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6.コンテンツへの愛とビジネスとのバランスをどのように取るのか?

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「愛だよ、愛。愛されるコンテンツ/サービスを創る」8回シリーズ(その6)のテーマは、コンテンツを作り続けるための「お金」の話。ECをもたないMATCHAやONE MEDIAがメディアで勝負し生き残れたワケとは?青木優さん、明石ガクトさんが各社のここ数年の取り組みと共に語ります。ぜひご覧ください。

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターン)の募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

ICCサミット FUKUOKA 2018のプラチナム・スポンサーとして、株式会社リクルートマネジメントソリューションズに本セッションをサポート頂きました。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018 は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
2018年2月20日・21日・22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 2F
愛だよ、愛。愛されるコンテンツ/サービスを創る
Supported by 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ

(スピーカー)

青木 耕平
株式会社クラシコム
代表取締役

青木 優
株式会社MATCHA
代表取締役

明石 ガクト
ワンメディア株式会社
代表取締役

(モデレーター)

浜田 敬子
BUSINESS INSIDER JAPAN
統括編集長

「愛だよ、愛。愛されるコンテンツ/サービスを創る」の配信済み記事一覧

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最初の記事
1.愛されるコンテンツ/サービスの創り方を徹底議論!

1つ前の記事
5.「お客様」をよく知っているメンバーにコンテンツ作りを任せよう

本編


浜田 「北欧、暮らしの道具店」はECをされているので別だと思いますが、愛あるコンテンツを作り続けるにはお金が必要ですよね。

BUSINESS INSIDER JAPANも無料で、広告だけが収入源で、今後は有料コンテンツもやっていきたいのですが、愛とビジネスのバランスはどうやって取っていますか?

自分たちが愛あるコンテンツを作ってスタイルができれば、それをタイアップなどでクライアントに貸してあげるということもおっしゃっていましたが、その辺りのお話も聞きたいです。

ある種の世界観ができてくればクライアントが付いてくるのは理想ですが、順調ですか?

愛とビジネスのバランスは取れるのか

青木優 伸びてはいるのですが、試行錯誤中というのが正直なところです。

先ほど動画メディアがたくさん出てきてだいぶなくなったという話がありましたが、インバウンド・メディアも同様です。

ここ5年ぐらいで30、40個できて今残っているのが2、3個ぐらいしかありません。

株式会社MATCHA 代表取締役 青木 優 氏

浜田 朝日新聞も作っていました。

青木優 そうですね。そういう状況があって、今は正解を作っている状態だなと思っています。

ただ最近見えてきたのは、メディア力が上がってきて、どうビジネスの成果を可視化するかというのがビジネスの面で大事だと思っています。

「PVと実際の商品との売上の連動性をきちんとモニタリングしましょう」という一言を入れたり、問い合わせのフォームを作るだけで実は連動性があったり、クーポンで売れたという事例が出てきて、だんだん成り立ってきているというのがあります。

この調子でうまくやっていければ形になっていくかなというのが弊社の現状です。

浜田 優さんのところが数少なく生き残れたのはなぜだと思いますか?

青木優 インバウンドメディアができたタイミングがオリンピックが決まった時で、それによって人が来るだろうということで、ビジネスライクにスタートしたものが多かったです。

僕の場合は、バックグラウンドとしてそれ以前からそういったことをやりたいなと思っていたので、何があっても諦めないと決めスタートしました。

そのスタンスでずっとやっていたことで良い支援者が付いてきたり、企業も応援してくれて広告を出してくれたりしました。

不思議な状態で5年間過ごしてきている部分はあります。

浜田 (明石)ガクトさんのところはどうでしょうか?

