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「次世代のコア人材をいかに育成・採用するのか」【K17-3A】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!6回シリーズ(その3)は、「コア人材の育成は可能なのか」という問いからスタートしました。起業経験人材の採用や、ピープル・マネジメントとプロダクト・マネジメントを分けることについても議論しました。是非御覧ください。
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ICCカンファレンス KYOTO 2017のダイヤモンド・スポンサーとして、Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.) 様に本セッションをサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2017年9月5日・6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2017
Session 3A
次世代のコア人材をいかに育成・採用するのか?
Supported by Motivation Cloud(Link and Motivation Inc.)
(スピーカー)
上原 仁
株式会社マイネット
代表取締役社長
佐々木 大輔
freee株式会社
代表取締役CEO
平尾 丈
株式会社じげん
代表取締役社長
(モデレーター)
伊藤 羊一
ヤフー株式会社
コーポレートエバンジェリスト
Yahoo!アカデミア 学長
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最初の記事
【新】次世代のコア人材をいかに育成・採用するのか【K17-3A #1】
1つ前の記事
Yahoo!アカデミア伊藤学長が聞く①:急成長する注目ベンチャー企業の組織づくりとは【K17-3A #2】
本編
伊藤 僕がモデレーターを担当した別の回で、別の方に同じテーマでお話をお伺したことがあります。
結論としてはコア人材の育成を会社で行うのは無理だという結論になりました。聞いてらっしゃいましたでしょうか。
上原 (クルーズの)小渕さんらが登壇したセッションですね。
▶ 【保存版】新規事業を生み出す人材はどのように育成するのか?(全8回)
伊藤 あのときはかなり絶望的な気分になりました。
しかし今回はお話を聞いていると、3名ともコア人材の育成について非常に真剣に取り組んでいらっしゃいますし、そこの部分を信じていると感じられました。
育成することは可能だということとでしょうか。
上原 本当のコア人材というとまた一段違ったものになってくると思います。
伊藤 その辺について正直なご意見を聞きたいです。
コア人材の育成は可能なのか
上原 結局、先天性/後天性のような話になるとは思いますが、本当のコア人材、数人の経営幹部や数億円規模の利益を出す新規事業を創れる人間となるとそう簡単に育つというものではないと思います。
なので、当社では「起業家採用」を積極的に行なっています。
マイネットの中には起業家または起業経験者が700人中16人います。それらの人たちは起業家採用です。
ゲーム業界は実績を積んで会社を立ち上げても潰れてしまうということが結構あるので、潰れそうな会社があると聞きつけたらまずは声をかけに行きます。
例えば、潰れかけている会社の社長に個人的に融資をして、借金まみれなところをすくい上げて弊社にコミットしてもらうなどしてでも、とにかく起業家を採用しています。
どちらかというと成功している起業家よりも一度失敗した起業家を採用するというのを非常に積極的に行っています。失敗経験で一度泥にまみれた起業家は本当に強い。
その人たちを採用するときは代表であり起業家である私自身がフルコミットして握るようにしています。
起業家は一度起業してしまうと起業家であり続けるものです。しかし起業家キャリアであってもマイネットの中で数ターム、こういう期待値とこういう報酬でこのミッションをやりきるというのは、起業家キャリアの中でポジティブだというのを握りきって一緒にそれをやってもらうようにしています。
そもそも事業創出や事業全体を牽引するコア人材になりうるような事業家や起業家は先天的に起業家な人間を採ってくるというのが一番効能があります。
伊藤 そうすると、ある程度の層を作るには教育もあるけれども、本当のコアになってくると採用になってくるということですね。
上原 そうだと思います。
一方で、今弊社には7つの事業会社がありますが、そのうち1つは新卒6年目の29歳の社員に社長を任せています。200人位の部隊の長です。
この社員については採用してすぐにこの人は「育てる!」という”タグ”をつけて、半年毎に仕事を回していきリーダー育成して、一定の期間は私の直轄で仕事をする中で理念を注入して今のポジションに就かせました。
伊藤 39の事業を任せることは、育成というか虎の穴というか、現場に出して鍛えていくのですね。
上原 そういうこともありますね。そこの中から起業家コア人材としても成立する人間というのが出てくると良いなという、採用の段階からと、任せて育てるという、この両輪でやっています。
伊藤 佐々木さん、グーグルでのご経験も踏まえてそこはいかがでしょうか。
グーグルでも人材育成はできると信じていると薄く期待しているのですが。
