6. 歴史と文化、テクノロジーを活用した地域の未来を議論する合宿ワークショップ

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ICC FUKUOKA 2025のセッション「「ローカル・コネクテッド」(シーズン2) – ICC地域コミュニティを盛り上げよう！」、全10回の⑥は、「石川」チームのsecca上町 達也さんが、1日目は金沢、2〜3日目は加賀に滞在する2泊3日の合宿型ワークショップの全貌を紹介。歴史×テクノロジー×クリエイティブで地域をアップデートするアイデアを真剣に議論する場にしたいそうです。リングサイドの質問は、被災した能登へのアクションに及びます。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。

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【登壇者情報】
2025年2月17〜20日開催
ICC FUKUOKA 2025
Session 6E「ローカル・コネクテッド」(シーズン2) – ICC地域コミュニティを盛り上げよう！
Supported by EVeM

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上町　石川さんが、5分と言いつつ12分話してしまったので、僕のパートは手短に話しますね（笑）。

（会場笑）

2泊3日の合宿型ワークショップで地域のアップデートを議論

上町　今の話の通り、歴史を磨いて後世へ継承していくために。

石川樹脂工業の例のように、地域の未来を考えるにあたり、歴史を紐解いて、テクノロジーとクリエイティブの力を活かし、新しい地域の形をデザインできるのではないかと思っています。

我々のようなものづくり企業や土着で発展した事業を担う企業、そして北陸の強みである食、街など、文化を根付かせて育ててくれた環境、これらをつなげるためのハブとなるような宿。

温泉は歴史的にも、この地に人を呼び寄せたかなり強力なコンテンツでもあります。

これまでは単独で事業を行っていたイメージがありますが、これらを結びつけ、街全体の魅力にして、どう人を惹きつけるかについて議論を始めるタイミングなのではないかと考えていますし、その議論が求められていると思っています。

ですので今回のツアーは、魅力を皆さんに知っていただきたいと思いつつも、僕を含めて、ICCに参加されている皆さんは議論が好きだと思うので、加賀市の未来、ひいてはそれを横展開することも考えて、地域のアップデートの議論をテーマにして、2泊3日の合宿型ワークショップを企画しました。

繰り返しになりますが、ツアーのテーマは、「歴史×テクノロジー×クリエイティブで地域をアップデートするためには、どういうアイデアがあるか」で、これについて皆さんと話し合いたいと思っています。

石川さんは知的好奇心の権化のような方なので、テクノロジーは石川さんが代表です。

歴史分野には、DataStrategyという会社の歴史学者である久保 健治さんを、アサインしています。

クリエイティブ分野は、僭越ながら私が担当し、ご参加いただく皆様とディスカッションをします。

久保さんの著書『ヒストリカル・ブランディング』は非常に人気のようなのでおすすめですし、この方の力を借りて、歴史を紐解いていきたいと思っています。

1日目は石川の歴史解説とseccaのアトリエ訪問

上町　2泊3日の流れを簡単にさらっていきます。

集合は金沢が良いと思っています。

あえて、金沢駅周辺の近代的なホテルに泊まっていただき、キックオフをします。

そこで石川の歴史解説、ARASや山中漆器など、事例と背景を共有し、歩いて4、5分くらいのところにある私たちseccaのアトリエを見ていただき、運営する私たちの人となりを知っていただきます。

伝統を磨く日本料理屋とありますが、海外に料理を伝えている銭屋というお店で、伝統に触れながら、彼らと議論してもいいと思います。

2日目は石川樹脂工業見学と歴史学者を交えたセッション

上町　2日目は、新幹線で加賀温泉駅に移動していただき、石川樹脂工業の工房を見学していただきます。

僕たちが関わり始めた9年前には1台もなかった、ファナックのロボット付き成形機が27台も導入されて、様変わりしていますので、その様子を見ていただきます。

今日も参加している、石川樹脂工業の野関 悟さんは加賀のコミュニケーターのようなポジションを確立しているので、彼が主体の加賀ツアーを企画したいと思っています。

その後、ZOZO出身の女将が新しい視点で運営している、「花紫」という温泉旅館にチェックインして温泉と食事を楽しんだ後、歴史学者を交えて、なぜ歴史やコンテンツがそこにあるのかについてのセッションをしたいと思います。

