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ICCカンファレンス KYOTO 2016 において大好評だった「VR/AR市場は今後どのように進化するのか?」【K16-8A】のセッションの書き起し記事をいよいよ公開!4回シリーズ(その4)は、VR/ARといったテクノロジーがどう進化するか、そのインパクトがどう世界を変えていくか、議論しました。様々なビジネスに示唆に富む内容となっております。是非御覧ください。
ICCサミットは新産業のトップリーダー600名以上が集結する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2018は2018年2月20日〜22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016
Session 8A
VR/AR市場は今後どのように進化するのか?
(スピーカー)
荒木 英士
グリー株式会社
取締役執行役員
國光 宏尚
株式会社gumi
代表取締役社長
村井 説人
株式会社ナイアンティック
代表取締役社長
(モデレーター)
山田 進太郎
株式会社メルカリ
代表取締役社長
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最初の記事
【新】グリーとgumiが仕掛けるVR市場振興に向けた取り組み【K16-8A #1】
1つ前の記事
「VR市場は爆発的に普及するのか?」gumi國光氏・グリー荒木氏が熱く議論【K16-8A #3】
【本編】
今後のARはどこに向かうのか?
山田 次の質問に移ろうと思います。VRの次に、ARではどうなっていくのかという話です。マイクロソフトが出しているホロレンズが結構実用に近いところまで進んでいますよね。
これは、ジョン・ハンケがおそらく口を滑らせただけだと思っているのですが、コンパクトレンズといった話もありますよね。
村井さん、いかがでしょうか?どんなことをナイアンティックでは考えているのかを教えて頂ければと思います。
村井 先ほどのVRの話で言えば、VRはどこが勝つのかという話でしたよね。
面白いなと思ったのが、VRの機器の次に、ARの機器が、直線的に成長していくという話をしていましたが、実は僕はあまりそういう風には思っていません。パラレルに動いていくのではないかなと思っています。
先ほどVRとARの違いに触れましたが、我々がやろうとしているARは、現実世界に情報のレイヤーを足していくことです。
ジョン・ハンケは、これをAlternative Worldと呼んでいます。僕は、パラレルワールドと呼んでいて、少しズレがあるのですが、基本的には現実世界に情報を載せていく。
VRのハードウェアとARのハードウェアでは、ウェアラブルではGoogle Glassなど少し違った進化の仕方をしているのかなと思っています。
山田 結局、ポケモンGOで分かったことというのは、スマホでもARが出来るということですよね。
村井 そうですね。おっしゃる通りです。
最初に我々、ナイアンティックの説明をしましたが、Google Mapsの卒業生がたくさんいるとお伝えしましたが、実は我々は、ARの世界はこの世の中にすでにたくさん存在していると考えています。
Google Maps自体も、まさにそれだと思っています。現実の世界に対して、インターネット上で地図を作って、それがニアリーイコールに進化してきていて、見える情報がどんどん付加されていっているわけです。これはレイヤー構造になっています。
それが、インターネット上で見ることによって、すごく便利で検索が出来て、本来出来るはずのことが出来るようになっているわけです。
今回は、現実の情報だけではなくて架空の情報も載せて成功したのが、ポケモンGOです。
そうすると、どんな形になるかは分からないのですが、キラーアプリで言うと、我々は地図屋だったので、パーソナルナビゲーションという分野は今後来るかなと思っています。
それは何かと言うと、カーナビゲーションはすでにありますよね。リアルの世界を、地図を通して、自分が動く中で、色んな情報を知れて、時間を入れることが出来て、ルーティング、ナビゲーションしてくれます。
あれが、もっともっと描写が変わってきて、例えば車の画面や眼鏡のガラスに出てきたり、Oculusのような形のモノが出てきたり、するのかなと思っています。
もっと今のVRのプロダクトのようなモノが出てきて、実際に着用して、目がそもそも外の世界と接しておらず、プロダクトのスクリーンに外の世界が映し出されているイメージがあります。そうすると、フロントガラスのない車が出て来る可能性もありますよね。
ARでは、そのようなハードとの融合が出て来ると面白くなってくるのではないかなと思っています。
