【NEW】ICC サミット FUKUOKA 2025 開催情報詳しくはこちら

1. AIのソリューション最前線を語り尽くす135分!

ICC FUKUOKA 2024のセッション「AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン6)」、今回も最先端の技術が紹介されます。全13回の①は、本シリーズ初登場、衛星データと機械学習、AIを活用しソリューションを提供するSolafune上地 練さんが事業を紹介。グローバルサウスの政府機関に技術を提供しているその内容とは? モデレーターはおなじみ尾原 和啓さんです。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2024は、2024年9月2日〜 9月5日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは Notion です。


【登壇者情報】
2024年2月19〜22日開催
ICC FUKUOKA 2024
Session 11C 
AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン6)
Supported by Notion

(スピーカー) 
砂金 信一郎
LINEヤフー       
生成AI統括本部 新規事業準備室 室長(登壇時)
現職:Gen-AX株式会社
代表取締役社長 CEO

上地 練
Solafune
代表取締役CEO

西脇 資哲
日本マイクロソフト
コーポレート戦略統括本部 業務執行役員 エバンジェリスト

武藤 悠輔
ALGO ARTIS
取締役 VPoE

(リングサイド) 
柴戸 純也
株式会社リンクアンドモチベーション
執行役員

土田 安紘
AWL
取締役CTO

都筑 友昭
DROBE
執行役員VP of Advanced Tech Delivery

山崎 はずむ
株式会社Poetics
代表取締役

(モデレーター) 
尾原 和啓
IT批評家

「AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン6)」の配信済み記事一覧


AIのトレンドが分かる人気セッションのシーズン6

尾原 和啓さん(以下、尾原) ICCサミットは盛り上がって、もう3日目、最終日でございます。

朝9時から集まっていただき、本当に皆様ありがとうございます。


尾原 和啓
IT批評家
作家

京都大学院で人工知能を研究。マッキンゼー、Google、iモード、楽天執行役員、2回のリクルートなど事業立上げ・投資を専門とし、内閣府新AI戦略検討、経産省 対外通商政策委員等を歴任。現在13職目 、近著『アフターデジタル』は11万部、元 経産大臣 世耕氏より推挙。『努力革命』(伊藤羊一氏との共著)は 24年6月最も買われたChatGPT関連本

AIの最新ソリューションや技術トレンドということで、ありがたいことにシーズン6ですね。

<過去のディスカッションはこちら>
【一挙公開】AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(全8回)
【一挙公開】AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン3)(全11回)
【一挙公開】AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン4)(全12回)
【一挙公開】AIの最新ソリューションや技術トレンドを徹底解説(シーズン5)(全13回)

初回は3年前のICCサミット KYOTO 2021で、まだまだどちらかというと深層学習の文脈で始まりましたが、あれよあれよという間にAIがブームになりました。

これだけの豪華なスピーカー、リングサイドの方々、そして何よりも最終日の3日目の朝に135分の長丁場にもかかわらず、セッションを聴きに来てくださった方々、本当にありがとうございます。

3日目の朝から、こういうセッションに来ているということは、お好きな方ですよね(笑)。

ということで、基本的にはAIが好きな人が、好きな形で盛り上がっていく形です。

会場の皆さんに、1つだけお願いがあります。

セッション中、もしちょっと難しい単語が出たり、分からないなという時には首をかしげてください。

そうすると僕が検知して、今喋ったことはこういうことですと翻訳していきます。

逆に言えば、スピーカーの方もリングサイドの方も、普段使っていらっしゃるバリバリな専門用語でガンガンに発言していただければと思います。

ちなみに、毎回冒頭にしている質問があるのですが、今回観客の方々で、実際にAIをビジネスに活用している方はどのくらいいらっしゃいますか?

(会場を見渡して)おっ、半分ぐらいまで増えたようですね。

では、ちなみにAIを作る側です、ソリューションを提供する側ですという方は、どのくらいいらっしゃいますか?

(会場を見渡して)あっ、結構増えましたね。濃くなっていますね。

砂金 信一郎さん(以下、砂金) 「AIを作る」というのは、定義が難しくないですか?


