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6. 「Sクラス人材」「尖った問題児」をどう組織に引きつけるか?

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「成長し続ける組織文化・採用を徹底議論」7回シリーズ(その6)のテーマは、人材について。Sクラス人材の獲得や採用で心がけていることや、経営人材となりえる「現場の尖った問題児」をどう留めるかについて議論します。是非御覧ください。

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターン)の募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

ICCカンファレンス KYOTO 2017のダイヤモンド・スポンサーとして、Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.) 様に本セッションをサポート頂きました。

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【登壇者情報】
2017年9月5日・6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2017
Session 6B
成長し続ける組織文化・採用を徹底議論
Supported by Motivation Cloud(Link and Motivation Inc.)

(スピーカー)
石井 洋之
株式会社シーエー・モバイル
代表取締役社長

上野 勇
株式会社セプテーニ・ホールディングス
取締役 グループ上席執行役員

宇佐美 進典
株式会社VOYAGE GROUP
代表取締役社長兼CEO

(モデレーター)
麻野 耕司
株式会社リンクアンドモチベーション
取締役

「成長し続ける組織文化・採用」の配信済み記事一覧

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最初の記事
1. 組織作りの思想と哲学を持った経営者が、組織文化・採用について語り尽くす!

1つ前の記事
5. 変化に適応する組織作りには「社内発信」「権限委譲」「当事者意識」が大切

本編

麻野 もう1つ、本日のお題の中には「組織文化と採用」というのがありましたので採用についても触れたいと思います。

会社が成長していくと、当事者意識が低い人材が集まってくるというのが自分の経験でもあります。

リンクアンドモチベーションも、創業間もない頃は新卒でも「世の中のモチベーションを上げたい」という人が受けにきました。

しかし途中からはオフィスも豪華になり「僕のモチベーションを上げて欲しい」というノリで応募する人が増えました。

成長を続けるためにどんな人を採用するのか、どのように見極めて口説けばいいのかということがあれば教えてください。

「尖った問題児」を別枠で採用する

上野 我々の場合は、何をやっているかという観点でお話ししたいと思います。

置かれた事業環境や組織文化の中でパフォーマンスする人を、現在はAIを使って見極めることをやっています。

なぜAIかというと、AIにその判断を任せた方が育成確率が高いからです。

最近そのような指標が自社内で出てきました。

これが競争優位につながるソリューションになるように昇華させていきたいと思い頑張って取り組んでいます。

麻野 前回のICCのセッションで印象に残り、社内でも社外でも言っているのが、「経営人材をやめさせてはいけない、現場の問題児をやめさせてはいけない」ということです。

これはとても大事だと思っています。

尖った人はだんだん少なくなっていきますが、経営人材がよく現場で問題児になります。

問題児の特徴とは何で、なぜやめさせてはいけないか、という話をもう一度お伺いさせていただけますか。

上野 問題児というのは決してネガティブな表現ではなくて、相手に理解されづらい特徴をもっていると解釈していただくとして、彼らは抜群に優秀だったりするにも関わらず生意気すぎて面接、選考時には不利に扱われることが多いように思います。

