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「カオスからの自己組織化とは?」ビジネス×スポーツ×宗教×科学の異種カオス討論(3)【K16-5C #3】

ICCカンファレンス KYOTO 2016 において大好評だった「最高の成果を生み出す チーム作りの方法論」【K16-5C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!3回シリーズ(その3)はカオスを組織に適用する為のランダムネスやダイバーシティ、そしてカオスからの自己組織化について議論しました。果たして議論はまとまるのか?!是非御覧ください。

ICCカンファンレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級の招待制カンファレンスです。次回ICCカンファレンス FUKUOKA 2017は2017年2月21〜23日 福岡市での開催を予定しております。

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登壇者情報
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016「ICC SUMMIT」
Session 5C 
最高の成果を生み出す チーム作りの方法論 

(スピーカー)
石川 善樹
株式会社Campus for H 
共同創業者

川上(全龍)隆史 
宗教法人 春光院 
副住職

川邊 健太郎 
ヤフー株式会社 
副社長執行役員 COO

中竹 竜二 
(公財)日本ラグビーフットボール協会
コーチングディレクター

(モデレーター)
小林 雅 
ICCパートナーズ株式会社
代表取締役

その1はこちらをご覧ください:「理不尽を作り出せ!」ビジネス×スポーツ×宗教×科学の異種カオス討論(1)
その2はこちらをご覧ください:「究極的にはNO REASON」ビジネス×スポーツ×宗教×科学の異種カオス討論(2)


カオスの状態を作り出す

石川 そういう意味では、最初の方で理不尽の話をしましたけれど、生きるか死ぬかという気持ちを常に持てていると成長度は高いのでしょうか?

中竹 理不尽と言うと、なんとなく理屈があっての話ですが、コーチングの世界で言うとカオスな状態だと思うのです。

アンストラクチャーな状態か、きちんと整頓された状態か、というのはちゃんとコーチングの中では分けて考えています。

そして、いかにそのカオスな状態へもっていくかというのが、今のコーチングの一番のトレンドなのです。

やはり昔から、テニスにしろ、サッカーにしろ、ちゃんとボールがあって、1on1があって、ちゃんとした型を覚えるための整頓されたドリルの方が効率的だった。

これは製造業もそうです。

ドリルの方が人を進化させて、ステップを踏めて良いと言われていたのですが、実はこれは本当の勝負では使えないということがある。

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そもそもテクニックとスキルというのは違います。

テクニックというのは、自分の身体を使ったちゃんとした動作のことです。

対して、スキルというのは状況判断を伴うので、それはやはりカオスでアンストラクチャーな状態でなければダメなのです。

これはもう名前もついています。

ブロックトレーニングとランダムトレーニング。

この二つをバランスを取って入れるのが、今コーチングで大事だと言われていることなのです。

石川 そのことで少し思い出したのですが、最近スポーツの研究でビックリするものがありました。

これはもうビックリしすぎて思わず「おお」と言いました。

何かと言うと、まさにランダムネスの研究です。

バスケットボールのフリースローで3メートルの距離からのシュートというのはありますでしょう。

これが、3メートルの距離からずっと練習するよりも、1メートルや5メートルと距離を変えて打つのを繰り返した方が、結果3メートルの距離からのフリースローが入るようになるらしいのです。

つまり、3メートルの距離からの練習を繰り返した人と、ずっとランダムでやった人の比較ですね。

川邊 普通3メートルからやりますよね。

石川 そう。でもそこは揺らした方が良いらしいのです。

またほかの研究ですが、同じフリースローでも、実際やった場合と頭の中でイメージするだけの場合での比較で、これは効果が双方で変わらなかったというのです。

それくらい人の脳というのは騙されるのだと思いました。

また、その関連ではなくて別の研究で見たのですが、筋トレについても実際やるのとイメージだけでやるのと効果が違うかという研究がありました。

これも効果が一緒らしいのです。

川邊 では筋トレしなくて良いということですか。

石川 実際しなくても、イメージで「うー、重い」とやっていると筋肉というのは育つそうなのです。

たぶんイメージと共に筋肉もブチンブチンと切れてるんでしょうか?(笑)

