トップリーダーたちは、なぜ「北欧、暮らしの道具店」から学びたいのか? 【ICCラウンドテーブルレポート】 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

トップリーダーたちは、なぜ「北欧、暮らしの道具店」から学びたいのか? 【ICCラウンドテーブルレポート】

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昨年、大好評を得たICCビジネス・スタディツアー@クラシコムが帰ってきた! 5月21日、新緑まぶしいクラシコムのオフィスにて、再びICCラウンドテーブルを開催いたしました。「北欧、暮らしの道具店」が目指すブランド創りや顧客体験について、代表取締役社長の青木耕平さんと参加者21名がみっちり3時間討論しました。その模様をお伝えします。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月3〜5日 京都開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


クラシコムのオフィスに21人が集結

この日、東京は大雨防風警報が出るほどの大荒れだったのですが、集合時間が近づくにつれ雨が止んで晴れてくるという、まさかのミラクル。早くも30分前から参加者の方々が、会場に続々到着してきました。

前回のレポートにもあるとおり、クラシコムのオフィスは、ブランドを体現しているような、白を基調とした絵になる作り。今回は拡張した新フロア、社内イベントなどを行うコミュニケーション・スペースの一角でラウンドテーブルを開催しました。

▶昨年開催のスタディツアーの模様:
【開催レポート】人気ECサイト「北欧、暮らしの道具店」の強さの秘密を23人が徹底討論! ICCビジネス・スタディツアーvol.2 クラシコム

早く着いた方々は、同じフロアのキッチンの周りにいた、10人ほどの出で立ちや雰囲気がブランドイメージにぴったりのスタッフの方々を見て驚いています。この日は、3時のおやつのドーナツを揚げていたそうなのですが、それさえもクラシコム!

しかしICCからの軍団もそれに負けません。徐々に到着者が増えてくると、挨拶や話し声の声量で圧倒していきます。どこであっても自分たちの持ち味を発揮できるのが、みなさんの素晴らしいところです。


【開催情報】
2018年7月5日
「北欧、暮らしの道具店」(ファン/コミュニティ作り、メディア/ECの今後を議論!)
@クラシコム オフィス

【ご参加いただいた方々(敬称略)】
青栁 智士 LUCY ALTER DESIGN 代表取締役 / Creative Director
安藤 正樹 株式会社リクシィ 代表取締役社長
岩田 真吾 三星グループ 代表取締役社長
榎本 純 オリジナルライフ CEO
大薮 雅徳 株式会社Elaly 代表取締役兼CEO
金村 容典 株式会社フラミンゴ 代表取締役CEO
川添 隆 株式会社ビジョナリーホールディングス 執行役員 デジタルエクスペリエンス事業本部 本部長
久志 尚太郎 株式会社TABI LABO CEO
桑原 真明 株式会社Next Branders 代表取締役社長
児玉 昇司 ラクサス・テクノロジーズ株式会社 代表取締役社長
多田 洋祐 株式会社ビズリーチ 取締役
手嶋 浩己  XTech Ventures株式会社 共同創業者ジェネラルパートナー
中山 亮太郎 株式会社マクアケ 代表取締役社長
橋本 舜  ベースフード 代表取締役
羽田野 真衣 ライフスタイルアクセント株式会社 顧客担当責任者
濱野 幸介 プリズマティクス株式会社 代表取締役
逸見 光次郎 オムニチャネルコンサルタント コンサルタント
前山 雅洋 ラクサス・テクノロジーズ株式会社 マーケティング部マーケティング課
山下 貴嗣  株式会社Bace(Minimal – Bean to Bar Chocolate –) 代表取締役(代表)
山田 敏夫 ライフスタイルアクセント株式会社 代表取締役社長
若宮 和男 uni’que inc. 代表取締役

