7.成長企業で差がつくのは「戦略への納得度」だ(リンモチ 麻野) – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

7.成長企業で差がつくのは「戦略への納得度」だ(リンモチ 麻野)

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「Motivation Clouderが語る「強い組織の創り方」」8回シリーズ(その7)では、フロアからの質問に登壇者がズバリ回答。従業員が拡大し、業務が多様化する成長企業では何に注力するべきなのか。リンクアンドモチベーションの麻野さんは「戦略への納得度」が大事だと解説します。是非御覧ください!

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ICCサミット FUKUOKA 2018のダイヤモンド・スポンサーとして、Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.) 様に本セッションをサポート頂きました。

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
2018年2月20-22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 3A
Motivation Clouderが語る「強い組織の創り方」
Sponsored by Motivation Cloud(Link and Motivation Inc.)

(スピーカー)

青木 耕平
株式会社クラシコム
代表取締役

小泉 文明
株式会社メルカリ
取締役社長 兼 COO

羽田 幸広
株式会社LIFULL
執行役員 人事本部長

(モデレーター)

麻野 耕司
株式会社リンクアンドモチベーション
取締役

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最初の記事
1.組織偏差値「Aランク」の企業が組織創りのノウハウを語り尽くす!

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6.待遇を上げてもモチベーションが上がるとは限らない(クラシコム 青木)

本編


麻野 ここからは会場の質問を受けながら進めていきたいと思います。

「モチベーションクラウド」をまだ使ったことがないという方でも結構ですし、使ってらっしゃる方はぜひ積極的にご質問を頂けたらと思っております。

(会場挙手多数)

このセッションはたくさん手があがりますね。

それでは、そちらの方からお願いします。

会社主導のプロジェクトか、自発的プロジェクトか

質問者1 バーンリペアの藤本と申します、貴重なお話ありがとうございました。

羽田さんに質問です。

著書の『日本一働きたい会社のつくりかた』(PHP研究所)も読ませて頂きました。

羽田 ありがとうございます。

質問者1 プロジェクトをたくさん立ち上げて、そこで従業員の自発性を促すというお話でしたが、メルカリさんのように各自が自分から始めたのか、それとも会社がそういったことをやるぞという形で始めたのか、導入の経緯をお聞きしたいです。

また、プロジェクトから出てきた案を、例えば福利厚生であればそれを実際に導入するのかしないのかという決定をどのようにされているのか、この2点をご教示いただけると幸いです。

羽田 全社横断プロジェクトの創り方については両方あり、たとえば先ほどのガイドラインの改定ワーキンググループであれば、会社主導でやっています。

(写真右)株式会社LIFULL 執行役員 人事本部長 羽田 幸広 氏

一方で、育児介護からの復帰者が働きやすい会社にするというプロジェクトは、社員の提案で上がってきました。

会社としてこれをやって欲しいと話をするのか、社員が独自で提案してくれるのかは、本当にばらばらです。

これの成果とのつなぎ方ですが、基本的には管掌部門長に相談がいくような形になっています。
しかしこれは必ずしもうまくいっているわけではなく、管掌部門長が全然知らずに新しい施策の話が経営会議で上がってきたりして、ごちゃごちゃしている部分もあります。

基本的には管掌部門長に、例えば人事系の話であれば僕に相談がくるようになっています。

質問者1 ありがとうございます。

麻野 それでは次の方どうぞ。

従業員数の拡大とエンゲージメントスコアの相関

質問者2 SmartHRの宮田と申します。ありがとうございました。


宮田 昇始
株式会社SmartHR
代表取締役CEO

SmartHRを開発する株式会社SmartHRの代表取締役CEO。2013年に株式会社KUFU(現SmartHR)を創業。2015年11月に自身の闘病経験をもとにしたクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を公開。提供から2年で導入企業数は1万社を超える。TechCrunch Tokyoをはじめとした数々のスタートアップイベントで優勝実績を持つほか、2018年には経済産業省が推進するユニコーン企業を創出することを目的として「J-Startup」にも採択される。

麻野さんにお聞きしたいです。

よく30名、50名、100名が「組織の壁」と言われると思いますが、モチベーションクラウドさんであれば、おそらくそうしたことも定量化されていると思います。

本当の壁は何名なのでしょうか?

