元マンU監督に学ぶ、チーム内に「信頼」を生む行動 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

3.元マンU監督に学ぶ、チーム内に「信頼」を生む行動

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「『新しい働き方』におけるWell-beingとは?」全6回シリーズの(その3)は、成果を上げ続ける組織の特徴について、サッカーのマンチェスター・ユナイテッドを率いた監督の行動を例にとり紹介します。ゴールが決まったときに、なぜ監督は意外な人と喜びを分かち合うのか?仲間、組織とのコミュニケーションで、信頼を生む3つの質問も紹介します。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2021は、2021年9月6日〜9月9日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2021 ゴールド・スポンサーのフロンティアコンサルティングにサポート頂きました。


【登壇者情報】
2021年2月15〜18日開催
ICCサミット FUKUOKA 2021
Session 6E
「新しい働き方」におけるWell-beingとは?

Sponsored by フロンティアコンサルティング

(スピーカー)

秋元 里奈
株式会社ビビッドガーデン
代表取締役社長

石川 善樹
公益財団法人Well-being for Planet Earth
代表理事

中竹 竜二
(公財)日本ラグビーフットボール協会 理事 /
株式会社チームボックス 代表取締役

平尾 丈
株式会社じげん
代表取締役社長執行役員CEO

(モデレーター)

森山 和彦
株式会社CRAZY
代表取締役社長

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最初の記事
1.リモートワークが進む職場で、経営者はWell-beingをいかに考えるべきか?

1つ前の記事
2. 「信用」「信頼」「信仰」チームワーク戦略は3つのパターンに分けられる

成果を上げ続ける組織には「信頼」の文化がある

石川 結論から言うと、長い目で見たときに成果を出す確率が高いのは「信頼」をベースにしたチームであることが分かってきています。

ある先生が、成果を上げ続ける国や組織にどういう特徴があるかを調べました。

当然色々な要因がありますが、研究者の仕事は共通項を見つけることですから、違いよりも共通項に目を向けます。

その結果、「信頼」の文化がある場合に継続的に成果を上げられることが分かったのです。

それを提唱しているのが、ポール・ザック先生です!

この方はまさに「組織」と「信頼」を研究されていて、日本語でも読める『トラスト・ファクター~最強の組織をつくる新しいマネジメント』という本を出しています。

信頼について分かりやすい例をあげるとすると、スポーツチームが象徴的でしょう。

なぜかと言うと、スポーツチームは勝ち負けなど結果が出るのが早いから、信頼のために何が大事か分かりやすいからです。

そして、チームや監督がすぐに代わるので、実験がたくさん行われているともいえます。

森山 なるほど。

石川 会社の場合、そういうわけにはいきませんよね。

チーム内に「信頼」を生む、元マンU監督の行動

石川 よく中竹さんも言及されますが、例えばラグビーにおけるニュージーランド代表チーム・オールブラックスは、サッカーや野球などありとあらゆるチームスポーツの中で圧倒的な勝率を誇る、勝ち続けているチームです(※) 。

▶編集注:公式ページによると、1903年から2017年までのテストマッチ566回の勝率は実に77.21%に及ぶとのこと。

同様に勝率が高いのがサッカープレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドで、このチームを長年率いたのは、この写真の右の人物アレックス・ファーガソン監督です。

ファーガソン監督には、彼しかやらない行動があります。

それは、選手がゴールを決めた時に最初に祝福する相手が、隣に写っている用具係のおじさんだということです。

彼は、選手のスパイクを磨いたりユニフォームを洗ったりしている人です。

普通の監督は、ゴールの後はゴールを決めた選手と抱き合って喜びますよね?

ゴールを決めた選手も「自分がゴールを決めた!」とアピールしに行きます。

でもこの監督は、そうしないのです。

そこには明確な理由があって、ゴールを決めた選手、つまり成果を出した人を祝福すると、「信用」の文化ができてしまうからです。

できる人は褒める、できない人には何もしない、という文化です。

▶編集注:Part2では、石川さんが「信用」は一方通行の理性的な判断であり、「信頼」はチームとの感情的な結びつきであると解説されました。

森山 なるほど。

石川 ではなぜ用具係のおじさんを毎回ベンチに入れて、抱き合って喜ぶのか。

これは、チームとして成果を上げた際、一連のプロセスの最初にいるのがこの用具係のおじさんだということを、チーム全員に分からせるためであると考えられます。

森山 興味深いですね。

石川 選手がゴールを決めた瞬間に監督が用具係のおじさんと抱き合って喜んでいるのを見ると、選手の頭の中には、「昨晩、彼がスパイクを洗ってくれたんだよな」と浮かびます。

