1. AIでEnd-to-endが主流になってきた自動運転技術

ICC KYOTO 2024のセッション「AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン7)」、全11回の①は、完全自動運転の実現を目指すチューリング 青木 俊介さんが、事業を紹介。自動運転技術の主流は、人間が定義したルールベースの方式から、AIがEnd-to-endで制御する方式へと急速にシフトチェンジしているといいます。モデレーターはおなじみ尾原 和啓さんです。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2025は、2025年2月17日〜 2月20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは Notion です。

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【登壇者情報】
2024年9月2〜5日開催
ICC KYOTO 2024
Session 11C
AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン7)
Supported by Notion

(スピーカー)

青木 俊介
チューリング株式会社
取締役 共同創業者

柴田 尚樹
NSV Wolf Capital
Partner

砂金 信一郎
Gen-AX株式会社
代表取締役社長 CEO

山崎 はずむ
株式会社Poetics
代表取締役

(リングサイド席)

上地 練
株式会社Solafune
代表取締役CEO

小田島 春樹
有限会社ゑびや / 株式会社EBILAB
代表取締役社長

柴戸 純也
株式会社リンクアンドモチベーション
執行役員

武藤 悠輔
株式会社 ALGO ARTIS
取締役 VPoE

(モデレーター)

尾原 和啓
IT批評家
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▶「AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン7)」の配信済み記事一覧

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AIの今を解説する人気セッションのシーズン7

尾原 和啓さん（以下、尾原）　早いもので、この「AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説」は今回シーズン7で、ラッキーセブンです。

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尾原 和啓
IT批評家

IT批評家 京都大学院で人工知能を研究。マッキンゼー、Google、ｉモード、楽天執行役員、2回のリクルートなど事業立上げ・投資を専門とし、内閣府新AI戦略検討、経産省対外通商政策委員等を歴任。現在13職目 、AI変革を描いた「努力革命」（伊藤羊一共著)はAmazonビジネス書にて新着3日連続1位「アフターデジタル」は11万部、元 経産大臣 世耕氏より推挙。けんすう氏と共催のPodcast「ハイパー起業ラジオ」はAppleビジネスカテゴリーで10連続一位
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＜過去のディスカッションはこちら＞

▶【一挙公開】AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説（全8回）
▶【一挙公開】AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン3)（全11回）
▶【一挙公開】AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン4)（全12回）
▶【一挙公開】AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン5)(全13回)
▶【一挙公開】AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン6)（全13回）

毎回ICCサミット最終日の3日目まで残っていただいて、本当にありがとうございます。

このセッションは、2021年に始まって3年になります。

会場の方に質問させていただきたいのですが、もうAIを自分のビジネスで活用しているという方はいらっしゃいますか？　挙手をお願いします。

（リングサイドから手が挙がる）

リングサイドは全員手を挙げるでしょうね（苦笑）。

会場を見ると、やはり増えていっていますね。

では、次のご質問として、AIと自分のビジネスの関係ですが、AIそのものをソリューションとして提供している企業の方はどのくらいいらっしゃいますか？　

（会場を見渡して）あっ、意外とまだですね。

では逆に、今後AIを自分の事業の価値そのものにしていきたいという企業の方はどのくらいいらっしゃいますか？　

あっ、結構手が挙がっています。ありがとうございます。

毎回セッションが進むたびに、AIが夢みたいな話から、いよいよ社会実装期に入ってきているなと感じるのがこのセッションです。

135分と長丁場のセッションで、今回も豪華なスピーカーにお越しいただきました。すごいですよ！

何と言っても、チューリングの青木さんはテスラに追いつき追い越すという自動運転に取り組んでいます。

▶「Turing」は完全自動運転EV車両の量産で、テスラを超える自動車メーカーを目指す（ICC KYOTO 2023）

そして、営業は感情を取り扱うわけですが、感情も含めて人が何を買うのか、買わせるのかみたいなところに、Poeticsの山崎さんは徹底的に取り組んでいます。

▶商談解析AI「Jamroll」から、言語哲学×LLMでAI APIプラットフォームを目指す「Poetics」（ICC FUKUOKA 2024）

そして、NSV Wolf Capitalの柴田さんは、シリコンバレーから今回10年ぶりのICCサミット参加です。

生成AIのエンジェル投資は何社ですか？

柴田 尚樹さん（以下、柴田）　多分50〜60社に投資していますが、そのうち15社くらいがAIの企業です。

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柴田 尚樹
NSV Wolf Capital
Partner