砂金 信一郎
LINEヤフー株式会社
新規事業準備室 室長

東工大卒業後日本オラクル、ローランド・ベルガー、マイクロソフトでのテクニカルエバンジェリスト、LINEでのプラットフォーム推進やAI事業立ち上げ経験等を経て現職。

尾原 なるほど。

砂金 GPTのAPIを使って、AIを組み込んだプロダクトを作っている方と言うと、もう少し増えると思います。

尾原 確かに。そういう方は手を挙げてください。

砂金 いらっしゃいますか? あっ、でもそんなに変わらないですね。

尾原 あとで西脇さんから、リアルな数字が出てきますけれどね。

今回は、基本構成を少し変えますが、ちなみに前回までのシリーズを1回でも聴きに来られた方はどのくらいいらっしゃいますか?

(会場を見渡して)あっ、意外と少ないですね。

ということは、AIに関心を持つ人が増えているということなので、ありがたいことですよ。

今日は、スピーカーの方々に、どのような事業をしていて、AI事業としてどのような取り組みをし、どのような課題があるのか、お話しいただきます。

その上で、リングサイドから質問で深めていったり、スピーカー側からも深めていったりしたいと思います。

あともう1つ、日本マイクロソフトの西脇さん、LINEヤフーの砂金さん、ALGO ARTISの武藤さんは何回か登壇されていますので、お三人の観点から見た最新トピックを紹介いただく形で進めたいと思います。

135分とは言え全然時間が足りないので、では早速上地さんから、ご自身の事業をご紹介ください。

Solafune上地さんはChatGPTを使って事業紹介

上地 練さん(以下、上地) Solafuneの上地と申します。よろしくお願いします。


上地 練
Solafune 
代表取締役CEO

University of California, Berkeley (カリフォルニア大学バークレー校) 応用数学科。在学中にシードからレイターステージまで、スタートアップを中心にソフトウェアエンジニア、データエンジニアを勤める。2019年にIoT領域を中心にシード・アーリーステージの会社に投資を行うベンチャーキャピタルABBALabにてアソシエイト職に従事。2020年に「Hack The Planet.」をミッションに衛星データ解析事業を行う株式会社Solafuneを創業し代表取締役CEOに就任。2021年に衛星データ解析技術の開発でMicrosoftと、2023年にStable Diffusionを提供するStability AIとの協業を発表。ICC 2023 Fukuoka スタートアップカタパルト準優勝。Deep Tech Venture of the Year 2023 Japan 受賞。

私も例にもれず、今日何を話したらいいか、ChatGPTに聞いてきました。

尾原 (笑)

上地 ライブで出力しながら話せればと思いますが、文字が小さすぎますか?

(と、画面に出力した回答を見せる)

尾原 これくらいだったら見えますよ。

上地 ありがとうございます。

簡単に言うと、今日はICCでこういうセッションがあるんだけれど、何を喋ったらいいかなと入力して、ChatGPTがこういう最近のトレンドを話したらいいよと返してきたものです。

尾原 ああ、でもやっぱりグローバルっぽいですね、後半の内容が。

上地 衛星事業をしているので、どういう話をしたらいいか聞いたら、タイムキーピングまでしてくれて、こういう内容で話すようにと返してきました。

これをもとに構成したプレゼンテーション資料を作ってきたので、後ほどお見せします。

あと今日は質疑応答がリングサイドからあると聞いたので、“UechiGPT”というものを作りました。

尾原 おお!

上地 上手く機能するかどうか、分からないですが。

尾原 皆さんから来た質問をここに入れると、UechiGPTが代わりに答えてくれるのですね。

上地 はい。

最初にSolafuneの事業がどういうものかイメージで出力してくれと頼んだら、こういう感じで出てきました。

衛星データの解析技術で、グローバルサウスの国家プロジェクトに取り組む「Solafune」(ICC FUKUOKA 2024)

尾原 カッコいい!

