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「社会をより良くする革新的なハードウェア・スタートアップは日本から生まれるのか?」【F17-5B】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!10回シリーズ(その4)では、オリィ研究所・吉藤さんに分身ロボット”OriHime”を作ったきっかけについてご紹介いただきました。テレワークなどに活用される注目のロボットです。是非御覧ください。
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ICCサミットは新産業のトップリーダー600名以上が集結する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2018は2018年2月20日〜22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
2017年2月21日・22日・23日開催
Session 8D
社会をより良くする革新的なハードウェア・スタートアップは日本から生まれるのか?
(スピーカー)
岩佐 琢磨
株式会社Cerevo
代表取締役
町野 健
KAMARQ HOLDINGS PTE. LTD.
取締役CCO
吉藤 健太朗
株式会社オリィ研究所
代表取締役CEO
三宅 徹
株式会社未来機械
代表取締役社長
(モデレーター)
守屋 彰人
ダイソン株式会社
Head of Direct
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▶「日本発の革新的なハードウェア・スタートアップ」の配信済み記事一覧
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最初の記事
【新】革新的なハードウェア・スタートアップは日本から生まれるのか?【F17-8D #1】
1つ前の記事
家具×IoTで、家具業界のAppleを目指す「KAMARQ(カマルク)」【F17-8D #3】
本編
守屋 登壇者の方々に「どう社会をより良くしたいのか」、「どう革新的なのか」という2点を強調する形で会社の紹介をいただいております。
では続いて、折り紙なんとか学会?会長のオリィさんですね。
ここ、一応笑う所なのですが(笑)。
(会場笑)
▶編集注:奈良文化折紙会です。
守屋 折り紙が全てのきっかけになっているということを昨日うかがいました。
オリィ研究所の吉藤さんに紹介をしていただきたいと思います。
病気などで外へ出れない人を救いたい
吉藤 健太朗氏(以下、吉藤) はい、宜しくお願いします。
ここにいるので実物を見てください。
このOriHimeというロボットを作っています。
私は吉藤 健太朗という名前なのですが、健康で太っていて朗らかという名前は全て外れています。
(会場笑)
私のことはオリィと呼んでいただけますと幸いです。
今、健康ではないと言ったのですが、実は私、昔から病気がちでして、小学校5年生位から3年半ほど学校に通えない経験をしました。
本当に天井ばかり見る生活をしばらく送りました。
後で知ったのですが、どうやらこれは私だけの経験ではないようです。
今一人暮らしの高齢者が1,000万人を超えています。
日本は世界と比較しても異常な訳ですよね。
12人に1人がそのような状況で、さらに6万5,000人の病気で学校に通えない子供達がいる。
なんとか解消したいと思いました。
その後私は、工業高校でこのような車椅子を作っていました。
今から13年ほど前、2004年に作った車椅子です。
要は、病気で外に行けない時、カッコ良いものに乗りたいよねということ、かつ快適な走行をしようと考えました。
傾いてしまうと危ないので、ジャイロセンサー(角速度センサー)を搭載しています。
今ですとそこまで大変そうに感じませんが、ジャイロセンサーは当時20万円位したので、学校に買ってもらい、常に傾かない機巧を作り、車道から歩道に片輪で登ることができるという研究を行いました。
ところが、この車椅子にも乗ることができない方々もいると知り、この孤独感をどうすれば解消できるのかということで、OriHimeを作ったわけです。
このOriHimeというロボットを作っていた時、これを会社にしようじゃなかという仲間の声があり、今は株式会社として作っています。
OriHimeは「もう一つの自分の身体」
吉藤 ではこのOriHimeとは何かということで、少し動かしてみたいと思います。
「OriHime、手を挙げてもらっても良いかい?」
(OriHime 手を挙げる)
私の声に反応して動きました。
「皆さんに手を振ってもらってもいいですか?」
(OriHime 手を振る)
このように手を振ります。
(おぉ~)
ありがとうございます。