川邊 石川さん、これは研究者としてどの程度まで信じていいのですか。

石川 にわかには信じられませんが、そういう研究が1個2個出てきているのは確かです。

こうした意味でもバイアスにとらわれているなと思う。

ランダムにやった方が結果成長が早いというのは今の僕のホットトピックで、中竹さんのお話を聞いてやはりそうなのだなと思いました。

中竹 しかし、こういうのもわかってきたのは最近なのです。

そんなに昔から言われているわけではありません。

ただ、研究機関としての製造業との連携が大きかったですね。

いかにモノを作っていくか。

これもスキルを積み重ねていくよりも、1人が一気に作った方が早い場合もある。

そういうトレーニングをスポーツ界と連携して研究していくうちに最近わかられてきたということなのです。

小林 ICCカンファレンスを運営しているスタッフもボランティアスタッフで普段は違う仕事をしているのですが、突然これをやれとか、たとえば突然司会をやれというと、人は結構成長するのです。

2、3日で結構大きく成長します。

環境を変えるとか、普段と接する人を変えるとか、それだけでも人は大きく変わりますね。

これは当たり前と言えば当たり前ですが、まったくこれまでの経験に関係なく配置されていますので、そうしたランダム性ある機会での学びというのは大きいように思います。

【参考情報】
ICCカンファレンスではボランティアスタッフを募集しております。

ダイバーシティ(多様性)の重要性

川上 前に石川さんと進化論の話をした時も似たことを言っていましたね。

バラエティというかダイバーシティがあった方が良い、と。

つまり、多様性というのは進化の決定的な証拠だということです。

特殊性ではなくて多様性ということですね。

これは個人の段階でもそうです。

ランダムにやらせることで、多様性が身につくわけでしょう。

何かに特化してこれだけやっていれば良いということになってくると、やはり崩れてしまうということになってしまうのでしょうね。

石川 ですから、多様な人に会った方が良いとは思います。

世の中は意外と狭いですねと言うようになったら、それはおそらく会う人が限られているということでしょう。

僕は今日、生まれて初めての経験をしました。

今日は僕、福岡から来たのです。

博多から京都へ新幹線に乗って来ました。

最近、昭和20年代、30年代の日本人がどのような暮らしをしていたのかという研究をしていて、ハッと隣を見たらどう見ても80代くらいのお婆さんが座っていたのです。

これは当時のことを知っているのではないかと思って、話しかけました。

するとすごくいろいろ教えてくれたのです。

僕は反省したのですが、この80代、90代の人たちはもういなくなってしまいますでしょう。

今話を聞いておかないとすごく損をすると思いました。

ですから、僕はこれからまた東京に帰りますけれど、隣にお爺さんお婆さんが座っていたら、絶対また話しかけようと思っています。

意外と向こうも、話しかけたら答えてくれるのだということをすごく学びました。

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川邊 やはりチームにダイバーシティがないとモノづくりはできないですね。

この間も、ティーンエージャーにヤフー・ジャパンをもっと使ってもらうにはどうすれば良いかという会議をしていたのですが、いろいろな議論の中で今ウチはアプリシフトに注力しているのでのですが、いろいろ話を聞いていったらティーンエージャーは結構アプリをダウンロードしていないという結論だったのです。

18禁とか16禁のアプリが結構多いので、WEBを使っている。

この1年くらいティーンエージャーに使わせるためにアプリだと盛り上がっていた我々は何だったのでしょうか。

会議に1人子どもがいたら、「そんなもの使わないですよ」と言ってくれたはずです。

ですから、チームにダイバーシティがないと滅ぶなと思いました。

石川 それはおもしろい話ですね!

