「職能部制と事業部制どちらが良いですか?」急成長ベンチャー経営者たちが徹底議論【K16-3A #8】 – INDUSTRY CO-CREATION(ICC)

「職能部制と事業部制どちらが良いですか?」急成長ベンチャー経営者たちが徹底議論【K16-3A #8】

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「急拡大する組織の採用/育成/文化作り」【K16-3A】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!9回シリーズ(その8)は、会場からの質問を受け付け、事業を運営する仕組みづくりや事業部制と職能制等の組織全体に関わる設計についてお話し頂きました。是非御覧ください。

ICCカンファンレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級の招待制カンファレンスです。次回ICCカンファレンス FUKUOKA 2017は2017年2月21〜23日 福岡市での開催を予定しております。

登壇者情報
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016「ICC SUMMIT」
Session 3A
「急拡大する組織の採用/育成/文化作り」
 
(スピーカー)
上原 仁
株式会社マイネット
代表取締役社長
 
平尾 丈
株式会社じげん
代表取締役社長
 
松本 恭攝
ラクスル株式会社
代表取締役
 
南 壮一郎
株式会社ビズリーチ
代表取締役社長
 
(モデレーター)
五十嵐 洋介
KLab株式会社
取締役副社長 COO

その1はこちらをご覧ください:【新】急成長ベンチャーの組織づくりの秘訣を大激論!【K16-3A #1】
その2はこちらをご覧ください:「採用とは営業である」ビズリーチやラクスルが実践した創業期採用の”科学”【K16-3A #2】
その3はこちらをご覧ください:「創業期に幹部候補を集めろ」ビズリーチ南氏が楽天三木谷氏から学んだこと【K16-3A #3】
その4はこちらをご覧ください:「価値観をテープレコーダーのように話し続ける」マイネット上原氏【K16-3A #4】
その5はこちらをご覧ください:じげん流M&A後の組織統合マネジメント「求心力と遠心力」【K16-3A #5】
その6はこちらをご覧ください:「8年間で2,000人と面接してきた」ビズリーチ南氏が語る採用の仕方・退職の防ぎ方【K16-3A #6】
その7はこちらをご覧ください:1番ハッピーな職場は能力・期待値・価値観が合致する環境である【K16-3A #7】


最後、時間が残り13分ほどとなり、会場の皆さんからのQ&Aの時間を取ってくださいとの指示が出ました。

聞きたいことは山ほどあり、私もまだ5%くらいしか聞けていませんが、会場の皆さんからの質問を通して更に突っ込んで聞いていければと思います。

ご質問ある方、挙手をお願いします。

そちらの中央、2列目の方。

事業的な仕組み化をどのように行うか?

質問者1 ウィルゲートの吉岡と申します。弊社は現在100人くらいの規模なのですが、ナレッジの汎用化や標準化が課題になってます。

具体的には、事業部の責任者が仕組み作りに長けている場合は仕組みが作られていく一方で、そこが弱い部門は仕組みも弱いままと、事業部の責任者の能力次第になってしまっています。

皆さん急成長されている中で、本社機能で、例えば人事部が介入し横串で何らかの仕組みを作っているのか、それともあくまでも事業部サイドで、アドオンで仕組み作りもしてほしいとリクエストしているのか、採用後の仕組み化の部分についてぜひお伺いしたいと思います。

五十嵐 どなたから回答いただきましょうか。

吉岡 南さん、ぜひお願いします。

 ご質問は、組織面での仕組み化ですか、それとも事業的な部分でしょうか?

吉岡 事業的な部分です。

 事業的な仕組み作りについては、経営陣で、例えば、弊社では比較的早くから、管理目標指標であるOKRやNPSなどを導入したりしました。

事業や部門数が増えてきたこともあり、数字で管理する重要性が増しているのも特徴だと思います。そうすれば部署や部門を異動しても同じような指標でマネジメントを行うことができるからです。

グローバル企業で使われている指標を勉強させてもらったり、それこそドラッカー先生の経営手法なども含めて、いろいろなところから輸入してきて、会社の仕組化に役立ててます。

