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6. 街づくりの真髄は「自己実現の環境づくり」。地域貢献をしたい若い世代は増えている(終)

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ICC FUKUOKA 2024のセッション「地方創生を実現する新しい「街づくり」とは?」、全6回の最終回は、引き続き会場からの質問。質問が止まらなかったことから、地方創生、街づくりに関わるプレイヤーが多いことに気付かされます。最後はそれぞれが考える街づくりについて発表して議論が終了。あなたの街はどうですか? 最後までぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2024は、2024年9月2日〜9月5日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは プレイドです。


【登壇者情報】
2024年2月19〜22日開催
ICC FUKUOKA 2024
Session 7E
地方創生を実現する新しい「街づくり」とは?
Supported by プレイド

(スピーカー)

飯尾 彰浩    
飯尾醸造 五代目当主 / 江戸前シャリ研究所 所長

岡住 修兵    
稲とアガベ
代表取締役

小林 兼    
ファイターズ 
スポーツ&エンターテイメント
執行役員 事業統轄本部 企画統括部長

和田 智行    
小高ワーカーズベース    
代表取締役

(モデレーター)

岩田 真吾    
三星グループ    
代表

各務 亮
電通    
クリエイティブ プロジェクト ディレクター

「地方創生を実現する新しい「街づくり」とは?」の配信済み記事一覧


岩田 始まる前にも話していたのですが、女性の目線が大事だと思います。

性別というよりも、多様性という観点からの話です。

会場には女性がいらっしゃるので、感想や質問を頂きましょうか。

Q 人を巻き込むとき、どう声をかければいいか?

質問者4 富山県の里山棚田100枚ほどを維持し、有機農業の経営をしている土遊野(どゆうの)の河上です。


河上 めぐみ
有限会社土遊野
代表取締役

1986年4月27日生まれ 富山県富山市土(ど)で育つ  東京外国語大学東南アジア諸国過程タイ語専攻 女子サッカー部進学  2010年卒業と同時に富山に戻り、両親が開いた有限会社土遊野へ就農  2015年代表取締役就任 100枚を超える棚田での有機米栽培と平飼い養鶏を主軸に有畜複合循環型農業を実践し、商品開発からマーケティング、人材育成と農業マネジメントを現場で実践。またいのちの繋がりを伝えるため、里山体験や有機農業研修なども幅広く受け入れている。 2012年から富山県南砺市利賀村levoの谷口シェフの逸品「レヴォ鶏」の生産農家。 「いのちを繋ぐ農業家」として、農業や食の原点への入り口づくりとして、教育機関や社会人講座などでの講演活動を行う。

里山の可能性を拓き、いのちを繋ぐ循環型農業に挑戦する「土遊野」(ICC FUKUOKA 2023)

Do you know 土遊野?

……はい(笑)。

岩田 拍手(笑)!

(会場拍手)

河上 土遊野は、里山の一番奥、集落には自分たちしかいないという、過疎地の成れの果ての一部です。

ですので、過疎地というよりも、開拓地の最先端にいるという感じです。

土遊野は全ての田畑を請け負っているので、外からの人を巻き込む際、声をかけたいのですが、どう声をかけていいのか、自信がないというか……。

男か女かは関係ないと思いますが、男性の皆さんが話されているのを見て、私には何かが足りないのかなと思いました。

岩田 声をかけるとき、一歩をどう踏み込むかですね。

Q 都会から地域に出ていく人は今後増えていくのか?

質問者5 NewsPicksで営業を担当している、山本と申します。

私の担当するメディアでは2023年から、地域に関するコンテンツを増やしていますが、ビジネスパーソンはどこまで興味を持って、それらのコンテンツを読んでいるのだろうと思っています。

私自身はずっと渋谷に住んでいて、地域との深いつながりがないのですが、荒木さんのように急に地域に出ていく人は今後増えていくのかどうか、皆さんの考えを知りたいです。

岩田 良い質問ですね、ありがとうございます。

Q 地元の自治体と上手く付き合うには?

質問者6 コクヨで新規事業開発をしております、坂部と申します。

事業とまではいかないのですが、スマイルズという会社と一緒にPASS THE BATON MARKETというイベントを開催しています。

岩田 出展したことがあります。

坂部 年4回、品川のオフィスで開催しています。

そこから派生して、色々な地域の課題を2社で解決する取り組みを始め、自治体のヒアリングを行っています。

地元の課題を解決するには地元の自治体を巻き込んでいきたいと思う一方、宮津のように、ハレーションがあるというか…。

岩田 行政には、足が遅いとか公平性担保とか、色々なハードルがありますよね。

坂部 飯尾さんは、あえてバランスをとらないとおっしゃっていましたが…。

岩田 行政との上手い付き合い方ですかね。行政は、街づくりにおいては絶対に無視できない存在ですよね。

ありがとうございます。

都市にいる人に移住を口説く

各務 残り時間が少ないので、「これが街づくりの真髄だ!」のスライドも出しておきますね。

岩田 頂いたご質問にも、このスライドにも触れながら、皆さんに締めの挨拶をしてもらいましょうか。

小林 頂いたご質問にもあったのですが、都市から地方に出て街づくりに関わりたいと思う人がいるのだろうかと考えていました。

この会場に来るタクシーの運転手さんと話していて、地方から福岡に来る人が多く、また、熊本や鹿児島が良いと言って福岡から出る人が多いと聞きました。

「ないものねだりだよね」と、核心をついたことをその運転手さんが言っていて……。

岩田 そのタクシー運転手は、何者なんですか(笑)!?

