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ゴールドマン・サックスからメルカリへ…CFO長澤氏が語る累計125億円ユニコーンの資金調達【K16-9C #5】

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「メガ・ベンチャーのための大型ファイナンス戦略」【K16-9C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!9回シリーズ(その5)は、メルカリCFO長澤さんに、累計125億円に上るメルカリのファイナンスについてお話頂きました。ゴールドマンサックスからの転身である長澤さんのキャリアも注目です。是非御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております


登壇者情報
2016年9月7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016
Session 9C
「メガ・ベンチャーのための大型ファイナンス戦略」

(スピーカー)
小川 智也 株式会社アカツキ 取締役
堅田 航平 スマートニュース株式会社 ヴァイス・プレジデント 財務担当
長澤 啓  株式会社メルカリ 執行役員CFO
永見 世央 ラクスル株式会社 取締役CFO

(モデレーター)
嶺井 政人 株式会社マイネット 取締役 副社長

「メガ・ベンチャーのための大型ファイナンス戦略」の配信済み記事一覧


嶺井 続きまして、メルカリの長澤さん、よろしくお願い致します。

長澤啓 氏(以下、長澤) メルカリの長澤と申します。

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長澤  啓
株式会社メルカリ
執行役員CFO

慶應義塾大学総合政策学部卒業後、三菱商事において金属資源分野における投資及び主にエネルギー、リテール、食品分野等の領域におけるM&Aを担当。2007年にシカゴ大学経営大学院を卒業の後、ゴールドマン・サックス証券にジョインし、東京及びサンフランシスコにおいて主にテクノロジー領域におけるM&AやIPOを含む資金調達業務を担当。2015年6月にCFOとして株式会社メルカリに参画。2016年3月にスタートアップとして最大規模となる84億円の増資を実行。

皆さんのようにファンシーなプレゼンテーションではないのですが。

メルカリという会社については、改めてご説明することもないのかなと思っていますが、設立したのは2013年の2月ですので、まだ3年半くらいの会社です。

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現在、東京と仙台とサンフランシスコにオフィスを持っていて、仙台はカスタマーサポートのセンターで、サンフランシスコでアメリカ事業の展開を一生懸命やっております。

従業員数は350名まで増えました。

メルカリは、一言で申し上げるとフリマアプリなのですが、やはりグローバルに展開させたいという強い志があります。

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日本でここまできたというある種の成功体験をアメリカでも実現したいですし、この先ヨーロッパへも展開したいと思い一生懸命頑張っています。

数字的な所も少しお見せすると、日本国内での流通額として、月間100億円超というのを公式に出しています。

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嶺井 すごいですね。

長澤 出品数は、1日で数十万品です。ダウンロード数は日本で3,500万、アメリカで今1,900万くらいまで伸びています。

嶺井 ちなみに、競合視されていないかもしれませんが、Yahoo!オークションはどれくらいの規模があるのですか?

長澤 Yahoo!オークションさんは、恐らく、年間のGMV(Gross Merchandise Volume = 取引総額)が9,000億円に届く届かないくらいなのですが、Yahoo!オークションさんは皆さんもご存じの通り、ピュアなC to C(Consumer-to-Consumer)ではなくて、結構B (Business)というか業者さんのような方が入っていらっしゃるので、そのうちどれくらいがC to Cなのか把握していないのですけれども、C to Cの部分だけで、我々も競合として見て頂けるところまでは来たかなと思っています。

嶺井 そうなんですね。ありがとうございます。

長澤 私自身はといえば、事業会社の人間の中でもあまりTECHに関係ないようなキャリアを持っていると思われるかもしれないですよね。

最初は三菱商事株式会社に入り、ここでは金属資源分野における投資を担当していたので、南米などで色々な鉱山投資の案件を扱ったりしていました。そして留学をして帰ってきて、ゴールドマン・サックス証券株式会社でM&AやIPOなどの資金調達のアドバイザリーを手がけてました。

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嶺井 写真がいかにもゴールドマン・サックス証券という感じですね。

デスクで撮った感が今と全然違いますね(笑)。

長澤 ゴールドマン・サックス証券株式会社在籍時に、実は、サンフランシスコのオフィスで働いていたことがあって、そこでTECHのインダストリーを担当したことがありました。

当時2010~2011年の当時は、やはりシリコンバレーが本当にホットなところだったので、それに感化されたところもあって、日本に帰国してから、いつかチャンスがあったら自分も事業会社側に立ってこういう仕事をしたいなと思っていたところ、2015年の7月、ちょうど1年前ですけれども色々とご縁があってメルカリに入り資金調達の仕事をさせて頂くことになったという経緯です。

過去の調達額累計は125億円です。

私が入社したのはシリーズC以降なのでシリーズDしか手掛けていないのですが、シリーズDでは三井物産株式会社さんや、先ほどからお名前が出ているDBJ(日本政策投資銀行)さんなど、これまでと毛色が違う投資家の方々が入って来られています。

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資金調達の仕事をしながら感じるのは、日本も変わってきたなということです。

我々のようなレイターステージのプライベート(非公開)の会社に投資をされるような投資家さんが結構増えてきましたよね。

今までは東証マザーズという市場があって、これくらいのサイズまでいくと東証マザーズに上場して資金調達をするというのがスタンダードだったと思うのですが、その中でプライベート(非公開企業)で居続ける選択肢もあるのだということを見せれたらいいな、と思いながら資金調達をしています。

嶺井 ありがとうございます。

(続)

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/Froese 祥子

続きは 「上場すべきか?いつすべきか?」メガ・ベンチャーのCFOたちが語る”資本市場の見極め” をご覧ください。
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【編集部コメント】

続編(その6)では、本論に入り、調達資金の用途や上場 or 非上場の見極め等を議論しました。業態を踏まえたキャッシュフローのお話がリアルです。是非ご期待ください。感想はぜひNewsPicksでコメントを頂けると大変うれしいです。

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