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4.覚えてほしい大人の教養「カルビン:ベンソン回路」と「ルビスコ」

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ICC KYOTO 2022のセッション「世界の偉人伝 (シーズン4)」、全8回の④は、カルビン・ベンソン回路」と「ルビスコ」という、光合成を理解するにあたって重要なキーワードについて、リバネス丸さんが強調。70年以上前に報告されたこの仕組みが、現在衛星データで活用されているのだそうです。科学者の偉大な足跡を、ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションのオフィシャルサポーターはリブ・コンサルティングです。


【登壇者情報】
2022年9月5〜8日開催
ICC KYOTO 2022
Session 7F
世界の偉人伝 (シーズン4)
Supported by リブ・コンサルティング

(スピーカー)

石川 善樹
公益財団法人Well-being for Planet Earth
代表理事

丸 幸弘
株式会社リバネス
代表取締役 グループCEO

山内 宏隆
株式会社HAiK
代表取締役社長

渡邉 康太郎
Takram コンテクストデザイナー / 慶應義塾大学SFC特別招聘教授

(モデレーター)

井上 真吾
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン
パートナー

「世界の偉人伝 (シーズン4)」の配信済み記事一覧


絶対に覚えて帰ってほしい「ルビスコ」

 カルビン・ベンソン回路は皆さん知っていますよね、で落とそうと思ったんだけど、この素晴らしいカルビン・ベンソン回路をググってください。

5分でわかる!カルビン・ベンソン回路①(Try it)

回路があるんですよ。

その中で今日絶対覚えて帰ってほしい重要なワードがもう1つあります。

カルビン先生とベンソン先生によって発見された光合成のメカニズムの中で、CO2固定の最も重要なタンパク質の「リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ」です。

今日覚えるのは、せーの!

(全員で復唱)「リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ」

通称「ルビスコ」です。

石川 ナブテスコみたいな感じ。

 いやいや(笑)。

石川 会社名。

井上 ちょっと焼き肉感もあります(笑)。

 やばくないですか? これ。

ルビスコというのが、光を浴びてエネルギーをキャッチして、すべて炭素を固定しています。

ルビスコがなければ光合成は成り立たない

 ルビスコがなかったら、CO2固定はないんですよ。

光合成のカルビン先生が考えて、カルビン先生とベンソン先生が一緒に作ったカルビン・ベンソン回路の中で最も重要なタンパク質が見つかりました。

ルビスコです!

山内 ルビスコだったら覚えられそうですね。

 そう、ルビスコ。リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ、これ覚えてくださいね。

一番有名にするから。

僕はこの研究者なんです。

光合成の研究をずっとやっていた人間なので、カルビン先生かドクター・マルかと、ちまたでは言われています。

山内 並列で(笑)。

石川 言い回っているんでしょ?(笑)

 だからこれを今日は覚えて帰ってください。

光合成が最も重要ですと。

光合成は、光を浴びて電子伝達系が回って、カルビン先生とベンソン先生が作ったカルビン・ベンソン回路が回って、ルビスコが最後CO2をバチコーンと変換してエネルギーを使いながら炭素固定をしています。

これは地球上で最も多く存在しているタンパク質なんです。

山内 へえ。

 植物がなくなると、このタンパク質はなくなる。

ということは、CO2は?

固定されなくなるんですよ。

ほら、皆さん、カーボンリサイクルということを考えている人が最も愛さなくてはいけないタンパク質が1つあります。

さあ、皆さん、何でしょう?

ルビスコです。

山内 ルビスコ、覚えました。

 覚えたでしょう? ルビスコを。

でも、その大元の光を浴びるところの偉人は誰ですか?