今日、私がこの場に登壇している価値というのは、観客の皆さんが、相対的・客観的に比べられるのが面白い点だと思います。
ポケモンGOでやったことというのは、現実世界でARをやるということと、VRとのコントラストが観察出来ると思うんですね。
ARとVRのX軸と、ソフトとハードというY軸の2軸があったときに、我々が実際にどこにいるかということですよね。
ハードウェアというのは、ドッグイヤーなので、本当にどんどん進化して、新しいプロダクトが出てきています。コンタクトレンズもあるかもしれないし、網膜照射もそもそもありますよね。
そういった技術というのは、今回のポケモンGOのように適した形で表現出来たら上手くいくのだと思います。
今回は先ほどおっしゃったように、ハードウェアでいうスマートフォンがこれだけ浸透したからこそ、ポケモンGOは出来たわけですよね。
國光 最終的に、VRとARは一緒だと思っています。
いま僕らがいる所は100%リアルな世界ですよね。VRでは100%バーチャルな世界です。
将来的には、当然メガネやコンタクトレンズ型が出来ていて、例えば、会場が味気ないから周辺の環境をハワイにしようということが出来るわけです。
そうすると30%くらいバーチャルになります。更に、荒木くんとか村井くんとかがホログラフという形でやると、60%ぐらいバーチャルになったりするわけです。
将来というのは、明確に見えていて、当然まずは大きいものから今のホロレンズ的なものになって、ゴーグル、コンタクトレンズ、最終的にはインプラント型という風に進んでいくのだと思います。
そういった世界になると、いま私たちがいるところは100%リアルで、VRは100%バーチャルなのですが、いずれリアルとバーチャルが完全にシームレスにつながってくる世界がおそらく10年以内には起こってくると思います。
村井 そうですね。
エフェクト機能と一緒で、透過率みたいなもので、透過率の軸を100%なのか、0%なのか、あるいはその間のどこかなのかが設定出来る世界ですよね。なので、リアルとは必ずつながっているわけですよね。
リアルとバーチャルという区別がなくなる
荒木 なので、10年くらいすると、リアルとバーチャルという話がなくなると思っています。ぜひ皆さんに思い出してほしいのですが、昔はネット上で知り合った人たちとのやりとりは、バーチャルと言われていたと思います。
今は、それでこそ、LINEでしか会話したことがなくて、顔写真は見たことはあるけれども、会ったことはない人というのは、世の中に何十万人といると思うんですよね。
今更、リアルに会ったことがないから、それはバーチャルな友だちだというようなことは言わないですよね。
というのと同じで、目なり耳なりから入ってくる情報は電気信号でしかないので、それがディスプレイから来ようがコンタクトレンズから来ようが、電気信号としてインプットされたときに混在していれば、バーチャルかリアルかという区別はないですよね。
國光 荒木さんは、1番最初にインプラントの手術するんですよね(笑)。
Google Glassは不自然だから付けられないという声が多いですけど、荒木さんはすごいですよ。これを付けて歩いているそうです。これはビビります(笑)。
荒木 付けながら歩いてはいないです(笑)。座っているときにしか使っていないです。
これは、網膜投射でHDMIから入ってきた映像と音を映していて、単なる映像プレイヤーなのですが、没入感がすごくて音もいいので、通勤中にアニメを見るのに使っています。
國光 これは疲れないんですよね?
荒木 バンドを付けていると意外と疲れないですね。スマホを手で持って腕を挙げ続けるよりも、疲れないです。
國光 こういうモノを着ける、着けないという話ですが、現にすでに着けて通勤している人もいるわけですから、何年かしてくると日常の風景が変わっている可能性はありますよね。
数年前と比べたら、スマホを出していじっているのも不思議な風景ですよね。
荒木 イヤホンをしていたら、耳にコードが刺さっていますよ、と言われたような時代もあったわけですからね。
國光 ポケモンGOなんかも、前だったらスマホを掲げて歩いているのは変質者に間違われるような行為ですよね(笑)。
荒木 盗撮を疑われますからね(笑)。
國光 ポケモンGlassみたいなモノが出たら、スマホを掲げるのは面倒なので、当然グラスを着けて、映像が見えて音声が聴こえて、AR的にボールを投げるアクションもとれたら、おそらくみんな着けますよね。
なので、従来は変だと思われたことが、みんながやり始めることで、変わることはありますよね。
ポケモンGOは本当にまさにそうで、あれが流行っていなくて、自分だけだったら変質者ですからね。夜の公園をスマホ掲げながら歩き回っているわけですから。
荒木 なので、不自然だから普及しないのではないかというとは、心配していないですね。
メルカリはどうしたらよいですか?
