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3. いま“導波管”がアツい!「実は全然、光速じゃない」光ファイバーの真実

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『最近「面白い」と思っていることを雑談!』8回シリーズ(その3)は、尾原さんが注目する“導波管”の雑談からスタート。Drone Fundの千葉さんも驚愕した、光ファイバーに関する衝撃の事実とは!? ぜひご覧ください!

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット KYOTO 2018 プレミアム・スポンサーのLexus International Co.様にサポート頂きました。


【登壇者情報】
2018年9月4〜6日開催
ICCサミット KYOTO 2018
Session 11A
Fireside Chat シリーズ
最近「面白い」と思っていることを雑談!
Supported by Lexus International Co.

(スピーカー)

尾原 和啓

千葉 功太郎
投資家 / Drone Fund General Partner

丸 幸弘
株式会社リバネス
代表取締役 グループCEO

村上 臣
リンクトイン・ジャパン株式会社
日本代表

吉藤 健太朗
株式会社オリィ研究所
代表取締役CEO

(モデレーター)

西脇 資哲
日本マイクロソフト株式会社
コーポレート戦略統括本部 業務執行役員 エバンジェリスト

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最初の記事
1.「ワンちゃんの感情が分かるIoT」「無殺菌牛乳」動物の“気持ち”にアプローチするビジネス最前線

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2. きっかけは「ウンコ」!? Drone Fund千葉功太郎さんとリバネス丸幸弘さんのICCサミットでの出会い

本編

尾原 一応、真面目なネタでいうと、最近、これが熱いです。

「導波管(どうはかん)」です。

西脇 7割ぐらいの人が、何言ってんだと思っているかもしれません(笑)。

▶編集注:導波管とは、主に光を含む電磁波の伝送に用いられる構造体のこと。広義では光ファイバーなども導波管の一形態である。(Wikipediaより)

尾原 要は、光ファイバーのネットワークを使った量子効果を起こすというものですよ。

写真左から、尾原 和啓さん、 千葉 功太郎さん

いわゆる量子コンピューターというのは、量子トンネル効果を起こすために、超低温状態が必要だと。

量子アニーリング形式とか、あの辺が主流なんですけど。

▶参照:【一挙公開】量子コンピューティングで実現する社会(ICC FUKUOKA 2018)(全7回)

西脇 その環境作りが大変なんですよね。

尾原 そうです。導波管はどちらかというと、光ファイバーの中を超絶的に高速で動かすことで量子トンネル効果を起こして、疑似的に量子的な計算ができるようにするという環境で、これが割とイスラエルでできるようになってきたのです。

一同 へぇ~……。

Drone Fund 千葉さんも驚き、光ファイバーの真実

西脇 実は光ファイバーの速度が今IT業界ですごく問題になっていて、アメリカからのネットワークというのは、千葉県で陸上げするんですね。

日本マイクロソフト株式会社 コーポレート戦略統括本部 業務執行役員 エバンジェリスト 西脇 資哲さん

千葉県で陸上げして、千葉県から東京までの間は光ファイバーです。

だから海底と、千葉県からの陸上の光ファイバー、ここの遅延がすごく問題なんです。

皆さん、光ファイバーの中というのは、光の速度で通ってないのはもちろん知っていますよね?

村上 知ってますよねって当たり前に言ってますけど、半分ぐらいの人は知らないですよ、たぶん。

投資家 / Drone Fund General Partner 千葉 功太郎さん

千葉 ごめんなさい、僕知りませんでした。

西脇 光の速度よりだいぶ遅いんですよ。

千葉 そうなの?