ですから、弊社は割と数字や指標に基づくマネジメントを組織横断的にやることによって、各事業部のトップが物事を決めやすくしているのだと思います。人事は、各事業のトップとよく話しながら、事業面の決断を支えるための、組織面の仕組作りをサポートしていくビジネスパートナー的な存在です。

吉岡 参考になりました、ありがとうございます。

五十嵐 私からも質問させていただいていいでしょうか。

平尾さんに質問ですが、先ほどM&Aで一緒のグループになってくれた会社に「じげん流」のようなものを伝える、乗り込んでいってじげんのやり方を伝えるとおっしゃっていたので、社内である種の仕組み化を事業の面でもなさっている可能性があるのかなと思ったのですが、いかがですか?

会社経営としての北極星の描き方

平尾 そうですね、事業部制になってから事業部共通で、社内であれば売上高よりは営業利益額を追っていますし、中期経営計画で出している通り、トリプル25、つまり営業利益率、営業利益成長率、ROEを全て(CAGR =年平均成長率 ではなく)単年度で25%上げるということを現場の毎年の目標としています。

そのことは弊社の幹部であれば皆理解していますし、グループ会社で連結に入るのであれば、そのことを分かってもらいますし、じげんのグループが「生活機会の最大化」ということをミッションとしてやっていることも知っているはずです。

会社経営としての北極星の描き方、言い換えれば、「上」がきちんときまっているのであれば、その下の事業の仕組みや手段というのは、ある程度決めの問題もあると思います。

私に偉そうに言う資格はないのですが、お伝えしたかったのは、今10年が経ちましたが、やりたい施策や人員施策というのはたくさんあるものの、全ては実現できていません。

我々は事業家集団ですから、事業をやりたい人、経営したい人、事業を作りたい人、そして起業したい人が多く集まってきます。

そうすると、専門職系、クリエーター系の人からすると、何かちょっと暑苦しいし、うるさいし、元気があり過ぎて鬱陶しいと感じることがあるかと思います。

両方の人材を採るために複線型人事を行うケースが多いと思うのですが、我々はその中でも圧倒的にゼネラリスト志向で、エンジニアでも営業の売り上げ数値を見るとか、バリューチェーンも部分的ではなく事業全体と見るということを重視しています。

真ん中にアントレプレナーシップがあり、組織のクリエータでもクリエイティブを見たりだとか、ソーシャルとかテクノロジーなどの強みがあっても良いというように組織を考えていって、それを伝えています。

これを10年やっているわけです。

今日はカルチャーの議論がなかなかできなかったかと思いますが、このような経営側が一体となってやっている仕組みが10年続くと、組織や事業のPLを、上場してBSも使って経営していますが、組織のBSの中にやはり無形資産のようなものがあって、そちらへ転化してくるような瞬間というのが出てきます。

上場しても組織はデジタルに何かが変わったということはなかったのですが、10年ずっとやってきて積み上げてきた仕組みだとか風土というのは、全く劣化しておらず、逆に磨きがかかり求心力が上がっているのではないかと思います。

これらをブレずにやっていくことが、大切だと思っています。

五十嵐 BSと表現されましたが、やはり組織風土のようなものが会社の資産となって、その資産があるからこそ、仕組みなどが機能するということだと思います。

各社とも、経営がうまく回っているからこそ、「言うは易く行うは難し」が実行できるということですね、素晴らしいと思います。ありがとうございます。

では続けて別の方、質問がありましたら挙手をお願いします。いかがですか?

そちら後方の方、どうぞ。

職能制と事業部制どちらを採用すべきか

質問者2 株式会社ZUUの原田と申します。今日はお話ありがとうございました。

先ほど、南さんと平尾さんが、職能別組織から事業部制組織へ移行されたお話に言及されました。

弊社は現在50人くらいの規模でして、急激にメンバーを増やす中で、職能で下にどんどんぶら下げるような形でメンバーが入ってきています。

しかし、特に金融系のメンバーとインターネット系のメンバーの間のカルチャーが異なり、割と分断されてしまっている中で、私たちも事業部制にしっかり移行して、共通のサービスプロダクトに紐付けた形でやっていこうと思っているのですが、文化が分断されいてる分、ここの統合が思った以上に難しいということを痛感しているところです。