川邊 そう、みんな勝手にやっていたのです。

小林 バイアスがかかっていたわけですね。

川邊 ですから、画一的にしていると滅びますね。

特にインターネットのようなグローバルプラットフォームですと。

中竹 ダイバーシティということだと、ちょっとした配置転換だけでも良いかもしれないと思います。

たとえば、ラグビーというのはいわゆるフォワード陣とバックス陣で全然やることが違うのです。

まるで別な競技だというくらいです。

そこで、ツアーのある日突然、おデブなフォワード陣たちに今日は全員バックスになれよと言う。

逆に細身のアスリート系なバックスに、スクラムを組ませたりする。

コーチも、スクラム担当のすごく良いコーチを、いきなりキックのコーチにしたりします。

そうした普段やらないことをチーム内でやるだけでもすごく新鮮です。

川上 特に最近はすごくバイアスのかかった世界にいると思うのです。

検索しても自分の都合の良いサイトしか出てこないし、FACEBOOKにしろアルゴリズムがそうなっていますでしょう。

そして、最近のTED Talkの中で、何かの話を見ていた時に、全人類の歴史の中で今もっともバイアスにかかっているし、すごく両極端にもなってきているということが言われていました。

その時にどうしたら良いかとなると、やはり自分と違う、普段会わない人と話すということは大切になってきます。

つまり、いかに自分というものを多様化させるということが重要になってくると思うのです。

経営者との禅問答

小林 ありがとうございます。

それでは残りも少なくなってきたので、会場からのQ&Aに移りたいと思います。

では、そちらのfreee 佐々木さん、どうでしたか。

石川 まずこれは、好きか嫌いかを聞きたいところですね。

川邊 この話が好きだったか嫌いだったか。

質問者1 好きでした。

石川 中竹さん。これはどうですか。プロの目から見て本当ですか、ウソですか。

中竹 これはウソですね(笑)

石川 佐々木さん、見抜かれていますよ(笑)

質問者1 でも、その好きか嫌いかに振れ過ぎても、たぶんダメでしょう。

そこのバランスはどう取るのですか?

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佐々木 大輔
freee株式会社
代表取締役

全自動のクラウド会計ソフトfreee フリー)を運営するfreee株式会社の代表取締役。学生時代、インターネットリサーチ会社インタースコープ(現在は合併を経てマクロミル)にて、新しい調査手法の開発に従事。卒業後は博報堂を経て、投資ファンドのCLSAキャピタルパートナーズに参画し投資アナリスト、その後レコメンドエンジンのスタートアップであるALBERTにてCFOと新規レコメンドエンジンの開発を兼任。この後Googleで、日本およびアジア・パシフィック地域での中小企業向けのマーケティングチームを統括し、同地域での中小企業におけるオンライン広告プロダクトの浸透に大きな実績を残した。2012年7月freee株式会社を設立。一橋大学商学部卒。専攻はデータサイエンス。

