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「AI/量子コンピューター/IoT/ブロックチェーンを徹底議論!」9回シリーズ(最終回)は、VR領域でのブロックチェーン活用で生まれる世界感をgumiの國光さんが力説します。VR空間内における新たな経済活動とは? ぜひご覧ください!
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをご覧ください。
ICCサミット FUKUOKA 2018のゴールド・スポンサーとして、日本マイクロソフト株式会社様に本セッションをサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2018年2月20-22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 7A
AI/量子コンピューターなど最新注目分野を議論
Supported by 日本マイクロソフト株式会社
(スピーカー)
小笠原 治
株式会社ABBALab 代表取締役 /
さくらインターネット株式会社 フェロー /
京都造形芸術大学 教授
小野寺 民也
日本アイ・ビー・エム株式会社
東京基礎研究所 副所長 技術理事
國光 宏尚
株式会社gumi
代表取締役会長
中村 洋基
PARTY クリエイティブディレクター /
VALU 取締役
(モデレーター)
尾原 和啓
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最初の記事
1. メルカリの研究開発組織「mercari R4D」とは? スタートアップ企業が研究所を持つ意義を考える
1つ前の記事
8. 仮想通貨だけじゃない!ブロックチェーンは「BtoBビジネス」にも活用できる
本編
尾原 ブロックチェーン自体は、すべての物のやり取りをきちんとログで残していくからこそ、信用を測れる点と、何か問題があった時にすぐにステップバックして、そこから対応ができる点が強いわけです。
実は分散で使うよりも、BtoBから使った方が、意外と速かったり、効率化できたりという側面は確かにあると思います。
小笠原 そうなんですよね。
ブロックチェーンは第三者機関を不要にする?
國光 ブロックチェーンに関する僕の個人的な見解を述べると、クローズドなブロックチェーンというのはあり得ないと思うし、中央銀行が発行するブロックチェーンはもはや意味が分からないと思っています。
結局ポイントになるのは、そしてここに価値があるかなと思うのは、「信用」です。
要するに、信用を提供する第三者機関などが不在でも、自律的に回る仕組みだと思っています。
たとえばビットコインの場合、ブロックチェーンが自律的に回っているのは、マイナー(採掘者)たちがPoWみたいなことを自分の利益のためにやっているからです。
尾原 そうですね、おっしゃる通りですね。
國光 リアルなもののところにブロックチェーンを付けるといいますが、リアルなものの場合は、もめたら最終的に裁判所で決着をつけるので、トラストレス(※)になりようがありません。
▶参照:ブロックチェーンの「トラストレス」とは何か?(KOMUGI!)
ブロックチェーンをつけて、この土地は俺のものだと主張したとしても、最終的にもめたら裁判所ですから。
尾原 結局は全部リアルに紐付きますからね。
國光 そうです。
そういった既存の信用システムが入るのであれば、最初からデジタルデータで、普通のデータベースで管理していても全く一緒なのではないかと思っています。
ビットコインのようなやり取りに関してはリアルが絡まないですし、イーサリアム(Ethereum)でもスマートコントラクト(※)で完結します。最終的に第三者の信用機関のようなところに仰がなくてもいいというような形になってくるのではないでしょうか。
▶編集注:スマートコントラクトとは、執行条件と契約内容をあらかじめ定め、執行条件を満たすとプログラム等によって自動的に契約(ここでは取引行動全般を指す)を執行するプロトコルのこと。取引プロセスの自動化により、決済期間の短縮・改ざん等の不正防止・第三者の仲介者が不要なためにコスト削減につながる等の効果が期待されている。スマートコントラクトの定義には諸説ある。
國光 なので、中央銀行が発行するブロックチェーンは概念としてもはや滅茶苦茶です。
中央銀行が発行するんだったら、そもそも円との為替レートを一定に保ったところの円仮想通貨ではなく、円電子マネーとして出して、それを電子上で計算すればいいだけの話です。
尾原 それは「貨幣」にとらわれ過ぎているから、というような側面があるように思います。
結局、経済の基本というのは物々交換です。
先ほどのスマートロックも全部、「物の所有を流動化していきましょう」という話に近づいていっているわけです。
部屋も自転車も傘も、誰がいつ使ってもいいという形で、所有が流動に変わっていくことと、ブロックチェーンというのはとても相性がいいです。
國光 それ自体は、まさに同感です。
それ以外については、やはり自律的でトラストレスなネットワークを構築すべきだと思っています。
それを中央銀行や、フェイスブックでもいいですが、中央集権的なところが使うというのは、極めて相性が悪いのではないでしょうか。
だからこそ、ブロックチェーンはGAFAに対するディスラプティブな存在になってきているのだろうということを何となく最近思っています。
普通の人がブロックチェーンを使えるようになるのはいつ?
