6. 世界で勝ち抜くために踏み出すべき「はじめの一歩」とは【終】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

6. 世界で勝ち抜くために踏み出すべき「はじめの一歩」とは【終】

Pocket

平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! Youtubeチャネルの登録はこちらから!

「世界で勝ち抜くプロダクトを創り上げる」6回シリーズ(最終回)は、海外進出を狙うプロダクトが踏み出すべき“はじめの一歩”について。スマートニュースが米国市場を選んだ3つの理由とは? ぜひ最後までご覧ください!

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターン)の募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

ICCカンファレンス KYOTO 2017のプラチナ・スポンサーとして、ジョブカン(株式会社Donuts)様に本セッションをサポート頂きました。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをご覧ください。


【登壇者情報】
2017年9月5-7日開催
ICCサミット KYOTO 2017
Session 10A
世界で勝ち抜くプロダクトを創り上げる
Supported by ジョブカン

(スピーカー)

柄沢 聡太郎
株式会社メルカリ
執行役員 VP of Engineering (当時)

鈴木 健
スマートニュース株式会社
代表取締役会長 共同CEO

舘野 祐一
WAmazing株式会社
共同創立者CTO (当時)

(モデレーター)

松岡 剛志
株式会社レクター
代表取締役

「世界で勝ち抜くプロダクトを創り上げる」の配信済み記事一覧


連載を最初から読みたい方はこちら

最初の記事
1.「世界で勝ち抜くプロダクト」を目指せ!スマートニュース・メルカリ・WAmazingの海外戦略を徹底解剖!

1つ前の記事
5. ITサービスでの中国進出、開発チームは現地採用をするべきか?

本編

注:当記事は2017年9月に開催されたセッションの書き起こし記事です。記事内で紹介される各事業の状況は開催当時の情報に基づきます。

松岡 それでは、いよいよ会場Q&Aのお時間ですね。

「世界で勝ち抜くプロダクトを創り上げる」というテーマだったのですが、色々と紆余曲折したふわっとした会話になってしまいましたことを、僕はお詫びします。

何か質問のある方は、ぜひ教えてください。

どうぞ。

質問者1 スタークスの上ノ山です、今日はどうもありがとうございました。


上ノ山 慎哉
スタークス株式会社
代表取締役CEO

1983年生まれ。新潟出身。大学卒業後、株式会社ファインドスターに入社。新規事業立ち上げ、ダイレクトマーケティング支援事業、グループ会社役員を経験。2012年7月にスタークス株式会社を創業。代表取締役CEOに就任。インターネットを活用したサービスの開発、販売を行う。現在、サブスクリプション型Eコマース業界を中心にサービスを提供。サービス利用企業数は、1,500社を超え業界シェアNO.1に。孫正義氏の後継者プログラム『ソフトバンクアカデミア』最終合格。

進出する国の選定についてのお話を伺いたいです。

先ほど鈴木さんもいきなりアメリカに行かれたりだとか、メルカリの柄沢さんも最初からアメリカを狙っておられたりというお話がありました。

当然、大きいマーケットを獲りに行った方がよいのですが、とはいっても競争環境もあるかなと思います。

ビジネスモデルによって違うというのが前提なのですが、皆さんがどのように進出する国を選定されているのかどうかについて伺いたいです。

行くからには勝つべきだと思うので、勝つということを念頭に置いた上でどういうところを選ばれるのかについて、皆さんのお考えをお聞かせ頂けますでしょうか。

松岡 ご質問ありがとうございます、国の選定についてですね。

どうやって勝っていくのか、どの国からかといった話です。

鈴木さん、いかがですか?