NSV Wolf Capitalにて、パートナーとして、シリコンバレーの新興VCへのファンド投資、スタートアップへの直接投資を担う。エンジェル投資家として50社以上のスタートアップへ投資実績あり。楽天執行役員、東京大学助教を経て、スタンフォード大学の客員研究員として渡米。米国シリコンバレーでAppGroovesを起業。「決算が読めるようになるノート」を創業（2022年に事業譲渡）。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了（工学博士）。著書は『MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣』（日経BP）、『テクノロジーの地政学』（日経BP）
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尾原　すごいですね。今日は最新事例が聞けるかもしれません。

そして、砂金さんはもともとLINEヤフーで日本語のLLMを実際に作って、独自のソリューションまで精力的に取り組まれています。

砂金 信一郎さん（以下、砂金）　LINEヤフーからソフトバンク側に変わってやっていますが、その辺りも後でお話しさせていただきたいと思います。

▶8. 長文要約、文章生成…ここまでできる! 日本語の大規模言語モデル「HyperCLOVA」（シーズン3より）

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砂金 信一郎
Gen-AX株式会社
代表取締役社長 CEO

生成AIに特化したB2B SaaSと業務変革コンサルティングを提供するソフトバンクの100%子会社Gen-AXの代表を務める。業務知識や接遇の高度なチューニングが必要な、カスタマーサポートや照会応答業務の効率化・自動化を、自律エージェントやLLM Opsなどの技術で実現する。 東京工業大学卒業後、日本オラクル、ローランド・ベルガー、マイクロソフトでのテクニカルエバンジェリスト、LINEでのプラットフォーム推進やAIカンパニーCEOを経て現職。2019年度より政府CIO補佐官、その後発足時よりデジタル庁を兼任し、インダストリアルユニット長を兼任。
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尾原　というふうに、今日は135分ありますが、やはり実践が大事ということで、それぞれの方が今AIをどうとらえ、今後どう見立てているかについて、1人30分ずつ順番にお話しいただきます。

そして、リングサイドにいらっしゃる方々もAIの実践者です。

Solafuneの上地さんは人工衛星からの情報をもとに新興国のダイヤモンドなどの採掘状況を解析する技術で、世界を良くしていくみたいな取り組みをされています。

▶衛星データの解析技術で、グローバルサウスの国家プロジェクトに取り組む「Solafune」（ICC FUKUOKA 2024）

そしてゑびやの小田島さんは伊勢にある店舗でDXを徹底して売上を伸ばしています。どのくらい伸ばしたのでしたっけ？

小田島 春樹さん（以下、小田島）　全体だと10倍です。

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小田島 春樹
有限会社ゑびや　代表取締役社長
株式会社EBILAB　代表取締役CEO

1985年　北海道生まれ。大学卒業後、ソフトバンクグループ株式会社入社。 2012年　妻の実家が営む「ゑびや」に入社し、店長、専務を経て2012年に妻家業の食堂ゑびやを継承し、代表取締役社長に就任。 2018年、第二創業でデータ分析事業のEBILABを創業、啓蒙、教育活動を通じてサービス業へのデータ分析、テクノロジー活用の拡大を目指す。 同社の代表取締役CEO。 2018〜2023年　Microsoft MVP （AI部門）連続受賞。 2020年　第3回日本サービス大賞「地方創生大臣賞」受賞。 2023年　KANSAI DX AWARD グランプリ受賞 2019年　グレートカンパニーアワード2019「ユニークビジネスモデル賞」受賞など他多数受賞。
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▶来客予測的中率は90％以上！データドリブンな店舗経営を実現する「TOUCH POINT BI」（EBILAB）（ICC KYOTO 2022）

