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11. ChatGPTがラジオの台本を作成してみたら…

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ICC KYOTO 2023のセッション「AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン5)」、全13回の⑪は、話題はがらりと変わって日本マイクロソフトの西脇さんが出演しているラジオ番組について。その台本をChatGPTで作っているといいますが、果たしてどこまでできるのか、課題はあるのか?ChatGPTが作ったとは信じられない台本を含め、ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2024は、2024年2月19日〜 2月22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは STREET HOLDINGSです。


【登壇者情報】
2023年9月4〜7日開催
ICC KYOTO 2023
Session 11C
AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン5)
Supported by STREET HOLDINGS

「AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン5)」の配信済み記事一覧


西脇さん出演ラジオの台本をChatGPTが作成

西脇 ではここから、私、西脇はどうなのかという話です。

ちょっと個人的な話ですが、私J-WAVEとTokyo FMでレギュラー番組を持っていて、ちょっと宣伝させてください。

明日お昼12時30分から(※Tokyo FM・金曜12:30〜12:55)、レギュラーでオンエアですので、ぜひ皆さん、radikoで聞いていただいて、東京の方はぜひそのまま聞いていただきたいと思います。

なぜこんなラジオの宣伝をしているかというと、実は私のラジオ番組の台本はChatGPTが作っています。

セブン銀行 presents エバンジェリストスクール!(Tokyo FM)

尾原 ほう!

西脇 これがものすごく話題になっているわけなんですが、出演者は私 西脇と、ラブライブ!で有名な声優さんのLiyuuさんが一緒に出ています。

尾原 石山さん、好きですか?

石山 いや、セブン銀行をよく使わせていただいています。

西脇 (笑)。

尾原 あと13分ですからね。

西脇 巻かないと(笑)。約30分の番組の中の15分ぶんをChatGPTが作っています。

尾原 へー、半分!

西脇 彼女は声優だし、私もしゃべりがメインなので、台本をしゃべっている感じの劇を15分間やっているみたいになるのですが、これがまた面白くて、反響がいいわけなんですが、皆さん、ラジオの進行台本って、見たことないですよね?

ラジオって生放送でも絶対台本ありますから、台本がない番組はないのです。

ラジオの進行台本はこんな感じで、もうめちゃくちゃオールドエコノミーなんです。

こんなふうなんですよ。

「こんにちは、エバンジェリスト 西脇 資哲です。」みたいな感じで始まるのですが、これは明日放送の生々しい台本を持ってきました。

こんな風にしゃべるって、リスナーさんからのメッセージなど紹介するのですが、今日のテーマにいくわけですが、ちょっと読んでみましょうかね。

「今日のテーマなんですが、」から始まって、「ということで、『夏休みの宿題を忘れたときの言い訳』をChatGPTに聞いてみます!」みたいなコーナーなんですね。

「さあ、、今日は、ChatGPTをちょっとちがったかたちで活用してみましょう! 今日は夏休みの宿題を忘れたときの言い訳についてお話ししたいと思います。」

BGMも入って、ここからの台本が全部一字一句ChatGPTです。

正直言って、かなり優秀で、番組を十分任せられるぐらいの優秀さですね。

これは2人で会話をしているシーンで、「相手はコスプレイヤーで声優で歌手でもある中国出身の20代の女の子」という設定を、全部ChatGPTに覚え込ませました。

私も「IT業界で、エバンジェリストで、男性で50代」でと覚え込ませて、会話の口調もあらかじめ覚え込ませています。

その上でGPT-4が全部こうやって文章を書いていくのですが、例えば「えー!」とか「どうしてもやる気が出なくて…」みたいな感情を入れたところまでやってくれるので、かなり台本としてしっかりしたものができます。

尾原 特にカスタムインストラクションでこの辺の設定を常に保持できるのだから、このぐらいの実用レベルが、要は使う側のユーザーでできてしまうということですね。

西脇 そうなんです。カスタマイズしなくてもずっとためているので、言葉がだんだん豊かになってくるのです。

ChatGPTが作成した台本の課題

西脇 ところが、現実はなかなかそうではないという話をさせてください。

このスライドは、10月に放送倫理委員会がChatGPTのセミナーをやるのですが、その時の資料を抜粋したものです。

ラジオ番組には必ず放送作家と演出家がいます。

プロデューサーがいて、放送作家と演出家がいて、ディレクターとADがいて、曲のミキサーがいて、出演者がいます。

こういう流れでラジオ番組は作られているのですが、このうち放送作家と演出家の部分をChatGPT(GPT-4)がやっているのです。

だから、これいいね、コスト削減になるし便利になるよねと思うかもしれませんが、実は増えるのです。

普通は台本はファクトベースに作っていくのですが、ChatGPTで作った台本はファクトベースに作っている台本ではないので、ファクトチェックを絶対にやらないといけないのです。

