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ICC地域コミュニティを盛り上げる「ローカル・コネクテッド」から着想を得たICC FUKUOKA 2025のセッション「『グローバル・コネクテッド』(シーズン1) – ICCグローバル・コミュニティを盛り上げよう!(120分拡大版)」、全8回の④は、ロサンゼルスに渡って実は1年ほどというRice Capital福山 太郎さんが、気になる現地の治安と生活コストについて回答、起業したての頃のエピソードで、会場を笑いの渦に巻き込みます。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。
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【登壇者情報】
2025年2月17〜20日開催
ICC FUKUOKA 2025
Session 2E
大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か? (シーズン13)
Supported by EVeM
スピーカー&モデレーター
(スピーカー)
① サンパウロ(ブラジル)
中山 充
B Venture Capital
General Partner
② ロサンゼルス(US)
福山 太郎
Rice Capital
代表パートナー
③ シンガポール
蛯原 健
リブライトパートナーズ
ファウンディング ゼネラルパートナー
④アフリカ
山田 陽介
オンリーワントラベル
CEO
(リングサイド席)
青木 優
MATCHA
代表取締役社長
大槻 祐依
FinT
代表取締役社長
小林 嶺司
HAKKI AFRICA
代表取締役
盛田 連司
ザリビー
代表取締役
四方 健太郎
Spice Up Singapore Pte Ltd
Managing Director
(モデレーター)
西井 敏恭
シンクロ
代表取締役
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▶「「グローバル・コネクテッド」(シーズン1) – ICCグローバル・コミュニティを盛り上げよう!(120分拡大版)」の配信済み記事一覧
日本は旅行先としては魅力的だが…
西井 リングサイドから青木さん、いかがですか?
青木 海外から日本に来る方向けのメディアプラットフォーム「MATCHA」を運営しています。

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青木 優
株式会社MATCHA
代表取締役社長
1989年、東京生まれ。明治大学国際日本学部卒。株式会社 MATCHA 代表取締役社長。内閣府クールジャパン・地域プロデューサー。学生時代に世界一周の旅をし、2012年ドーハ国際ブックフェアーのプロデュース業務に従事する。デジタルエージェンシーaugment5 inc.に勤めた後、独立。2014年2月より訪日外国人観光客向けWEBメディア「MATCHA」の運営を開始。「MATCHA」は現在10言語、世界180ヶ国以上からアクセスがあり、様々な企業や県、自治体と連携し海外への情報発信を行なっている。
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我々は日本の強みを活かし、日本を拠点にして海外の人を受け入れていこうと思っていますが、日本から出た福山さんが、日本で戦う上で活かすべきところ、海外の参考にすべきところを教えてください。
福山 日本のことを嫌いな人はあまりいないというか、日本が大好きです。
インターネットだとその強みを活かせないことも多いですが、例えば、くら寿司はすごく伸びていて時価総額2,000億円ほどです。
イーロン・マスクも2時間並んで食べたそうです。
テクノロジーもそうですが、テクノロジー以外の強みもあります。
次の休みに一番行きたいところはどこか聞くと、日本に行きたいという人がほとんどなので、倍加していくチャンスはこれからも出てくるのではないでしょうか。
西井 食だけではなく、旅行先、働き先として日本に行きたいという人が多いということですか?
福山 働き先としては、あまりないですね。
旅行先としては、円安ですし、食事が美味しいし、自然が豊かなので最高ですよね。
西井 アメリカからの観光客の状況はどうですか? アジアからの方が目立っている気がしますが。
青木 全体の7割以上がアジアからですが、アメリカからの観光客は250万人を超えており、また、滞在日数はアジアからの観光客の2-3倍ほど長いです。
消費額の面でも、かなり大きいですね。
西井 なるほど、ありがとうございます。
インバウンドの消費量は相当増えていますが、アメリカをターゲットにしているイメージはあまりないですよね。
福山 タトゥーがあると温泉に入れないという問題が大きいですね、行けないので。
西井 なるほど。日本がもっと受け入れる体制を考えるべきですね、使っている金額が全然違いますから。
円安の影響で、すごく安い国だと思われていますし。
西井 四方さん、どうですか?