株式会社セプテーニ・ホールディングス 取締役 グループ上席執行役員 上野 勇氏

そういう人は採用市場では弱い一方で素晴らしいパフォーマンスが期待できます。

そのようなケースがよくあるので、我々は採用母集団の中で一定量採用します。

そして入社後には高い確率で問題が起きます。

麻野 どんな問題が起きるのですか。

上野 鉄板の問題は、生意気すぎてハレーションを起こすことです。

麻野 なるほど。上司と問題を起こすと。

上野 上司とぶつかる人もいれば、いろいろです。

ただそのような人を守って機会を与えるということが、会社の未来を作る上で非常に有益でであるように思います。

麻野 上野さんが会社の中でデータを分析されたときに、経営人材はかなり早く辞めてしまう傾向があるとおっしゃっていました。

まずは現場で衝突するからで、なぜ衝突するかというと自分の意見があるからだ、ということでした。

経営人材にとって自分の意見は一番大事というお話でした。

また、スピード感があるので、すぐに飽きてやめてしまうともおっしゃっていました。

しかし経営人材にとってスピード感は大事です。

自分の意見があってスピード感のある人ほど現場でぶつかる。しかしその人をやめさせないように入り口で別枠で採用する。

確かに通常の採用ラインに乗せると、若手の面接官は自分の部下にしたら扱いやすい人を採ってしまうので、別枠で採って別枠でマネジメントするというのは大事だと思います。

お二人は採用で気をつけていらっしゃる点はありますか。

Sクラス人材は会社説明会で即日内定

石井 いろいろなやり方があると思いますが、シーエー・モバイルに関しては従業員数が450人くらいで、来年は新卒で50人入ってきます。

だいたい約100人内定を出して50人は入社を決めている状況です。

私が結構いいと思っている採用手法は、会社説明をする時にいい子がいれば、その日に面接をすることです。

即日面接、即日内定です。

麻野 見て分かりますか。

石井 大体分かります。

麻野 石井さん、言語を超えた能力が高すぎませんか(笑)。

石井 そんなことはありませんが。

「良さそうな人材は直接自分に上げて」と言っておくと、スピードは感動を生むではないですが、大切感を学生に感じてもらえるケースもあります。

そうすることでSクラス人材というか、他社でも内定が出そうな人に来てもらえるケースもあります。

二次面接、三次面接を全部する必要はないのかもしれないと最近思ってやっていますが、とても良いです。

麻野 宇佐美さんはいかがですか。

「全力」で採用せよ

宇佐美 少し抽象的ですが、全力で採用するというのがとても大切だと思います。

こう思ったのは、サイバーエージェントで役員をやっていたときです。

サイバーエージェントは1998年に藤田さんが創業して、VOYAGE GROUPは1999年創業と、一年しか違わないのに、なぜこんなに差ができたのだろうと思っていました。

サイバーエージェントの役員になって、自分も新卒採用を担当するようになってわかりました。今まで自分も力を入れていたと思っていましたが、サイバーエージェントにおける新卒採用へ取り組む姿勢も取り組み方もレベル感が全然違うと思いました。

株式会社VOYAGE GROUP 代表取締役社長兼CEO 宇佐美 進典氏

サイバーエージェントでは、社員が全力で新卒採用をやっていました。

VOYAGEでこれまでやっていた採用の仕方とは、熱量も含めてかなり違うと感じました。

本当に全力でやるというのは、このレベルまでやらなければいけないということを知って、それ以降はそれを上回るぐらい全力で取り組んでいこうと考えるようになりました。

今もそうですが、特にサイバーエージェントのグループ会社のときは、サイバー本体でも新卒採用をやる一方で、VOYAGEでも新卒採用を行っていたため、両方に内定が出たら当然ほとんどの学生は親会社であるサイバーに行くわけです。

そうすると差別化をしなければいけません。サイバーと同じ採用をしていたら当然VOYAGEに来てもらえません。

そのため、弊社はインターンシップを強化しました。

VOYAGE GROUP のサービスや事業を知ってもらうよりも、より時間がかかるけれども、VOYAGE GROUPにしかいない「人」を知ってもらうためにインターンシップの取り組みを強化しています。

麻野 そもそも、自ら考えて動く人を採るということは皆分かっていることなので、その観点より基準がものすごく大事で、そこを圧倒的に高めることが大事だということですね。

先ほど冒頭でリクルートの話を紹介しましたが、当時弊社の担当の小笹が採用を担当したとき、従業員3千人のリクルートに千人採用したらしいです。

そしてその時の採用予算は86億円だったらしいです。

1人860万円になります。

江副さんが狂ったように「採用こそが会社を支える」と、「自ら考えて動ける人材を獲れば自ら会社をつくっていっていってくれる」ということをおっしゃり、予算から基準が違いました。

その基準を保ち続けることが大事だということですね。

ありがとうございます。ここまで「成長し続ける組織文化・採用」ということでお話をお伺いして来ました。

非常に面白い考え方と具体的な施策をご教示頂きました。

(続)

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続きは 7.日常の言動に文化が現れるような、組織文化を広める取り組みとは?【終】 をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/城山 ゆかり/浅郷 浩子/本田 隼輝

【編集部コメント】

「組織に向いていない」と思わると、自分から辞めたり、辞めざるをえなかった従来。組織もさまざまな個性や特性のある人を最大限に活かそうとする、日本の社会の変化を感じる討論でした。(浅郷)

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