尾原　10倍に伸ばして、本当に実地でAIを使っていらっしゃいます。

そして、リンクアンドモチベーションの柴戸さんは、AIの力で組織をやる気にさせていく愛のAIをやっていらっしゃいます。

そして、ALGO ARTISの武藤さんは、運輸やエネルギーの分野、世界から大きなコストをかけて運ぶときの計画を最適化していらっしゃいます。

▶ALGO ARTISの「Optium」は、人間の能力を超えた複雑な運用計画を毎日最適化できる（ICC FUKUOKA 2023）

このようにリングサイドには非常に多様な方々がいらっしゃっていますので、どんどん質問をお受けしながらお話ししていきます。

会場の皆さんに、1つだけお願いがあります。

3日目のセッションということで、専門用語が多く飛び交いますので、もしわかりにくいなと思ったら、ちょっと首を傾げてください。

首を傾げている方が何人かいたら、“尾原AI”が即座にわかりやすく説明しますので、ぜひ最前線のAIを堪能していただければと思います。

では、トップバッターはチューリングの青木さんです。

青木 俊介さん（以下、青木）　よろしくお願いします。

「完全自動運転」の実現を目指す、チューリング青木さん

尾原　日本の自動運転はテスラを超えるのか！？　煽り過ぎですかね？

青木　いえいえ、煽っていないですよ。

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青木 俊介
チューリング株式会社
取締役 共同創業者

米・カーネギーメロン大学 計算機工学科で博士号取得。米国では自動運転システムの開発・研究に従事し、サイバー信号機の開発や大手自動車メーカーの自動運転システムの開発に携わる。21年4月、国立情報学研究所 助教として着任し、青木研究室を主宰。 21年8月、将棋AI｢Ponanza｣の開発者の⼭本⼀成とチューリング株式会社を共同創業。 名古屋大学 客員准教授・JSTさきがけ研究員を兼任。MITテクノロジーレビュー『Innovators Under 35 Japan』選出。
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我々は「We Overtake Tesla」、テスラを倒すぞと筆で大きく書いてオフィスに貼っています。

▶We Overtake Teslaという誓いが生まれた背景（note）

テスラはニコラ・テスラ（1856〜1943）という発明家の名前を取って社名にしているな、よし、我々はアラン・チューリング（1912〜1954）という情報学の神様から取ろうと、事業を始めています。

会社の紹介と今我々が取り組んでいることや、AIをどう捉えているかについて、お話ししていこうと思います。

もし皆さんからご質問があれば、どんどんお願いします。

AIのセッションではありますが、もともと私は10年ぐらい自動運転の研究をしていて、アメリカで自動運転車を作っていました。

皆さんも、自動運転の話題で、レベル0やレベル5、レベル4など、聞いたことがあるかと思います。

レベル4までは、決められた条件のもと、特定のエリアで走れますという政治的な枠組みで決められていて、別にこれは技術のトレンドではないのです。

▶自動運転車の定義及び政府目標（国土交通省）

ポケモンは育ったらレベルが3から4、5になるみたいな感じですが、それとは違い、自動運転のレベルは責任範囲と条件をどうするかということです。

我々は今、レベル5（完全自動運転）をどう成し遂げるかというところに、絶賛チャレンジ中です。

▶自動運転事故、刑事責任の基準作成へ　実用化へ懸念払拭（日本経済新聞）

自動運転技術の主流はセンサー＆HDマップ中心の方式

青木　もともと私は、自動運転車のレベル4という特定の領域下を、アメリカで研究していました。

サンフランシスコに行くと、普通に皆さんも、自動運転タクシーのWaymo（ウェイモ）に乗れると思いますが、エリアが限られていて、ここでしか乗れないと決められています。

▶ドライバーがいない？衝撃の完全無人タクシーとは？（NHK）

面白いなと思うのですが、これが他に横展開していかないのです。

なぜかというと、点群といって、LiDAR (Light Detection and Ranging) の反射点を集めて、全部クラウド側に入れて非常に高精度な地図を作っているからです。

▶自動運転実現に必要不可欠なリモートセンシング技術、LiDARとは（ユピスタ）

これが少しでもずれてしまうと、走れないのです。

この地図を構築するのは結構大変ということで、スケールできていません。

尾原　つまり、リアルを見て全部判断しているのではなくて、バーチャル上に緻密な地図（HDマップ）があるから運転できるということですよね。

青木　そうです。

だから地図上で何らかの障害になるような人が座っていると走れないし、どうしようみたいなことが起きています。

運転はハイコンテクストな判断の連続

青木　創業時からずっと考えていたことがあって、それは運転する時に何を考えているのかということです。

運転する人は、実はすごくいろいろなデータベースを持っていたり、道を覚えていたりするわけではなくて、その場で見ていろいろなことを判断するのです。

我々は、運転は「ロングテール（交通環境において頻度が少なく、多様で複雑な状況）」という事象だと考えていまして、縦軸が「発生する頻度」で横軸が「運転の難しさ」です。

左側の画像を見てもらうとわかると思いますが、高速道路や自動車専用道路みたいなところを5,000kmとか10,000kmとか100,000km走ろうが、右側の交通誘導員がタクシー待ちの歩行者に変わったことを適切にマネジメントできるかというと、左側のデータがあっても、右側はできないのです。