天気と精神状態には相関性がある⁈
四方 先ほど、サラッと流れましたが、天気が良いと何が良いのでしょうか? 天気が良いので拠点を移したと一番に挙げていたので、気になりました。

福山 LAの前は、アメリカでシアトルの次に雨が多い、ポートランドに住んでいました。
本当に鬱になりそうで…アメリカで自殺率が一番高いのがシアトルで、次がポートランドです。
つまり、天気と精神状態には相関性があるのです。
辛くなっても、天気が良いところを歩いていると忘れるということもあります。
ハワイまで行くと、ポカーンとなってしまうので(笑)、LAくらいがちょうど良いかなと。
(会場笑)
西井 個人の嗜好ですかね。
でも、北欧など天気の良くないところでは、そういう話を聞きますよね。
ブラジルは天気が良いですよね。
中山 天気は良いですね。サンパウロは標高も高いので、それほど暑くもないのです。
すごく過ごしやすいです。
西井 サンフランシスコは天気が悪いですよね。
福山 治安も悪いです。

渡米直後は駐車場で車中泊
中山 日本の起業家がアメリカに行くのは難しいと思いますが、何が一番難しいですか?
あと、ビジネス規模が大きいですが、生活費もかかると思うので、年間でどれくらいの費用を覚悟していけばいいのでしょうか?
福山 1つ目については、言語、文化、人脈などありますが……。
お客様のインサイトというか課題を解決して対価をもらうのがビジネスだとすると、その課題を理解するためのカスタマーインサイトは、離れた場所からだと分からないと思います。
そこが理解できず、プロダクトマーケットフィットしないという会社が多いのではないかと思います。
生活コストについて、僕の試算は、きちんとした生活をしようとすると、独身で15万ドル、結婚していると20万ドル、子供1人追加で5万ドルくらいないと、生活できないエリアが増えていますね。
LAしかり、マイアミしかり、サンフランシスコしかり。
中山 月200万円くらいですね。
福山 日本の未上場スタートアップが、リスクを取ってアメリカに来るとしたとき、家族のいる人を送ろうとすると、多くを経費や福利厚生の形にしないと、未上場なのにかなり大きな額をもらっているように見えてしまいます。
でも、そうしないと生活ができないので。
ですから、僕がアメリカに最初に引っ越した時は、駐車場で寝ていました。
(一同笑)
それくらいでないと、アメリカは厳しいと思います。
西井 さらっと面白いことを言いますね(笑)。ちなみに、最初、資金はどういう状況だったのでしょうか?
福山 最初はお金がなかったので、タコベルというタコス屋の駐車場で寝ていました。
1食10ドルあれば食べられるので、1日30ドルあればいつか成功するかなと思っていました。
その後、マフィアが住んでいるようなエリアにある1泊10ドルの宿で、3人で1つのベッドをシェアしていましたね。
誰か1人が床に寝るかなと思ったら誰も床に寝なかったので、3人で体育座りして寝ました。
(一同笑)
西井 (笑)最初は、ほとんどお金を持たずに行ったということですね。
蛯原 起業したての頃ですよね?
福山 そうです。
西井 それはどれくらい続いたのでしょう?
福山 3か月の観光ビザだったので。
サンフランシスコでは毎日すごく資金調達が起こっているので、街を歩けば投資家がお金をくれるのではという考えで行ったら、誰もくれなかったです。
西井 いろいろアホですね、面白いけど(笑)。ありがとうございます。
悪化が気になるアメリカの治安
蛯原 治安はどうですか?