先ほどサラッとお話されていた部分を、どのような流れでそういった組織の移行を進められてきたのかお伺いできればと思います。

平尾 そうですね、たぶんこの後に南さんがバシッと決めてくださるはずですので、私はどちらかというと、全てがすべて、ポジティブに事業部制に移行したわけではないということをお伝えしたいと思います。

もうひとつは、これは答えがない課題だと思っています。

縦か横かという話ですが、私の前職のリクルートはやはり事業部制を採っており、事業が強いのですが、その一方で、今はどうか分かりませんが、私がコーポレートに在籍した頃は、コーポレートや横串での施策が打ちづらいと感じました。

総合商社さんもそうだと思いますが、縦が強いと横に広げづらいなと。

どうしても業界について詳しい人とか、キャリアの長い人、「30年やっています」というような人が上に上がっていくように、若手としては見えました。

そうではない組織というのは社内にもあるので、そういう考え方からすると、私たちは本来職能制の方が、そういった横串を効かせて、コーポレートでグループ経営していくというのが、本来の姿なのではないかという思いがありました。

ただ我々はその過程の中で、組織の人員をパズルのピースのように集めていっており、南さんがポジションを作って入れることはしないとおっしゃいましたが、弊社もそうです。

非常に厳しく入口を管理しています。

その分、社員のキャリアになるような環境を用意しており、実際3年~5年仕事を続けると、変な話、弊社の社員にはヘッドハンターが必ず声を掛けてくるので、そのようなバリューアップにつながっていると思います。

その途中において事業部長たちに任せて経営していくケースと、職能の幹部たちとやっていくケースとの2つを考えた時、当時の「じげん」では、後者の人材が少なかったこともあり、やりたかったけれどもできなかったというのが実情です。

今後もずっと事業部制でやるかというのは、実は考え中で、これは何年間かで変えていく方が、私としては組織のモビリティが上がるのではないかと思っています。

入れ替える時は毎回大変ですが、後で振り返って、やって良かったという地点になるのではないかなと思っています。

後はたぶん南兄貴がまとめてくださると思います。

縦と横の管理を非連続で続けていく

 平尾さんがおっしゃったように、縦で管理したり、横で管理したりということを、どこの会社もこれを非連続で続けていくということだと思います。

弊社でも、職能の組織の良さというのは絶対にありますし、やはり尖った人材であるとか、専門知識を持った人材というのは、やはり職能組織の方が魅力的に見えるわけです。

ただ、平尾さんがおっしゃったように、会社には、成長段階によって数字を追わなくてはならないフェーズがあったり、採用を強化しなければならないフェーズがあります。

事業部制にすると、例えば数字を持った人間が組織を引っ張る傾向にあります。そうすると、その人が持っている人間的なカラーであったり、理想とする文化というものが、事業部に染み付いていくので、それまで会社や職能ごとに大事にしてきたものが薄れます。そういう会社の文化を調整していくのは苦労があった一方で、事業の成長という意味では相当ドライブがかかりました。

ですから、御社が今どのようなフェーズにあるのかにもよりますが、私は50人であれば、職能組織の方がより魅力的なのではないかと勝手に思います。

まだ経営者として、チーム全員と密な会話が一人一人とできる規模だと思いますので、多少エッジがきいた職能タイプの人材が集まったとしても、また多少勢いやノリで判断を続けても、組織としてはドライブすると思いますので。

原田 大変貴重なご意見、ありがとうございます。

五十嵐 ありがとうございます。

(続)

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/鈴木 ファストアーベント 理恵

続きは 「ヒト・モノ・カネ」から「ヒト・ヒト・ヒト」へ - 急成長ベンチャーが考える働き方 をご覧ください。

【編集部コメント】

続編(その9)では、各登壇者が考えるカルチャー作りへの取り組みと、これからの時代に求められる組織づくりについてお話し頂きました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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ICCパートナーズ(ICC Partners Inc.)は産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンフ ァレンス「Industry Co-Creation(ICC) カンファレンス」の企画・運営および新規事業創出・アライアンスなどのアドバイザー業務を行っています。