花紫はこのように、めちゃくちゃ素晴らしい場所作りをされていますので、楽しんでいただけたらと思います。

加賀温泉駅はつい先日、新しい駅舎になりましたが、そのコーディネートをseccaが担当させていただきました。

▶︎北陸新幹線 加賀温泉駅 アンベール！（鉄道チャンネル）
▶加賀温泉駅内設置作品解説（加賀市）

3日目は合宿ディスカッションと美食ツアー

上町　3日目は花紫で、合宿形式の議論です。

まず、地域の住みやすさを構成する要素について考え、歴史や文化とテクノロジーが果たすそれぞれの役割について議論します。

その上で、新しい地域のあり方についての仮説を作っていきたいと思っています。

ご希望される方のために、加賀の美食ツアーも組んでおきます。

他地域にも横展開できるモデルだと思うので、皆さんと一緒に議論させていただきたいと思います。

ぜひ、ご参加ください。

ありがとうございます。

荒木　素晴らしいプレゼンテーション、ありがとうございます。

めちゃくちゃ面白いので深掘りをしたいところがたくさんありますが、このチームの時間があと7分なので、質問をお願いします。

Q ツアー日程は？

斎藤　日程を決めることが大事だと思います。

12月が良い時期だという話がありましたが、我々の宮崎の場合はライチの旬に合わせて、6月6日、7日の金土にしました。

丹後だと、ICCの前後が良いのではということでしたが、そういう情報があれば、すごく行きたいと思いました。

A ICCサミット KYOTOの後にキックオフでは？

上町　ICC KYOTOだと近いので、来ていただいてキックオフをしたらいいかなと考えていました。

もしそこで盛り上がれば、食が最盛期を迎える11月か12月あたりに、と二段構えが良いかなと話していました。

今日頂いたご意見もふまえて、具体的に計画したいと思います。

石川　ICC KYOTOの前は丹後で、後は加賀で、というのがいいかもしれません。

Q ワークショップに地元のキーパーソンも招いてほしい

富山 浩樹さん（以下、富山）　素晴らしいプレゼン、ありがとうございます。

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富山　浩樹
サツドラホールディングス株式会社
代表取締役社長CEO

ドラッグストアチェーン「サツドラ」、北海道共通ポイントカード「EZOCA」を運営。その他 AWL（株）、（株）コンサドーレ、バリュエンスホールディングス（株）、（株）出前館にて社外取締役。QUALITY HOKKAIDO一般社団法人　代表理事。また、北海道経済コミニティ「えぞ財団」を立ち上げ活動中。
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ようやくコネクテッドらしいプレゼンが聞けて……。

（会場笑）

前のも良かったですが笑いが多すぎたので（笑）、今回は聞き入ってしまい、ぜひ参加したいと思いました。

北海道は、アイヌ人としての歴史はありますが、倭人としての歴史は浅いので、歴史を活かすということにすごく興味があります。

地域を盛り上げる際、地元の人たちの良いコミュニティがめちゃくちゃ重要だと思います。

実際に行う人の中にどういうプレーヤーがいるかが、実現のキーだと思っています。

ですので、ワークショップには地元のキーパーソンも入ってほしいと思います。

A 同世代の経営者、市の役員も入れていきたい

石川　先ほどの温泉宿については、我々と同世代の地域を代表する人が経営をしており、ブランディングから労務改革まで行っています。

そういう人を、どんどん入れたいと考えています。

コネクテッドに影響を受け、最近、僕は加賀市の戦略アドバイザーに就任しました。

そこでは、地域のことをきちんと考えている市の役員の方々もいるので、彼らを巻き込むことが、このツアーまでの僕のチャレンジです。

富山　ありがとうございます、楽しみです。

荒木　加賀市の戦略アドバイザーには、どうやってなったのですか？

石川　市長からの依頼です。

ARASが成長しているので、それについて話したら盛り上がって、打診を受けました。

「やるからには、こういうことをしたい」と話すと、それについてもOKをもらえて…という感じです。

荒木　行政と直接つながって巻き込んでいくのは素晴らしいですね。

Q 能登のためにしたいと思うことは?

