10. シーズン2の優勝は「男鹿」に決定! 地域の未来をともに考えていこう! 【終】

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ICC FUKUOKA 2025のセッション「「ローカル・コネクテッド」(シーズン2) – ICC地域コミュニティを盛り上げよう！」、全10回の最終回は、長崎の1泊2日ツアーを提案したリージョナルクリエーション長崎の岩下 英樹さんへの質問タイムです。非稼働時間の長いスタジアムを持続可能なビジネスにするための活用法、行政とのタッグについて語ります。そして、会場の投票で決まる優勝地域はどこに決まるのでしょうか？最後までぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。

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【登壇者情報】
2025年2月17〜20日開催
ICC FUKUOKA 2025
Session 6E「ローカル・コネクテッド」(シーズン2) – ICC地域コミュニティを盛り上げよう！
Supported by EVeM

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荒木　では皆さん、質問をお願いします。

Q 文化と風土をどう未来につなげるか

質問者1　石川樹脂工業の野関 悟と申します。

長崎の街のこれからの展開と、娯楽やスポーツから文化を生みたいという考えを感じました。

長崎や佐世保の持つ文化や風土がどんなもので、どう未来につなげたいと考えているか、教えてください。

A 整理されていない状態だが、観光を応援したい

岩下　ありがとうございます。

私たちは、プロのサッカークラブとバスケットボールクラブを持っているため、試合などで、おそらく47都道府県を訪問しています。

自然、そして歴史的な遺産や文化がたくさんありますが、長崎名物がちゃんぽんであるように、どうもそれらが整理されていないというか、散らかっているという感覚を私たちは持っています。

ただ、その上で観光に力を入れるというのが、県や市の姿勢であるならば、応援したいと思っています。

そこに、少し近代的な長崎スタジアムシティが加わることで加速するのであれば、それが未来につながるのではと考えています。

Q スタジアム業を持続可能なビジネスにするには？

斎藤　飯尾さんが、稲とアガベのお酒を飲みながらジップラインを飛びたいと言っていたので、飯尾さんにはプレゼントしないでほしいと思っている次第です。

（会場笑）

僕も小学生の時に、長崎県西彼杵郡時津町に住んでいたので（笑）、すごく長崎に思い入れがあります。

おっしゃる通り、長崎はいろいろなものが散らばっているので、民間主導でこのような取り組みができるのはすごく大きなことだと思います。

沖縄のジャングリアなど、周りと調和しつつも尖るべき、稼いではいけないと言いながら持続可能であれという、ちょっと不可解な地方創生があります。

僕の住む新富町も、サッカースタジアム（いちご宮崎新富サッカー場）と男女のサッカーチーム（Jリーグのテゲバジャーロ宮崎となでしこリーグのヴィアマテラス宮崎）ができました。

スタジアム業を持続可能なビジネスにするためにどうするべきかについて、行政との連携も含めて教えてください。

A 非稼働時間の長いスタジアムを他用途で活用

岩下　サッカースタジアムには、致命的な欠点があります。

Jリーグが天然芝でゲームをするという規定をしているため、どのスタジアムも天然芝です。

天然芝は、職人が汗をかきながら育てている生き物であり、簡単に立ち入ることができません。

私たちのサッカークラブはJ2で、ホームでの試合は年間19だけです。

つまり、野球と違い、非稼働期間がものすごく長いのです。

結果、収益性が伴わず、行政が作ることになるというのが今までの構図でした。

そこで私たちは、ピッチはスポーツで使えなくても、試合のない日であれば、コンコースや座席に自由に入れるようにしよう、公園のように使ってもらおうと考えました。

今は、平日の昼に、座席に座って将棋を打つおじいちゃんもいます。

また、ラスベガスではないですが、夜はサッカーピッチをキャンバスに見立てたレーザーショー「NAGASAKI STADIUM CITY NIGHT MIRAGE」を毎日20時半と20時45分から行うことで、それが定着すれば、人が来てくれるようになるのではないかと考えています。

サッカースタジアムとしては使えなくても、周辺領域で活用していくというのが、現時点での私たちの解なのかなと思います。

荒木　北海道の富山さんや小林さんにも、意見を聞いてみたいですね。

Q 公平性を求める行政への対応は？

富山　行政との取り組みの中で、公平性を求められるという話がありました。

僕も含め、その課題を抱えている人は多いと思います。

最近分かり合えたということだったので、具体的な事例として、どうぶつかって分かり合えたのかを教えてください。

A VIP対応については考え方に違い

岩下　例えば、行政の皆さんの作る施設では、高級ラインであるVIPボックスなんかは絶対に作りません。

なぜなら、大半の人がそれを使わないからです。

ただ、アメリカのエンターテインメント性の高い施設を見ると、そういう席も絶対に必要だろうと私たちは考えました。

傾斜をつけることで、高い席があるけれど、逆にゴール裏は安い席にできるという考え方ですが、その点はやはり分かり合えなかったですね。

公平性の観点から、「子どもがいて、お金に余裕のない家庭の人は入れない」という話になります。

分かり合えたと表現するのは、語弊があるかもしれません。

施設周辺や議会の皆さんが長崎スタジアムシティに期待してくれるので、行政としても、私たちを無視できなくなっていて、話が通りやすくなっているという方が、もしかしたら近いのかもしれないです。