参加者のみなさんは3つのテーブルに分かれて着席し、まずは自己紹介からスタートです。

オムニチャネル逸見さん「クラシコムほど顧客と密着するECはないと思う」

Elaly大藪さん「中長期のファンづくりを学びに来ました」

マクアケ中山さん「人柄に惚れて、愛を伝えに来ました」

ヤッホーブルーイング清水さん「リブランドしたい商品があり、話を聞いて学びたいです」

開始から、参加者のみなさんの青木さんへ尊敬を込めた愛の告白が続きます。青木さんは「あまりの気合いに具合が悪くなってきました……」と照れ笑いをしつつ、「ここまで来ていただいたので、何でも包み隠さずお話ししたい」と宣言。実際に、どのような質問にも声が枯れるほどお答えいただいたのでした。

クラシコムのオフィスを見学

自己紹介が終わると、オフィス内を見学です。1年前と比べてスペースが増え、レイアウトも変更されていました。

週1回、料理家が社員分のランチや夕食を作るというキッチン

クラシコムはリモートワーク可なので、豪雨警報の出ていたこの日のオフィス出勤率は、60名の社員の4割ほど。執務フロアは人口密度が低くて空席が目立ちます。一角で社員さんのお子さんが勉強をしている様子を目ざとく見つけたのは、Minimal山下さん。

青木さん「学童の代わりといいますか、小学校に上がって8歳ぐらいまで、預けるところがなくなるという『6歳(小1)の壁問題』というのがあります。それを小さめに試し始めているという感じです。ちょうど社員の親世代に当たる50代のシッターの先生がいて、とてもありがたく思っています。みんな精神的に頼りにしています。

夏休みが最大の「小1の壁」。不安感じる共働き親は75%——会社に望むことの1位は(BUSINESS INSIDER)

社員の三分の一は会社近くに住んでおり、交通費が発生しない場合は月1万円の手当てが出ます。近くへ引っ越してきた場合も補助があります」

前回ワークショップを行ったスペースは、託児所に加えて、会議室、集中スペースとロッカーに変更されていました

一行がスタジオのフロアへ移動すると、まさに商品の撮影が行われていました。「北欧、暮らしの道具店」では扱う商品数が少ないため、1つ1つの商品にかけられる時間が多いのだそうです。

前回のラウンドテーブルでも話題となり、オフィス見学でも印象的だった「共通の世界観、審美眼をもった人たちをどう採用するか」という話になりました。

青木さん「クラシコムは中途採用を年2回行いますが、面接でスクリーニングして、実技で決めます。面接での話と実技が合わない人がいます。僕らは語れる人より、作れる人がほしい。具体的には、写真のスタイリングと撮影で適性を見ます。

そこでは頭の中にあるイメージを撮りにいくのか、奇跡の一枚を探して何枚も撮るかを見ます。写真の技術をあとから教えることはできても、何がカッコいいかを教えるのは難しい。技術よりも審美眼を見ます。メンターが半年間並走してある程度のクオリティまでもっていき、その次はマスターが見ます。教育にコストをかけていますね」

ショップもない、Eコマースは写真が命。「いい写真」とはブランドの世界を体現し、商品が売れる写真とのこと。売り上げ仮説を綿密に立て、それが外れたときの立て直しは迅速で、朝10時に出した商品の売り上げ推移を昼に判断して、必要があれば改善し、夕方までには変更を反映するといいます。それらはすべて記録に残すのだそうです。

真剣にメモをとっています

中山さん「どのくらいのペースで新しいSKU(※)を投入するのですか?」

▶編集注:Stock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)の略。一緒に販売されるときの
1つあるいは2つ以上の商品を表す在庫管理単位。

青木さん「週に3カテゴリーぐらいでしょうか。すごく売れる商品だと、15,000円ぐらいのものが◯◯◯ぐらい出ます。そしてロングテールよりも圧倒的にブロックバスター(※)です」

破壊的イノベーションを実現するブロックバスター戦略とは何か?【F17-3C #1】

オフィスツアーが終わると最初の席に戻って、参加者たちは青木さんとの質疑応答になりました。2時間にわたった質疑応答は非常に濃い内容となりましたが、ここではそのほんの一部分をお伝えします。

なぜクラシコムをやっているのか?