岩田　ひつじサミットにも来ていただき、ありがとうございます。

ひつじサミットのメンバー全員で、合宿に参加しようと思いました。

少しずれるかもしれませんが、石川チームということなので、能登のことは外せないのではないかと思います。

文化的に違うのかもしれませんが、皆さんがチームとして、能登のためにしたいと思っていることはありますか？

ピンチはチャンスではないですが、大きな出来事がある時にこそ変革が起きるとしたら、我々が取るべきアクションは何かについて、お二人の考えをお聞かせください。

A 新しい祭りのプロジェクトを開始

上町　まさに今回、能登にするか加賀にするかについては、最初に話し合ったポイントでした。

まず身近な課題を議論しようということで加賀を取り上げることにしましたが、このチームで能登の復興プロジェクトも始まっています。

端的に言うと、新しい祭りを作ろうという提案をしています。

その地域の未来について、外からアイデアを出して外で決めてしまうのは良くないと思っているので、あくまできっかけを作るのみです。

地域のリーダーのような人が7、8人いるので、彼らを巻き込んで議論をしています。

今後、どんな祭りがあれば、これまで分断されていた地域同士がつながるか、壊れたものを元に戻すのではなく、アップデートをするにはどんな視点からか、どう歴史を組み入れるかを中心に議論をしようと考えています。

結果的に、フェスのような現代的な祭りになるかもしれないし、地域を超えた新しい形の神輿になるかもしれないですが、新しい産業につながるようなアイデアについて、議論中です。

石川　前回聞いた、ひつじサミットや八尾のFactorISM（ファクトリズム）が大きなヒントになりました。

能登の外からも、能登を何とかしたいという声をすごく聞きます。

それを受け入れる場が大事ですが、祭りは、行ってお金を落とすだけで地域の復興や未来につながるので、やりやすいのです。

村八分ではないですが、地域においては、地元を出た人に対して「あいつは出て行ったから」と疎外することが往々にしてあるのですが、祭りであれば、そういう人も含めて、一緒に考える機会にできます。

岩田　どうやって人を巻き込むかについてですが、巻き込むということであれば、主体はこちらになります。

でも、地域のリーダーに主体になってもらうにあたっては、巻き込み力よりも受け入れ力が必要ではないかと考えています。

僕らが石川を訪れたとして、「リーダーにはなれなくても、石川のために少しでも何かしたい」という僕らの気持ちを受け入れてくれる土台や器みたいなものがあればいいなと思います。

ぜひ、頑張ってください。ありがとうございます。

上町　ぜひ、参加してください。

荒木　石川チームの終了時間が来てしまったので、最後に一言、お願いします。

地域のことを考えるようになったのは皆さんのおかげ

上町　真面目なトーンに切り替えてしまって恐縮ですが、僕たちは、ARASがある程度形になってきたので少し視野を広げ、そこで事業をさせていただいているからこそ、地域のためにできることを考えられるフェーズにようやくなりました。

身内だけで考えるのも良いかもしれませんが、最近、僕らはICCのおかげでいろいろな気づきを得て、良い意味でものすごく悩んでいます。

考えを発展させられているので、ぜひ、気づきをくださった皆さんと一緒に、僕たちの地域の未来について考えたいというのが、わがままかもしれませんが願いです。

ぜひ、ご参加いただけると嬉しいです。

石川　ICCに初めて参加したのは、1年前でした。

その後、自分でも想像していなかったくらい、地域のことを考えるようになったのは皆さんのおかげです。

先ほど紹介した歴史学者の久保さんも、知見を活かして、いろいろなところで地域のアップデートをしています。

地域を盛り上げるよう、新しいメンバーで新しいことを考えられればと思うので、よろしくお願いいたします。

荒木　素晴らしいプレゼンテーション、ありがとうございました。

ようやくコネクテッドらしい、というコメントを先ほど頂きましたが（笑）、みんなで一緒に考えたいと思えるテーマを持ってきていただいて、すごく面白かったですね。

地域外の人も参加しやすいよう、祭りという形にする点が興味深いと思いました。

（続）

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編集チーム：小林 雅／小林 弘美／浅郷 浩子／戸田 秀成