仮想通貨だけじゃない!ブロックチェーンは「BtoBビジネス」にも活用できる | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

8. 仮想通貨だけじゃない!ブロックチェーンは「BtoBビジネス」にも活用できる

Pocket

平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! Youtubeチャネルの登録はこちらから!

「AI/量子コンピューター/IoT/ブロックチェーンを徹底議論!」9回シリーズ(その8)は、ブロックチェーン技術のBtoBビジネスの活用について。“中央集権型”のAIに対して、“自律分散型”のブロックチェーンに秘められた大きな可能性とは?ぜひご覧ください!

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターン)を募集しています。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをご覧ください。

ICCサミット FUKUOKA 2018のゴールド・スポンサーとして、日本マイクロソフト株式会社様に本セッションをサポート頂きました。


【登壇者情報】
2018年2月20-22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 7A
AI/量子コンピューターなど最新注目分野を議論
Supported by 日本マイクロソフト株式会社

(スピーカー)

小笠原 治
株式会社ABBALab 代表取締役 /
さくらインターネット株式会社 フェロー /
京都造形芸術大学 教授

小野寺 民也
日本アイ・ビー・エム株式会社
東京基礎研究所 副所長 技術理事

國光 宏尚
株式会社gumi
代表取締役会長

中村 洋基
PARTY クリエイティブディレクター /
VALU 取締役

(モデレーター)

尾原 和啓

「AI/量子コンピューター/IoT/ブロックチェーンを徹底議論!」の配信済み記事一覧


連載を最初から読みたい方はこちら

最初の記事
1. メルカリの研究開発組織「mercari R4D」とは? スタートアップ企業が研究所を持つ意義を考える

1つ前の記事
7. IoTが生み出す「リアルなデータ」が新たなビジネスを創り出す

本編

尾原 「個人のデータをどう取り扱うか」という話をしましたが、その文脈で恐らくブロックチェーンが出てくるのではないかと思うのですが、どうですか?

ビットコインは取引の承認に時間がかかりすぎる

PARTYクリエイティブディレクター/VALU取締役 中村 洋基 氏

中村 何か組み合わせられそうな気はします。

技術の詳細は頭のいい皆さんに任せるとして「課題」がはっきりあります。

たとえばVALUに関して述べると、VALUはビットコインを使っていますが、分散型(非中央集権型)ではなく中央集権型です。

要するに、VALUの大きいアカウントがあって、そこでいったんビットコインをブロックチェーンでお預かりした後は、そこのアカウントの中で単純にやり取りしています。

本当はそうしない方がいいです。

それでもなぜそうしているかというと、マウントゴックス事件(東京にあるビットコイン交換所であるマウントゴックスから、巨額の仮想通貨と預かり金が消失した2014年の事件)のようになってしまうからです。

つまり、そこがハッキングされたら全部抜かれてしまいます。

もちろん抜かれないように、コールドウォレット(インターネットから完全に切り離されたウォレットで、高セキュリティ)のマルチシグ(Multi Signature:仮想通貨の取引時に必要な秘密鍵が複数あり、より安全性が高い方式)もVALUでもやっています。

マルチシグはビットコインでコールドウォーレットを使っているのですが、それでもなぜ中央にするかというと、現状だと1個1個のトランザクション(取引)に対する承認の時間がかかりすぎてしまうからです。

尾原 そうですね。

中村 トランザクションの量と承認の量に現実が追い付かなくなってしまっているというのが現状です。

やり取りが非常にストレスフルで、VALUを買って、実際に承認されるまでのタイムラグが長すぎるということで、多少リスクを冒してもユーザーインターフェースを優先したいがゆえに、中央集権型にしているという事情があります。

要するに、ブロックチェーンの中のビットコインのような承認様式だと、単純に「遅い」ということがネックになっているんです。

スマートロックなどのいろいろな日常のIoT技術に、P2P(Peer to Peer:従来のクライアント&サーバーの通信と異なり、ネットワーク上の端末が1対1通信する方式)技術のようなものが入ってくるとき、おそらく同様の課題が顕著になるのではないかと思います。

5Gの登場などで速度のレイテンシーは下がっていくのに、承認のレイテンシーが引き続きボトルネックになります。

後者についても限界まで下げられると、もっといろいろなものが、P2Pでできるようになってくるのではないかと思います。

尾原 そうですよね、先ほどの動画のように、恋人に嫌いだと言われた瞬間に部屋に入れなくなるという技術がブロックチェーンを使っていて、「PoW(Proof of Work)に3日間かかります」なんて言われた日には……。

(登壇者爆笑)

