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ICC KYOTO 2023のセッション「AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン5)」、全13回の④は、引き続きSTUDIO石井さんのデザイン×AIトーク。評判の高いノーコードのツールを置いてでも、AIに取り組むその目的は、ウェブデザイナーが持っているスキルの汎用化だといいます。では、それをどうやって推進するのか? ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2024は、2024年2月19日〜 2月22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは STREET HOLDINGSです。
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【登壇者情報】
2023年9月4〜7日開催
ICC KYOTO 2023
Session 11C
AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン5)
Supported by STREET HOLDINGS
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ノーコードに固執せず、先回りしてAIに取り組む
石井 サービスの説明は以上で、ここから本題になります。
STUDIOがどんな感じでAIを使っているのか、使っていこうとしているのか、お話ししたいと思います。
そもそもスタンスとして、AIは既存の技術を陳腐化する破壊力があると思っています。
テクノロジーの進化は全部そうだと思いますが、AIはより破壊的イノベーションの可能性があると思っています。
ノーコードでいくら簡単にしても、AIが全部取っていく可能性があるので、ノーコードに固執するよりはもっと先回りしてAIにどんどん取り組んでいかないと、死んじゃうんじゃないかなと割と危機感はあって、自分たちのサービスを殺す勢いでSTUDIO AI、「Design × AI」を作りたいというスタンスです。
2つ目は、これもテクノロジーの進化と一緒ですが、今はコーディングはいらないと言ってもデザインの知識が必要なので、ターゲットをデザイナーに特化しているのですが、AIが進化すれば、それさえいらなくなるのではないかと思っています。
先ほどのフローでいうと、デザインして公開ですが、デザインができない方も世の中にはたくさんいるので、僕はウェブデザイナーが持っているスキルをAIが汎用化して、みんなが使えるようなものにしていきたいと思っています。
それに向けて、また「Design × AI」の実現に向けて絶賛開発中で、STUDIO AIというものを今年(2023年)の4月に、まだアーリーアクセスですがリリースしました。
主に海外向けにリリースしていて、自然言語で指示するだけでデザインが組み上がっていきます。
尾原 しかもデザインがスタイリッシュできれいですよね。
石井 ありがとうございます。ノーコードで、ポチポチしなくても、チャットで伝えるだけでできます。
「STUDIO AI」をデモンストレーション
石井 こちらは、スタートアップ・カタパルトのプレゼンでもお見せしたデモですが、ICCのサイトをデザインしていきます。
例えば、トップのタイトルをもっとインパクトのある、かつ知的な感じにしたいなと思ったら、テキストサイズを大きくして、フォントをセリフ体にしてと、話し言葉みたいな感じで指示すると、AIが自動でデザインを認識して変えてくれます。
尾原 おお! でも、「インパクトのある感じで」は、結構自然言語な感じですよね。
石井 正直「インパクトのある感じ」だと、ちょっと抽象度が高いじゃないですか。
後で話そうと思いますが、今は具体的な指示でないと理解できないので、よりどんどん抽象的な指示もできるようにしていきたいなと思っている状況です。
次に、例えば、背景画像を動画にしたい、これも結構具体的な指示をしています。
動画のURLを渡して、背景を動画にしてと指示を出すと自動で変えてくれます。
レスポンシブも、言ってみたら同じようなことなので、タブレットのサイズ、モバイルのサイズに合わせてAIが自動で最適化してくれます。
デザインができたら、公開してと指示を出せば、実際のウェブサイトとして公開することができます。
尾原 これ、いいなあ!
石井 こういうものを作っています。
Product Huntで世界1位を獲得
石井 これを2023年4月に出して、Product Huntという世界中の新サービスが掲載されるサイトで、世界1位を獲得しました。
尾原 デイだけではなくて、ウィークを獲っているのは非常に珍しいですよ。
日本でウィークを獲ったサービスは、ないんじゃないですか?