OriHimeは、人工知能が入っている孤独な私のパートナーロボットだと思うかもしれませんが、実はそうではなく、病院から人が遠隔操作しているロボットです。
今日は病院ではなく自宅で操作していますが、体を運ぶことができない人にとって心を運ぶような乗り物が作れないかということでこのロボットを作りました。
私が学校に通えなかった時、「もう一つの自分の身体があればいいな」と考えていました。
そして今日これを操作している仲間は、弊社で働いている番田雄太という私の秘書です。
(OriHime お辞儀する)
実は彼、寝たきりの状況なのですが、朝9時になるとこのロボットで出社して来て、1日中他のメンバーと一緒に資料を作ったり、朝礼をしたり、同じ密度のコミュニュケーションをとりながら働いています。
このような分身を作り、頑張って社会参加していこうじゃないかということを行なっています。
どのように操作しているかというと、彼は顎を使ってパソコンを操作することができます。
ALSの患者さんのように、目しか動かせない方もいますので、目だけで文字を入力できないかということで、このようなものを作りました。
ムービーを流したいと思います。
読み上げもできます。
この方は元々外務省で働いていらっしゃった方なのですが、ALSを発症されて何もできない状況でした。
今まで目で文字を入力するものはあったのですが、今回私が作った良いアイディアは、見たい文字が真ん中に寄ってきてくれ、そのボタンを見続けると常に真ん中になるということです。
画面自体がスクロールしてくれるので、非常に押しやすいということです。
この患者さんたちは意思がはっきりしていても外部とコミュニュケーションを取ることができなかったのですが、ボディランゲージができ、意思表示をすることができる。
心が健康であれば、できないことはないし、どこにでも行けて、何でもできるということです。
少し大きめのOriHimeも作ってみた
吉藤 もう一つ紹介したいロボットがあります、これはつい2日ほど前に作ったものですが、番田くんはこのように弊社に出社し働いてくれているのですが、私の秘書という割には受付もしてくれないし、お茶も持ってきてくれないんですよね。
秘書だったらお茶ぐらい持ってきてくれよと、少し大きめのOriHimeを作りました。
これで何をするかはまだ全然決まっていないのですが、もしかすると寝たきりの方々が、子育ての際あちこち走り回ったりですとか、カフェテリアでウェイターを行なったりですとか、そういったことがやりたいと思います。
「立ち上がれ、寝たきりの方々」といったことを行いたいと今進めております。
守屋 大きなOriHimeは台車に乗っていますが、テレプレゼンスロボットは自動で動くものが多いですよね?
今日お持ちいただいたOriHimeは歩くことができるような駆動装置が付いていませんが、それは何か考えがあってそのようにしているのですか?
吉藤 昔は二足歩行ロボットタイプでしたし、これまで色々なパターンを作ってきました。
始めは確かに二足歩行で動かせた方が楽しいのですが、大体は動くと落ちるし、物を壊すしで、そのうち使わなくなってくるんですね。
動く機能はあれば良いのですが、それによる弊害のようなものが多いので、結局使わなくなっていった。
一番良いのは何かということで、どんどん引き算していき首だけにした所、正に現場の声として「腕はいるよ」という番田からの意見が出ました。
腕は人とコミュニケーションを取る上で絶対に必要ということを力説するので、腕をつけたところ、とても使い勝手が向上したので、今このような形になっています。
守屋 確かに動ける装置が付いていると、周りの人もどこかに移動する時、ロボット自身に動いてもらおうっていう発想になりがちですかね。
吉藤 しかも、自分で走っている時間は、人を退けなければならなかったり、割と無駄なことが多くて。
ルンバであれば話は別かもしれませんが。
私はルンバを遠隔で動かすことも有効だと思っていて、移動するのではなく、小さく作れば手軽に持っていけますし、あちこちに置いておけば良いのではないかと思っています。
守屋 なるほど、ありがとうございます。
▶オリィ吉藤さんのプレゼンテーション動画もぜひこちらからご覧ください。
続いて、Cerevoの岩佐さんお願いします。
(続)
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続きは 「変な」ハードウェアを矢継ぎ早に市場投入する「Cerevo(セレボ)」 をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/本田 隼輝/鎌田 さくら
【編集部コメント】
そういえば、2017年のニコニコ超会議でオリィ吉藤さんをお見掛けしました。(横井)
続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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