『ポケモン GO』は現代の風水だ!(東大先端研・稲見)【F17-9C #6】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

『ポケモン GO』は現代の風水だ!(東大先端研・稲見)【F17-9C #6】

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「リアルとバーチャルの境界線がなくなった後の世界はどうなるのか?」【F17-9C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!9回シリーズ(その6)では、『ポケモン GO』がなぜ大ヒットしたのか、まずナイアンティック村井さん以外の登壇者からご意見を頂きました。各登壇者によって分析の仕方が異なっていて面白いです。是非御覧ください。

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【登壇者情報】
2017年2月21〜23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
Session 9C
リアルとバーチャルの境界線がなくなった後の世界はどうなるのか?

(スピーカー)

伊藤 直樹
PARTY
CCO / Founder

稲見 昌彦
東京大学
先端科学技術研究センター
教授

村井 説人
株式会社ナイアンティック
代表取締役社長

真鍋 大度
ライゾマティクスリサーチ
ディレクター

吉藤 健太朗
株式会社オリィ研究所
代表取締役CEO

(モデレーター)

前田 裕二
SHOWROOM株式会社
代表取締役社長

「リアルとバーチャルの境界線」の配信済み記事一覧

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最初の記事
【新】リアルとバーチャルの境界線ー仮想空間の「現実化」を徹底議論【F17-9C #1】

1つ前の記事
バーチャル・ネイティブ時代のコミュニケーションはどうなるのか?【F17-9C #5】

本編

前田 よろしければ、次のテーマに移ろうと思います。

「『ポケモン GO』がなぜ流行ったか?」についてです。

前田 このテーマがもしあまり盛り上がらなければ、次の話題にいこうと思うのですが、盛り上がらない訳がないというか、会場の方々も多分お聞きになりたいはずだと思っています。

当然、元々すごくパワーのあるIP(Interllectual Propery=知的財産)が使われていたということや、その他にも色々な要素があると思います。

今回のテーマに沿って一つの仮説を挙げるとすると、リアルな自分や世界が、いわゆる『ポケモン GO』というバーチャルストーリーの一部になって、自分も主人公として冒険できるんだというような感覚が新鮮だったのかもしれません。

今までにも色々な議論がありましたが、当事者である村井さんのお話も伺いたいと思いますし、リアルとバーチャルの境界線に関して強い問題意識をお持ちの登壇者の皆さんにも、色々とご意見を頂けたら面白いなと思います。

前田 まず、村井さんにスタートを切って頂ければと思います。

村井 私からでも構いませんが、ここにハイレベルな方達が沢山いらっしゃいます。

まさに皆さん自身が世界に入って、どうしてまだ続いているのかといったことを、私自身もお聞きしてみたいなと思っています。

前田 そうしましょう。では、伊藤さん、もしよろしければお願いします。

『ポケモン GO』が現実世界

伊藤 キャラが増えてしまいましたが、僕自身も、その前の図鑑を制覇したくらい好きで…

前田 『ポケモン GO』を極めている方が登壇されているのですね。

伊藤 ラプラスがよく出るという噂を聞いて、お台場海浜公園はもう10回近く通いました。

伊藤 オーグメンテッドリアリティ(Augmented Reality=拡張現実)とかミクストリアリティ(Mixed Reality =複合現実)とかバーチャルリアリティ(Virtual Reality=仮想現実)とかよく言うじゃないですか。

技術的な観点からの定義というのは分かるのですが、『ポケモン GO』がミクストリアリティなのか、オーグメンテッドリアリティなのか、バーチャルリアリティなのかというと、あまりそこを分けて考えなくてもいいかなという風に思っています。

バーチャルリアリティというのが最初に言葉としてあって、その後に新しい概念がどんどん出てきたと思うのですが。

「バーチャル」というのがある種「事実上の事実」だとすると、まさに『ポケモン GO』というのが「事実上の事実」で、自分としてはこれは現実世界なんですよね。ポケモンが本当にいると思って、そこに向かっています。

ですから、バーチャルにいるとか、自分が世田谷公園にいてこのゲームをやっているとか、その境は一切なくて…

前田 でも意識は目の前のポケモンにある訳ですよね。

何かを獲ろうとしている訳ですよね。

伊藤 そうですね。

『ポケモン GO』はある意味 現代の風水に当たる

稲見 私は「Ingress」の頃から随分プレーしていたのですが、やはり最初の議論にもあったように、バーチャルというのを、我々のリアリティにおける「仮想」ではなくて「実質」という風に捉えることができると思います。