西脇 資哲さん(以下、西脇) こんな感じですよね。当たっていますね。


西脇 資哲
日本マイクロソフト株式会社
業務執行役員 エバンジェリスト

日本経済新聞で紹介されたIT「伝道師/エバンジェリスト」。  2013年には日経BP社から “世界を元気にする100人” にも選出。  1996年から13年間、日本オラクル株式会社にてマーケティング担当として従事し、現在はマイクロソフトにて多くの製品・サービスを伝え広めるエバンジェリスト。講演や執筆活動も行い、IT 企業だけでなく、製造業、金融業、官公庁から小学校、中学校、高校や大学でのプレゼンテーション講座を幅広く手がける。著書に「エバンジェリストの仕事術」、「プレゼンは “目線” で決まる」、「新エバンジェリスト養成講座」など。  TOKYO FM 「エバンジェリストスクール!」パーソナリティー、J-WAVE「GLOBAL BUSINESS CHARGE」ナビゲーターを務める。

上地 こんな感じで人工衛星を使って、地球を見ています。

簡単にテキストで説明してくれと入力したら、長い文章が出てきたので、日本語にしますね。

西脇 「日本語にしてください」を、日本語で書かないんですね。

尾原 「make it in English」になってますね。

上地 ああ、すみません、日本語があんまり。

……日本語にしてください、と。(“UechiGPT”に入力する)

いい感じですね。

尾原 いい感じですね。

……これ、もしかして喋らずに、ずっとこのままプレゼンする形ですか?

(一同笑)

西脇 多分4倍くらい出てきますよ、これ。

尾原 (笑)

上地 読んでいただいて、ざっくりこんな感じですね。

尾原 内容は、本当にこれでずれていないんですか?

上地 はい。領域は鉱業とか農業とか、出ていますね。

ChatGPTさんがそう言ってらっしゃるので、そうなのかなとは思うのですが。

ここからは、何をやっているのか、僕自身がお話しできればと思っています。

尾原 はい。

衛星データ解析でソリューションを提供するSolafune

上地 我々は、人工衛星が取得している地球の観測データを扱う技術を開発しています。

衛星データの解析という、そもそも衛星データというデータを扱う領域と、機械学習やいわゆるAIと呼ばれるような領域を合わせて、ソリューションを作っているイメージです。

私はもともとカリフォルニア大学バークレー校で、応用数学を専攻していました。

簡単に言うと、世の中で起こることを数式にしていくみたいなことを研究していたのですが、物理現象を数式化していくにはデータをトラッキングしないといけないので、センサが必要です。

一番マクロなセンサは何かと考えていたら、人工衛星もセンサの一つではないかということで、衛星データを解析する技術を発展させたいなと思い、今の事業にたどり着いています。

メンバー構成は結構グローバルで、日本人のほうが少ないチームです。

研究開発をリードしているのは、カリフォルニア工科大学でPhDを取得した惑星物理学者のPushkar Kopparlaという者で、そういうメンバーが所属している会社です。

そもそも衛星とは?

上地 そもそも衛星とは何か、それをどう使っているのかという構成でお話しできればと思います。

簡単に言うと、衛星は人工的に地球の周りを飛んでいる物体です。

遠い軌道もあれば、近い低軌道もあって、たくさん飛んでいます。

尾原 カッコいい!

上地 この数が急激に、ここ5年ぐらいで増えています。

衛星の小型化、ロケットの打上げコストの低下、スマホやタブレットの普及などによってセンサ類が非常に安くなったことが、衛星の数が増えている理由です。

西脇 あと、イーロン・マスクのせいですよね?

上地 そうです。……おかげ?

尾原 おかげ、おかげ。

西脇 おかげ。言葉を間違えました(笑)。

尾原 能登では、すごく助かったから。

能登半島地震で「スターリンク」が役に立った 被災時での「通信確保」の今後を考えた(東京新聞)

上地 我々が扱うのは、地球観測衛星という部類の衛星です。

衛星にセンサが搭載されて、それが色々な地球のデータを取得していて、Google Earthで見るような、写真で広範囲に撮っているデータもあります。

それ以外にも、レーダー衛星、物体の波長を見るハイパースペクトルセンサ、あとは赤外線センサなどで、大気中の二酸化炭素濃度や海面のクロロフィル量といったものまで取得できるようになってきています。

Solafuneは、そういったデータを解析して、ソリューションにしていくスタートアップと認識いただければと思います。

私たちのお客様は政府機関で、特に宇宙産業がない国向けにソリューションを提供させていただいています。

ターゲットにしているのは、グローバルサウスと呼ばれる、中東、アジア、アフリカ、南米のような地域です。

(続)

編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美

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