7. 成長企業の人事責任者に必要なのは、運用力ではなく「経営・事業に対する理解」だ(リンモチ麻野氏)【終】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

7. 成長企業の人事責任者に必要なのは、運用力ではなく「経営・事業に対する理解」だ(リンモチ麻野氏)【終】

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「急成長する複雑な組織をどのようにマネジメントするのか」7回シリーズ(最終回)は、会場からの質疑応答と登壇者からのメッセージです。組織に悩む全ての方にぜひ読んでいただきたい内容です。ぜひご覧ください!

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ICCサミット KYOTO 2017のダイヤモンド・スポンサーとして、Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.) 様に本セッションをサポート頂きました。

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18-21日 福岡市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
2017年9月5〜7日開催
ICCサミット KYOTO 2017
Session 2B
急成長する複雑な組織をどのようにマネジメントするのか?
Supported by Motivation Cloud(Link and Motivation Inc.)

(スピーカー)

麻野 耕司
株式会社リンクアンドモチベーション 取締役 /
株式会社ヴォーカーズ 取締役副社長

永見 世央
ラクスル株式会社
取締役CFO

成田 修造
株式会社クラウドワークス
取締役副社長 兼 COO

溝口 勇児
株式会社FiNC Technologies
代表取締役 CEO

(モデレーター)

五十嵐 洋介
KLab株式会社
代表取締役副社長 COO

「急成長する複雑な組織をどのようにマネジメントするのか」の配信済み記事一覧


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最初の記事
1. 急成長する組織の“成長痛”とは?その実例と処方箋を徹底討論!

1つ前の記事
6. マネジメント層の意識統一のための「言語化」と「共有」のポイント

本編

五十嵐 残り時間が10分弱になりましたので、ここで会場の皆さんからご質問を頂こうと思います。

質問者1 自社の悩みにも繋がるところなのですが、売り上げ10倍、100倍、1,000倍と急成長を目指していく中での経営ボード内の成長イメージの摺り合わせをどうすればいいかお聞きしたいです。

また、直近の2、3ヵ年に必達しなければいけない予算以外で、さらなる成長を目指すための戦略のすり合わせの場であったり、実際にそこで出たプランをきちんと管理して進めていくというような、急成長を目指すための役員間の情報の吸い出し方や合意形成をどうされているのかというところをお伺いしたいです。

成長イメージを経営ボード内でいかに摺り合せるか?

五十嵐 遠いゴールに向かってどうやって議論していくかというような話ですね。

各社さんどうされているのでしょうか。

成田 最終的な目標は社長が決めれば良いと思いますし、決めなければ駄目だと思います。

その上で逆算するのでは駄目でしょうか?

(写真右)株式会社クラウドワークス 取締役副社長兼COO 成田 修造 氏

逆算すると20年後にこうだから5年後と10年後はこうなっているはずで、5年後にこうなるためには、来年、再来年、その次はこうなっている。

ということをまず決め、その上でどのように戦略に落とし込むかという議論は日々やっています。

ただしそれをやるメンバーは2人など、私と吉田にプラスして入ってもあと1人などの少人数にしています。

五十嵐 それを、もう1つ下の執行役員くらいのレイヤーと共有したりする場はないのですか。

成田 あります。ただそれは、先ほどの麻野さんの話にもありますが、最終的なゴール自体は、ある程度社長が決めた方がいいと思ってます。

五十嵐 こうするのだということを噛み砕いた数字も含めて落としていくと。

成田 もちろん、決める前のコミュニケーションとしては、いろんな提案を受けつけ、それを社長が理解した上で意思決定すべきだとは思いますが、決めたらそれを落としていく感じです。

また、これらの高い目標それ自体は、達成できたら役員やマネージャーや社員たちにもメリットがある目標のはずなんです。

ただし何がその障壁になるかというと、覚悟だったり、何か達成できない時の脅威だったりに過ぎないので、それをカバーしてあげるのが我々のリーダーシップであり、マネジメントなのかなと、そういう認識です。