スマートニュースがアメリカを選んだ3つの理由

スマートニュース株式会社 鈴木 健 氏

鈴木 アメリカを選んでいる理由ですよね。

一応グローバルを目指しているのですが、グローバルといっても僕らが展開しているのはアメリカと日本が中心なので、そういう意味では地球全体で展開している訳ではありません。

その入り口としてなぜアメリカという国を選んだのかには、理由があります。

その公式の理由というのは色々とあるのですけれども、個人的に「アメリカでやりたかった」というのが1つありました。

これは先ほどの話とも関係するのですが、10年くらい前に、メルカリ創業者の山田進太郎さんや「はてな」創業者の近藤淳也さんも含めて10人くらいでシリコンバレーからモントレーまで一緒にドライブしたことがあります。

その時に、せっかくだから車の中でブレインストーミングしようという話になりました。

行きのテーマは「1,000万人が使うサービスを考えよう」。

その時から、アメリカでそういうサービスを作りたいという思いがありました。

ちなみにその時に山田さんが言っていたのが、「ネットにつながったカメラ」という構想で、それが後に「Cerevo(セレボ)」の創業に繋がりました。

山田さんもその当時1年くらいアメリカに住んでいて、彼は運がいいのですでにグリーンカードを取得して住んでいました。

僕も25歳くらいの時にシリコンバレーに初めて行き、こういう人たちがいるのだというすごく衝撃を受けました。

そういう憧れがありました。

しかし、やはりそうやってアメリカ進出を決めるのは会社のディシジョンとしては全く合理性がないので、後で理由を考えました。

松岡 後で理由を考える!?

鈴木 後で理由を考えたのですが、アメリカを選ぶきちんとした理由が3つくらいあるのです。

松岡 はい、教えてください。

鈴木 まず1つは、市場が大きいということです。

人口が3億人いるというのは、非常に大きいです。

次に大事なことですが、いわゆるメディア的なタッチポイントのビジネスというのは、最終的に収益化する時に広告事業になるというところです。

GoogleにしてもFacebookにしても、全世界の売上の半分くらいはアメリカから生まれています。

例えば「Facebook」というサービスには、アプリ・ウェブも含めて20億人くらいのユーザーがいる訳ですが、そのうち北米のマンスリーアクティブユーザーは2億数千万人しかいません。

ユーザーは10分の1なのですが、売上が半分くらいあるのです。

非常に大きな市場なのです。

それはユーザーという意味でもですし、最終的に収益化するためにも、非常に大きいのだと投資家に説明すると、納得感を得られやすいですよね。

松岡  はい(笑)。

鈴木  2つ目の理由ですが、我々はニュースの事業をやっています。

そうすると、要はアメリカ自身がやはりメディアの中心地だということです。

特にニューヨーク、またはエンターテインメント産業の場合はロサンゼルスが中心ですが、そもそもアメリカ自体がコンテンツビジネスの中心地です。

もう今では僕らはきちんと築けているのですが、ここできちんとしたメディアパートナーとリレーションシップを築くことができると、それ自体が、グローバルに世界展開する時にとてもよいのです。

アメリカで作られたコンテンツは何だかんだ言って世界中の人達が見ているので、そうするとそこでしっかりとしたリレーションシップを作れること、プレゼンスを持てることが非常に重要になってきます。

3つ目は、プロダクトをグローバルに展開した経験のある人材というのは、ネット業界ではまだシリコンバレーにしかいないということです。

ですから、例えばインドに進出しようと考えた時にも、シリコンバレーにはインド人も多いし、グローバル展開をした経験のある人材がものすごくたくさんいます。

メルカリのJohn Lagerlingさんなどもそうだと思いますし、たくさんいるのです。

そういう人たちはニューヨークにもいないし、ボストンにもいません。

ニューヨークやボストンのスタートアップも、大体はアメリカのローカル事業をやっています。

やはりシリコンバレーからやっていくということが、実は遠回りのようで近道なのではないかと思いました。

もう1つ、ちょっと思いつきました。

松岡 は、はい(笑)。

アメリカという多様的な環境で揉まれることが大切

鈴木 これは4つ目なのですが、アメリカ自体がとてもダイバーシティのある国なのです。

アメリカ中を回ると分かるのですが、「これが1つの国なのか」というくらいです。

いわゆる“United States”なので、本当にたくさんの国が集まっているようです。

最近はもう“Devided States”と言われていますが、僕らにとってはアメリカ自体がグローバル・プロダクトを作るための、ある種の孵化器(インキュベーター)であるというか、多様性に対応しなければいけない環境であると。

