ユーザー感覚を求めて、移転は「食べ歩き」重視! グルメサービス Rettyが実践するオフィス戦略 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

ユーザー感覚を求めて、移転は「食べ歩き」重視! グルメサービス Rettyが実践するオフィス戦略

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ICCサミット FUKUOKA 2019のセッション「我が社のEX(従業員体験)ー オフィスで生み出すコラボレーション体験とは?」で紹介する企業のオフィスを訪問するシリーズ、第4回は、実名口コミグルメサービスを運営するRetty(レッティ)です。ぜひご覧ください。

▶この記事は ICCサミット FUKUOKA 2019でフロンティアコンサルティングがスポンサーするセッション「我が社のEX(従業員体験)ー オフィスで生み出すコラボレーション体験とは?」で紹介するオフィスのレポートです。

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターン)の募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


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8年間にオフィス移転6回

レストランを探すときに何が参考になるかというと、実際に行ったことのある、信頼できる意見を持つ人の推薦。プロのお墨付きがあれば、なおよし。そんなニーズに答えるサービスとして、Rettyは誕生から7年、レストラン検索サービスとして後発ながら着実な成長を続けてきた。

現在、Rettyの月間ユーザーは4,000万人(2018年11月当時)、海外もアジアを中心に複数の国で展開している。サイトでは、「Retty TOP USER」として、特定のエリアやジャンルに詳しい投稿者に加えて、ユーザーから、オススメしたいお店に関する情報や写真がコンテンツとして日々アップデートされている。

他の検索サイトに比べて、Rettyは写真が大きく、ユーザーからのオススメ度合いなどがすぐ目に入るので、直感に訴える作りになっている。実名で投稿するため、投稿内容も真剣だ。レストラン選びで自分にベストなお店を見つけたいというニーズをシンプルに満たして、現在の正社員は約100名、アルバイトは約50名が在籍している。CEOの武田和也さんによると、そのオフィスは「食べ歩き移転オフィス」という。

「そもそも移転を何回したか忘れてしまったほどです。赤坂、新宿三丁目に3ヵ月いて、六本木に写り、そのあと築地、広尾、高輪、2017年6月からは現在の麻布十番です。2010年の創業以来、移転6回ですね。

我々はグルメの会社なので、おいしいお店がたくさんあるエリアにオフィスを置き、その周辺のお店を行きつくすと引っ越そうということになります。ただし、会社の規模も大きくなるにつれて、移転費用も増大しますから、今後、いつまでそういう運用はできるかどうかわかりません。今回のオフィスは内装もしっかりしたので、もうちょっと長く麻布十番にいたいなという気はしますが……(笑)」

その内装は「Rettyのカルチャーに少しでも触れられる、感じられること」を大切にしたという。

「カフェと呼んでいるオープンスペースは、ユーザーさんたちの写真を飾ったり、イベントなどで外の人とコミュニケーションできるような作りにしました。社員はここでフリーアドレスで働いてもいいです。一方、執務室にはしっかり集中できるようなスペースを設けたりと、いろんな要望を詰め込みました。

カフェはユーザーの人たちとのオフ会の写真が一面に飾られ、アットホームな雰囲気

社員の行動指針である「Retty Way」に掲げている「User Happy」という一番重要なものを感じられるような、過去のオフ会や、資金調達や創業記念のときにいただいたワインのボトル、ケーキの写真など、ユーザーさんとともに成長してきたのがわかるようなものを飾っています。

フリーアドレスとして利用できるカフェスペース

ユーザーからの贈り物など、Rettyにとって記念となるものがカフェに飾られている

昔はよく社員もユーザーさんから食事に誘われたりしていたけれども、最近では会う機会も減っています。それは組織やサービスの大きさで起こることなのでしょうがない部分もあります。

でも、一緒に成長してきたことをきちんと伝えていきたいのと、また、外部の人にもそれが伝わるような空間にということで、オフィスを設計しました」

その仕掛けは、大規模な営業要員を抱えていない業務スタイル上でも有効だ。

「Rettyは開発メンバーが6割の会社ですが、ビジネスモデルは、飲食店さんや企業からお金をいただくのがメイン。広告、アライアンス、コンテンツ提供など3つぐらいあるのですが、飲食店の営業については代理店の100名を超える方々にお願いしています。

我々のほうで開発と渉外業務はやりますが、文化を伝えるというのは、そういう意味では大切で、営業の方が会社に来たときに、1回でどれだけ伝えられるかというのが大事ですね」

エントランスすぐのカフェスペースのまわりは、会議室(黒いドアに見えるところ)が並ぶ

各会議室の入り口に飾られているのは、社員が自らサービスに投稿している写真であり、これから開拓したい国の料理だという

リファラル採用が半分以上

毎週、全社員参加の会議も行っているイベントスペース。壁を開いてカフェスペースとつなげると、イベント時は300人収容が可能

魅力あるオフィスは人材を引きつける材料にもなるが、そこは今回、考慮に入れていなかったと武田さんは語る。

「採用や離職率までは、オフィスデザインに考慮していなかったですね。リファラル採用が非常に多く、採用の半分を超えています。隔月で15日に「イイゴハンの会」を開催したり、1年毎にユーザーさんをお招きする感謝イベント「Retty Night」もオフィスで開催しました。ほかにも採用イベントもひんぱんにやります。

多くの人が遊びに来られる環境を作ることによって、興味をもってくれる人が増えればと思ってやっていますので、そういうところから採用につながっているのかもしれません」

Rettyのどういったところに惹きつけられるのだろうか。武田さんの背後の壁には、バリューらしきものが掲げられている。

現在のRetty Wayは「徹底的にやる = All Done」、「革新的にやろう = Breakthrough」「全てはユーザーのために = User Happy」