山田 時間も迫ってきているので、個人的に聞きたい質問を1点聞かせて頂きたいです。
メルカリはどうしたらいいですか?(笑)。
荒木 VR空間で見たい商品がありますよね。特に、衣料品や靴はサイズや色合いのフィット感は見たいと思うので、チェック出来るのはいいと思うんですよね。
最近AlibabaがVR空間上で商品データベースが見えて、バーチャル試着が出来るサービス「BUY+」というのがニュースになっていましたよね。
【参考資料】
アリババのVRショッピング「BUY+」中国で9月にリリースか
國光 決済も出来ると言いますよね。
荒木 そうですね。ただ、メルカリの場合は、C to Cなので、Project Tango(Googleのリアルタイム空間認識技術)がスマートフォンに搭載されて、みんながスマホで3Dスキャンが出来るようにした上で、今は写真を撮って出品しているけれども、それを3Dスキャンして出品してもらえますよね。
國光 いまのProject Tangoも、大きな技術のイノベーションですよね。あとは、3Dカメラがもう1つ大きなイノベーションですね。
いまで言えば、CGやUnityで作らないと本当のVRは作れないので、人のモデルを作るのも結構難しいです。
だから、VR空間でのショッピング体験は難しいですが、そんな遠くない未来に、スマートフォンに3Dカメラが搭載されるようになって、撮影すると、スキャンデータになるというのはあり得ますよね。そういった時代になると、一気に普及するのではないでしょうか。
それが登場するのは、2〜3年以内に実装されてくる話だと思います。
荒木 全部商品はあるので、あとは普及されるだけですね。
國光 現実のリアルなモノを簡単に3Dモデルにしてスキャンして伝送出来るような形になると、ショッピングも、不動産や車はすぐ出来ますし、衣料品も今ではまだ買わないかもしれないですけど、服の全体を一気にモデルに出来たら変わってくると思いますね。
山田 ショッピングとは少し違いますが、ポケモンGOで、マクドナルドの売上が10何%上がったという話もありますよね。
【参考資料】
マクドナルドがポケモンGOとのコラボ内容を発表。全国2900店舗が「ジム」または「ポケストップ」化
村井 それ本当でしょうか?
國光 実際どれくらい売上に貢献したのですか?
村井 怒られてしまうので、言えないです(笑)。
國光 ちなみに今1日売上はどれくらいでしたっけ?
村井 それは本当に言いたいのですが、言えないです(笑)。申し訳ないです。
山田 ショッピングに対するARという文脈はどうでしょうか?
村井 どうですかね。ポケモンGO自体は、グローバルでの展開を重要視してきました。
日本でのプロダクトアウトは少し時間がかかってしまったのですが、どのように最適な形で出すのかというのは、内部で相当議論してきました。
その中で思うのは、海外での展開というものと日本での展開というものをやはり分けずに、同時にやっていくというのはすごく重要なことだというのは、結果として分かりました。
そういう意味で言うと、メルカリさんは北米に進出されていたり、ヨーロッパに注力されようとしていたりするのは、そういうアプローチはすごくいいなと思っています。
どうしたらグローバルで同時多発的に起こせるのかというのは、キーだと思います。ポケモンGOは、日本は結果的に逆輸入の形になりましたが、日本のコンテンツが日本に後から来ましたよね。
そういうことによって、色々な人の意見も変わってくるので、世界展開を進める中で、ARがどこまで出来るか分からないですが、海外に向けた展開と、海外のモノを国内に向けた展開におけるVRの使い方には、色々なヒントがある気がしますね。
山田 マクドナルドは、事前にディスカッションをしていたような想定通りの効果があったのでしょうか。
村井 マクドナルドについては、何個かポイントがあります。1つはビジネスモデルです。我々は、インナーパーチェスだけに頼らないビジネスモデルを作りたいと思っていたので、パートナーシップでビジネスをすることを進めてきました。
もう1つは、Alternative Worldや現実の世界に情報のレイヤーを重ねると言ってきましたが、とはいえ、バーチャルな世界なわけです。
我々がARですごく気をつけたのは、我々の作ったモノが、現実世界にあたかもあるかのように見せることで、それはすごく重要なファクターだと思っています。
皆さんポケモンGOをやっていると、現実世界を目で見ても、その場所にはポケモンストップは立っていないにも関わらず、頭で理解して、そこにポケモンストップがあると思い込んでしまいますよね。
あれは、本当はないのにあるように思わせるわけです。
それは基本的には、現実と情報のレイヤーの接点を作りたいと思って開発しています。今回マクドナルドさんもそうですが、実際そういったパートナーシップをやることで、オフィシャル感があるようなところでの、現実と情報のレイヤーの接点が目に見える形で出来るわけです。
