【NEW】ICC サミット FUKUOKA 2023 開催情報詳しくはこちら

11. ハイコンテクストな文化こそが参入障壁、日本の「生成系」に勝機あり!

新着記事を公式LINEでお知らせしています。友だち申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! YouTubeチャンネルの登録はこちらから!

ICC KYOTO 2022のセッション「AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン3)」、全11回の最終回は、人かAIか判別のつかない画像の紹介からスタート。画像を描くのは人かAIか? 群雄割拠の画像生成領域で、何が違いを生み出すのか? 独自の村社会を築いた日本のインターネットが、再び世界と共通言語を持つチャンスが画像生成にあるとスピーカーがエールを送ります。最後までぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2023は、2023年2月13日〜2月16日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット KYOTO 2022 プレミアム・スポンサーのリブ・コンサルティングにサポート頂きました。


【登壇者情報】
2022年9月5〜8日開催
ICC KYOTO 2022
Session 11G
AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン3)
Supported by リブ・コンサルティング

「AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン3)」の配信済み記事一覧


人が描いたものか、AIが描いたものか区別できないレベルに

清水 例えばですけど、これはもはや人間が描いたのかAIが描いたのか区別がだんだんつかなくなってきているんですよね。

尾原 そうですね、もうね。

清水 これはStable Diffusionをファインチューニングして作ったものです。

これは僕、すごいなと思って、元の絵を描いた人(安倍吉俊)と友達ですが、人間が描いたか、AIが描いたかもはや説明を聞くまで分かりませんでした。

僕が無料でやっているから、僕の周りのスタッフも無償でやってくれていて、彼が作ったものがこれだけ送られてきて、「えっ、これどっち?」と聞いたら、生成したものだと。

これも「どっち?」と聞いたら、これも生成したものと言われて、もう分からないですよ、実は。

バイアスこそが人を虜にする

尾原 そうですね。しかも大事なのが、今まで写真というリアルを記述するだけのものは誰でもパクれるけれど、なぜ日本のアニメがこんなにウケるかというと、著者が見ている歪みがあるからです。

清水 バイアスですね。

尾原 そう。バイアスこそが実は人を虜にするんですよね。

ゴッホが空をこう見ている、なぜ宮崎 駿の雲は、なぜ宮崎 駿の目玉焼きはあんなに人を惹きつけるかというバイアスこそが宝です。

清水 そう、しかもここがすごいのですが、お金がいらないと言ったポイントその2は、これを作るのに一体どれだけ学習データがいると思いますか?

5枚で2時間、しかもそれ以上増やすとできなくなってしまいます。

尾原 へえ。

清水 面白くないですか?

つまり、これはもはや知のセレクトショップで、特定のキャラクターを見せると下手になることが分かっていて、同じ作家でも多様なものを見せると良いものが簡単に出てくるのです。

要はここにノウハウがあるわけです、秘伝のタレが。

尾原 そうですね。

清水 ちゃんとやるのは、実は難しいから。

尾原 歪みこそが人を惹き付ける時に、その歪みというものを生成していくことのパターニングもできるようになってきているから。

清水 これは新しい時代のキュレーションでもある。

尾原 そうですね。

清水 そういう爆心地に今いて、たまたま僕が今フリーで、能力と知恵とコネがあって、なんなら僕はこの辺を作っている人たちは全部友達だから、怒られたら謝りにいけばいいんです。

尾原 確かに。

清水 もうすでに、最初に怒られているしね、僕(笑)。

尾原 某方と、変な動き方をするAIを作ってしまってね。

清水 僕が作ったわけじゃないんだけど、怒られるのに慣れているので、「あ、すいません」て。

尾原 これは逆に、本当に日本のアニメビジネスなどは、まさにバイアスこそが人を惹きつけて、他の人は真似ができないから、たくさんのお金を集めていますので。

いやあ、会場の皆さん、2時間待った価値がありましたね。

最初本当に清水 亮がブートするかどうか不安でハラハラしましたが、最後にやっぱり(笑)。

(一同笑)

どうですか? この検索から生成というワードと、バイアスこそが宝であるということについて、お二人はどう思いますか?

あと4分になりましたので、締めにも近い感じです。

日本のハイコンテクストが生成系でも参入障壁となる

砂金 画像はグローバルでどこの国でも使えるし、平等というふうに思われるかもしれませんが、先ほどの作風とか、我々日本人はすごくハイコンテクストな世界で生きているじゃないですか。

だから、一定の参入障壁ができるのです。

その参入障壁ができている初期のインターネットって、世界中でやっているインターネットと日本のインターネットは全然違う村社会になったと思いますが、それがもう1回、多分生成系で来る気がするんですよね。

尾原 うん!