「いわゆる世の中でいうところの会社のバリュー、うちではRetty Wayとよんでいるのですが、2018年10月にリニューアルをし、掲示したところです。

バリューについては、会社のフェーズに応じて、少しずつチューニングしています。2年を期限にして作ることを意識して、全員で作ります。

自分たちで作ったのだから、守ろうよとなります。経営が作るのだけではなく、全員で参加して作ることによって、少しずつ自分のこととして置き換えていく。そこに意思を込めていくというのをやっています。

ほかにもチームRettyのルールがあり、チームで働くうえの約束事はあります。『率直に言い合う』とか『陰口は言わない』とか。組織の運営や迷ったときに判断できる基準とルールの2つでカルチャーを作っていこうとしています」

アットホームな雰囲気の執務スペース

執務スペースを見学すると、開発に携わるメンバーが6割といってもIT寄りというより、アットホームな雰囲気がある。そして随所に、和気あいあいとした雰囲気と食いしん坊集団のこだわりが見え、軽食類はさすがに充実している。ちなみに「外食」が重要なため、キッチンはない。

2018年の新卒入社のときにみんなで作ったというメッセージフラッグ

ホワイトボードや集まるスペースが随所にあり、すぐ打ち合わせができる

オフィスローソンも充実

設置リクエストには具体的な商品名がしっかり記入されている。冷凍食品もある

飲食関連と開発関連の本が共存

「このオフィスによって働く満足度が高まりました。人によって、オフィスのほうがいい人、カフェっぽいところで集中できる人など、いろいろな働き方、志向が分かれます。『自分が選べる』というところが、生産性を上げるうえでは大事だと思っているので、よかったなと思います。

家からリモートで働くよりは、オフィスに来たほうが働きやすいという状況にしたい。まだ人は増えるし、オフィスはいっぱいになるとは思うけど、スペースにはまだ余裕がありますね」

ユーザーである感覚を保つために移転する

社内イベントの写真も数多く飾られている

「周辺のお店に行きつくすと移転」は少し先になりそうだが、Rettyとして非常に重要なのだという。

「経営という観点で、なぜ社員がいろんなお店に行くかというと、東京はやはり『食』でいろいろな価値観が存在しているところでもあります。それをちゃんと経験することが必要です。

自分たちがユーザーであり続ける、ということを考えています。そのためにはいろんな新しいお店に行き、楽しめるという前提条件を作る。自分たちのサービスを使って口コミを書いたりしながら、サービスの開発、ここが使いやすかった、逆に使いにくかったというのに対してちゃんと向き合っていけるのではと思います」

それを実行できるような社内制度も充実している。

「ランチはもちろん、プライベートも含めた食事を会社が負担する『グルメ調査費』は、四半期で3万円を上限としていますが、多くの社員が利用してくれています。そしてRettyにその結果を投稿してもらいます。

いろんなユーザーさんのリアクションがつくので、よりユーザーさんの視点に立てます。

外食時の移動を支援する制度として『Happyタクシー制度』もあります。月に1回、往復3,000円以内なら、他のチームのメンバーも交えて乗車することを条件に利用できます」

成長ストーリーは、ユーザーとともに

ユーザー感覚を保つ社内制度に加えて、ヘビーユーザーとのオフ会も行っている。

カフェスペースに飾られているオフ会の写真

「全員は呼べないので、投稿数やフォロワー数など、ランキング順位などでお声がけしています。皆、食にこだわりの強い方々なので、お店選びのハードルは高いです!そして、集まって3時間、ずーっとひたすらお店や料理の話で盛り上がる(笑)。

ヘビーユーザーさんたちは、サービス内でお互いがどんなお店に行っているかを知っているので、顔を合わせたときにあ〜あの人だ!となります。そこで食べたり飲んだりしながら、表彰をしたり、サービスを今後どうしていくかなどを話し合ったりもします。

オフ会は創業して間もない頃からやっていて、ユーザーさんから、増資のときにお祝いしてもらったり、将来上場したら目を入れようとダルマをもらったりしています。そう思っていただけるのは、本当にありがたいことです。

私たちもユーザーさんのために良いサービスを提供していくことで、結果的にビジネスパートナーの方々をハッピーにすることができます。両方を見てバランスをとろうとすると、中途半端になるからよくないと思っています」

自分たちの成長ストーリーは、ユーザーとともにある。そして自分たちも一人のユーザーであるという地続きの感覚を大切にしていることは、オフ会と社内のイベントの写真が同じように額縁に収められ、オフィス内に飾られていることからも伝わってくる。

「周辺のお店に行きつくす」と遊牧民のように移動しながら、規模を拡大し続けてきたRetty。行っていることは極めてシンプルながら支持者を増やしているのは、ユーザーハッピー=自分たちもハッピーを社内外で突き詰め、それに矛盾がないからだろう。

Rettyにとって、オフィスはその場所とのコラボレーションで存在する。そのときのホームであり、開拓と経験の場であり、成長を実感できる箱であり、たどってきた道のりを振り返ることのできる場でもある。そこで目下、オフィスについての最大の悩みは「次はどこにするか」だそうである。

【Retty オフィスデータ】

所在地 東京都港区三田1-4-1 住友不動産麻布十番ビル
オフィスフロア
平米数
1,633㎡
設立 2010年11月
従業員数 約100名
事業内容 実名口コミグルメサービスRettyの運営

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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