そしてその環境というのが、世界展開をしていく時によいのではないか、ここで揉まれることでプロダクトが磨かれるのではないかなと思っています。

以上です。

柄沢 アメリカで流行っているということの定義って、とても難しいですよね。

鈴木 難しいですね。

柄沢 サンフランシスコで流行っていることを、アメリカで流行っていると言いがちですけれども、やはり全くそうではないこともありますよ。

鈴木 確か、写真共有サービスの「Pinterest (ピンタレスト) 」は、サンフランシスコやニューヨークではなくて南部から流行り始めたという話がありますよね。

松岡 ありがとうございます。

舘野さん、柄沢さんのお二人にも、どのように国を選ばれているかについて教えて頂ければなと。

WAmazingが台湾・香港を選んだ理由は「ユーザー数とリピート率」

WAmazing株式会社 舘野 祐一 氏

舘野 弊社でも、やはりユーザーがどれくらい多いか?というところから考えていきます。

そうすると観光事業の場合に最初に挙がるのは中国や韓国なのですが、親日という点では台湾・香港もあります。

WAmazingのユーザーで1年間に1度以上来日する人は50%以上もいるので、日本に愛着を持った方をターゲットに僕らの知見を試して、プロダクトの経験を積んでいくことの意味は大きいと思っています。

松岡 ちなみに次点はどこでしたか?

ここも惜しかったけれどもやめておこう、という国はありました?

舘野 最初のうちは、もちろんユーザー数と、そこの部分の日本へのリピート回数等々を含めて、トータルでそれらがずば抜けて高かったところを選択しました。

松岡 ありがとうございます。

メルカリの場合はどうだったのでしょうか?

メルカリがアメリカ・ロンドンを選んだ理由は「市場規模と配送インフラ」

株式会社メルカリ 柄沢 聡太郎 氏

柄沢 鈴木さんが、山田さんの文脈を大体喋ってしまったというのもあるのですが(笑)。

公式の話は別として、やはり代表の思いというのはあります。

グローバルで通用するプロダクトを創る上でアメリカは避けて通れないよねという思いが一番大きかったかなと思います。

他にも説明可能な理由を挙げると、市場規模の話はいいとして、インフラの発達を考えると、「先進国である」というのはメルカリのモデルにとっては重要でした。

決済と配送をインテグレーションしているので、そもそも荷物が届くかも分からない国が結構ある東南アジアの国々に関しては、日本と同じようにしっかり配送まで繋ぎ込んで、お客さんが出品したいと思って梱包するところ以外は全部何とかなるという状況は作りたいというのがありました。

アメリカにおける配送環境もあまり良いとは言えないのですが、アメリカやロンドンなら、そういった指標に照らし合わせて、ここだったらできるという判断ができます。

松岡  事業上、最低でもインターネットがあって、電気があって、モノを届けようと思えば9割5分届くようなところから、市場規模の大きい順に選んでいったというようなことですね。