五十嵐 力強いですね。ありがとうございます。

質問者1 社長が決めているという形以外でされている会社さんがあれば参考までに聞かせてください。

永見 僕たちは週に1回1時間半、緊急度が低いけれども重要度が高い、もしくは将来重要になってくるであろうということだけを話す、足元の話をしたらキレるというミーティングをしています。

このミーティングはテーマ設定が難しいです。

例えば将来的なM&Aとか技術トレンドをどうやって経営に生かしていくとか、人事の話だと5年後の組織図はどうなっていくとか、ということをあえてブレスト的にディスカッションします。

そこから今のアクションに落とすものもあれば、少し寝かせておくものもあります。

またそれとは別にせっかく色々な議論をしているので中期計画的なものも作ろうと考えています。

そういったところで一定のアウトプットを出してその下のメンバーに共有していこうということをやっています。答えになっているか分かりませんが。

質問者1 ありがとうございます。

「社員に無理を強いる」環境と仕組みをどう作るか?

溝口 冒頭に麻野さんが組織だったら「多産多死」なのか「少産少死」なのかとおっしゃられていましたが、覚悟を決めることが大事だと思っています。

株式会社FiNC Technologies 代表取締役CEO 溝口 勇児 氏

弊社は代表が3人いるので毎週必ずミーティングをして、一番最悪なリスクケースから一番高いシナリオまで対局にあるものなどをよく語り合います。

僕らにとってのリスクは多分その他多くの会社とは異なると思います。僕らの場合は、会社が潰れること毎年10%程度の低成長を5年、10年続けることは同義です。

つまり、我々3人の中では、それは同じ失敗という認識なのです。

そして成功というのはビジョンを実現することしかありません。

ですから戦い方はそこから逆算していきます。

例えば毎年一度程度資金調達していますが、だいたい1年で全部使います。

次に資金が調達できなければ死ぬ、という経営を続けてきました。

これは未上場ベンチャー企業である僕たちだからこそできたことかもしれません。

僕は、野球の野村監督に言われた言葉で非常に印象に残っているものがあります。

それは「良いリーダーは、選手に無理を強いることができる」ということです。

僕はこれは「良いリーダーは選手に本来以上の力を出させる」といった解釈をしました。

では、選手に無理を強いるための環境や仕組みをどうやって作るのか、ということです。

例えば私の場合だと、必ず1年で資金を使い切ることでCFOは一生懸命やってくれます(笑)。

五十嵐 会社がなくなりますからね。

溝口 例えば我々3人はさらにその下にいる人たちにどうやって無理を強いるのか、ということですね。

でもそれでもついてきてくれる状態をどうやって作るのかです。

こればかりを考えています。

自分たち3人だけで死ぬほど頑張れば高みに到達できるのであればそんなに簡単な話はないのですが、残念ながら目指す山が大きければ大きいほど、高ければ高いほどそうはいきません。

それを、多くの人にめちゃくちゃな要求をしなければいけません。従業員だけではなく株主やアドバイザーも含めてどれだけできるかが、最終的な到達点を決めると思っています。

ですから、株主や社員をはじめ、僕たちは、「我々はこういう高みを目指します。覚悟を決めています。けれど自分たちだけではたどり着けません。だから、あなたも手伝ってください。お願いします」と伝えています。