佐々木 噂ではグーグルよりもフェイスブックが活発に行っているようです。シェリル・サンドバーグが有名ですが。
今の上原さんのお話には共感できました。
起業家はfreeeの中でも非常に活躍しますし、教育コストがかからず伸びる人材とは元起業家だというところはあります。
“ジャーマネ”はピープル・マネジメントにフォーカスさせる
佐々木 一方で、事業を引っ張っていくコア人材を育てるときに今まで障壁になっていたと思うのは、ピープル・マネジメントと個人としての活躍を両方任せるということです。
例えばエンジニアであれば個々のプロダクト開発、事業側だったらより戦略的な仕事や分析の仕事があるわけですが、組織の長だから両方やらないといけないとされると、成長が阻害されてしまいます。
そういった役割に、まだ準備ができていない人を入れてしまうことによって失敗してうまくいかないことがやはり多いのではないかと思っています。
最近僕たちの組織でもその状況が多かったと思っているので、ジャーマネはチームのピープル・マネジメントにフォーカスできるようにしています。
一方でピープル・マネジメントではない仕事、エンジニアだとインディビジュアル・コントリビューター(IC)のキャリアパスについてどのようなものがあるかは色々な会社で取り組んできたと思いますが、ビジネス系の人材にもそれは絶対あると思っています。
このようなビジネス系のICの人間がしっかり色々なフレームワークを作っていってくれると、個々のジャーマネの負担というのはチームメンバーの育成にわりとフォーカスできるようになります。
加えて、その他のビジネスの意思決定を全部やらなければいけないという状況を作らないようにすると、もっと思い切ったことができる余裕ができるし、さらにキャリアの裾野が拡がるはずです
僕自身について言えば、freeeを立ち上げる前はピープル・マネジメントのキャリアは全く歩んできていません。分析や戦略の仕事ばかりしてきました。
それで悪いかというと、僕はその道を極めたかったしそういうやり方もあるべきだと思っています。
そのためそんな組織の作り方にして、よりいろいろな方向性から成長できるようなキャリアパスを作りたいと思っています。
人とプロダクトのマネジメントを分ける
伊藤 マネージャーがプロダクトもラインのマネジメントも全部やるのは大変なのでピープル・マネジメントとプロダクト・マネジメントを分けた方が成長しやすいということでしょうか。
佐々木 そうだと思います。ただしある段階では両方やらなければいけないということもあると思います。
しかしいっぺんに両方やりなさいという環境を作ってしまうとそれに耐えうる人は、起業家くらいとなってしまう可能性が高いと思います。
伊藤 人材育成の中でラインとプロダクトを分けるという議論は初めて聞きました。
ラインとプロダクトを分けた方が良いという意見はもちろんありますが、人材育成という観点でもそれが効くということですね。
佐々木 それは効くのではないかと思います。
伊藤 それは最初にやるべきことにフォーカスできるからですね。
佐々木 成長の鍵として、その人のその時点のスキルに対してちょうど良いチャレンジがあるというのが非常に大切だと思っています。
非常に成功した例としては、ジェネラル・マネジメントを任されていたメンバーが、戦略だけにフォーカスするという仕事に変えた瞬間に非常にパフォーマンスが良くなったことがあります。
また2つプロダクトがあったものを1つにしたらパフォーマンスが出たという事例もたくさんあります。
やはりその人に適したチャレンジを与えることによって、それを越えたステップアップを一気にすることは実現可能だと思っています。
伊藤 一点質問です。ピープル・マネジメントのマネージャーはプロダクトの責任を負っていない訳ですね。皆さん言うことを聞いてくれますか。
佐々木 それは信頼関係を築けるかという話で、別にしっかりやらなければいけないものです。
伊藤 なぜこれを聞いかというと、プロダクトのマネジメントをする人がラインのマネジメントをすることによって信頼されるのではないかと思ったからです。
その2つが分かれていると「あの人はプロダクトには関係ないのに」という意見が出てきたりしませんか。
佐々木 それは組織全体の雰囲気づくりにかかっています。
また、それでは権威でマネジメントしているということになってしまいます。だから権威のマネジメントを取り払うというのがジャーマネの1つのコンセプトだと思っています。
伊藤 マネジメントもきちんと独立した仕事だということですね。
佐々木 そうですね。
(続)
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続きは Yahoo!アカデミア伊藤学長が聞く③:事業家を育てる「成長の方程式」とは?【K17-3A #4】 をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/本田 隼輝
【編集部コメント】
「権威のマネジメント」というのはグサッときますね。企業とは話がまた違うとは思いますが、自分のいる音楽団体でも演奏の技量がマネジメントでの信頼度や発言力に響いてしまうことがあるような気がしてしまいます。(立花)
続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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