柄沢 シンガポールにも同じようにCtoCのモノの売り買いができるサービスがあるのですが、やはり実際に出会ってモノを渡すというモデルです。

それはそれで展開の方法の1つなのかもしれませんが、今のタイミングでやるものではないかなというのがありました。

松岡 ありがとうございます。

もう1つくらいご質問をお受けしたかったのですが、まとめの時間になってしまいました。

各登壇者からのメッセージ

松岡 「世界で勝ち抜くプロダクトを創り上げる」ということで、勝つために自国から伸ばしていくか、それとも最初から世界を見るのか。

株式会社レクター 松岡 剛志 氏

自国で伸ばしていくのだったらまず自国である程度強くしてからユーザーテストなどを繰り返して強くしていきましょう、というお話を頂いたと思っています。

一方で、グローバルであれば、きちんとお客さんを見ながら、そしてなるべくコピーされないモデルで上手くやっていければよいということを学びました。

よろしければ皆さんから今日の学びについて伺って、セッションを締めたいと思います。

ではまず柄沢さん、お願いします。

柄沢 考えていることが皆さんと結構同じだったので、ある意味やり方が間違っていない可能性が高いかなとは思いました。

やはり、お客さんに対して真摯であるとか、お客さんの声をきちんと聞いた上でローカルに対して展開可能なものを考えていくということが、非常に重要だと思いました。

世界で勝ち抜くという文脈においては、(セッション前に)打ち合わせをしている時から何度も出てきたように、我々はまだ勝ち抜いている訳ではないので、組織的にもプロダクト的にも、これから勝ち抜いていかなければならないと思っています。

業界は同じで人材を取り合う部分はあるかもしれないですが、失敗も成功も共有して、僕ら皆が世界で勝ち抜いていけるようになりたいですね。

松岡 ありがとうございました。

この流れですので、次に鈴木さんから一言お願いしてよろしいでしょうか?

鈴木 今おっしゃった通り、僕らはまだ道半ばなので、これからどうしていけばいいかという示唆を色々と得られたと思いますが、やはりできていないことの方が圧倒的に多い感じがしています。

やはりアメリカには、世界中のプレーヤーが集まって来ます。

ヨーロッパや中国のプレーヤーも、今はアメリカでかなり活発に活動しています。

一説にはスマートニュースの進出が火をつけたということですが、やはりそういうことが起きていて、ある意味では「天下一武道会」的にスケールがどんどん大きくなっていっているので、まだまだ僕らにはできていないことの方が多くて、本当に毎日が試行錯誤です。

どれが正しくて誰が間違っているのかなどは分からないので、信念に基づいてその時々で最高の判断をしていくしかないと思っています。

僕は、ここに並んでいる会社のどれかではなくて、全部が成功すると信じています。

最終的には、そういう志を持った会社になるべくたくさんの優秀な人材が集まることが大事なのではないかと思っていて、なるべくこの3社のどこかに入ってもらえると嬉しいなと思いますね。

柄沢 その通り!(笑)

鈴木  皆さんにもぜひ入って頂けると嬉しいです。

以上です。

松岡 ありがとうございます。

では最後に舘野さん、お願いいたします。

舘野 こちらの2社は、日本では既にトップを獲って、今はその先のグローバル展開をされていると思うのですが、弊社の場合はそもそも日本がなくてというところからやっているので、もっと速く成長していかなければならないのだということを、改めて痛感しました。

1年後にもまたICCサミットに呼んで頂けるように、気を引き締めてサービスの成長に取り組んでいかなければならないと思いました。

今日色々な会社さんが話された通り、方法論というのは本当に幾つもあって、どれが正しいというものはないと思っています。

弊社ではどういう組織を作っていくのか、どういうビジョンでどのようにサービスや事業を考えて作っていくのかについて引き続き徹底して取り組み、しっかりと成長していけたらなということを改めて感じました。

松岡 ありがとうございました。

それではちょうどお時間になりましたので、2日目最後のセッション「世界で勝ち抜くプロダクトを創り上げる」を終わらせて頂きます。

どうもありがとうございました!

(終)

平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! ICCのYoutubeチャネルの登録はこちらから!

編集チーム:小林 雅/本田 隼輝/尾形 佳靖/戸田 秀成/Froese 祥子

最後までお読みいただきありがとうございます!
他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

更新情報はFacebookページのフォローをお願い致します。

Pocket

ICCパートナーズ

ICCパートナーズ

ICCパートナーズ(ICC Partners Inc.)は産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンファレンス「Industry Co-Creation サミット/ICCサミット」の企画・運営および新規事業創出・アライアンスなどのアドバイザー業務を行っています。