そういったものを上手く使っていくというのは、ポケモンGOが上手く浸透していって、加えて、リアルなのかバーチャルなのかというのがよく分からなくなるまで持っていけたということではないかと思います。
山田 それがすごくポケモンGOのゲームとしての面白いところだと思いますね。リアルとバーチャルがミックスして捉えられるということですね。
國光 そんな遠くない未来に、ポケモンGOもカメラ自体に、Project Tangoみたいな技術は入ってないですけれども、もし入るようになったら、AR的にカメラをかざすと、3Dモデルと位置情報を連動した形になれば、また新しい領域を獲得出来ますよね。
村井 毎日歩いて集めて育てたポケモンが、ARのデバイスを使うと、家に入った瞬間に自宅を歩いているみたいなことが出来れば、楽しいですよね。
修行のように、外を出歩いていたのが、自宅に帰ると戯れることが出来るのは、いいですね。
荒木 モンスターがデバイスから出てきて、リアルな世界の中を歩いていたりしたら面白いですよね。
國光 PCインターネット、スマートフォンインターネット、AR、VRという流れで重要なのは、
スマホは、インターフェイス革命とユーザーの使い方革命があったわけですよね。
いまみんながやろうとしているのは、スマホをいちいち持ち歩いてポケットから取り出すのは面倒なので、網膜照射やメガネ型にして、空間に画面が出てきた方がはるかに便利だということなんですよね。
1番重要なのは、この10年間はベンチャービジネスにとってはものすごく楽な時期になることです。というのは、PCで入ったものを、モバイルファーストあるいはモバイルオンリーで作り直して勝つことが出来るということです。
山田 ここにいる皆さんのビジネスを全否定するような話ですね(笑)。
國光 ほとんどのビジネスが、すでにPCであったモノをモバイルファーストで、UI・UXを再定義した話ですよね。
今回のVR、ARも、コミュニケーションの方法は、現在のようなスマホでLINEを使ってするようなのはなくなるだろうということですよね。
ショッピングも現在のような形ではなくなります。オフィスにしても、Slackのような今の形は、変わる可能性があります。
全ての生活シーンにおいて、VR・ARファーストでUI・UX再定義されるということです。
山田さんのメルカリが、ヤフオクや楽天オークションの市場を軽く超えていくことも起こり得るわけです。
山田 (笑)。それでは、時間もないので、質問を会場から受付けましょう。
質問者1 マイネットの上原です。面白いお話を有難うございました。
村井さんがおっしゃっているARで、リアルの世界に情報のレイヤーがミルフィーユになっているお話と、國光さんがおっしゃっているARとは違うことを言っているなと思いながら聞いていました。
1974年生まれ。神戸大学経営学部卒業後、1998年NTTに入社し同社のインターネット事業開発に従事。2006年7月株式会社マイネット・ジャパン(現マイネット)を創業し同社代表に就任。自社のモバイルCRM事業を国内3万店舗まで育成した後にヤフーへ事業売却しスマホゲーム事業に注力。現在はゲームタイトル買収・再生のリーディングカンパニーとしてスマホゲームセカンダリ市場をリードする。
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聞きたいことは、ベタな今の商売の話です。
山田 いいですね、近江商人らしい質問ですね。
(編集注:マイネット上原さんは滋賀県出身です。近江商人JINBLOGというブログを書いていたブロガーでした。このネタががわかるのは「76世代」の方だと思います。)
ポケモンGOのゲーム市場に対するインパクトは?
質問者1 ポケモンGOが出たことで、ゲームのマーケットにどんなインパクトが出ると思っているかを知りたいです。
國光 ゼロだよね。
荒木 最近、あらゆるゲーム会社で、アナリストに決算説明会で質問されている内容ですね。
質問者1 ネガティブインパクトは、mixiの(代表取締役の)森田さんが否定された時点で、そんなにないと思っているのですが、ネガティブだけではなくて、ポジティブインパクトについて伺えたらと思います。
荒木 初めてスマホゲームで課金をした人が間違いなく増えたと思いますね。
山田 ポケモンGOで初めて課金した人が増えて、他のゲームでも課金を始めているという話はどこかでされていましたね。
荒木 市場が広がって良かったという印象はありますね。
山田 結構ポジティブなインパクトがあるんですね。
質問者1 スマホゲームのマーケット自体は天井があった中で、ポケモンGOのおかげで、位置ゲームマーケットというものが、1,000〜2,000億円 増えるということはあると思いますか?