あとは、発言ではない感情表現というものが、ラジオであるのです。

例えばこういうものです。「アッハッハ(笑)(叩く)」、こういう台本がありますが、ChatGPTでは作れません。

どうやってやればいいか、プロンプトに悩んでもやっても難しくて、本当にわからないです。

覚え込ませる、ショットするしかないかなと思っています。

あとは、過去や他の番組の参照・引用です。

これよくあるのですが、私の番組の前にヒコロヒーさんや日向坂さんがしゃべっていて、オンエア上は前の番組を引用したトークを入れたほうがいいのです。そうすると局としてはつながりがありますので。

そういうのは、ChatGPTはできません。

それは覚えてないし、台本ももらっていないし、わからないからです。

ところが、放送作家が作ると、それはできるのです。

先ほどの前の番組ではこんな提供をしまして、こんな話でした、続きをいきましょうかと言うのですが、ChatGPTではそうはできないので、やはり結構増える作業があるのです。

ここら辺が課題かなという気はしています。

尾原 この辺がわかると利用者側のリアリティがかなり取れてきます。

西脇 そうですね。これは結構いい話なんです、放送業界においては。

Microsoft 365 Copilotの機能を解説

西脇 そんな中で一番最後に、多分皆さんが大変気になっているマイクロソフトのCopilotの話です。

尾原 来ましたね! 僕はこれが一番聞きたいですね!

西脇 いろいろなものにCopilotを入れています。

多分GitHub Copilotは、今日参加いただいている皆さんは結構ご存知でお使いになっている方がいらっしゃると思いますね。

尾原 開発支援。

西脇 そうですね、開発支援ですね。

多分一番期待があるのは、Microsoft 365 Copilotです。

Microsoft 365 Copilotとは?特長や使い方を分かりやすく解説(ソフトバンク)

この辺りは、STUDIO AIとすごく考え方が似ています。

画面もSTUDIO AIとやはりすごく似ているなと、今思ったのです。

Wordの提案書を自動作成

西脇 例えば、私がよく説明しているのはこれです。

ミーティングの議事録は、別にテキストで取ってもいいし、HTMLで取っても、リッチテキストで取ってもいいですが、マイクロソフトの場合はOneNoteで取ってくださいと言うわけです。

製品の企画書について、ミーティングしたら、この商品のターゲットは誰か、キーメッセージはこれで、機能としてはこれが1番、これが2番、3番、こんなふうにお客さんに説明したら売れるのではないか、マーケット規模はこのくらいみたいなミーティングをして、メモができるじゃないですか。

このメモと、Wordのファイルだけで提案書ができます。

これは非常によくできていて、まずUIは必ずWordの中です。

先ほどのSTUDIOでも、中にUIがありましたね。

ミーティングの議事録、製品の仕様書を読み上げていくと、こんな感じで提案書が出てきます。

過去のドキュメントを参照し体裁を自動変更

西脇 ここからがすごいのです。

AI が作った提案書なので、この提案書は自分たちの会社の過去のものと違うので、過去のものにルックアンドフィールを合わせたいという時は、過去の提案書や製品の画像、写真がこれだと教えてあげると、過去の提案書にならったデザインに変わるのです。

尾原 カッコいい。

西脇 過去の提案書にサマリーがあればサマリーを付けて、FAQがあればFAQを付けましょうとか、こういうやり方になっていくんです。

これは明らかに生産性向上になります。

尾原 だからその会社の仕事のパターンに合わせて、どんどん、どんどんやっていくと、選択、選択、選択でやっていける。

西脇 そうなんですよ、ドキュメントがたまっていると、ここに活用できます。

多分感覚的にはChatGPTに過去のドキュメントをショットしているのだと思います。

尾原 ショットとリレートしている?

西脇 それを入れていると思うんですね。

それで、返ってきたものを多分ここに表示していると思うんです、感覚的には。

石井 ラジオで前の番組は引用できないとさっきお話しされていましたが、これは他のデータを引用できているじゃないですか。

それはマイクロソフトだからできているのですか?

西脇 ラジオは、他の番組の台本をもらえないのですよ。

石井 ああ、データがないということですね。

西脇 そうなんですよ、単純にそういうことなんです。

それができるようになればいいのですが、ラジオ局って番組によって全然違って、プロデューサーが違ったら、もう制作工程が全然違うんです。

石井 ちゃんと直に聴いていないとダメなんですね。

西脇 その通りなんです。

尾原 だったら、マイクロソフトだと、もう当然データベースの権限として、誰はどの範疇まで引用できるかというコントロールの中でテンプレートを使っていけるというところで仕事を効率化できるわけですね。

西脇 そうですね、やはり企業のドキュメントが統合されているのは、こういうメリットがあるわけなんです。

過去のものとか、この人が作ったものだって、情報が付いて統合されるので。

(続)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美

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