村上 だって、うにゃうにゃしてるんですもの。

西脇 そう、うにゃうにゃしているんですよ。

千葉 そのうにゃうにゃがイメージつかないのですが……。

村上 反射してるんです。光ファイバーの中を、ボールがパンパンパンパンパーンってジグザグ跳ね返っているようなものなので。だから減衰するんですよね。

(中央右) リンクトイン・ジャパン株式会社 日本代表 村上 臣さん

西脇 そのため今は空気中を電波で飛ばした方が早いんですよ。直進性があるから。

だから、実は千葉県で水上げしてから、金融業界向けにはケーブルを通さないんですよ。

村上 電波で、エアで通信しているんですよね。

千葉 へぇぇ。

西脇 それで何がよくあんるかというと、デリバティブ(金融派生商品)の計算ですね。

尾原 0.01秒でウン億円変わりますからね。

西脇 そうなんです。0.01秒でウン億円変わるので、光ファイバーでは勝てない。

村上 同じような考え方で、データセンターを東京証券取引所の近くに置いたりとかね。

西脇 千葉さん、光ファイバーが光の速度じゃないって相当びっくりされていますね。

千葉 いやぁびっくりした。もう、乳酸菌並みに騙されてたよね。

▶編集注:乳酸菌の話題については、本セッションのPart2をご覧ください。

村上 乳酸菌も光ファイバーも、誰も騙してないから(笑)。

 でも今日のテーマはやっぱり、意外とみんな騙されているっていうことですね。

「光ファイバーは光の速度じゃない」

「乳酸菌は死んでいる」

(会場笑)

村上 前提を疑えということですよね。常識を疑いましょう。

西脇 それでは千葉さんの「面白いと思っていること」を聞いてみましょう。

新型OriHimeのプロトタイプ「Nin-Nin」登場!

千葉 2つあるのですが、1つは当然「オリヒメ(OriHime)」です。

西脇 来ましたよ~。新型が千葉さんの肩に乗ってますね。この新型OriHimeについて、ちょっと説明してくださいよ。

▶参考:オリィ吉藤は、分身ロボット「OriHime」で誰もが社会参加できる世界を目指す(ICC KYOTO 2018)【文字起こし版】

千葉 いやあの、上手く説明できるか分からないのですが、とりあえず事実として、僕は今日ここにいないわけですよ。

東京にいて、今日ここ(京都)にアバターが参加しているという。

 イメージはね。

千葉 そう、イメージはね。

 (千葉さんにマイクを向けて) 千葉さん、一言。

千葉 (裏声で) はぁーい!

(会場笑)

西脇 発想が古い!

村上 そもそも分身なんだから、声は一緒でしょ(笑)。

 本来は、千葉さんじゃない人がここに座っていて、この肩に乗ってるOriHimeが千葉さんのアバターということですね。

西脇 実際どうですか? 肩に乗っけていて。

千葉 あ、うん、すごい面白いですね。

村上 そもそもオリィさん、これどういう理由で作ったの?

(テーブルの上を指して) このOriHimeがあるのに、なぜ新型を作ろうと思ったのですか?

吉藤 分からない方に説明するとですね、OriHimeというのは「分身ロボット」です。

体が弱い人にとって何が大きな障害になっているかというと、それは移動です。

体がしんどいと、基本は家にいないといけません。外に行けないと、人と会えないし、こういう場に参加できない、というのが問題なわけですね。

なので私は、この分身ロボットを全国の何箇所かに置いて、テレポーテーション的移動をしていました。

そうしたら最近、テレビなどで私のことを見た学生が「オリィさんのカバン持ちをしたい」って言って来たんですね。

村上 おぉ~。

吉藤 でもカバン持ちは……むしろ私はカバンを自分で持ちたい派だからなと思いまして。

村上 それはどうでもいいかな(笑)。

(会場笑)

 今の面白い(笑)。

吉藤 たまにはカバン持たないと筋肉がつかないので(笑)。

それで、じゃあその代わり、私が遠くに行けない時にむしろこの分身を持って行ってくれと。

というわけで、カバン持ちならぬ「社長持ち」というのができるなと考えたんです。

 新しい職業が生まれたわけですね。

吉藤 その社長持ちがあちこちに行ってくれるおかげで、私は(OriHimeの姿で)1週間前に北海道にいましたし、その前は石巻にいました。

その前は体が島根にありながら、神奈川県で講演することができました。

村上 便利ですね。

千葉 ところでオリィさん、この忍者風のデザインは何なんですか?