そして一連の色々なプロセスがあって、最終的にゴールが決められたと理解できます。

森山 他の人の行動が見えてくるわけですね。

石川 そこに、感情的なつながりができるのです。

学生スポーツをされていた方は分かると思いますが、一軍と二軍の関係が最悪だと、そのチームは強くなれません。

「信用」の文化だと一軍さえ強ければいいとなってしまいますが、上手な人もそうでない人も両方いて、そこに感情的なつながりがある「信頼」のチームのほうが強いのです。

勝ち続けるチームは、こういうことをたくさんしているのです。

近距離コミュニケーションで信頼を生む3つのポイント

石川 ではどうやって「信頼」を生むのか、つまり感情的つながりを作るかですが、次の3つについて順調かどうかを気にかけてあげることで「信頼」を生むことができます。

「近距離タイプ」と書いてあるとおり、これは1on1のような近い距離でコミュニケーションができる場合のポイントです。

「仕事は順調ですか?」

日々の仕事が実際に順調かどうかそのものは大事ではなく、気にかけてあげることが重要です。

「志事は順調ですか?」
「私事は順調ですが?」

日々こなさねばならない仕事だけではなく、人生における“志事”やプライベートの“私事”も気にかけることで「信頼」が生まれるのです。

「結果」ではなく「プロセス」について質問する

石川 ここで言う「順調ですか?」は、成果が出ているかどうか、ToDoリストをこなしているかどうかではなく、プロセスの話です。

1つめに「日々の仕事で、学びや変化がありますか?」という質問を書いていますが、人は変化がない状態を嫌います。

どれだけ成果が出ていたとしても、日々繰り返しの仕事と感じてしまうと順調とは思えず、飽きてきてしまいます。

ですから、結果ではなくプロセスの中に学びや変化があったかを聞くわけです。

人間とは面白いもので、「今週も単調な1週間だった」と思っていても、あえて聞かれると「そういえばこういう学びがあったな」と感じ始めます。

人は、誰かに何かを聞かれることで考え始める性質があるのです。

森山 ありますね。

石川 例えば、スポーツ選手はよく、目標を聞かれますよね。

彼らは、誰かに聞かれることで目標を考え始めます。

中竹 普段は盲目的に練習しかやっていませんからね(笑)。

石川 聞かれると、人の脳は気づきやすくなるのです。

適切なコミュニケーション頻度とは?

石川 それから、聞く頻度も大事と言われています。

1つ目の「仕事」については、1~2週間に1回の頻度が良くて、1カ月に1回だとタイミングが遅いと言われています。

つまり人は、1~2週間の間に仕事に学びや変化がないと飽きてしまうということです。

森山 なるほど。

石川 2つ目の「志事」は、1~2週間に1回聞かれるとうざいと思われます(笑)。

人生は、そんなに頻繁に変わらないですからね。

ですから、半年に1回でよいと言われています。

逆に3つ目の「私事」は、毎日でもよいと言われています。

こういうことを気にかけてコミュニケーションを取るためには、まず何よりも自分自身がこの3つについてどう思っているか自己開示しないといけません。

(平尾)丈さんのように、「最近、家で寂しくてLOVOTを買ったんだよ」とかですね(笑)(Part1参照)。

どちらかと言うと順調じゃないから買ったのだと思いますが、それを話すことで人間としての親しみが生まれます。

平尾 そうですね、一瞬「平尾の会社やばいんじゃないか」という噂が走りましたが(笑)。

石川 社長がちょっと……

平尾 社長が弱気なんじゃないか、と(笑)。でも、そんなことはないです!

石川 こういうことを自己開示すると、相手も自己開示しやすくなります。

組織には、感情を震わす「WHY」の演出が必要

石川 次に遠距離タイプ、つまり大勢を相手にする場合のコミュニケーションです。

「信頼」とは、理屈ではなく感情の話です。

ですから、その場にいる全員が打ち震えるような「なぜ我々はここにいて、なぜそこに向かうのか」の「WHY」を全員が同時に共有できる、イニシエーションのような場を準備することが重要です。

有名な例はサッカーのFCバルセロナで、彼らは「More than a Club」、つまり自分たちはサッカークラブ以上の存在であり、地域のために活動しようという考えを持っています。

独特の背景を持つこのチームにとっては、勝利することがゴールではなく、地域に貢献することが何よりも大事だとする文化があります。

「More than a Club」を掲げサッカーを通して感情を震わせ、「地域のために我々はここにいる」ことを伝えているわけです。

そういう、感情を震わせられる場を演出することがポイントだと言われています。

森山 ありがとうございます。

まずは投げ込みとして、皆さんに善樹さんのお話をお聞きいただきました。

まとめると、「働き方の中でどうWell-beingを考えるか?」というテーマにおいては、チーム、つまりつながりの中で働くことが大切だということでした。

チームになるための戦略には「信用」「信頼」「信仰」があり、その中でも「信頼」に焦点を当てられていました。

そして信頼を生むコミュニケーションのTipsとして、「結果」ではなく「プロセス」について質問することが視点の変化を生み、Well-beingな状態に至りやすいというお話でした。

登壇者の皆さんも気になるポイントがあったと思いますので、議論を進めていきたいと思います。

スポーツの話が出たので、まず中竹さん、いかがでしょうか?

(続)

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続きは 4. 中竹竜二さんも太鼓判!「食べチョク」のチームビルディング をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/尾形 佳靖/浅郷 浩子/大塚 幸/戸田 秀成

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