荒木 あまりジャンルは気にしていないですね。昔、任天堂DSが発売されたときに、脳トレゲームとかが発売されて、初めてゲームを買った人が増えましたよね。
もちろんその1本のソフトだけで、それ以降ゲームをやらなくなってしまった人もいるのだけれども、その中の1部は継続的にゲームを買い続けてくれたということがありますね。
なので、脳トレのときの現象のように、ゲーム人口の拡大というインパクトはあると思っていますね。
質問者1 スマホゲームマーケットの天井を突き破ることをしてくれそうという感触はありますか?
國光 ないと思います。ポジティブなインパクトも、ネガティブなインパクトもないと思っています。
山田 Ingressはユーザーが増えたという話ですよね。
村井 そうですね。ポケモンGOを発売した後に、Ingressも相乗的に伸びましたね。
これは、ナイアンティックという会社はどんな会社なのかという興味が湧いたから、というところですね。我々自身の話で言えば、ナイアンティックの認知度が上がったポジティブなインパクトがありますね。
我々からすると、IngressとポケモンGOは違う層に刺さると思っています。ポケモンGO自体は、始めるのによりハードルが低く、入りやすい世界かと思います。
ポケモンGOを入口に、位置ゲームの楽しさを感じてもらえれば、Ingressの方に誘導することは出来るのではないかと思っています。
今の質問には答えられてないと思うのですが、ナイアンティックに限っては影響がありましたね。
荒木 スマホゲーム市場自体が頭打ちかどうかというのは、誰にとってどう頭打ちかという話はありますよね。
ゲームをヒットさせにくいという話もありますが、ゲーム人口自体が拡大してもヒットしないものはヒットしないので、あまり変わらないと思います。
多くの人が集められるゲームを作った場合には、裾野が広がった恩恵を受けられるかもしれないですね。
山田 それでは、時間も過ぎてしまいましたので、1言ずつ皆さまから頂いて、終わりにしたいと思います。
荒木 VR市場はいつ来るのか?儲かるのか?という質問をたまにされるのですが、特にこの会場にいらっしゃる皆さまは、来る来ないではなくて、「来させる」ということが仕事かなと思います。
僕はそのつもりで、開発もしていますし、カンファレンスも主催しています。
是非、来るのかな?ということではなくて、来させる側に回ってくれると嬉しいなと思います。
山田 有難うございました。
村井 私は日本人なので、日本が大好きなのですが、今回シリコンバレー発のテクノロジー会社と日本のものすごく有名なIPがつながったことによって、世界に何かしらの影響が与えられたのは、日本にとって価値のあることだと実は思っています。
ポケモン自体は20周年のIPです。20年経ったIPをさらにブレイクさせるのは結構大変なことです。
日本には、20年、30年のIPがまだまだたくさんあって、テクノロジーのところでも戦うのだけれども、IPと何かしらの掛け算をすることで、日本が世界に影響を与えることがあらためてまた出来るということをポケモンGOで証明出来たと思っています。
我々日本人として、世界に大きく羽ばたくときに、我々自身が持っている強みを今いちど見直して、そこで戦っていきたいですし、時代を創っていくために力が結集出来ればいいなと思っています。
山田 それでは、ドラクエGOがナイアンティックから発売されるということでよろしいでしょうか?(笑)。
國光 ドラクエGOはいいですね。すごく思うのは、世界的に全く違う2つの技術が同時のタイミングで出てきて、それが交じり合うことで、世の中が変わるということはあると思っています。
いま1番興味深いのは、VRとAIが本当にいま同じタイミングで育ってきていることです。VRは、荒木くんが言ったように、感性や感覚を完全に再定義しますし、AIは、知性や理性を再定義します。
おそらくVR空間で進めた方が圧倒的にリアルな感覚よりも、はるかに五感にうったえるモノを作れるし、AI自体が人間より賢くなるのは間違いないです。
この2つが行き着くところまで行ったときに、人類に何が残るのか。いまの現象は偶然ではないと思っていて、それが面白いと思っています。
最後に、VR・ARは間違いなくスマートフォンの次です。半信半疑で思われている人に対しては、「俺とマーク・ザッカーバーグが来る」と断言しています(笑)。
この波は確実に来るのではないかと思っています。なので、皆さんもぜひ頑張っていきましょう。今日は有難うございました。
山田 皆さんに盛大な拍手で終わりたいと思います。有難うございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/藤田 温乃
【編集部コメント】
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