福山 サンフランシスコは、治安がめちゃくちゃ良いところとめちゃくちゃ悪いところが隣り合わせになっているので、すごく危ないです。
LAもすごく危ないところがありますが、大きいので、そのエリアを避ければ良いです。
サンフランシスコの良いところは、小さいですが、凝縮されているので、人の交流があります。
LAは交流が少ないかもしれませんが、治安は良いです。
蛯原 治安が良いところに住むには、コストがかかると。
独身で、最低でも2,000万円以上の給料を稼がないといけないと。
福山 はい、厳しいと思います。観光に行くには最高だと思います。
西井 そうですね、ここまでの話で点数が下がったかもしれませんが、皆さん、心の中で点数をつけてください。

山田 人はどうですか? サンパウロは…?
中山 サンパウロの人は最高ですね、優しいし。
山田 LAは?
福山 良くも悪くも貧富の差が激しいのですが、貧富の差と治安には相関関係があると思います。
富がある、収入のある人にとっては住みやすい場所かもしれませんが、そうでなければ難しいという場所かもしれません。
西井 僕は、長らくアメリカに行ってなくて……以前は南米の方が、治安が悪いイメージがありましたが、最近はアメリカの治安の悪さが報道されていて、行きづらいです。
福山 最近まで、10万円までなら何を盗んでも逮捕されない法律がありましたが、政治的に変わってはきています。
▶参考:「950ドル未満の窃盗は軽犯罪」を廃止 略奪横行の米カリフォルニア州、治安回復に期待 ( 産経ニュース)
西井 大統領の件は、どういう影響がありますか?
福山 治安面では良い兆しがあると思います。
ビジネスでは、BtoBだと500ミリオンドル、日本円で800億円の売上がないと上場できないと言われています。
M&Aも独禁法でブロックされていたので、マーケットが冷え込んでいましたが、大きく変わる可能性があることを期待している人が多いと思います。
西井 自動車関税などを含め、ルールが変わるタイミングなので、チャンスが出てくるかもしれないですね。
中山 治安の話が長引くとこちらも不利になるので、流れを変えたいと思います。
(一同笑)
先ほど、カスタマーインサイトについて言及されました。
投資家であれば、LAでもアメリカ全体をカバーできるが、事業になると違うという話を、先ほど楽屋でしていました。
日本でも、東京、名古屋、大阪は違うマーケットと言われますが、海外になった瞬間、1つの国を1つのマーケットとして見てしまいがちですよね。
アメリカにいて、例えばLAとサンフランシスコでどれくらい違うのか、東海岸と西海岸と分けていればいいのか、どう考えればいいのでしょう?
福山 ほとんどの人にとっては、起業するのであればサンフランシスコ、シリコンバレーが良いのではないかと思います。
人材が多いし、新しいテクノロジーも生まれやすいです。
ただアメリカは大きいので、エリアごとに強い分野が違っていて、特徴となっています。
今、日本では東京に一極化していますが、今後は、大阪がこの分野に強い、北海道がこの分野に強いなどなってくると、もっと面白くなるのではと思いますね。
海外の投資家からいかに投資してもらうか
中山 ICCの場でもよく頂いた質問は、海外投資家からどうやって投資してもらうか、です。
日本の起業家がアメリカに行ったとして、本当のところ、アメリカの投資家の検討対象になるのでしょうか?
福山 基本的に、アメリカの投資家は、アメリカに投資するためのお金を預かっているので、アメリカの売上があるかどうかというフィルターがまずかかりますね。
英語や人脈というよりも、基本的にはプロダクトが良くて売上が伸びていると何とかなるのではないかと思います。
サンフランシスコのカフェで資金調達の相談をしているアジア人を見ていると、何を言っているのか分からない英語でも、100億円調達している人もいます。
ですので、言語ができないとか人材がいないというのは、言い訳ではないかと思います。きちんとインサイトを捉えて、売上があって、伸びていれば、アメリカの投資家も積極的に投資するのではと思います。
中山 あとは、Rice Capital ですよね。日本にも投資されているようなので。
福山 ありがとうございます。先ほどの減点は、なしにしてあげます。
(会場笑)
中山 世の中には、こういう戦い方もあるのです(笑)。
西井 福山さん、ありがとうございました。
(続)
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成