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「今、モチベーションクラウドが熱い」【F17-9F】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!10回シリーズ(その5)は、ラクスル・ウィルゲートの事例を踏まえて、モチベーションクラウドの活かし方についてリンクアンドモチベーション麻野さんにお話いただきました。驚きのデータを多数ご紹介頂きました。ぜひ御覧ください。
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017のプラチナ・スポンサーとして、Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.) 様に本セッションをサポート頂きました。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級の招待制カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。参加者の募集を開始しました。
その1はこちら:【新】今、モチベーションクラウドが熱い!【F17-9F #1】
その2はこちら:「組織が事業の成長についていけなかった」ラクスルが経験した組織の”成長痛”【F17-9F #2】
その3はこちら:「人事制度に経営者の魂をこめよ」ラクスルを変えた組織のPDCA【F17-9F #3】
その4はこちら:スキル偏重型採用で大失敗!ウィルゲート吉岡氏が学んだ「心」の重要性【F17-9F #4】
永見 お二人にお伺いしたいのですが、本質的な組織課題の解決は絶対必要ですよね。
関連する話として、このスコアを上げたいという話しでいうと、僕たちはこの数値を上げることは目的にしていません。
組織の中でこの数値を上げることを目的にしだすと、多分サーベイを付ける人自体にバイアスがかかってしまうと思っています。
僕はモチベーションクラウド自体に自分の伴走者であって欲しいので、絶えず会社の今の状況を数字で映し出して欲しいと思っているので、これにバイアスをかけたくないんです。
そうすると課題自体が間違ってしまうので。
ですから数値のコミュニケーションはサラっとすることはありますが、あまり意識させてなく、その都度その都度の是々非々で解答してくれという話をしています。
色んな使い方があると思いますが、リンクアンドモチベーションさんのクライアント企業やウィルゲートさんはどんな感じで運用されているのでしょうか?
偏差値は二義的なものである
吉岡 本当にその通りだと思っていまして、数値にコミットしてもらうためにマネジャーの評価に盛り込んだ時に、マネジャーが部下に対して「よい点数をつけろよ」と命じたことがありました。
永見 そうなりますよね。
吉岡 そういうことが起きてしまったので、全社で正直につけないとサーベイをする意味がないと思い、「経営陣にとってはこれは1人ひとりからの手紙だと思うので、真実の点数をつけてください」とお願いをしたところ、それはおさまりました。
ただ悩ましいのは、部門ごとの相対比で甘辛が強く出てしまうことです。数字が悪いところは組織状態が悪いので、その組織は退職者が出るなど、参考になることが多いですが、数字が良いところの判断が難しいんです。
例えば、偏差値65と75の組織があった時、弊社では未達成のチームが75で、常に達成しているチームが65をつけていて、両方とも基準でいうとAですが、75のチームは少し基準が甘いんじゃないのというところがありました。
弊社の場合、営業部門はサーベイの各項目に対しての期待値も高く、満足度も高くつけがちです。
内勤のプロフェッショナル型の組織は期待値が低めで、それに応じて満足度も少し下がっているので、偏差値65を超えてくると、何が正しいのかという判断は難しいと思っています。麻野さんにそこら辺をお伺いしたいです。
麻野 元々のルーツはランキングを出すために使うものではなくて、組織変革コンサルタントが組織課題の特定をするために作っているんですね。
その組織の中で相対的に見て何が優先順位の高い課題か、というのが分かることが大事なので、偏差値70であるとか45であるということは二義的なことなんです。
偏差値70であってもその組織の中で相対的に期待度が高く、満足度の低い項目を課題として捉えると課題は必ずありますし、偏差値45で全部ダメだったとしても、全部は一度には解決できないので課題を特定しないといけません。
まず一義的にはその部署、その会社の中で何が課題かというのが分かるようになっている必要があります。そういう意味ではどんな偏差値が出ても組織改善に活用できます。
ただし、二義的な数値の絶対値も参考にしたいですよね。
その時の参考としては、あくまで主観の集まりという前提を理解しつつ、「ちゃんとフラットにつけてね」という説明をしていかないと適切にデータが取得できないリスクがあります。
そのために、モチベーションクラウドでは、「誰がどう回答したか?」という個人データは分からないようになっています。
スコアが低い部署は解散させる驚異のスーパー
麻野 ただその課題もラクスルやウィルゲートだったら100人前後ぐらいの組織なので言える部分もあって、これが1,000人になると絶対値管理で、多少はそのバイアスが入ったとしても絶対に管理していかないといけない世界があり、僕がサポートした1,500人、2,000人の会社は絶対値に対してドラスティックです。
先程のセッション(Session 3A)で言ってましたが、佐竹食品という会社があって、関西で伸びているスーパーマーケットですが、国内最大手のスーパーさんが近くにあっても佐竹食品に人がたくさん来るんですよ。
なぜかというと、スタッフのモチベーションが高いんです。
競合のスーパーに行っても声もかけられず、「お勧めは何ですか?」と聞いても「え、何ですか」という感じですが、佐竹食品では「これ1個買いませんか、今日おいしいですよ」と話しかけてくるので、単価が上がります。
事業はとてもアナログなのですけど、裏側の組織はデータで全部管理しています。スコアがDとかEの低い部署にすることは1つで、その部署を解散させるんですよね。
坂本 永見 えー!?