小林 (笑)自分たちに置き換えると、我々は北海道の北広島市という地方で、札幌や東京から地方移住したい人、地方プロジェクトに関わりたい人を口説いていった方が良いのだろうなと改めて感じました。

街づくりの真髄については、我々は現在、エリア全体を行楽地化し、観光客がたくさん来る場所にしています。

その上で街にしていくというのは、世間一般にはなかなかないモデルです。

つまり、街が観光地化していくのが一般的ですが、まず行楽地化をしてから、マンションやオフィス、学校を備えて街にしていくということに我々はチャレンジしています。

岩田 ありがとうございます。

地域貢献したいという思いを持つ若い世代は増えている

岡住 質問に答えますと、誰かを誘うのはタダです。

誘われて、来るかどうかは相手が決めるので、誘えばいいと思います。

若い世代と話していたら、地域貢献したい思いを持っている人が僕たちの世代よりも多いと感じるので、荒木さんみたいな人は今後、多分増えると思います。

僕は、街づくりをめちゃくちゃ楽しんでいます。

日本は人口が減っていっているので、普通に考えれば、どの地域もシャッターが閉まっていきますよね。

でも僕は今、閉まっているシャッターを開けていっているのです。

男鹿の子どもたちは、生まれた頃よりも今の方が、開いているシャッターの数が多いわけです。

岩田 めちゃくちゃ良いですね。

岡住 すごく良いことですよね。

それを僕は楽しんで行っているので、楽しいと思う人が増えていくと思います。

また、行政とはめちゃくちゃ仲良くしています。

困ったことがあれば市長にLINEをし、次の日には解決しているくらいです。

岩田 結構、お年寄りの市長ですよね?

岡住 70歳くらいですね、でも前のめりで応援してくれています。

相手の立場に立つことが大事です。

男鹿には、お金なんてないのです。

お金のないところにお金を求めても仕方ないし、人的リソースもないので、新しいことを提案しても動いてくれないのは当たり前なのです。

相手の立場に立って、自分でめちゃくちゃ動いた先に、サポートしてもらいたいと思ってもらえる存在になれるかどうかが大事だと思います。

岩田 ありがとうございます。

「地方」「都市という呼び方が分断を生んでいる

飯尾 「地方」「都市」と呼ぶこと、その言葉を使うこと自体が分断を生んでいると思います。

ですのでもう少し、J1、J2、J3のように、ゆるやかな何かを…。

岩田 入れ替わりがあるということですか(笑)?

飯尾 そうそう。

そういうのを作った方が良くないですか?

何でもかんでも一緒に「地方」と表現してしまっているので、自信をなくしてしまったり、渋谷に住んでいると「すごい、シティガールだね」と思ってしまったり。

確かに都市にいるとコストはかかりますが、それが偉いわけではありません。

言葉を創ることで行動も変えられると思うので、「地方」と「都市」ではなく、何か良い名前をどなたかにつけていただけると良いのではと思います。

街づくりの真髄は「自己実現の環境づくり」である

和田 僕は、街づくりの真髄は「自己実現の環境づくり」としました。

日本は何だかんだ言って恵まれているし、マズローの欲求5段階説のほとんどが満たされていると思います。

ただ、承認欲求や自己実現欲求が満たされていないから、自分探しをしたり、スタートアップにチャレンジしたりするのかなと思います。

でも、ICCサミットに参加したり、カタパルトに登壇したりする人は世間の中では特別であり、みんながみんなそうなれるわけではないです。

地方には、小さな力でも環境を変えていけることを実感できる場があります。

そういう自己実現の場を地方に作っていくことが非常に大事だと、僕は思っています。

分解すると、活動や事業を起こすことをサポートする仕組みがきちんとあることと、心理的安全性が担保されたコミュニティがあることです。

そして暮らしそのものが楽しくないといけないので、食べ物が美味しいとかカルチャーが合うとかハレとケのメリハリがあるとかの要素が必要です。

また、どういう人が必要かなど、関わりしろに関する情報を発信することで、自己実現欲求を満たしたい人たちが地方に来ると僕は実感しているので、これらが街づくりの真髄だと考えています。

岩田 まさに、NewsPicksの山本さんの質問に答える回答ですね。

山本さん、渋谷の街でどれくらい自己実現を感じられているかについて、後で意見を聞かせてください。

では最後に各務さん、一言お願いします。

各務 僕は工芸や芸能など色々な日本文化に10年間チャレンジしてきましたが、難しいと感じたので、今は村を作っています。

それほど大きくはないですが、京都に来ていただいて、食、遊び、暮らし、作るなど日本文化を体験いただける村を作っています。

これから仲間を探しますので、温泉を作る人、物販を担当してくれる人、飲食店を手伝ってくれる人など、1%でも力を貸してくださればありがたいなと思いますので、よろしくお願いいたします(笑)。

岩田  良い口説き文句ですね!「1%」は流行りそうですね(笑)。

ちょうど終了時間になりましたが、今日は僕、少し話しすぎましたかね?

大丈夫だよと思った方は、拍手をお願いします(笑)。

(会場拍手)

岩田 街づくりセッションは以上となります。今日はありがとうございました。

各務 ありがとうございました。

(終)

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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成

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