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1. アジアで活躍するITスタートアップが集結、彼らはいかにグローバル展開を始めたのか?

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ICC KYOTO 2022のセッション「ITスタートアップにおけるグローバル展開のケーススタディ」、全6回の①は、海外事業を展開する4社から実例を伺います。最初に登場するのは、ネットプロテクションズの角元 友樹さん。日本でもトップシェアを誇る「BNPL(Buy Now Pay Later)」、後払い決済サービスを台湾でスタートさせた背景をご紹介いただきます。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションのオフィシャルサポーターはネットプロテクションズです。


【登壇者情報】
2022年9月5〜8日開催
ICC KYOTO 2022
Session 3D
ITスタートアップにおけるグローバル展開のケーススタディ
Sponsored by ネットプロテクションズ

(スピーカー)

角元 友樹
恩沛科技股份有限公司(NP Taiwan, Inc.)
董事長/總経理

久保 恒太
Ubie株式会社
代表取締役 エンジニア

十河 宏輔
AnyMind Group株式会社
代表取締役CEO

中島 克彦
株式会社ビービット
取締役副社長

(モデレーター)

井上 真吾
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン
パートナー

「ITスタートアップにおけるグローバル展開のケーススタディ」の配信済み記事一覧


グローバル展開した4社がリアルな事例を紹介!

井上 真吾さん(以下、井上) 「ITスタートアップにおけるグローバル展開のケーススタディ」を開始いたします。


井上 真吾
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン
パートナー

東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。ボストン・コンサルティング・グループ、Apple Japanを経て、ベイン・アンド・カンパニーに参画。ベイン東京オフィスの通信・ハイテク・デジタルプラクティスのコアメンバー。15年以上にわたり様々な業界・企業の戦略コンサルティング活動に携わっている。Apple Japanでは、法人部門にて戦略アライアンスを担当。ICCでは、立ち上げ当初から関わり、多くのセッションにてモデレーターを担当。

通常、ICCサミットでは結構ローカル色が強く、グローバルのテーマだとなかなか人が集まらないのですが、今回は結構参加いただいています。

ここに参加いただいたのは、かなりの“ガチ勢”だと思いますので、この豪華なスピーカー陣と共に、ためになるセッションをお届けしたいと思っています。

コロナ禍の影響で、ここ数年はグローバル展開が結構難しかったのですが、ようやく落ち着いてきた中、ためていた考えや構想をまさにこれから実現していくタイミングだと思います。

今日は、中でも、かなり積極的に海外展開に取り組まれてきた4社にお越しいただいています。

それぞれ、展開している国やステージは違いますが、皆さんに、相当準備いただいた上で手触り感のあるグローバル展開事例をお持ちいただきました。

まず、各社10分ほどで事例を紹介いただいた上で、パネルディスカッションを行いたいと思っています。

よろしくお願いします。

グローバル展開のリアルで、具体的な事例をお話しいただけると思っています。

皆さんには是非、各社がどんな考えで展開する国を選んだのか、海外での事業立ち上げの際に工夫した点は何か、どんな壁にぶつかってどう乗り越えたか、成功要因は何だったか、などを念頭に置いていただき、聞いてもらえればと思います。

そうすることで、汎用的な学びが得られるのではと思っています。

会場で今、グローバル展開を考えられている方は、どのくらいいらっしゃいますか?

(参加者が複数挙手)

なるほど、では、話しがいがありますね。

まず、ネットプロテクションズからお願いします。

台湾とベトナムに拠点を立ち上げ。ネットプロテクションズ角元さん

角元 友樹さん(以下、角元) ネットプロテクションズの角元と申します。


角元 友樹
恩沛科技股份有限公司(NP Taiwan, Inc.)
董事長/總経理

兵庫県神戸市出身。1990年生まれ。2014年にネットプロテクションズへ新卒入社。1年目から新規事業立ち上げに携わり「NP後払いair」をリリースし、新しい与信モデルを構築。事業責任者として事業構築・推進を担当し、黒字化を達成。2016年10月より新サービス「atone」のシステム企画/設計/開発を担当。並行してNP後払いの次世代与信システムの企画/設計のアドバイザーとして従事。2017年4月より海外事業責任者を兼務し、海外進出の調査を開始。2018年3月に同社初の海外拠点となる台湾支店「日商恩沛股份有限公司」を設立し、代表に就任。2021年5月に台湾子会社「恩沛科技股份有限公司(NP Taiwan, Inc.)」を設立し、代表に就任。2022年4月にベトナム子会社「Công ty TNHH Net Protections Vietnam(Net Protections Vietnam Co., Ltd.)」を設立。

