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2. サステナブルなアパレル「KAPOK KNOT」、事業発足の原点とは

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ICC FUKUOKA 2023のセッション「ビジネスモデルのケーススタディ(シーズン2) – ライフスタイルブランドを創る」、全6回の②は、アパレル企業を営む家系で、サステナブルなアパレルブランド「KAPOK KNOT」を立ち上げた深井 喜翔さんが、事業を自己紹介とともに語ります。なぜ、ただ事業承継するだけではなかったのか? ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2024は、2024年2月19日〜 2月22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください

本セッションのオフィシャルサポーターは ノバセル です。


【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 12D 
ビジネスモデルのケーススタディ(シーズン2) – ライフスタイルブランドを創る
Supported by ノバセル

「ビジネスモデルのケーススタディ(シーズン2) – ライフスタイルブランドを創る」の配信済み記事一覧


サステナブル素材のアパレルブランド「KAPOK KNOT」を展開する深井さん

深井 KAPOK JAPANの深井と申します。


深井 喜翔
KAPOK JAPAN株式会社
代表取締役CEO

1991年生まれ、大阪府吹田市出身。 2014年慶應義塾大学卒業後、ベンチャー不動産、大手繊維メーカーを経て、 家業である創業77年のアパレルメーカー双葉商事に入社。 現在の大量生産、大量廃棄を前提としたアパレル業界に疑問を持っていたところ、 2018年末、カポックと出会い運命を確信。 KAPOK KNOTのブランド構想を始め、クラウドファンディングで新規事業を開始。 2020年には、KAPOK KNOTの運営を軸としたKAPOK JAPANを設立し、 アトツギとスタートアップ両社の経営に参画中。

サステナブルなアパレルブランドを作っています。

僕は大阪出身ですが、父はカシミア屋、母はウール屋、いとこが呉服屋、親戚が布団屋という、繊維一筋の家系です。

そういう家系に生まれたこともあり、事業承継の話をしている際、アパレル業界がすごく悪者のようになっているところに気づきました。

▶参考:ファッションと環境(消費者庁)

まだ承継はしていませんが、当時、自分がこの事業を継げば社会悪となってしまうのかと思ったのが自分の原点であり、それを何とか変えていきたいと思ったのが、事業を発足させたきっかけです。

KAPOK KNOT」というブランドを運営しています。

簡単に言うと、薄くて軽くて暖かいダウンのブランドです。

私が今着ているシャツも、「カポック」という素材を使っています。

カポックは木の実の綿なのですが、非常に薄くて軽くて暖かいのです。

木の実由来、機能的でサステナブルな新素材「カポック」(KAPOK JAPAN)

カポックはインドネシアに生えています。

インドネシアには縁もゆかりもなかったのですが、インドネシア現地に飛び込み、直接この木の実を買い付けてダウンウェアを作るというルートをゼロから開拓しました。

それが、KAPOK KNOTというブランドとなっています。

カポックの大きな特徴は、コットンの8分の1の軽さということです。

めちゃくちゃ軽いです。

また、吸湿発熱という機能で、ダウン並みの暖かさをもたらします。

木の実なので木の伐採の必要もなく、30~50年くらい、木の実を採り続けることができます。

自生しているエリアも広く、近くにカポックの木がある人は、自分で採り、カポックで枕を作って寝ている人もいます。

そういう文化が根付いているくらいの素材だったので、供給に困らないというのも特徴でした。

カポックを使って立ち上げたのが、「たった5mmでダウンの暖かさ。」を実現する、KAPOK KNOTというアパレルブランドです。

カポックについて知りたいと思った時、なかなかルートがなくて領事館に電話すると、彼らが紹介してくれた農園に、唯一何とかコンタクトできました。

それでインドネシアの山奥に行ったのですが、一人だけ別の車に乗せられて、どんどん山奥に行くので、やばいと思いました(笑)。

でも、着いたら一面カポックで、それを見た時、「これを世界に広げるブランドを作ろう」と思ったのが3年前で、それから取り組んでいます。

MIYASHITA PARK出店、二階堂 ふみとのコラボを実現

深井 昨年(2022年)、東京のMIYASHITA PARKに出店しました。

ブランド初の常設店に込めた想い【渋谷・MIYASHITA PARK STORE】(KAPOK KNOT)

家業では、ボトムスが2,800円とめちゃくちゃ安いのですが、その商圏と戦っていても辛いと思いました。

僕と同様にスノーピークの山井(長太)さんも後継ぎですが、「後継ぎは売上2桁成長を目指せ」ということをおっしゃっていました。

売上2桁成長はものすごく難しいですが、単価100倍であればチャンスがあるかと思い、この服を28万円で売りました。

購入できる権利が抽選で当たるような仕組みにしたのですが、売れました。

表地は、東レが作った植物由来、バイオ由来のナイロンで、中綿はカポックとテンセルです。

つまり、徹底的にプラントベースにこだわったのです。

2030年にはこういうモデルが実現されているのではないか、これがいつかスタンダードになるという思いも込めて、このPlant-Based Down 2030: FLAREを発表しました。 

そういう、未来に向けたプロダクト作りをしています。

2022年は、僕らが一番実現したかった、二階堂 ふみさんとのコラボレーションを行うことができました。

KAPOK KNOT×二階堂ふみ 新しい時代の豊かさはアニマルライツ×モードに込めた想像力(KAPOK KNOT)

ものづくりについて何も知らない、地方の後継ぎが、ブランド作りとは何ぞやというところから始めて、何度も打ち合わせを重ねてゼロから商品企画をし、こういったコラボを発表できたというのが、去年本当に嬉しかったエピソードの一つです。

KAPOK KNOTをto Cで販売すると同時に、他のアパレルブランドにto Bで卸しています。

海外のアパレルブランドにも提供しています。

某有名なヘラルボニーともコラボレーションを実現しております(笑)。

「HERALBONY」、カポックノットとコラボレーションしたアートコートを発売(PR TIMES) 

松田 別に有名ではないです(笑)。

深井 僕たちのミッションは、「Shift by GRADATION」で、誰もが取り入れたくなるようなサステナブルな選択肢を作ることを掲げています。

以上です。

菅原 松田さんに良いパスが出ましたね。

(続)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美

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