中村 「やっぱりまだ入れるぞ!」となるのですね。

國光 入れないと思ったのにね。

尾原 辛いですよね。

「中央集権型のAI」と「分散型のブロックチェーン」を組み合わせる

尾原 和啓 氏

尾原 やはり、信用台帳の仕組みとしてのブロックチェーンと、さっきも言ったPoWのように承認作業をする部分とを、どう組み合わせるかという話ですよね。

実際に、中国の芝麻(ジーマ)信用は、結局アリババが大元でやっている中央集権型ですが分散技術を多く使っています。

もっといえばエストニアは、国家レベルでブロックチェーンの導入を進めていて、国民にIDを付与しています。

中央集権型でIDを提供していますが、エストニアという国は小国なので、「政府には権力があってもそんな横暴なことはできまい」と言って皆が使ってくれているようです。

そのようなやり方もありますし、そこはたぶん組み合わせだと思います。

國光 その関連で最近面白かったのは、ピーター・ティールがAIというのは限りなく共産主義的、完全な中央集権だと言っていたことです(※)。

▶編集注:2018年2月、Linkedin共同創業者のリード・ホフマン氏とのスタンフォード大学での対談中の発言。現在は対談動画は削除されている。

それに対してブロックチェーンはリバタリアン的なので、中国がAIに注力しているのは、共産主義だから全部をコントロールしたがるからだといっていました。

それなのにブロックチェーンを(アメリカで)規制するのは方向性が違うということを見据えていて、なるほどと思いました。

尾原 そうですよね、AIというのは結局、データを溜めれば溜めるほど強くなりますからね。

ブロックチェーンの社会的意義は「分権」にある

株式会社gumi 代表取締役会長 國光 宏尚 氏

國光 ブロックチェーンについては最近結構いろいろ調べているのですが、一番大きい意義は、もしかしたら分権にあるのではないかと思っています。

権力はどこかで暴走する可能性があります。昔の日本の軍国主義とか、ナチスドイツみたいに、いつどんな独裁者が現れるか分かりません。

AIなどの普及が進んでそのような状況に陥ったら最悪ですよね。

だってヒトラーみたいな独裁者が現れたときに、今の勢いでAIが進化して、普及して、あちこちに監視カメラがあって、という状況になっていると、なかなか革命を起こそうと思っても難しいですよね。

フェイスブックやグーグルといった企業も力を持ち過ぎていて、「一企業または一権力者にやはりそこまで権力を与えていいのか」という揺り戻しのようなもの生まれてきている気がします。

それがまさにこのブロックチェーンだったり、Decentralise(非中央集権化)という流れなのではないかと思っています。

僕が個人的にブロックチェーンに興味を持っているのも、そのような理由からです。

やはり危険ですよ。AIがこれだけ進化して、あちこちに監視カメラが付くようになってきて、信用スコアなんたらとなってくると。「何で一企業に俺の信用を判断されなくちゃいけないんだ?」と思います。

そのような流れがどんどん進展してくると、やはり個人の自由とか権利が侵される可能性がありますから、やはりどこかでDecentraliseして、一企業もしくは国にそれほど力を持たせない方がいいのではないでしょうか。

Centraliseの中心にあるAIと、リバタリアン的な革命運動としてのブロックチェーン、と何となく僕は捉えていますね。

尾原 どちらかというと、國光さんは革命側じゃないんですか?

小笠原 何か……國光さんが初めて賢く見えました。

(会場笑)

やり取りの記録が残るブロックチェーンはBtoBビジネスに使える

日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 副所長 小野寺 民也 氏

小野寺 ブロックチェーンといえば弊社もすごく力を入れているのですが、仮想通貨ではないところのブロックチェーン、分散台帳のところです。

▶参照:新しいビジネスを共に創ろう!「ICCブロックチェーン・ワークショップ」開催レポート(その1:レクチャー編)

そこはPoWなどがない世界で、たとえばトレードファイナンス、国際貿易の品物の流れやお金の流れ、その関係者だけが入れるネットワークにブロックチェーンを使ったりしています。

あとは日本で最初にやったのは、JPX(日本取引所グループ)と、証券所のクリアリングシステム(商品取引における清算業務)を一緒にPoC(Proof of Concept:概念実証) したりと、企業間のネットワークのところにブロックチェーンを使うということにフォーカスしてやっています。

尾原 そうですよね。ブロックチェーン自体は、すべての物のやり取りをきちんとログで残していくからこそ、信用を測れる点と、何か問題があった時にすぐにステップバックして、そこから対応ができる点が強いわけです。

実は分散で使うよりも、BtoBから使った方が、意外と速かったり、効率化できたりという側面は確かにあると思います。

(続)

次の記事を読みたい方はこちら

続きは 9. VR×ブロックチェーンで出現する新たな価値空間とは?【終】 をご覧ください。

平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! ICCのYoutubeチャネルの登録はこちらから!

編集チーム:小林 雅/本田 隼輝/尾形 佳靖/戸田 秀成/鈴木ファストアーベント 理恵

他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

更新情報はFacebookページのフォローをお願い致します。

Pocket

ICCパートナーズ

ICCパートナーズ

ICCパートナーズ(ICC Partners Inc.)は産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンファレンス「Industry Co-Creation サミット/ICCサミット」の企画・運営および新規事業創出・アライアンスなどのアドバイザー業務を行っています。