどうするんだっけ」という縦割りの弊害のようなものが生じてしまいます。

麻野 なるほど。

経営陣の役割分担がきちんとできていなくて、お互いの思いがすれ違って上手くいっていない経営陣のことを思い出しました。

岡島 いますよね。一緒に仕事をやっていたから、むしろ仲が悪くなってしまったとか。

麻野 います、います。

岡島 そもそも友人同士でやっているようなケースというのは、すごく痛いですよね。

麻野 そうですね。言い辛いですけれども、今日もここに来ておられるかもしれません。

岡島 すごく痛いですね。

麻野 「昔こういう関係だったのに!」という。

岡島 そうそう。

でもそういう人達は元々の出自が似ているから友達だった訳で、そうすると、前職が一緒だったりしてスキルも少し被っているケースがあるんですよね。

となると役割分担がますます難しいのでしょうね。

井上 「HARD THINGS」あるあるですね。

(続)

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続きは 【組織の症状③】経営者は自らの「独走」に気づけない(麻野×岡島)【K17-9D #4】 をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/Froese 祥子

【編集部コメント】

長年一緒に歩んできたトップとナンバー2がすれ違ってしまうのは切ないですね。続編では、それではどうすればいいのか?という議論が展開されていますので、そちらも合わせてご覧ください。(立花)

続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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