弊社は今50名くらいなのですが、50名と100人の壁では何のエンゲージメントファクターが課題になりやすいのか、もし分かれば教えていただきたいと思っています。

麻野 今僕たちの持っているデータベースで言えば、「従業員数の拡大に伴ってエンゲージメントスコアが下がる」という明確な相関データが出ています。

30人のときに「Aランク」だったら、とにかくそれを維持することが大事になります。

ただし、どの人数になったらガクっと落ちるというのはあまりなく、割と緩やかな低下傾向があります。

当然10人のときに理念を浸透させる難しさと、100人のときの難しさ、1,000人のときの難しさは違います。

ですので、大手企業様で「Aランク」というのはほとんど見たことがありません。

ある意味、だからこそベンチャーが勝てるのだと思いますが、いわゆる人数による「組織の壁」が明確にあるわけではありません。

従業員の「戦略への納得度」を高めよう

麻野 またエンゲージメントファクターについては、人数を境にした要因がある訳ではありませんが、私が主に担当している成長企業で差がつくのは「理念戦略」の部分にある「戦略目標の納得感」という、全64項中の8番目の項目です。

(壇上、手元の紙を見出す)

皆さん自社のデータが手元にあるので見たくなったのだと思います(笑)。

マニアックですが、この項目を含めた5〜8番が「理念戦略」のエンゲージメントファクターに関わる項目です。

5番が「理念の発信」

6番が「理念の現場浸透度」

7番が「戦略目標の共有」

8番が「戦略目標の納得感」です。

最近の成長企業は、このような話題のイベントやセッションも多いので、理念をきちんと設定、発信していない会社は割と少ないです。

そのため、5番と6番は高い。

一方で7番と8番のところ、つまり戦略は発信しているけれども現場と共有できていない、あるいは現場が納得できていないというようなところで、結構差がつくことが多いです。

先ほど冒頭に申し上げた相関度のデータでいくと、これが一番インパクトがあります。

みんなが戦略に納得して実際に動けているベンチャーがあれば、戦略が納得できてなくてなんとなく仕事にも先が見えないとか、上司の言っていることにも納得できないというような会社があります。

株式会社リンクアンドモチベーション 取締役 麻野 耕司 氏

ですので僕がとにかくオススメしているのは、戦略の納得感を高めようということです。

しかしそこのスコアが低い会社の経営者は皆さんこう言います、

「戦略は共有しています。発信しています」と。

それは経営者目線であって、従業員がしっくりくる感じられるようにするのはなかなか難しい問題です。

小泉さんのようにパネルディスカッション形式にして社員にも質問させていたったりしているのは手間がかかりますが、納得感が高まり、だからメルカリは8番が高くなっています。

そうした工夫が、かなり差を出すと思っています。

それでは次の方、どうぞ。

質問者3 福利厚生サービス「オフィスおかん」をやっております、株式会社おかんの沢木と申します。


沢木 恵太
株式会社おかん
代表取締役CEO

1985年長野県生まれ、中央大学卒。フランチャイズ支援および経営コンサルティングを行う一部上場企業にて新規事業開発、ベンチャー企業でゲームプロデューサー兼事業責任者を経て、EdTech領域のスタートアップに初期メンバーとして参画。その後、2012年12月に株式会社おかんを設立し現職。「働くヒトのライフスタイルを豊かにする」をミッションに、法人向けの働き方・食生活支援サービス「オフィスおかん」を2014年3月より運営。累計導入企業数は1,000を突破し、規模や業種を問わず多くの企業で利用されている。その一方で、一般社団法人ワーク・フード・バランス協会の設立や、経営者と総務・労務・人事担当者が集うカンファレンスイベント「Employee Experience Summit」の企画運営など、働き方や働きやすさに関する企業の意識・行動変容を目指して活動している。

我々もオペレーショナルな部門がありますので、非常にクリティカルなテーマでした。

まず麻野さんに伺いたいのは、オペレーショナルな部門のスコアの一般的な傾向です。

また、可能であれば皆さんにお伺いしたいのは、オペレーショナルな部門だと必ずしもセルフモチベートできる方ではなく、どちらかというと利他的でなかったり、能動的でない方もいらっしゃると思います。

そういった方々に難しい仕事を与えるとか、ミッションでモチベートするというのは必ずしも効かないケースがあると思いますが、そういったケースに取り組まれていることがあれば伺いたいです。

事業戦略ごとにフィットする組織特性は異なる

麻野 ありがとうございます。

モチベーションクラウドのファクターでいうと、僕たちはビジネスモデルや事業戦略と組織戦略をリンクさせることが大事だと思っています。

よくある組織開発のセッションで僕がとにかく良くないと思っているのは、事業戦略とのつながりに関する話が少ないことです。

ですので、すごく良いご質問だと思います。

僕たちは、組織を大きく3つに類型化しています。

オペレーター型、これは「仕組み」に強みがある組織です。

プロフェッショナル型、これは「人」に強みがある組織です。

イノベーター型、これは新しく生み出したビジネスをたくさん持つことで安定させる組織です。

必ずしも1つの会社がこのうちの1つというわけではなく、色々な要素が混じり合っていまが、どれを高めるとビジネスに効きやすいか、ということを言っています。

オペレーター型の組織では、一般的には、上司に求めるファクターで言うと「情報提供」を強くすることでうまく回りやすいです。

やるべきことを上司がしっかりと決めて、部下は言われたことをしっかりやるというというように「型」が決まっていると回しやすいので、情報提供が効果的です。

一方でプロフェッショナル型の組織では、上司が「メンバーのプロフェッショナリティは常に高くなくてはいけない」「これはやってはだめ、これはやった方が良い」というのを都度言っていくことが大事で、「判断行動」が大事になります。