「歴史を聞こう」「全部知りたい」「青木さんの問題意識は何だ?」などなど、質問を検討中

橋本さん「そもそも青木さんは、なぜ、何のためにクラシコムをやっているのですか? 仮説としては、上場やビジネス最大化のためではなく、たとえば自分や他人が働ける場を作りたいとか、子どもと一緒に過ごせる場とか、僕らと違うものがあるのではと感じます」

青木さん「もともとは、ただ気持ちよく生きたいということ、それだけです。でも、そんな個人的な動機で始めたことが、だんだんみんなのものになっていき、自分のものではなくなってくる。それがいまや、毎日みんなの動機の下僕だと言っています(笑)。個人的な野心は5〜6年前に満ち足りました。個人としてはむしろ、6〜7年前が一番幸せだったかもしれないです。

会社が健やかであるための重要なファクターは、新しい人が増え続けることです。そのために事業を広げようとしてきました。自分の仕事場でもあるから、不健全なのは嫌で、そうならないために一番効くのは、新しい人が入り続けることです。

残念ながら、一人で幸せになることはできません。自分が幸せになるには、目の届く人たちが喜ぶ状況にならないといけない。その人たちが喜ぶためにはその先の人が喜ぶ状況が必要です。結局は、みんなで幸せになるしかない。

もう一つは、自分の個性としての部分です。登られていない山はないと僕は思っています。たとえばエベレストはみんな登っているけれど、それをよりエクストリームな条件で登ることにカタルシスを感じる。僕はそっちのほうが好きなのです。みんなが登った山に逆立ちして登りたい。

新しい選択肢を生むことに快感を覚えます。みんなが登っている登山道で1位になることに興味はないのです」

ファンとの絆と質の担保のためにどんなことをするのか

山田さん「サイト『北欧、暮らしの道具店』総セッションの半数は、過去20回以上訪問したことのある人の訪問で占められているとのことですが、どういう体験をすれば、そうなるのでしょうか? 仮説としては、自分の審美眼と共通したメルマガなどが来ることで、仲間意識ができてサイトを見に来るのではと思います」

青木さん「パーミッションをとった相手には、毎日のようにコンテンツを送り続けます。我々、プル型メディアに見えるのですが、実はめちゃくちゃアグレッシブで、非常にプッシュ型です。

Q221 プッシュ型とプル型の違いは何ですか?(フェローズ)

前提条件として、パーミッションを低コストで獲得でき、大量にコンテンツを送り続けても解除されない、そうならざるを得ない構造というのがベースラインにあります。同じようにやっても必ずそうなるかというと、実際にパーミッションは獲れないのではと思います。

自分たちで品質を確保したものを提供して、『ここからコンテンツを追加でもらいたい』と思ってもらうものを作る、実際に送るというパーミッションをいただいた期待値を超えるコンテンツを送るということです」

多田さん「そういう状態を維持するために、青木さんがここだけは譲っていないというところはあるのですか? それともまわりのみなさんが理解してやっている?」

青木さん「僕はコンテンツ面でそんなに役割を果たしていなくて、クリエイティブディレクター的な部分は共同経営者の妹が担っています。こういうとおこがましいのですが、ジブリで例えると宮崎駿さんは妹で、鈴木さんが僕という分担です。

『仕組みをハックする』ということは、まったく推奨していません。これは明確に意思をもってやっています。Instagramでこうやれば見られるとか、社員が研究して成果を得るということに過度に取り組むことは推奨していません。

コミュニケーションの居心地がよくあるためには、最低限、やる側が遊びでやっていないと、相手も面白くならないと思っています。たとえば自分だったら上手なナンパ師に口説かれたいのか想像してみると、多分テクニックを極めている人に口説かれるのはちょっとやだなと。

我々とのコミュニケーションにおいて顧客に礼儀正しく素朴な好青年として対するのか、手練手管を極めた上手なナンパ師として接するのか、どちらが長期的かつ良好な関係性につながるのかと考えたときに、我々は純朴な好青年のように顧客に相対したいと考えるようになりました。