実はこの風呂敷的なやつにバッテリーとかが入っていて、結構肩が重いのですが(笑)。

吉藤 プロトタイプですので(笑)。

携帯電話の中にコンピューターを全部入れることもできます。

もちろん、ニンニン(NIN_NIN)の中に入れることもできるんですけど。

千葉 ニンニン?

西脇 これニンニンって言うんですか? 忍者だからニンニン?

吉藤 そうです。人と人を繋ぐという意味もあります。

村上 あ~、人、人と書いて。

 よく考えたね~。

吉藤 「織姫と彦星」からOriHimeができていたんですけど、一応その亜種みたいな感じです。

これがあることで「社長持ち」がすごく簡単になるのです。

“空間を越えて”活躍する、尾原さんの日常

尾原 実は僕がフリップに書いていたもう1個のテーマが「偏在」なんですよ。

人が1つのところに留まるのって効率悪いと思いませんか? という話です。

僕は、今回も日本の滞在時間は50時間ぐらいで、世界中をフラフラ移動しながら生活しています。

今年は、フードテックだったりリーガルテックだったり、結構マイナーなところにAIが入ってきて、世の中を変えていますよね。

僕は、世界中で開催されるそうしたマイナーなカンファレンスを巡っているんです。

そこで何をやっているかというと、オリィさんがやられている社長持ちのようなことを疑似的にやっています。

僕は友達がやたら多いので、そういうカンファレンスに行った時に「あ、これは〇〇さんと繋いだ方がいいんじゃないの?」と思うと、その場でスマホで「お前絶対この情報好きだよね」みたいな感じで連絡します。

それに乗ってきたら「じゃあそのまま喋ってみる?」と、そのカンファレンスで出会った人と直接話させる、みたいなことをずっとやっています。

それによって、自分がカンファレンスに行くだけで20人分ぐらいのディールが可能になります。

しかも僕はタイピングが速いので、カンファレンスの内容を基本的にリアルタイムでまとめることなどもやっています。

皆、僕を通して疑似体験をするわけですよ。

そもそも人間が常に同じ場所に居るということ自体が、非効率な時代になってきています。

人間とは何か? なぜ地上に留まっているのか?

千葉 おっしゃる通りです。そう思います。

 おかしいですよね。だからテーマはこれですよ。

「人とは何か」。

いいですか。もうね、経済の話とか止めましょうよ。

ICCサミットでもよく分からない横文字がたくさん飛び交っているでしょう?

千葉 僕も横文字書いてしまいました(笑)。

「エアモビリティ」です。

でも発想は一緒です。なぜ人はみな、地上に留まっているのかなと思うわけですよ。

 深いね。

千葉 僕、先月ずっと地上にいなかったんですよ。それが気持ちいいなと思って。

▶編集注:千葉さんは、エアモビリティ社会の到来に向けて自家用航空機ライセンスの取得を目指すパイロット候補生です。

 気持ちいいですよね。飛行機を操縦していると、どっちが地上でどっちが空か、分からないんでしょ?

千葉 そう。もう重力も分からなくなって、空の方がいいじゃん!みたいな。

 そうだよね、人間とは何かですよ。移動からの解放しかり、色々なものから解放された時に、本当に人間とは何かが分かる。

▶参照:【一挙公開】大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(ICC FUKUOKA 2019)(全7回)

村上 重力からも解放された時というのは、要はこの物理世界に縛られている状態が緩やかに崩れてくるような感じなんですよね。

尾原 思うに、そしてこれがエンターテインメント化していくわけですよね。

村上 そう。これからサイバーワールドが大きくなってきます。

(続)

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/戸田 秀成/鈴木ファストアーベント 理恵

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