逆にこのパターンの組織では、「判断行動」ができない上司はワークできません。

イノベーター型の組織では、メンバーに権限があることが多いので、上司があれやれこれやれと言うのではなく、「情報収集」して会社に提案させたり、「支援行動」をしてメンバーが働きやすい環境を作ったりする上司が必要になります。

同じように職場に求めるファクターで言うと、オペレーター型の組織では「内部統合」できちんと目標が上から落ちていって、それを皆で追うというスタイルや、「継承活動」つまり皆でマニュアルやチェックリストを作ってそれを改善しながら進めていく、というような活動が比較的フィットしやすいです。

プロフェッショナル型の組織では、自社の目標よりもとにかく顧客への貢献が大事ということがまとめやすいので、「外部適応」が求められます。

そしてイノベーター型の組織では当然、「変革活動」が重要です。

このように、どのようなビジネスの方向にするかによってどれを強みとして出すべきかについて、一定の傾向があるかと思います。

ただしこの話は一般論というかセオリーなので、教科書通りにやる必要はありません。

たとえばオペレーター型のビジネスで「変革活動」などを現場でやりきるリクルートのような組織が創ることができれば、他では真似できない域に行くことができます。

しかしこのようなものがベースにあると知りながら目標設定をするだけで、結果はかなり変わってくるかなと思います。

セルフモチベートできない人をどうするか?

麻野 次に、セルフモチベートが効きにくい人をどうするかという点ですが、青木さんの採用のお話にもあったとおり、そこのスコアは採用を頑張ることで結構上がるということもあると思いました。

皆さん、入社してもらった後に社員をどうするか、と考えがちですが、あらかじめ「ミッションに対するコミット感のレベルの高い社員は、これぐらいで十分です」とという人も結構多いです。

青木 1つあるとすれば、モチベーションを重視していない訳ではありませんが「モチベーションに頼らない」というのは、(壇上の)皆さんも重視しているのではないかと思います。

株式会社クラシコム 代表取締役 青木 耕平 氏

「モチベーションがなくてもできるようにしておく」ことの方が、「モチベートすることを考える」よりもはるかに重要で、割と現実的に効果が出ることだと思います。

モチベーションクラウドの前であまり言わない方がいいかもしれませんが、モチベーションって正直いるのかな、と思っています(笑)。

(麻野氏笑)

人間はそもそもそんなにじっとしていられない生き物ですから、仕事場に来てまで怠けたい、という人は本質的にはいないです。

ではなぜ、結果的にモチベートしなければいけない状態が起きているのかというと、「必要な道具が用意されていない」とか、「次に何をすれば良いのか分からない」とか、何らかの条件が欠けていることが原因なのです。

本来はそちらをサポートすることで仕事の成果を上げていくところを、無理やりモチベーションという“麻薬”で乗り越えさせようとさせていることが多いのです。

だから本来は「モチベーションに頼らない経営」が良いと自分では思っています。

これを言っても大丈夫でしょうか(笑)。

麻野 大丈夫ですよ(笑)。

小泉 その話で言うと、弊社は入社1ヵ月半後の面談で入社前のイメージとギャップがあるかを尋ねますが、ギャップはほとんど聞きません。

モチベーションについては分かりませんが、基本、入社前のイメージと同じであれば良いかなと思っていますし、そこに、先ほど触れた「mercan(メルカン)」のようなものは効いています。

基本的に「あのブログを読んでいたので、イメージ通りでした」と言われることが多いです。

羽田 僕も、「(セルフモチベートできない人は)採用しない」と回答しようと思って聞いていました。

採用の段階で、内発的な動機づけに基づいて仕事をする人を採用するというのが一番です。

それでもセルフモチベートしてもらう必要があるときについてお話しします。

先ほどのスコアが40から100になったという話は事務系の部門なのですが、自分のやりたい仕事や自分の成長に対して非常にモチベーションがある人と、そうでもない人など様々な人がいます。

したがって彼らが一番変えていきたいこと、重要視している課題を自分たちで話し合わせて、「内発化」、つまり外発的な動機付けを内発的に変えていくことが大事だと考えています。

自分の意見を出した上で組織が変わって結果が出てくると、メンバーの自己効力感を高めることにつながります。

ということで、できることがあるとすれば、本人たちの意思を問うたり、本人たちに進めてもらうということなのかなと思います。

(続)

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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/本田 隼輝/尾形 佳靖

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