質問者1 とても参考になりました。ありがとうございます。

五十嵐 時間が残りわずかですので、あと1つだけ質問を頂いて終わりにしたいと思います。

質問者2 人事としての立場からお聞きしたいです。

今、色々なマネジメントのお話をお伺いしました。

急成長したりとか、色々なツールが入る事で人事制度が可視化されていったりしていると思います。

そういった中でマネジメントの皆さんから見て人事などの機能に今後どういったことを期待したいのか、またどのような人材が必要かというところをお聞きしたいと思います。

五十嵐 人事に期待することですか。

質問者2 人事の機能、人事の人材としてこのようなものが必要なのではないか、というところをお聞きしたいです。

成長企業には、経営や事業を理解した人事が必要

麻野 やはりこれから成長企業の人事に必要なのは、経営や事業に対する理解だと思います。

株式会社リンクアンドモチベーション/株式会社ヴォーカーズ 麻野 耕司 氏

大手企業であればある程度固定化されたシステムの運用をしていけば良いので、人事に求められるのは運用の側面が強いと思います。

しかし、事業や経営とつなげて考えられるというところがないといけません。

例えば、私たちのモチベーションクラウドのようなツールが現場から要望が上がってきたときに、その要望を社長に直接「社長、こうやった方が良いですよ」と言っても会社は成長しません。

現状と、事業や経営でやらなければいけないということを戦略的につなげていかなくてはいけないので、そのような人事が大事なのかと思います。

僕が成長企業でおすすめするのは、他から人事を採用するよりも、現場で事業や経営をよくわかっている人をもってきてやるのが良いのではないかということです。

その人に人事的なことはモチベーションクラウドさえ入れてくれたら僕たちが教えます、というアドバイスをしています。

最後は冗談としても(笑)、そのように事業や経営に対する理解が大切だと思っています。

五十嵐 現場感がある人事ということですね。

ありがとうございます。

では時間が超過したということなので、以上で終わりたいと思います。

登壇者の皆さんから一言ずつ、急成長に向き合おうとしている皆さんに対してメッセージがあれば簡単に頂けたらと思います。

登壇者からのメッセージ

溝口 貴重なお時間をありがとうございます。

急成長と向き合うとストレスや重圧だらけで、昔の友達に会うと変わったねと言われます。

「悲しい目をするようになった」と言われます。

ただ僕には使命があります。だから頑張りたいと思っています。

皆さん引き続きよろしくお願いします。

成田 確かに僕も同じようなことを言われたことがあります。

急成長するというのは、麻野さんのお話で言う「多産多死」なのではないかと自分も思っています。

結局会社としてどこを目指すかということが重要で、本当に大きく成長するにはそれだけリスクテイクをしてやっていくということなのだと日々感じています。

一方で、それは大きな過ちと罵倒と批判を伴う可能性のあるトライなのだと思います。

だからそれを飲み込みながら、覚悟を持って一緒に成長しきたい、そう思っています。

我々も頑張りますので引き続きよろしくお願いします。

永見 細かいテクニックというよりは、経営者としてその会社をどのようにしていきたいのかということが一番重要ではないかと思っています。

それはビジョンかもしれませんし、組織のポリシーかもしれません。

それをずっと考え続けて、施策のレイヤーでいうと、ずっとPDCAを回していくという話かと思っています。

事業はネット企業でこれだけPDCAを回せるのに、組織人事でPDCAを回せないのはおかしな話です。

ですから1年に1度ではなく、1ヵ月、1週間、もっと言えば毎日というところを愚直に繰り返していくところが大事だと改めて感じました。

ありがとうございます。

麻野 今日は改めて3人の話を聞き、急成長する組織をマネジメントする経営者とは結構大変なんだなと、だからこんなに悲しい目をするようになってしまったのだと分かりました。

(壇上笑)

僕たちの会社の行動指針には「経営者の葛藤や孤独を理解し、夢に共感せよ!」というものがあります。

少しでもこうした悲しい目をしている経営者の支えになれるように愛で包んでいきたいと改めて思いました。

五十嵐 非常に綺麗にしめて頂けて良かったと思いました(笑)。

素晴らしいスピーカーの皆さんに、最後に大きな拍手をお願いします。

ありがとうございました!

(終)

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編集チーム:小林 雅/本田 隼輝/尾形 佳靖/戸田 秀成

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