よりよいコンテンツのために試行錯誤はします。でも、検索エンジンをハックしようとか、YouTubeでこんなコンテンツがうけるとか、全く気にしないわけではありませんが、中心には置きません。

そう振り切ることは綺麗事ではなくて、戦略的に差別化することで、勇気がいる判断でもあります。勇気がいるからこそ競合は出にくいし、相手が賢いほど同じ戦略をとるのは難しい」

どんな共通認識を共有するのか

久志さん「さきほどおっしゃっていた、審美眼、世界観を因数分解すると、つまり何のことを言っているのでしょうか」

青木さん「重要なのは、因数分解せずに理解する、全体を理解することです。説明できなくていいので、ホリスティックに受け取ったときに、どれがよくて、どれがダメなことがわかっていないといけません。それができる、ベースラインを共有している人だけを採用しています。

僕らは『違和感をスルーするのは裏切り者だ』と言っているのですが、クラシコムのエディターとしては、どこをどう直せばダサくなくなるか言語化できなくてもいいのですが、違和感を言い出せないとか、スルーしてしまうのは悪いことです。

何がイケていないのか、ダサいのかを率直に言えないとダメです。因数分解して言語化する人の声がでかくなりすぎるのは最悪で、センスがない人の声がでかくなるのは、よくありません。説明がうまいと、ついみんな聞いてしまう。確からしい人の声に従ってしまうと、コンテンツが平板なものになっていってしまいます」

幅を広げるのか、絞り込むのか

青柳さん「サービスを続けていくうちに、違う流派が出てきたりはしませんか? 出てくるとつぶしたりするのですか? それとも多様性ととらえますか?」

青木さん「つぶさず、自分たちの幅が広がったととらえます。たとえば23、4歳の純朴なの人がいて、下ネタとかいわれると恥ずかしくなっちゃうような人がいたとします。その人が大人っぽいところを見せたいと頑張って、下ネタにのったりすると、我々から見ると若干かわいそうな感じになりませんか? それはやりたくないのです。

自分たちのエゴで、自分たちの違う一面があるというのを見せたくて幅を広げるのは、なしです。でも先ほどの例えの若い人が、長い時間をかけて必然的にいろいろな経験を経て、そういうことすら上品に扱える、幅をもった人格を備えた大人になったりするじゃないですか。それは肯定します。

長い時間がかかるかもしれませんが、作為をもたず生まれてきたものは肯定し、無理のない範囲に収めることで、幅は広がっています。これは僕らはポジティブに受け止めています。

僕らはサザエさんのようなもの。コンテンツに接するときに、独特な読後感を期待していいただいていると思う。日曜の夜の『明日から仕事か』というモヤモヤ感をちょっと忘れるのを期待しているのに、クリエイターの幅を見せたいと言うエゴでタイコさんの不倫問題が出てきたりしたら最悪です。

僕らにとってはお客様との約束が最優先です。サービスを続けた先に、自然に出てきた幅ならいいと思います」

気持ちいい世界観の維持か、スケールか

山下さん「サービスを全部自分で見ようとすると、自分が5人ぐらい必要になりませんか?青木さんの兄妹でのキャパシティを超えたときに、この気持ちいい世界観を維持するのか、スケーラビリティをとるのか」

青木さん「難しい問題です。回答になるかどうかわからないのですが、よく5年後にこの会社をどうしたいのかと聞かれますが、わからないといつも答えています。

唯一思っているのは、健やかであること。これを基準に置いています。事業は生き物だから、3歳の子どもだとすると、めちゃくちゃかわいい。ずっとこのままでいてほしいと思うけれども、10年後にも3歳のままだと、かわいそうじゃないですか。

事業が伸びたがっているときは、成長してしまうし、伸びてしまうものは、伸ばさざるを得ない。子どもならば、ちゃんと教育したいし、栄養のあるものを食べさせてやりたい。普通にやるべきことをやれば伸びるということにおいて、親として責任を放棄して、子どもの健全さを看過するということはしたくない。

快適さでいえば、5〜6年前が一番快適でしたが、今は面倒なことしかありません(笑)。でもそれは、思春期の子どもを育てているようなもの。僕にもその年頃の子どもがいますが、スマホだ、宿題やれとか、面倒くさいことばかりです。