中竹 今のはすごく良い質問で、そのダメとか良いとかというのをなくすのです。

好きとか嫌いということを喋っていることに対して、良いとか悪いとか言いだすと、言い過ぎては悪いとかそういうふうになってくる。

石川 バランスという言葉が出ている時点で、カオスには行かないということの表れですよね。

中竹 そうです。

そして、好き嫌いの話をすると、みんな「なんで」と聞くのです。

でも、究極的には理由は答えられないものなのです。

だって、好きなのですから。

ここまで行った方が良いですね。

小林 No Reasonですか。

中竹 そうですね。No Reasonです。

質問者1 それでもチームはまとまりますか。

中竹 まとまります。

それに、今また「まとめる」という「良い」の方向にとらわれているでしょう。

良い方向へ行こうなどと思わない。

小林 禅問答ですね。

質問者1 こうなると何を言ってもヤバイとなりますでしょう。

どうすれば良いのですか。

川上 ヤバイとか言い出している時点で完全にとらわれているので、とりあえず言ってみようの世界ですよね。

たとえば、禅問答の段階で入る前に3回連続で鐘を鳴らされるようになる時もあるのです。

足音でわかると言われる。

そうなった段階で、僕は始まる前に中に入って鐘を盗んでいたのです。

それで向こうがあたふたしているところへ入っていった時がありました。

禅問答とチーム作り

小林 なるほど。ありがとうございました。

では、次に禅問答を受けたい人はいますか。

それでは質問家のマツダミヒロさんへ聞いてみましょうか。

質問家という職業をされているマツダミヒロ(松田充弘)さんです。

川邊 プロじゃないですか。

小林 プロなのです。

それでは何か質問がありましたら。

質問者2 とりあえず、今の話好きでした。

これは質問ではないですね。

中竹 あ、これは結構本当ですね。

質問者2 本当です。

今僕が感じていたのは、答えは出さなくて良いのだということです。

小林 かなり雑談でしたからね。

川邊 雑談でした。

質問者2 それがすごく真実だなということを感じました。

質問は、僕は禅問答にとても興味が湧いたのですが、「禅問答でチーム作りに最も活かせるものは何だ?」という質問があるとしたらどんなことを答えますか。

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松田 充弘 (マツダ ミヒロ)
マツダミヒロ事務所 代表取締役

東北芸術工科大学デザイン工学部卒。
カウンセリングやコーチングの理論をベースに、自分自身と人に日々問いかけるプロセスを集約し、独自のメソッドを開発。質問するだけで、魔法にかかったようにやる気と能力が引き出され、行動が起こせるようになることから、「魔法の質問」と呼ばれる。講演や、雑誌、テレビへの出演も多数。ニューヨーク国連本部の学校をはじめ世界各国の学校や企業で講演を行う。『賢人たちからの運命を変える質問』(かんき出版)『しつもん仕事術』(日経BP社)他30冊を超える著書がある。

川上 ランダム性はもちろんなのですが、聞いてあげるということですね。

質問をするということなのだと思うのです。

人間は質問をしてもらっているだけで信憑性が湧くと思うのです。

何か気にかけてもらっているのだというところがあると思うのですよ。

ですから、コーチングというのは、先ほども出ていましたが「どう?」と聞くだけでも良い。

たとえば、マインドフルネスを教える時に、マインドフルリスニングというものがあるのです。

会場に、今これだけ人がいます。

そして、いきなりペアを組ませて、1人2分ずつ時間を与えるのです。

そこで聞く方は、本当に徹底的に聞くだけです。

でも、人間というのは面白い。

人間は1分間に225の単語しか喋れないのですが、聞く方は500語聞けるのです。

すると、その穴を埋めようとして275の単語を自分でいろいろ考えてしまう。

でも、それをやめろと言うのです。

「ただ聞く」ことの重要性

川邊 ただ聞け、と。

川上 そう。ただ聞く。

変な質問などを考えない。

会話をしている時に、我々の頭の中は次にどうしようとか考えていて、正直パニックなのです。

雑談というのはそういう状況でしょう。

でも、それをやめて、聞くことに徹底しろということなのです。

そして、徹底してもらっているのだと感じるだけで、人間というのは安心してどんどん喋るようになる。

そういうのがおそらく組織づくりに使える禅問答ではないかと思うのです。

聞いてあげるということ。

100%集中して聞く。

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川邊 それはウチの社長の宮坂が同じような話をどなたかから聞いて、感銘を受けた時、僕に「川邊、ただ聞くというのをやってみろよ。お前では絶対無理だよ」と言ってきました。