広告もかっこよくて、テイストがONE MEDIA・テイストになっていますね。

「自分たちの売り物」を変えないことが大事

明石 当社は預金残高が10万円を切ったこともあって、苦労した時期を乗り越えて来たのですが、意識の転換になったことが一つありました。

それまでは「こういうコンテンツ、メディアをやりたい」というのがあり、「良いものをやっていればそれがお金になるんだ」という、今思えば甘い考えがありました。

色々なビジネスのソースになるものは経済活動をして回っていて、それらと自分たちのやっているメディアやコンテンツをどう合わせていくのかということを全然考えていなかったと思いました。

日本では映像制作会社が東京だけで何千社とあって、逆に何千社が生き残っているぐらい大きいマーケットなんです。

こういった市場の中で自分たちは何を持っているのか。

「毎日動画を流している積み重ねがあり、こういう動画だったらFacebookにはまる」とわかっていて、そう言える。

メディアとしての再生回数やフォロワー数が少なくても関係ありません。

なぜなら質が良いという絶対的な自信があるからそう言えるのです。

ワンメディア株式会社 代表取締役 明石 ガクト 氏

そこを信じてまずそれをやってくと、広告流通の文脈に乗せてもワークするようになってくるので、「じゃあ自分たちのコンテンツは間違っていない、そうしてONE MEDIAの読者がもっと集まってきたらタイアップが売れるよね」となります。

よくビジネスというのは点と点をつなげて線にすると言うのですが、僕は最近、テトリスに近いと思っていて。

色々なブロックがあって、まず受託案件を受けて実績を積み、タイアップに繋げるなどの組み合わせだと思います。

僕らは今ショートフィルムを自主製作しています。

売上には繋がっていませんが、映画レベルのものを作れるという僕らの製作能力の証明になります。

映画的コンテンツを求めるSVOD(Subscription Video on Demand:定額制動画配信)の会社やSNSのプラットフォームは多いので、そういうところに配信していくと、ONE MEDIAはテレビCM的な案件をやれる能力があると示せます。

最終的には、テトリスの長い棒がハマったみたいになります。

浜田 そこまで我慢するのですか?

明石 我慢なのですが、大事なことは売り物を変えないことです。

今色々な話をしましたけど、結局やっていることは動画を売っているだけです。

動画を売るというスタンスは変えません。

僕らは動画しかやらないと決めていれば、少ないリソースでもきちんと動画に向けて、社会が接点を持っている部分でやっていけば広がっていきます。

映画を作ると確かにお金は出ていくんだけど、でもタイアップと製作がうまくいっているから捻出できます。

足元の地盤を崩さない。

売り物を変えると今まで売っていたものがダメになったりします。

知らない飛び地に拡大してはいけません。

浜田 耕平さんのところはもっと色々な話がきているでしょ?

タイアップもそうだし、商品開発もやっていらっしゃいますよね。

心からやりたいと思えるものだけをやる

青木耕 商品開発は自社のはもちろんやっていますが、他社さんからの商品開発の依頼はお断りしますし、コンサルや代行など何らかの作業を売るということは一切していません。

株式会社クラシコム 代表取締役 青木 耕平 氏

僕らも商品を開発して売ったり、コンテンツを作って売ったりということをしていますが、やっていることは形とか見え方は違っても全てコンテンツ開発です。

商品もコンテンツだし、お客様向けの記事もそうだし、広告も1つのコンテンツで、すべては僕らにとってはコンテンツです。

たとえばオリジナル商品のブランドは、KURASHI&Trips PUBLISHING(クラシアンドトリップスパブリッシング)というブランド名なのですが、そのブランド名で書籍も発行していますし、洋服や食品を作っています。

出所:KURASHI&Trips PUBLISHING(北欧、暮らしの道具店)

青木耕 すべては我々のある価値観を物体とか電子的なものを問わずパブリッシングしていくんだというコンセプトでやっているので、それはパブリッシングじゃないよねというやつはあまりやりません。

浜田 先ほどの、動画じゃないものはやらないという話ではありませんが、自分たちはここはやらないというものは決めているのですね。

青木耕 自分たちがあまり得意ではないからやりたいという気持ちもありません。

どうせお役に立てそうにないし、やっても文句言われそうということが多いですよね。

できるだけ自分たちにやる能力がしっかりあって、心からやりたいと思えるものをやっていくという感じです。

(続)

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続きは 7.「愛あるサービスのために1億円あったらやりたいこと」を登壇者が語る! をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/浅郷 浩子/本田 隼輝/尾形 佳靖

【編集部コメント】

今回は、お三方が胸に秘める“コンテンツへの想い”の本質に迫るディスカッションでした。次回は、フロアからの質問をきっかけに、そんなコンテンツ愛とのバランスを度外視して「仮に1億円あったら何に使うか?」という議論が展開されます。ぜひご覧ください!(尾形)

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