でも、そのなかでやれることをやっていくしかない。子どもも会社も基本的なスタンスは同じで考えています。

お客様が10人と10万人では、同じ対応はできません。その人数に適切な設定を決めて、トータルが最大化する、健やかであることを考えます。こういうサービスを提供したいとか、会社がこうありたいというのもありません。あくまでも置かれた環境のなかで、もっとも健やかで価値のある状況を作る。

あとは店舗展開など、最低限自分の嫌なことをしないということぐらいです」

山下さん「会社が成長していくときに、辞めていく人はいませんでしたか?そのためにケアしたりは?」

青木さん「会社の規模が変わっていっても、無理はさせていません。成長のためにオペレーションがひっ迫して、現場が疲弊するということは1回もない。そこは無理なくオペレーションが回ることを考えています。クオリティは上がっているけれども、オペレーションの負荷はそんなに上がっていないのではと思います」

ラウンドテーブルを終えて

その後少しの休憩を挟んで、後半戦はさらにディープに売り上げの話、在庫回転率の話、オリジナル商品の話にも及びました。この場だからこそ聞ける、リアルな数字やオフレコの話が満載でした。

現場に負荷のかからないオペレーションの計画や、社員の「局アナ化」、新商品と同等のパワーを持つ「再入荷」など、聞けば聞くほど興味深い話は尽きず、予定時間では収まらないほどの質疑応答が続きました。

最後は、参加者の方々に感想をお聞きしてラウンドテーブル終了となりました。

逸見さん「オペレーションの予測をしてコンテンツ制作のバッファを作って、そのなかで事業は野放しとおっしゃいますが、その予測をきちんと立てるうえで自由度を作ってらっしゃるところが、青木さんの経営の凄いところだと思います」

山下さん「ブランドを作っているのが一番大きいと思います。同じものを売っていても『北欧、暮らしの道具店』から買いたいという人をたくさん作っている。値引きを起こさせないブランドを作っているのが凄いと思いました。

事業をスケールさせていくときに、クリエイティビティの高さを発揮したいという人は、少しでもマス化していくと辞めていってしまいます。しかし『オペレーションが大きくなったら楽になる』と置き換えることで残ってくれて、結果的に会社を支えてくれる、ということが大きな学びでした。

それが会社として強みとなり、ブランド感を保ちながらスケールしていくことの一つの解だなと思いました。ものすごい勇気と1つの答えを持ったような気がします」

橋本さん「なぜクラシコムをやっているのかお聞きできてよかったです。自分も子どもを会社に連れてくるというのは夢です。実際にやられていて、青木さんのお考えなどもお聞きできて大満足です!」

児玉さん「青木さんの、機会損失を受け入れる、欠品することは悪くないという『機会損失の先送り』が衝撃的で、すぐに帰って自分の事業に反映させたいと思いました。Laxusも、借りたいバッグがレンタル中で借りれないという課題があり、その課題を違う価値に変えたいと思いました」

山田さん「青木さんの、『ハックしない』という考え、そもそもそれってどうなんだっけ?と、常識をうのみにせず、すべてにおいて自分たちで突き詰めて考えるというのが凄いと思いました」

手嶋さん「起業家の人と話していて、気がついたら、自分が行きたくない会社になっていたとか、こんな会社にするつもりはなかった、上場したら辞めるつもり、という話を聞いたりします。投資している会社には当然成長を求めますが、たまにバランスをとって、やりたいことをやれ、と言います。

長期で経営にコミットするなら、自分が嫌いな会社になってしまうのはよくない。会社は気をつけないとすぐそちらの方向へ転びます。投資している企業に、今日の青木さんの言葉を伝えたいです」

中山さん「2週間で5,000個売れる商品があるというのが凄いです。また、常に『小売の当たり前』の逆張りをいっているのもすごい。まだまだ小売は革命期にあると思いました。