何かこれに対してこう言ってやろうとかしてしまうけれど、ただ聞くというのはすごく難しいからやってみろ、と。

そう言われたことがあります。

川上 でも、人間としては難しいのです。

275の単語のギャップがあるわけですから。

川邊 でも、聞かれている方が、ただ聞かれている方がより安心して喋れるということですね。

川上 自然に出てくると思うのです。

石川 最近、家に帰ると家内が「ダイニングテーブルを置こうと思う」というような話をして、僕はただ聞いていたのですが……聞いていなかったみたいですね。

「興味ないでしょう!」と言われました。

一生懸命聞いていたのですが。

川邊 バレていたのですね。

石川 やはり、ただ言葉を聞くのではなくて、興味を持って聞かないとダメなのだということでしょう。

川上 やはりそうですよね。

小林 松田さん、この話を聞いて何かありますか。

質問者2 やはり質問に関して、関心を持って聞くというのとただ聞くというのはすごく大きな差がありそうですね。

石川 松田さんはすごいのです。

この間、僕と松田さんで対談していて、この人は本当にプロの質問家だなと思ったことがありました。

まず、モデレーターの方から自己紹介をどうぞと言われたのですが、突然「自己紹介とは何だ?」という問いから始めたのです。

それでなかなか自己紹介をしなくて、さすがだと思いました。

【参考情報】
「自己紹介とは何か?」を2016年3月24日に行った対談で議論しています。こちらをご覧ください。

小林 なるほど。それでは次の質問へいきましょう。

前回(2016年3月24日)のICCカンファレンスの特別対談「未来は過去の延長線上にしかないことを知ってしまう40歳の絶望」でブレイクしたココナラ南さん お願いします。

質問者3 ココナラの南です。今日5つ目のセッションでこのようなカジュアルなセッションで楽しく聞けて良かったです。

小林 好きですか?

質問者3 大好きです!

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南 章行
株式会社ココナラ
代表取締役

1975年生まれ。名古屋市出身。1999年に慶応義塾大学経済学部を卒業後、三井住友銀行に入行。2004年1月に企業買収ファンドのアドバンテッジパートナーズに入社、5件の投資・経営に関わる。休職し、2009年に英国オックスフォード大学MBAを修了。帰国後、ファンドでの業務の傍ら、音楽を使った若者向け社会起業プログラム、NPO法人ブラストビートの設立を主導した他、NPO法人二枚目の名刺の立ち上げにも参加。2011年アドバンテッジパートナーズを退社し、自ら代表として株式会社ウェルセルフ(現株式会社ココナラ)を設立。「一人ひとりが『自分のストーリー』を生きていく世の中をつくる」というビジョンを掲げ、知識・スキルの個人間マーケットプレイス「ココナラ」を運営している。

小林 これは本物ですか。

中竹 これは本物ですね(笑)

質問者3 今日、話の中でアンストラクチャーとか、ランダムとか、カオスとか、ダイバーシティとか、一人一人違うのだとか、あえてストラクチャーされていないのだというところが比較的キーワードに出てきたと思います。

そこであえてラグビーネタでかぶせて行こうと思うのですが、この前日本代表のキャプテンだった広瀬さんと話をしていて、彼がチームをまとめられた要素というのをいくつかお聞きしました。

その中で、外国人も合わせてすごく君が代の練習をして、君が代の意味までちゃんと伝えてやっていたということや、あるいはチームソングを作ったらしく何かあったらみんなで一緒に歌を歌うという話がありました。

このように、あえてランダムということとは逆に、みんなが同じ何かをやるとか、同じ何かを持つとか、共通の何かを意図的に作りにいくことの良さとか、そこにひそむリスクとか、そういった視点からご意見、あるいは面白い話などいただけると嬉しいです。

アンストラクチャーな状態からストラクチャーな状態へ戻ることの大切さ

中竹 素晴らしい質問ですね。

まさに先ほど言おうかなと思ったところなのですが、実は目的を間違えてしまうことがあるのですが、コーチがランダムやカオスのトレーニングをやると良いと思ってやるのですが、「なぜ」を忘れてしまうことがあるのです。

強いチームはなぜそのように練習をして強くなるかと言えば、実はアンストラクチャーな状態から自分たちだけの綺麗なストラクチャーな状態へもっていくトレーニングをやっているのです。

だから強くなる。

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アンストラクチャーな状態でトレーニングをしてアンストラクチャーなままチームが終わる練習は、練習ではないわけです。

石川 やはりこれも雑談で終わってはいけなかったということですね。

川邊 カオスから自己組織化しなければ。

中竹 そう。ですから自分たちだけのアイデンティティとなる歌を作るとか、ルールを作っていくとか、ワードを作っていくというのは大事なのです。

つまり、何かあった時にアンストラクチャーな状態からストラクチャーな状態へ戻るトレーニングをやったチームが勝つということであり、アンストラクチャーなチームが勝つわけではないのですね。