稲見
 例えば地図にしても、我々が航空写真と地図のどちらを使うかというと、地図ですよね。

それが実質だし本質なので、地図というのはまさに現実世界にとってバーチャルな存在だと思うんですよね。

そういう意味では、地理に絡んで風水もバーチャルだと思うんですよね。

特にそれを信じて行動している人達がいる中国においては、人々は銀行の正面玄関をどこにするかまでリアルに考えている訳ですよね。

『ポケモン GO』は、「Ingress」という強力なゲーミフィケーション(gamification)ツールを使って入手した地理情報データ、それをクラウド送信している訳ですよね。

それに成功してきちんとゲームにした、ある意味現代の風水に相当するのかなというのが、私の考えです。

その風水に基づいて妖怪も出る訳ですよね。

それが多分『ポケモン GO』の世界観であるというのが私の解釈です。

前田 なるほど。

稲見 …と思いながら、東大正門前のジムをいつも学生から奪っています。

(会場笑)

前田 結構、皆さん大人気ないんですね(笑)。

稲見 教授として負ける訳にはいかないので(笑)。

前田 さすがですね(笑)。

村井さんは敢えて飛ばして、真鍋さんはいかがですか?

『ポケモン GO』のプレイデータは今後どう利用されるのか?

真鍋 今 稲見さんがおっしゃったことと同じで、やはり「Ingress」のリソースがあって『ポケモン GO』が成り立っているところが大きいと思うのですが、「Ingress」をやっている時、ポータルの情報などを僕らユーザーに募っていたということは、また同じような地理ゲームが出るだろうなというようなことは薄々思っていました。

裏情報を聞いているとかではなくて。

真鍋 この仕組みとこのデータで色々なものができるだろうなと思って、それが色々な人に公開されて皆がそのデータを使ってゲームを作れるようになるのか、それとも「ドラゴンクエスト」になるのかな、などと色々考えました。

しかし、やはり『ポケモン GO』というのは、色々なことが条件としてすごくフィットしているゲームだったんだろうなというのはすごく感じます。

皆さんお分かりのことなので、敢えて僕が言う必要もないと思うのですが。

『ポケモン GO』でプレイしたデータというのが集まっていて、それが今度どこに使われていくのかはすごく気になるところです。

今が本当にピークで、これをずっと続けていくのは相当難しいのではないかとも思うので、そのあたりの戦略や展開について、可能な範囲でお聞きしてみたいなと思います。

前田 確かにお聞きしてみたいですね。

では、吉藤さんのご意見を伺ってみたいと思います。

吉藤 私はレベル22くらいで止まっているのですが…

前田 皆さんすごくやり込んでいらっしゃる(笑)。

吉藤 弊社のオフィスはなぜかコイキングしか出なくて、ギャラドスを3匹くらい作ったりしているのですが、今回本当にすごかったのは、弊社の皆がやっているという前提で、レベル幾つになったというような会話が起こる訳ですよね。

それが共通の話題になって、しばらくそれでコミュニケーションが円滑になっていた一方で、それについて来られない弊社の寝たきり社員の番田くんが、若干機嫌を損ねていたりとか。

ALSの患者さんたちも結構楽しんでいて、ポケモンを集めたいからって、全くベッドから動けないのに集めて来いという指令を出して、ヘルパーが走って集めて来るという、そういうことが起こったくらいなのです。

(会場笑)

これがまた結構問題になったのですが、それくらいすごく流行ったということです。

ゲーム自体が非常に面白くて、私も「Ingress」の時からやっています。

相当歩くので健康にもよさそうだというような、やりたくなる要因が沢山あり、それに加えて皆がやっているから増えていったように感じています。

ただ、もうどこかで語られているかもしれないのですが、我々はプレーヤー同士の対戦というのを待っていたというか、そこが最終的にキラーコンテンツになるのではないかなと思っていたりしたのですが、そのあたりについて少しお伺いしてみたいなと思います。

前田 では満を持して。

村井 プロダクトの未来のことはあまり語れないのですが、どうしてヒットしたかということよりも、我々がどういう思いで作っているかということについてお話したいと思います。

(続)

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続きは 『ポケモン GO』に込められた世界観とは?(ナイアンティック村井) をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/Froese 祥子/横井 一隆/立花 美幸

【編集部コメント】

『ポケモン GO』はfad(一時的な熱中・熱狂)だと、最近会ったイギリス人が言ってました。確かに最盛期よりは盛り上がっていないですが、なぜ大ヒットしたのかを冷静な視点で考えるには良いタイミングかもしれません。(横井)

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