アマゾンや楽天が取り切れていない部分はまだすごく残っているし、既存のルールでは通用しない。会社のあり方、社員の愛情なども含め非常に勉強になりました」

久志さん「今まで青木さんの発言を読んだり、聞いたりしてもわからないことが沢山あったのですが、実際に今日ここに来て、社内や街の雰囲気を見たりして、腑に落ちました」

濱野さん「青木さんとは普段から話していますが、モヤモヤしてしまいました。クラシコムは小売業であって小売業ではないですよね。この先、事業承継とかどうなるのでしょうか」

川添さん「在庫が22回転するとのことですが、店舗でやると、回転数イコールオペレーションなので、効率が悪くなる。『北欧、暮らしの道具店』は、ECでやっている強みを生かしていると思います。

青木さんは前職時代から、ビジネスをグロースさせるのが好きで、会社のルールは合理的な部分がある一方、ブランドはほんわかしている。これってなぜ融合しているのだろうなと思っていました。今日わかったのは、その中心に健やかであることがあり、それがしっかりしているのでマージできているのだろうと思いました」

小林「多田さんはすごくメモをとっていらっしゃいましたね」

多田さん「はい。自分でも読み返して哲学にしたいと思います。トップになると、数字だったり、それっぽいことを言いたくなります。今日一番印象的だったことは、会社の内にも外にも青木さんの哲学があり、すべてにおいて一貫していることです。青木さんにどんな質問をしても哲学が出てくる。

ファンというのは、トップ、それを表す会社、サービスについくださるのだろうと思います。ビズリーチも10数名のころから関わっていますが、もう一度改めて、何を成し遂げたいのかという思想を踏まえ、それについてくださるお客様と一緒に社会をよくしていくことに、自然体で取り組みたい。

子どもの成長の話が出ましたが、それがすごく刺さっています。ずっと3歳のままでは嫌だ、そういう感覚で会社をやっていくことが大事ということを学ばせていただきました。明日から実践したいと思います」

岩田さん「新会社ならば、一から作っていくことができますが、僕は家業の三代目ですでにある状況です。すでにできているものがあり、社員もいて、繊維を作ることをやらなければいけないというプレッシャーの中で、青木さんのようにやりたいと、もがいています。

クラシコムはセレクトからスタートして、別注品も作っている。このあとぜひうかがいたいのですが、いま作り手はたくさんいて、その人達が儲からない状況といわれています。青木さんが考えるモノづくりはどうなっていくのかや、青木さんの仲間になって、みんなで健やかにやっていける状況ができないかとお話したいです」

青柳さん「僕は前職IT業界でしたが、現在はデザインの会社と、小売ECをしています。お話をうかがっていて、ITの業界から、クラシコムのような企業は生まれないだろうなと思いました。そしてあえてD2Cを作るのは、今、チャンスがあると思いました。

逆張りでレアなケースなのに、青木さんの自分の考えを最大公約数の人に伝えようと話してくださるところ、等身大で何でも話してくださるところに人間的な魅力を強く感じました。こういう方が上にいるということに、憧れというか、感謝をしたいと思います」

参加者からの愛あふれるコメントに、終始恐縮されていた青木さん。締めのコメントです。

青木さん「濱野さんに、こんな逆張りはありえないと言っていただけましたが、僕らは時代の徒花かもしれない。現在進行中でそれを検証しているという過程において、これが普遍的な価値があるかどうかはわかりません。それに、2019年〜2020年は、今まで10数年やってきたやり方の転換期が来ると感じています。

それでも僕らのやり方が、1つでも視点の参考になればと思っています。リスクもあるし、自分たちでも安定感を欠いたやり方で、不安定だと思っていますが、願わくば、これがみなさんをインスパイアできたり、選択肢を広げていただくことになり、やがてそこから僕らがインスパイアされるということになればと思います。今日はどうもありがとうございました」

このあと、懇親会場に移動した一行。驚いたことは、そこでも終始真剣な議論が続き、延長ラウンドテーブルとなっていたことでした。

青木さん、ご協力いただいたクラシコムの皆様、参加いただいた皆様、どうもありがとうございました!

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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