石井 デイもほぼいない……。
尾原 そうそう、2社ぐらいしかいないです。
石井 ウィークを獲れたのは大きくて、しかもちゃんとデザイナーに刺さっていたんですね。
STUDIO AIのコンセプトは「デザイナーアシスタント」で、よくジェネレートするデザインツールなどはありますが、僕たちはそれはほぼ使えないなと思っています。
ああいうものはテンプレートに落とし込んだだけ、テンプレートをただただ持ってきただけと正直そんなに変わらなくて、まだ各ユーザーに最適化されていもいないし、と思っています。
そこから編集できないと意味がないと思って、編集の部分、モディファイの部分から作ったコンセプトがウケて、世界中のデザイナーに刺さっています。
尾原 そもそもAIの手前のノーコードツールとしても、すごく直感的にできるようになっているから、勝手に多言語対応できているようなものだし。
石井 そうですね。
尾原 さらに言えば、GPTなのかLLaMA(ラマ、メタ社が提供する大規模言語モデル)なのかわからないですが、LLaMって別に言語対応の部分は吸収してくれるから。
石井 そうです。さっきのチャットは日本語でもすぐできるし、英語のほうが精度が良いですが、中国語でも、何でもできるようになっています。
尾原 はー、世界を目指せるじゃないですか。
石井 そうですね。
日本だとノーコードでもさっき言ったように実績は良くて、今後も伸びるかなという感じですが、正直世界を見ると、ちょっと今更ノーコードというか、AIの波が完全に来てしまったら、ノーコードもひっくり返されるんじゃないかなと思っているので、世界向けにやっています。
尾原 そうですね。1ついいのは、LLMを使うと最初から英語や他の言語をわかっていなくても、その世界を目指しやすいことですね。
抽象的なデザインのリクエストはどう処理する?
都筑 質問させていただきたいのですが、先ほどコマンドと言うか、わりと具体的な指示をしないと理解してもらえないみたいなお話があったと思います。
実際理解してくれなかったり、逆に変な理解をしてしまって、「公開しないで」とはあまり言わないと思いますが、公開しないでと言ったのに公開してしまうとか、そういうことに対して、何か対策はされていますか。
石井 そこで今課題となっているのが、デザインの精度と対象範囲の2つの軸で、強化しないといけないなと思っています。
例えば、非常に細かく「マージン15ピクセル上げて」と指示を出せば完全にできますが、「余白をもっと開けて」の「もっと」がデザインや人によってばらばらだったりするので、そこのくみ取りが難しいと言えば難しいですね。
都筑 ありがとうございます。
尾原 ちなみに追加の質問をしたくなってしまうのですが、そこのくみ取りというのは、世の中にあるイケているサイトからトレーニングして作ってきているのか、それともある程度エキスパートの人が良い・悪いみたいにフィードバックでいい感じの部分を作っているのでしょうか?
石井 今は自社でチューニングして、自社の正解ルールを一応定義しつつ、例えば、トップページにフォントの〈h1〉がこのサイズだったら、〈h2〉はこのぐらいのサイズみたいな目安があるので、そこのデザインを読んで、一応ちょっとチューニングはしています。
尾原 逆に言うと、LLMとか、diffusionのほうが、どんどんコモディティ化していくと、むしろエキスパートとしてデザインセンスがある部分が生きるから、これは結構AIの新しいスタートアップの形としても、ちょっと面白いですよね。
石井 そうですね。AIが進化すると、2つの側面があると思っています。
プロのデザイナーにとってもより効率良くアウトプットが作れるので、より良いものができると思っていますし、より広い人が使えると思っています。
尾原 西脇さん、世界的に見てもどうでしょうか?
西脇 めちゃくちゃ欲しいですよね、これ(笑)。
テンプレートベースはもう今は陳腐化していますから、すごいと思います。
プロンプトを与えて、画像や音、映像を作るほうですか? それとも、それは与えなくてはいけないですか?
石井 素材は全く作りません。
西脇 与えないといけない、なるほど。
でも例えば、「青色の背景に」というトーンは作ってくれますか?
石井 そうです。
こちらはトラクションです。ウェイティングリストで5.5万人です。
尾原 195カ国!
石井 世界中からこのようにアクセスが来ています。
(続)
本セッション記事一覧
- AIの最新トレンドをマニアックに語り尽くすシーズン5!
- 工業製品の不良データを自在に生成できるデータグリッドの「Anomaly Generator」
- プロも活用する、ノーコードのウェブデザインツール「STUDIO」
- 自然言語の指示でウェブデザインができる「STUDIO AI」、世界的な反響
- 生成AIが効くのは、プロダクティビティかクリエイティビティか
- 「STUDIO AI」が目指すのは、指示の実行ではなく、願望の実現
- エクサウィザーズの企業向け生成AIサービス、どんなものがあるのか
- OpenAIが一度諦めたロボット領域への挑戦
- 詳説! マイクロソフトとOpenAIの深い関係
- メーカー、建設、金融大手が導入するChatGPTを実例紹介
- ChatGPTがラジオの台本を作成してみたら…
- ここまでできる! Wordをパワポに変換、不在オンライン会議の内容確認
- 生成AIのプラグインがマーケット化する可能性【終】
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美