砂金 清水さんのようにもう無敵の人みたいな、とりあえず怒られてもいいみたいな戦い方もあるし、我々は生成系の検索にヤフーも含めて今後多分チャレンジしていくことになると思いますが、それはそれで大企業の立場でやれることもあるし、色々な階層というか領域で、面白いことになっていくと思います。

Stable Diffusionが出てきてからの騒ぎ、GPT-3が出てきてからの騒ぎは、たかだか画像系はここ1カ月とかですが、言語系もここ1年、2年ぐらいで、もう少し日本が盛り上がってもいいんじゃないかなという気がしますね。

なんか過小評価しているんじゃないかとは思います。

尾原 そういう意味では、今言われたこれをお遊びじゃなくて、何のポテンシャルを花開かせるのか。

砂金 まあ、でも最初はお遊びでいいんじゃないですか。

尾原 もちろん、もちろん。遊びで夢中になるから育つというところもありますしね。

内山さんはどうですか?

1人のエンジニアが世界を変える

内山 僕は90年代にAIのエンジニアだったのですが、アメリカのミシガン大学にいてラリー・ペイジ(Googleの共同創業者)が大学に来たときにGoogleの比較的初期の画面を見せられた時に、これはあまりうまくいかない典型例だと思いました。

尾原 なんと!

内山 なぜなら、何がすごいの?と聞いたら、速いとか正確だと言われて、絶対失敗するベンチャーの1個だなと思って、全く可能性を感じなかったのです。

でも分かったことは、1人のエンジニアが世界を変えるということです。結果論ですが。

(清水さんを見て)なんか今日は、すごくそれを感じた瞬間だなと思っています。

清水 ありがとうございます。

内山 1人の天才がこの世の中を変える、この瞬間という。

それが多分、この生成系、画像系でというのは、なんかこれから楽しみだなと僕は感じました。

清水 僕も、はっきり言って、まだ今面白いからやっています。

でもはっきり言って、僕一人の想像力には限界があるし、学習データを集めるにも限界があるから、これを無料で開放すると、暇な人たちで変なことをやる人もいるけれど、そうではなくて、自分たちで遊び場として使って、どんどん何かいいものを作っていこうとしています。

僕もDiscordにアカウントを作ってやっていると、毎時間ぐらい新機能追加しろ、この機能が欲しいんだ、あの機能が欲しいんだとか言われて、久しぶりですよ、こんなにユーザーの声を聞きながら、物事をやっているのは。

バー(清水さんが運営する技研ベース内のバー)を始めたのが良かったです。お客さんと話しながら何かを考えていく、喜ぶかと考えていくというのが。

明日もやりますし、明後日はフリマをやりますので、ぜひ浅草橋に来てください。

尾原 あとでイベントのポストをしてくださいよ。

清水 分かりました。

AIビジネスは新しい冒険者によって盛り上がる

尾原 あっという間の135分でした。

前半では、データがこれだけ大量に取れるようになってくると、AIによってデータを正確にし、ユーザーにとって心地よくコミュニケーションできる体験を、センシティブデータの取扱いに注意しながら、提供できるだろうという議論をしました。

生成系の発展は、ユーザー体験のストレスやネガティブな面を減らすだけではありません。

しょせん僕たちのインターネットは、今世の中にあるものからフィットするものだけを提供している検索の世界でしたが、今世の中にない、こういうものが欲しいというものを生成系で届けていくことができる世界に突入しています。

その時に本当に選ばれるものは、みんなが持っているものではなくて、誰かが持っている、人を惹きつけてしまう歪み、バイアスです。

バイアスこそが、実はビジネスになっているとすれば、このバイアスそのものも生成系の中でユーザーと遊びながら作っていく世界ができます。

これは本当にすごいことです。

でもやはり思うのは、データを集め、それをきれいにして生成モデルを作り、というデータを集め、モデルを作る側と、それを次のユースケースに繋げていくクレイジーな起業家がいてこそ実現できるということです。

清水 フリーライダーって大事だなと、すごく思いましたね。

尾原 本当にそうですね。

清水 GNU(GNU is Not Unix)のプロジェクトの前にやっぱりUNIXがあって、UNIXからGNUになって、GNUにリーナス・トーバルズがカーネルだけ作ってLinuxになって、そこからイノベーションが生まれたわけじゃないですか。

それを囲い込んでいる間はインターネットは流行らなかったので、それはApacheが出てみたいな、昔だとNetscapeのウェブサーバーが4,000万円ぐらいしたのが、Apacheは無料で訳分からないみたいなことが、まさにあったじゃないですか。

そういう時代に今なっています。

尾原 そうですね。

だからある種、生成が新しく作り出す産業というもので、むしろフリーライダーこそが冒険できるから新しいユースケースができるので、僕ら産業側がベースを提供することもあれば、むしろ新しく作る皆さんが冒険者となって、これからまたAIビジネスが盛り上がってくるのではないでしょうか。

ということで、亮さんは次回はカタパルトに登壇するということですよね?

清水 でも、ビジネスモデルが1年では見つからないと思います。

尾原 (爆笑)。

清水 Googleの広告を入れるまで、結構時間がかかりましたからね。

尾原 そうですね。

だからフリーライドの中で新しいものを作るということも、楽しもうということで。

あっという間の135分となりましたけれども、皆さん本当にお付き合いありがとうございました。

いやあ楽しかった! ありがとうございます。

(終)

新着記事を公式LINEでお知らせしています。友だち申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! YouTubeチャンネルの登録はこちらから!

編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!