私は2014年に新卒でネットプロテクションズに入社し、1年目から新規事業を立ち上げ、そしてその責任者として働いてきました。

入社4年目のタイミングで、当社としては初めての海外展開となりますが、海外チーム、そして台湾に拠点を立ち上げました。

今、その代表を務めています。

2022年4月にベトナムにも子会社を作りましたが、その立ち上げにも関わっています。

当社は2000年創業で、2021年末にプライム市場に上場しました。

展開しているのは、BNPL(Buy Now Pay Later)と呼ばれる、後払い決済サービスです。

国内 BNPL 決済サービスのリーディングカンパニー(ネットプロテクションズ)

B2C、B2B両方の領域で展開しており、どちらも国内ではトップシェアを取得しています。

年間取扱高も、約5,000億円規模にまで成長してきています。

提供しているスキームは、売り手と買い手の間に入って、後払い決済に関する全ての業務を代行するというものです。

後払いなので、払わない方も一定数いらっしゃいますが、未回収リスクも当社が全て保証する形でサービスを提供しています。

我々の強みは未払率、つまり、払わない方のコントロールで、未払率0.5%という水準でコントロールをしています。

これは、自分たちでロジックを構築した、独自の与信審査の仕組みを提供しているからです。

国ごとに異なるBNPLのニーズとスキーム

角元 今、BNPLは世界で急速に普及してきていますが、エリアごとにニーズが違うので、スキームも異なります。

大まかに3つに分けています。

今BNPLは欧米で流行っていますが、欧米では、クレジットカードのリボ払いが一般的で、手数料を払うことも一般的です。

利息を払いたくない方やクレジットカードを持っていない若い方は、デビットカードを登録するだけで、手数料無料で3回、4回の分割払いができます。

この支払い方法が普及してきています。

日本については、クレジットカードは基本的に、翌月一括払いで手数料は払わないというのが一般的な支払い方法ですので、欧米の方法は流行っていません。

ですので、クレジットカードをインターネット上で入力したくない方、面倒だと感じる方が、BNPLを使っています。

一方、東南アジアではクレジットカード普及率が、まだ数%という状態です。

しかし皆さんスマートフォンはお持ちで、スマートフォンを使ってネットショッピングをすることが爆発的に普及しているので、そのニーズに応える、次世代型クレジットカードのような位置付けで、BNPLが普及してきています。

台湾でゼロからシステムを構築し約半年でローンチ

角元 当社の一番の強みはリスクコントロール力であり、東南アジアへの展開を見据え、1カ国目として台湾を選び、事業展開をしてきました。

後払い決済のネットプロテクションズが海外展開–台湾で事業開始(CNET Japan 2018年3月23日)

台湾に進出したわけですが、日本で展開していた後払いサービスをそのまま持って行ってローカライズしたのではなく、長年のノウハウやナレッジを最大限使いつつも、台湾でゼロからシステムを構築し、グローバル向けの後払いサービスとしてリニューアルしたものを展開してきました。

展開する中で、市場からのフィードバックを受けながら日々改善していきたいという思いがあったので、最小限のプロダクトでサービスをローンチしました。

台湾に進出しようと決めてから約半年でプロダクトローンチをしたので、本当に最低限の機能しかありませんでした。

そしてフィードバックを受けながら、毎日のように機能追加、機能改善のリリースを行い、現地にフィットするサービスを作り上げました。

規模もまだまだ小さかったので、日本でしていないことも試せる状況でした。

そこで、当社としても初めての試みに色々と挑戦し、うまくいったものを日本に逆輸入するというケースも増えてきています。

(続)

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸

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