麻野 5人単位とかでデータを取ってDとかEだった場合、解散させてメンバーを入れ替える、それしか良くならないですよ、と仰ってました。
永見 デジタルですね。
坂本 面白い。
麻野 組織に関しては裏側はデータで判断していますね。
「確かにな」と思ったんですが、DとかEをAやBにするにはメンバーを入れ替えないとダメなので、そうするとバイアスがかかるのですが、1,000人ぐらいになってくると悪いところはバイアスがかかっても悪く出ます。
もう1社別の勢いのある成長企業は、2回連続でDとかEが出るとマネジャーのボーナスを3割カットするとドラスティックに決めました。
「それだとつけにくくなりますよ」と言ったんですが、この規模でこのスピードで成長していたら、逆にマネジャーが「お前ら高く点数つけろよ」と言って高くつける組織なら統制がとれてます、と言うんです。
(一同笑)
マネジャーがバイアスをかけたとしても、DやEくらい低いと、「あのマネジャー嫌いだから低くつける」といった感じです。
もちろん一義は課題の優先順位をつけることですが、絶対値も見たいのでバイアスかからないように説明をしっかりするのも大事です。
しかし、一定規模以上になると、多少バイアスがかかっても絶対値で見ていったほうがマネジメントしやすい、というのもあるんだなとも思います。
永見 フェーズによって使い方が違いますね。
麻野 実態がいいのに悪くスコアがつくことはあまりないので、実態が悪いのに良くスコアがつきすぎることだけはマネジメントしておいた方がいいと思います。
モチベーションクラウドは組織の健康診断
坂本 調査をとる時は結構注意しなければいけないことが多い気がしますが、それも会社や組織のサイズよって結構違ったりしますよね。
サーベイやモチベーションクラウドを実際に導入する時、リンクアンドモチベーションとして工夫していることはありますか。
麻野 導入の支援は徹底しています。
坂本 そこは人が行うんですか。
麻野 そうです、人がついて導入のミーティングは6から8回程度行います。
多くの会社がものさしを使って、組織のPDSサイクルを回すのは初めてなので、最初はそれぐらい必要です。
しかし、一回まわすと、クライアント企業様が自分たちだけで運用できるようになるのがほとんどですね。
ウィルゲートさんとかは僕達は今はほとんどやることがなくて、データ分析のアポイントに行ったら全部やることが 既に決まってるんですよね。
坂本 自走できるようになったということですね。
吉岡 最初は相当伴走していただきました。
モチベーションクラウドはまさに組織の健康診断です。
どこが悪いかという「あたりを付けられる」ところが最大の価値で、その後は悪いところを解決するためのアクションプランを適切に打っていかないといけません。
過去8回サーベイをとり、8回アクションプランを立てる中で、正直空振りしたこともあります。
それを(リンクアンドモチベーションの)田中さんに相談したら「吉岡さん、その対策では上手くいかないですよ」というようなツッコミを多くいただきました。
アクションプランはリンクアンドモチベーションさんにも見てもらいますし、弊社の場合部門ごとに解決していかないといけないことを総括的に行うのではなく、各部門3つの項目を選んで、どの項目をどうするか、というアクションプランを部門責任者に立ててもらいます。
そして役員が「なぜこれを選んだのか、本当に解決できるのか」と細かく見て、その上でリンクアンドモチベーションさんに見てもらって、というふうに進めるといいかなと思っています。
制度待遇とモチベーションの相関は低めである
麻野 今まだ人で担保してるところはゆくゆくはAIなども活用しながらシステムの中にそれ自体を入れ込んでいきたいですね。
例えばIT、インターネットの 50人から100人規模の組織だと、ウィルゲートさんで最初に出た偏差値60は実はそんなに高くありません。
業界規模で見ると、IT、インターネットセグメントの50人から100人規模は一番偏差値が高いゾーンなので、B+ですがそこまで高くないですよ、というところから分析が始まります。
項目別も16領域、64項目ありますが、1つ1つの領域の相関度が高い項目というのがあります。
このスコアが上がるとつられて他のスコアも上がる、ここのスコアが上がっても他は上がらないというのがあります。
理念戦略は相関度が高く、制度待遇は相関度が低いんですよね。
坂本 面白い、そうなんですね。
麻野 なので、制度待遇のところは、そこが上がったからといって他が上がるわけではありません。
理念や戦略に共感できていたら上司も信頼できてきたり、待遇にも納得できたりしますが、待遇に納得できたからといって未来を信じたり、上司を好きになったりしない、ということなんでしょうね。
理念戦略はどちらかというとそこを最初にやらないと、レバレッジが利きにくいケースが多いですね。
永見 肝となる解釈やインプリ(実施)の部分はちゃんと担保していく必要があるので、そこは単純に数値を出すだけではなく、ちゃんと支援されるということですよね。
麻野 そうですね。
(続)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/横井 一隆/戸田 秀成/城山 ゆかり
続きは 経営者のコミットメントがないかぎり、組織改革は始まらない をご覧ください。
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【編集部コメント】
続編(その6)では、モチベーションクラウドを導入するにあたり、留意すべき点や導入後のPDCAの回し方などを議論しました。活用方法について真剣議論です。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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