尾原 一方で重要なことは、AIは技術的にしんどいと言われていましたが、たった2年で、IBMもアマゾンもグーグルもマイクロソフトもマシンラーニング・クラウドを提供して、誰でも使えるようになりました。
量子コンピューターも5年、10年を経て誰でも使えるようになると言われていますが、それと同じように、ブロックチェーンも誰でも使えるインフラをどんどんどんどん提供してくれるのではないでしょうか。
國光 もちろんそうだろうと考えています。
尾原 今の中国もそうですが、アリババとテンセントが競争しながらやっているために1社独占になりにくいという構造があって、上手く競争を組み合わせていくが大事だと思いますね。
國光 そうですね。
今の時点でビットコインの速度が遅かったり、トランザクションのコストが高かったりというのは、きっと2年くらいで解決するはずです。
ブロックチェーン自体の実装は、2年くらいでスケーラビリティ問題は徐々に解決してきて、大体4〜5年くらいでプロトコルレイヤー(※)が整ってくるはずです。
▶参考記事:ブロックチェーンの全体像を掴むための2つのレイヤー観|BlockchainInsight | Ginco Magazine
そうすると、その上に載ってくるアプリケーションがある程度動き始めてきて、そのアプリケーションが皆のスマホやARグラスに入り、一般の人にも普及していくと予想しています。
今の時点では、ほとんどの人のスマホの中に、ブロックチェーンも、ビットコインもイーサリアムも入っていないですが、いずれそのようなサービスが出てくるのだろうなと思っています。
VR×ブロックチェーンで新たな経済活動ができる世界を!
小笠原 そのうちのどの分野をgumiはやるのですか?
國光 皆さん、『ゲームウォーズ』を見ました?知っていますか?
尾原 懐かしいこと言いますね~。
國光 VRでいうと、日本はソードアート・オンラインです。
アメリカは『ゲームウォーズ』という小説で、それを今スピルバーグが映画化しているところです。
『レディ・プレイヤーワン』というタイトルで出ているので、ぜひ見ていただきたいのですが、その舞台が、二極化が進んでしまって一般の人はスラムに住んでいるような未来の世界です。
スラムに住む人々にとって現実はあまりにしんどくて、唯一の希望がオアシスというVRのスペースみたいな感じになっています。
恐らく未来においては、リアルな地球上に住んでもバーチャルの世界に住んでもどっちらでもいい、バーチャル空間に自分の個性を複数持つ世界で過ごしていくのではないかと思います。
その世界というのは結局、ユニークでないですから、そもそも土地などに資産性はありません。
ですから、VR空間をブロックチェーンで完全に構築していって、そこ自体が資産性を持つでしょう。
なおかつ、その中では通貨自体も非中央集権で、そのルールも冒頭、皆で決めていくみたいな感じで、嫌だったらルールを作り直して新しいワールドを作るという、そういうオアシスみたいなものを作りたいんです。
小笠原 セカンドライフみたいな感じでいいですね。
尾原 そうですね。
今日の話は全て共通していて、リアルもIDや5Gによってでどんどん流動化していき、データが受動的に取られていくことで住みやすい環境になります。
そして今日はそこまでの議論はありませんでしたが、VRはVRでどんどん現実性を増していきますから、全部が計算されて環境が構築されていくようになります。
そういった技術が今後5年ぐらいで固まりはずなので、今から仕込むことをそれぞれの立場から考えた方がすごくいいと思ういます。
中村 とりあえず僕は、新しいブロックチェーンでリンデンドル(セカンドライフ内で使われている通貨。USドルと兌換可能)を作っておきます。
(会場笑)
小笠原 セカンドライフの復活。
中村 復活させましょう。
尾原 真面目にそうで、全部がデータ化されるということはいずれ全てがゲーム化されるということです。どうやってエンタメ化していくかというのが、日本人の真骨頂だと思います。
最新技術ということで、セッションを終わりたいと思います。
ありがとうございました!
一同 ありがとうございました!
(終)
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編集チーム:小林 雅/本田 隼輝/尾形 佳靖/戸田 秀成/鈴木ファストアーベント 理恵
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