だから、トレーニングの場でアンストラクチャーな状態やカオスを作るというのが大事なのです。

日本代表の場合など特にそうで、エディ―・ジョーンズなどは常にアンストラクチャーなことや理不尽なことを投げかけます。

その中で選手たちがどれをキーワードにして、フックにして戻ろうかということをいろいろなパターンでやったのが、今回勝った要因だったと思います。

川邊 この質問が出て良かったですね。

中竹 いや、本当です。

小林 これがIndustry Co-Creationです。

共に創るのです。

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川邊 それも委ねていたということですね。

この場がまとまるかどうかも。

小林 はい。狙い通りです。

カンペに「あと5分、まとめ」と書いてあるので、まとめなければならないのですが、どなたかまとめてくださる方いらっしゃいませんか。

石川 絶対いるはずです。

これだけの人数がいるのですから。

川邊 でも、どうでしょう。

今の再構築のような話は禅ではあるのですか。

川上 再構築と言いますか、確かにバラバラにはなるのですが、バラバラになった時最終的に出てくるコンセプトが、「ワンネス」という全てが一つだという考え方になってくるのです。

それが最終的にもってくる形になる。

川邊 質問とか答えとかではない、と。

川上 ええ。もう自分も他もないし、自分が繋がり合っている全部の組織の一部なのだから、自分が失敗しようが成功しようがそんなのはあまり関係がないということです。

小林 なるほど。それでは最後にまとめて行きたいと思うのですが、誰から行きましょうか。

これもランダムに行きますか。

石川 これを順番に話してしまうと、ますますカオスになる気がしますね。

川邊 言いたい人が言う、と。

小林 どう締めたら良いか分からなくなってきたので、中竹さんに最後まとめていただこうと思います。

中竹 テーマは、「最高の組織を作る」というところだったと思います。

そして、準備の話から始まりましたね。

おそらくここにいらっしゃるみなさんは経験された方が多いと思うのですが、たぶん日々やっていることというのはアクシデントばかりでしょう。

それに対応した組織が勝つのだろうと思っています。

そのようにみなさんやっていらっしゃるでしょう。

僕自身もそうですが、今日ここへ来たのも、普段会わないような人たちがたくさんいて、普段聞かれないような質問をしてもらえるというのがすごく良いことだと思ってのことです。

先ほどの話でも出ましたが、やはりどっぷり浸かった場ですと集中して「ああ、良い議論だな」と思うのですが、一旦俯瞰してそもそもこの場がどうだったか見てみる。

これは良いとか悪いではなく、心地良かったか、好きだったか。

あの質問に関してはあまり好きではなかったな、とか。

このように俯瞰して今の議論を見ると、また別の次元で自分がカオスだったかどうか見られます。

しかも、カオスな状態から戻れたか考えられると思うのです。

僕自身も今日はしっかり振り返って、心地良かったかどうかも含め、考えてみたいです。

そして、みなさんとはこの後、またお時間もあると思いますのでどんどん話しかけていただいて、無理難題な質問をしていただければ、我々にとって全員嬉しいことだと思います。

小林 すごく良いまとめでしたね。

それでは最後に、このセッションが好きだったという方は手をあげてください。

(全員 挙手)

川邊 無理やりな感がありますけれど。

小林 無理やりな感ありますね。

川邊 でも嬉しいですね。

小林 それではみんな大好きだったということで、大きな拍手で終わりにしたいと思います。

ありがとうございました。

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(終)


最後に今回登壇した方のセッションの記事もオススメです。是非ご覧ください。

石川 善樹さんと中竹 竜二さんの対談
・ゾーン(究極の集中状態)に入るための3つのステップ。「ストレス」「リラックス」「集中」人間がコントロールできるのは『今』しかない。全員がそれを理解・実践できるようになるだけでチームは変わる
川上 (全龍)隆史 さんのインタビュー
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編集チーム:小林 雅/石川 翔太/榎戸 貴史/戸田 秀成

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