そういうところに気づいていまして、この右側のエッジケースをどう解いていくか、我々は3年間くらい開発をずっと続けてきました。

右側は、人間から見ると「そんなに難しいの？」と思ってしまいますが、よく見ると「片側交互通行」と工事看板が出ています。

これは日本語がわからないと、わからないですよね。

その他にも、矢印がどういう意味を持つのかや、信号機が奥にありますが、日本で運転したことのある人には、この信号機の持つ意味合いは誘導棒を持っている交通誘導員によって上書きされてしまっているとわかるのですが、そういう文脈を理解しなければいけません。

かつ、奥を見ると、もう1人の交通誘導員がいます。

この2人は多分連携しているのだなとか、交通誘導員はこちら側の車に気づいていないなとか、結構ハイコンテクストなことを判断しているのです。

自動運転では、これをどうにかしないといけません。

尾原　だから、サンフランシスコに行ったら運転手が乗っていない自動運転のタクシーに乗れるとみんな誤解しているのですが、実は今のウェイモはこういうような状況を人が見ていて、交通誘導員がいるルートは通らないようにしようとか、「オブザベーション」をしているのです。

要は自動運転できる道しか走らないから、完全自動運転ができているということです。

青木　その通りです。

尾原　実はこういうコンテクストに取り組むというのは、めちゃくちゃ難しいところにチャレンジしているということですよね。

青木　そうなんです。まだ我々もできていないのですよ。

できていないから、皆さんも今日、タクシーやバスなどで会場にいらっしゃっています。

本当はICCサミットの会場まで、自動運転のタクシーで皆さんを送ってきてほしいと思ったりしますが。

新世代の自動運転技術の主流はEnd-to-end方式

青木　自動運転は10年ほど前からメディアに出ているので、「まだやってるの？」と思われてしまうので、こういうスライドを用意しています。

左側がいわゆるロボット的なアプローチです。

カメラやいろいろなセンサーがあって、車線認識、標識認識、物体認識や自己位置推定など、一個一個のタスクに落とし込んでいき、それを最後に合体して、これぐらいのレーンが見えていたらここを走りますというルールを膨大に書いていました。

めちゃくちゃたくさん書いていたのですが、皆さんもここ3年ぐらいのGPT-4の出現や絵を描くAIが出てきたのを見て思うと思いますが、今のいわゆる自動運転業界は、こういうことは全て上書きされてしまっています。

右側（AIがEnd-to-endで制御する方式）で今プレーしているのは、テスラとイギリスのWayve（ウェイブ）と、我々チューリング、この多分3社しかないと思います。

▶End-to-End自動運転とは？（チューリング）

テスラFSD12試乗で技術の進化を体感

青木　なぜこういうことが起きているかというと、テスラのFSD12がすごいのですよ。

▶テスラはFSD12で将来の完全自動運転の実現を確信した模様（NewsPicks）

昨日尾原さんと話したのですが、4月にFSD12が出たことを聞いて、僕は1人でアメリカに行って空港で借りて乗ってみたら、「ああ、もうほぼできたな、まずいな」と思って。

尾原　本当にまずいですよね。

青木　まずいですね。まずいというかすごいです。

尾原　すごいです（笑）。

青木　その後、社に持ち帰って、「これはまずいから、みんな行ってほしい」と話したところ、「いやいや、そんなすごくないでしょ」と言うから他のCXOを送り込んだら、「ヤバいです、すごいです」みたいな、遣唐使みたいなことをしていて。

そして何がすごいかというと、ウェイモは呼ぶとタクシーみたいな感じである地点に来てある地点まで送ります。

先ほど尾原さんがおっしゃったように、エンジニアから見ると、「あっ、ここは通らないんだな」「このルートは通らないように設計されているんだな」と思うのですが、テスラのFSD12は普通に工事現場の横も頑張って通るのです。

テスラのFSD12に2日間ほど乗りこんで、人間の私の補助が必要だったのは1〜2回でした。

工事現場で合流のレーンが狭まっていくところでちょっと合流に失敗したのですが、でもこれは下手なドライバーなら普通にやってしまうことですよね。

テスラはまさしくこの左側の感じでFSD12までやってきたのですが、イーロン・マスクの動画を見ると、30万行ぐらいのコードを全部なくしましたみたいなことを、プレゼンで言っていました。

全部ニューラルネットワークでやっているようなことを言っていたので、結構まずいなというところで、今チューリングは走っています。

実はこれに中華系企業は気づいているようだと私は思っていて、中華系企業はソースコードが出てこないのですが、結構似たようなことをやっています。

今、西側諸国ではテスラとウェイブ、チューリングの3社であると、国際的にも認知が取れてきたかなと思います。

（続）

編集チーム：小林 雅／原口 史帆／浅郷 浩子／戸田 秀成／小林 弘美