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8.リーダーとは、先導する人ではなく、”祈っている”人である

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「最高の成果を生み出すリーダーシップとチームマネジメントとは何か?」11回シリーズ(その8)は、「リーダーとは結局何をする人なのか?」という問いを真正面から議論しました。石川善樹さんが、松下幸之助さんの本から学んだこととは?ぜひ御覧ください。

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

ICCサミット FUKUOKA 2018のシルバー・スポンサーとして、株式会社ガイアックス様に本セッションをサポート頂きました。


【登壇者情報】
2018年2月6日開催@永田町GRID
ICCサミット FUKUOKA 2018 プレ・オープニング セッション

「最高の成果を生み出すリーダーシップとチームマネジメントとは何か?」
Supported by 株式会社ガイアックス

(スピーカー)

麻野 耕司
株式会社リンクアンドモチベーション
取締役

石川 善樹
株式会社Campus for H
共同創業者

岡島 悦子
株式会社プロノバ
代表取締役社長

中竹 竜二
(公財)日本ラグビーフットボール協会 コーチングディレクター /株式会社チームボックス 代表取締役 /一般社団法人スポーツコーチングJapan 代表理事

(モデレーター)

琴坂 将広
慶應義塾大学総合政策学部
准教授

「最高の成果を生み出すリーダーシップとチームマネジメントとは何か?」の配信済み記事一覧

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最初の記事
1.最高の成果を生み出すリーダーシップとチームマネジメントとは何か?

1つ前の記事
7.勝てないチームを変える!組織の「Winning Culture」を意図的に創り出せ

本編

琴坂 お話を聞いていると、我々は今、リーダーシップについて議論しているのですが、個人として卓越した人物であることよりも、恐らくその個人が場を醸成していくことができる人物か、ということを語っているのではないでしょうか。

岡島 環境整備ですね。

琴坂 そうですよね、恐らく。

信頼というのは、個人に対する信頼ではなくて、恐らく組織に対する信頼ですし、意味というのも、組織がやっていることに対する意味なのではないかなと思うのですが、どうでしょうか。

石川 これも僕が昔から疑問に思っていることなのですが、リーダーというのは、日本語で言うとどういう訳語になるんですかね。

琴坂 慶應義塾大学で有名な福沢諭吉という方は、「先導者」という言葉を使っているかと思います。

慶應義塾大学総合政策学部 准教授 琴坂 将広 氏

石川 先導者……先に行って導く者。

琴坂 そうですね。

岡島 でもそれは、フォロワーシップのような方向とは合致しませんよね。

石川 そうそう。

岡島 私も「羊飼い型のリーダーシップ」「追い込み漁」などと言っていますが、最近はむしろ後ろから支える環境を整備するというようなことになってきているので、先導しないですよね。

先導したら道を間違えますから。

リーダーは引っ張る人であるという誤解

琴坂 確かに(福沢諭吉が生きた)明治維新の頃とは、少し時代が変わったのかもしれないですね。

石川 やはり片仮名の時点で、まだ日本人の中には入ってきていないということなんですよ。

だから日本人がピタッとくるような漢字は……琴坂さん、付けてください (笑)。

リーダーの漢字。

中竹 これは、結構普通にある、昔からの議論だと思います。

リーダーとは、いわゆるリード(Lead)という言葉から分かるように、引っ張っているという感じですよね。

これは昔からある話ですが、単に引っ張っている人に見えたというだけの話で、リーダーが引っ張る人であるというのは誤解ですよ。

カリスマリーダーがいいと未だに言われていますが、実は誤解だということが、昔から言われています。

人前に立っている時に引っ張っているだけであって、それ以外のところではすごく悩んでいたり、実は相当に根回しをしていたりします。

こんなカリスマリーダーの人が自分に話しかけてくれるの?という風に、皆が心を揺さぶられているだけの話であって、多くの人の心が揺さぶられてリーダーと言っていただけの話です。