山内 カルビン。

 カルビンです。

これさえ言えれば、もう今日から皆さんはカーボンニュートラルやカーボンリサイクルを口にしていいです。

これを分からない人が外にいたら、「ちょっと待て」と。

「カルビン先生とルビスコを知らないのか?」と言っていただければ、今日ここに来た理由があります。

皆さん、もう1回いきますよ。

葉っぱの中に葉緑体があって、その中のチラコイドメンブレンの中に、PS IIなどの光合成色素があって、だから緑色なんですよ。

植物は全体が緑ではない。

この粒々が緑なんです。

そして、ルビスコが中に入っている。

これがないと光とルビスコ、いいですね、「光、浴びる、色素、ルビスコ」。

これは教科書ですよ。

中学生ぐらい? 小学校だったと思うんだけどな。

覚えてください、葉緑体を。

衛星データから分かるCO2固定

 これ(着ているTシャツ)は今日のスポンサーなんですけどね。

あっ、今日のスポンサー、違いますね。これは、僕の個人の…

石川 今日のスポンサーは、リブ・コンサルティングです(笑)。

(会場笑)

 今、着ているTシャツは、リブ・コンサルさんに出資していただきたい会社の1つで、サグリです。

山内 この柄は何ですか?

 衛星データです。グリッドになっているでしょう?

石川 うん。

山内 おしゃれな感じ。

 おしゃれでしょう?

山内 はい。

 今、衛星データで、パッと田んぼや森を見られますよね。

これは光の波で見ているじゃないですか。

上から見ると、どこが一番CO2固定しているか見えるようになるのです。

井上 ルビスコが、どこにあるのか。

 ルビスコとか色素は、カロテン、キサントフィル、クロロフィルA、B、その他、例えば藍藻類だとフィコシアニンなど、色々な色素があります。

石川 ユーグレナの出雲社長の緑のネクタイも反応しますか?

過去の登壇セッションより引用

(一同笑)

 反応…、あれはニセモノですね(笑)。

(会場笑)

あれが反応したらすごいですね。

あれは宇宙から見たら、違う意味で見えるかもしれないですけど。

石川 あれはちょっと光合成してほしいですね。

山内 それは面白いですね(笑)。

 そうですね、人工光合成で作って。

石川 ルビスコを入れましょう。ルビスコ入りのネクタイにしましょう(笑)。

 (笑)。何が言いたいかと言うと、この光合成というメカニズムと色素と、CO2の固定を見ていくと、実は衛星からでも色々なものが見えてくるよというのが、最近面白いところなのです。

だから光合成が今CO2の話で一番重要なのに、意外とみんな光合成を知らないというので、今回カルビン先生を紹介しました。

これを覚えてください。

カルビンなくしてカーボンニュートラルなし!

これがカルビン・ベンソン回路で、真ん中にルビスコがあります。

美しいですよね。

(反応がなく)あれっ? 

山内 この図?

井上 ああ、この図ですね。

 この図です。分かります?

CO2が入って酸素、植物は呼吸もするんですよね。

ルビスコというのが、(声を潜めて)リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ…

山内 なんでヒソヒソ声(笑)。

井上 丸さん、そろそろ…(笑)。

カルビン・ベンソン回路の実験に「ミドリムシ」を使用

 はい、ということで、皆さん、最後にミドリムシのことを言わないと出雲に怒られるのですが、なんとカルビン先生とベンソン先生はミドリムシを使って、このノーベル賞を獲ったのです。

井上 これはすごいですね。

 これが実験動物だったのです。

すごく実験がしやすかったんです。

リバネスの記事で、2012年に「未来をひらく!ユーグレナ今昔物語」という記事がありまして、アントニ・ファン・レーウェンフック(1632〜1723)という顕微鏡の先生も、実は最初に見たのは、この不思議な動く緑色の生き物でした。

これもノーベル賞レベルです。

カルビン・ベンソン回路も、このミドリムシを調べることで分かったということです。

ということで、偉人とは「死してなお、世にインパクトを与え続ける」。

ありがとう ございました。

井上 素晴らしい。

山内 これはインパクトを与え続けていますね。

井上 そうですね。

山内 カルビン先生は、20年以上前にお亡くなりになったんですよね?

 カルビン先生自身は、亡くなる前より今のほうがすごいんです。

でも、皆さん、知らなかったですけどね。

井上 でも、これからね。

 これから皆さんが、広げてください。

今日、ツィートで、ルビスコとカルビン先生。

井上 カルビンなんとか回路。もう忘れてしまいました(笑)。というのは冗談で。

では、善樹さん、お願いします。

(続)

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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美

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