富山　理解はされていないけれど、人が集まってきているので無視できないと。

荒木　結果が全て、ですね（笑）。

富山　VIP席問題は、どこでもありますね。

Q 政治参画を考えたことは？

小林 兼さん（以下、小林）　北海道日本ハムファイターズ（ファイターズ スポーツ＆エンターテイメント）の小林です。

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小林 兼
ファイターズ スポーツ＆エンターテイメント
執行役員 開発本部 副本部長

プロ野球球団･北海道日本ハムファイターズが2023年3月に開業した「エスコンフィールドHOKKAIDO」並びに「北海道ボールパークFビレッジ」の開発・企画全般を担当。32ヘクタールもの広大なエリア開発の旗振り役を担い、スポーツ・北海道の価値の融合による観光地化とまちづくりに取り組む。野球経験はないが「世界がまだ見ぬボールパーク」「共同創造空間」のコンセプトに惹かれ2020年4月に中途入社。前職は三菱UFJ銀行に所属し、十数年間に及ぶ海外駐在を通じて東南アジア地域における事業基盤の拡大に従事。地方都市の価値形成に一石を投じる事を目指し北海道に戻ってきた。1980年旭川市生まれ、北海道大学経済学部卒。
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地方で、スポーツIPと街づくりを組み合わせて人を呼び込むという取り組み自体もそうですし、共通点がすごくたくさんあると思って聞いていました。

▶1. 野球場だけじゃない! 話題の「北海道ボールパークFビレッジ」とは?

民設民営で1,000億円を使ってやり切っていることが、我々の社内でも話題になっており、仲間として誇らしいと感じます。

行政と一蓮托生で取り組まないといけないのに足並みが揃わない状況については、例えば市議会議員として人を送り込む必要があるのではなど考えたことがありますが、長崎ではどうでしょうか？

A そこまでは全く考えていない

岩下　私たちも、エスコンフィールドを勝手にお兄さんだと思っています。

私たちジャパネットグループは、政治には関与するなという風潮で経営をしてきました。

例えば、「根回し」は本質的ではないので、そんなことをしなくても良いことを正々堂々と行えば、世の中はついてくるという思想があります。

一方、誰に先に話したなどはどうでもいいと思いつつ、しかるべき人に事前に話しておくという手順を踏むことで、物事がスムーズに進むことがあることを、この数年間で学びました。

企業としてそういう行動も考える必要がありますが、政治参画するかどうかまでは全然考えていないです。

今はまだ、長崎スタジアムシティへの期待値が高いゆえに応援してもらっているので、現状をどれだけ維持できるかというフェーズだと思っています。

小林　ありがとうございます。

決して私が立候補しようとしているわけではありません（笑）。

（会場笑）

ぜひ、ツアーの中に、なぜこのプロジェクトを始めたか、どう進めたか、今後何をするのかというストーリーを聞かせていただける場を設けていただけると嬉しいです。

岩下　確かに。ありがとうございます。

荒木　終了時間となったので、最後に一言、メッセージをお願いします。

岩下　初めて参加させていただき、私自身にもすごく刺激になりました。

皆さんと連携することで成果を出していきたいと改めて思いましたので、今後ご一緒できることを楽しみにしていますし、ぜひ、長崎にお越しください。

ありがとうございました。

荒木　ありがとうございました。

ローカル・コネクテッドセッション、シーズン2の優勝の行方は？

荒木　それではここで、投票に移りましょう。

5地域のうち、一番良かった、一番行きたいと思った地域に、挙手で投票いただきます。

心は決まりましたか？

▶編集注：ここで5つの地域について挙手で投票が行われました。

ありがとうございました。

今回は、具体的な日程も提案いただいたので、プランが組みやすくてありがたいです。

私はこれからツアーを組む予定です。

3月に大阪、5月に前回優勝した五島列島に行くことが決まっています。

今回も、優勝地域はもちろんのこと、それ以外でも（ICC代表小林）雅さんが行くと決めたところには、行くこと自体に経済効果がありますし、コネクテッドメンバーと一緒に各地域に訪れる予定です。

プレゼンをいただきましたが、現地で実際に見ると違うと思うので、そこで感じたものをご自身の地域に持って帰っていただきたいです。

また、今回は、地域の作り手だけではなく、つなぎ手の方々にもご参加いただきました。

いろいろな地域と関わっている方とローカルプレイヤーがつながることで、各地域の違いが見えるので、それも参考になると思っています。

ですので、このローカル・コネクテッドは、作り手と作り手だけではなく、作り手とつなぎ手をつなぐ場に発展させていきたいと考えています。

シーズン2の優勝地域は…、男鹿！

荒木　さて、結果発表です。

優勝地域は……男鹿！

ありがとうございます。

では優勝したチームは、舞台上で優勝コメントをお願いします。

齋藤 翔太　ありがとうございます。

投票してくださった方のうち、事業を始めると決めてくださった方には、僕が不動産屋に直々に値下げ交渉をしますので、一緒にやりましょう。

石田　ぜひ、男鹿に来てくださいと申し上げましたが、旅館業の許可をまだ取れていないので、マッハで進めます（笑）。ありがとうございます。

岡住　勝ちたかったので、本当に嬉しいです。

ぜひ、男鹿に来ていただき、地域の未来を一緒に考えられたらと思います。

よろしくお願いします、ありがとうございました。

荒木　各地域、本当に素晴らしかったと思います。

ぜひ、みんなで各地域に行きましょう！

このローカル・コネクテッド、これからますます、コミュニティとして発展させていければと思っています。

皆様、ありがとうございました。

（終）

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編集チーム：小林 雅／小林 弘美／浅郷 浩子／戸田 秀成