(公財)日本ラグビーフットボール協会 コーチングディレクター 中竹竜二 氏

昔から本当にいいリーダーは、フォロワーシップですね、相当に周囲を支えてきていたはずです。

単に最近になって証拠が出たというだけです。

そもそもリーダーという言い方も、何となく前にいるからリーダーと付けただけの話だと思いますね。

松下幸之助から学ぶリーダー論

琴坂 それはありますね。

確かに経営学の研究などでも、すごくカリスマだ、神様だ、と言われている人物であっても、周囲の人にインタビューをすると、ドキュメントに出てこない細かな行動が徹底していて、ものすごく現場を大切にしていて、コミュニケーションに驚くほどの時間を使っています。

それがないとリーダーとして認められていないと言われていますね。

石川 最近、松下幸之助さんがすごく好きでいろいろ読んでいるのですが、『商売心得帖』という本を知っていますか?

商売心得帖 (PHP文庫)

岡島 知ってる、小さい本でしょう?

石川 小さい本なのですが、この本が滅茶苦茶面白いんです。

松下幸之助さんの本の中では、一番たぶんビジネス寄りの本で、具体的に、こうやって商売をしていくのだということが書いてあります。

その中で、会社の経営者というのは、どのような心づもりでいないといけないかという話が、ほんの1ページくらいで沢山書いてあるんですね。

それを見てなるほどと思ったのが、社員がまだ少ないうちは、自分が先導できると。

だんだん大きくなっていくと、理念や意味などで引っ張ることが必要だと。

一人ひとりと会っていられないですからね。

ただ、社員が10万人を超えてくると、もう話が違ってくると言っているんですよ。

10万人を超えてくると、経営者にできることは一つしかないと。「上手くいきますように、とお祈りをすることしかできない」と。

株式会社Campus for H 共同創業者 石川 善樹 氏

そう書いてあって、そうか最後はそういう心持ちになるのだと思って。

岡島 なるほどね~。

石川 ついでに言えば、日本の一応リーダーたる天皇陛下は、たぶん毎日祈っているんですよ。

国民が健康でありますように、みたいなことを祈っているんです。

だから僕、本当のリーダーは、祈っていると思って。

本当のリーダーは祈っている

中竹 それ、私は真面目にそうだと思っていて、祈りの境地が、たぶん死と向き合う境地だと思っています。

石川 なるほど。

中竹 最後の祈りの境地における、「自分は分かっています、自分がどれだけ駄目かということを」ということです。

これは、前に言った「(リーダーは)正直である」ということと同じだと思います。

スポーツをやっていた方は分かると思うのですが、試合に向けて一年間練習をして、本気で勝つぞと思っているけれど、試合前日の練習を終えた後、試合の日まで何をやるかというと、もうコンディションのために練習をしてはいけないし、祈るしかないわけですよ。

そして祈る時に背伸びなんかしていられなくて、頑張ったと人には言ったけれど、あそこで自分は怠けてしまったとか、最後は自分に正直になっていく。

ただ、勝ちたいと思うのではなくて、ベストを尽くしてくれという境地に行き着くというのが、リーダーが辿る軌跡なので。

石川 分かりました。

「祈り」のようです。この4人の共通見解は。

岡島 人事は尽くさないとだめですよね。全部やってみたうえで祈ると。

石川 あぁ、そうか。人事を尽くしてね。

琴坂 これはすごくいい導入だなと思うのですが、会場の皆さんにも少し考えていただきたいと思います。

このICCサミットというのは、一つの組織のリーダーシップを超えて、産業全体、日本全体、もしかしたら世界全体のリーダーシップというものを考えていく場であると思うのですが、皆さんはそのようなリーダーシップとはどのようなものだと思いますか?

何か、こういうのがあるよ、という人がいましたら、バンバンおっしゃっていただきたいのですが。

(続)

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続きは セプテーニHD佐藤氏が編み出した組織の口癖「◯◯ with Love」 をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/浅郷 浩子/本田 隼輝/鈴木ファストアーベント 理恵

【編集部コメント】

自分もGMATという試験にものすごく苦しんで対策に打ち込んだのですが、まさしく試験前日や直前は、やらなければいけない問題というものもなくなって、あとは淡々と1問1問ベストを尽くして解ければいいなとだけ思っていました。傍から見たら祈っていたのかも…(榎戸)

続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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